ウェールズの守護聖人であるデイヴィッド、ウェールズ語で "Dewi Sant"の 名前を冠した"City of St. David" の人口は約1,600人、面積は46.4㎢:小川の流れる樹々に囲まれた土地に大聖堂があり、その上の丘に村サイズのセイント・デイヴィッドの街がある。
前記事で紹介した遺跡は、「ビショップの宮殿 "the Bishop's Palace"」:守護聖人デイヴィッドの大聖堂の川を挟んだ隣にある。ビショップ・ヘンリー・ド・ガウアー (Bishop Henry de Gower) の宮殿には住居棟、大宴会場や付属のキッチンなどが解説付きで展示されている。
12世紀に法王が聖デイヴィッドへの2回のお参りは、ローマへのお参りの1回分に相当すると発したため、当時の西洋世界の一大巡礼地となったのだそうだ。新たに建立された大聖堂に比して、ビショップの住居はあまりにも劣っていたが、1328年から1347年の間に、ビショップ・ヘンリー・ド・ガウアーは「使用人と家畜に適した」建物を巨大な宮殿に建て替えた。
だが、この宮殿は建て替えられた時点が最盛期で、その後次第に落ちぶれてしまい、現在は屋根の無い枠組みだけが残る姿になっている。「壕」の様に見えると前記事で書いたが、1階部分の天井/2階部分の床が屋根の役割をしている場所には当時の村の生活が見える展示があり、下のハープの様な楽器を奏でる人物像もその一つ:ちなみにこのハープは、アイリッシュ・ハープ/ケルティック・ハープと呼ばれる11世紀頃から知られている楽器の原型に近いのではないかと思われる。
ビショップの宮殿を見学後、お昼ご飯のために上に上がり、セイント・デイヴィッドの小さな村へ行く。旧い建物をおしゃれに使ったカフェやレストランが目ぬき通りに並んでいる。
大胆な色使いも面白い。犬を連れた散歩中の人も多い。
腹拵えも済み、いよいよ St. Davids Cathedral訪問:(2021年現在は水曜日から土曜日までの10am - 3pmの間、個人の祈りと瞑想のためだけに開けられている。土曜日のユカリストはフェイスブックとユーチューブを通して実施されていると言う。)
入場料は少額だが必要:入って直ぐ目に入るので、この作り直されたローズ・ウィンドウの姿。なかなかお目にかかれるものではない。
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