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NO.1627 民主党の「言わずと知れた真実」と「気弱な弱小ブログ」

 昨日のエントリーで、民主党は「『企業の国際競争力の強化」を基本とし、『消費税を含む抜本的な改革に取り組む』という表現で消費税増税の方針を打ち出した。まるで自民党と変わらない、財界要求丸抱えのマニフェストだ」と書いた。

      テンバイ3400

 昨夜のニュースでは、「消費税増税は明記しない」事になったと報道されていた。姑息な選挙対策である。
 NHKニュースウォッチ9は、「財政が大変だから増税も仕方ない」というインタビューの声を流しながら、ちゃんと「消費税増税の議論をすべきだ」という論調で報じていた。ボケが!!「増税やむなし」論に国民を誘導するメディアの論調にはあきれ返って力が抜けそうになる。

増税では選挙に勝てない

 消費税増税で選挙に勝った政党はない。
その歴史を若干振り返ると、

○1978年 第1次大平内閣時に、一般消費税導入案が浮上。総選挙の結果を受け撤回せざるをえなくなった。
○1986年 第3次中曽根内閣時に、売上税法構想。中曽根首相(当時)は86年の衆参同時選挙で、「大型間接税はやりません。この顔がウソいう顔にみえますか」と大ウソをつき、選挙で自民党が圧勝するや、売上税という名前の大型間接税導入にまっしぐら。翌87年のいっせい地方選挙で自民党が惨敗し、売上税導入断念に追い込まれた。
○1988年 竹下内閣時に、公約にもない消費税法を強行。(12月30日公布)
○1989年 4月1日 消費税法施行 税率3%。同年の参院選では、当時の日本社会党が消費税反対で圧勝した。
○1994年 2月細川内閣で税率を7%とする国民福祉税構想をだしたが、世論の批判で即日白紙撤回においこまれた。
○    年 村山内閣は地方消費税の導入と消費税の税率を引き上げ(4%→地方消費税を合わせて5%)、社会党は次の選挙で壊滅状態になった。
○1997年(平成9年)4月1日、橋本内閣が5%増税を実施。翌年の参院選で大惨敗して内閣はつぶされた。

姑息な選挙対策

 以上、見てきたとおり消費税はお腹の中ににいるときも、生まれた時も5%へ成長した時も、国民から祝福されたことはない日陰者なのだ。歴代政府・与党が国民をごまかし、国民の審判から逃げて強行してきた公約違反の税制だ。この暗い生い立ちの歴史を見て、民主党も「増税を明記しない」と選挙対策上したに過ぎないのだ。

 したがって、「明記」しようとするまいと前言は変わらない。

 民主党は「より信頼できるマニフェストを示す」と言うが、公約破りの総括も反省もなく、「公約を破って公約を作る」愚である。

 そこには、民主党の基本的な政治姿勢がある。それは第一に、5兆円にも上る軍事費、なかんずく最大のムダである米軍への「思いやり予算」にメスを入れられない対米従属政治であり、第二には、大企業・大資産家への優遇税制にもメスを入れることができない大企業優遇政治である。


 ところで、最初にNHKの報道とメディアの姿勢を批判したが、あきれ返って力が抜けそうになるブログ論調もある。

「言わずと知れた真実」

 「マスゴミ」批判に熱心な方がおられる。
植草一秀の『知られざる真実』は「マスゴミ情報工作に惑わされてはならない」「偏向メディア=マスゴミは、昨年9月の鳩山政権発足時点から、一貫して鳩山政権攻撃を展開し続けてきた」とおっしゃる。
 そして曰く、

 沖縄の普天間基地返還問題での優柔不断さ、官僚天下り根絶の手ぬるさ、企業団体献金全面禁止の不明確さなど、鳩山政権に対する不満は少なくない。

 ①対米隷属からの脱却、②官僚主権構造の打破、③大資本と政治権力の癒着排除、が政権交代を通じて実現すべき三つの課題であると考えるとき、鳩山政権のこれまでの歩みは、政権交代を実現させた主権者国民の期待に十分応えるものではない。
・・・・
 政権交代によって実現を目指す三つの課題は、これまでの自民党政治のアンチテーゼである。自民党政治は、①対米隷属、②官僚主権、③大資本との癒着に、基本特性があった。
・・・
 この現実を踏まえるなら、次期参院選で民主党を中心とする勢力を勝利させ、①対米隷属からの脱却、②官僚主権構造の打破、③大資本と政治権力の癒着解消、を実現させることを求めてゆくしかないということになる。

そのために、民主党には上記三つの課題に対する明確な約束を政権公約に明記することを求めなくてはならない。同時に、この三つの公約を明示する他の政党を支援することが必要だ。

 なるほど、①と③については、微妙に違うも当道場の基本的立場であり賛成できる。
しかし、民主党政権が上手く行かないのは、「マスゴミ」のせいというより私には民主党が公約を破り、その政策が、エコノミスト先生の期待からはかなく乖離していくところに問題があると思うのだが・・・。

 植草氏は、自民党初めたけのこ新党などはその立場(①~③)にないとことごとく切って捨てる。そうだそうだ!それも賛成だが・・・、次のようにおっしゃる。

他方、党内民主主義が確保されていない政党に国政全体を委ねようと考える主権者は少ないだろう。

 名前は控えたようだが、最も近い政治スローガンを掲げ、本来政府がやるべきことを行動に移しているが、日本共産党だからお嫌いのようである。残ったのは「反響」「反共」のみ!

 そして次のように結ぶ。

主権者国民は、マスメディア自身が利権複合体の一部であり、この利権複合体の利益を優先して情報誘導している現実を正しく認識しなければならない。

現在の民主党、鳩山政権を絶対視することはできないが、この民主党を軸に政権を維持させるなかで、主権者国民のための政治実現を目指す以外に、現実的な選択肢はないと考える。

この意味からも、参院選に向けて民主党には、①普天間問題での米国に対する毅然とした姿勢、②天下り根絶に向けての法改正公約、③企業団体献金全面禁止法制化の公約、の明示を求めてゆかねばならない。

 うう~~ん!?
 米国に物言えず、普天間基地の移設先探しに迷走しドツボにはまり自公政権時代の路線に回帰、「政治とカネ」からは逃げ企業・団体献金は党本部に集める強権的再編、大企業優先で法人税減税を語り、消費税増税を求める・・・。その他挙げればキリがない数々の公約破り・・・、だからこそ支持率も下がっている。この民主党の「現実を正しく認識しなければならない」と思うのだが・・・。民主党の「言わずと知れた真実」を前に、あれほどの沖縄県民の声すら聞こえないふりをして踏みにじる民主党に期待は届くのだろうか。。
 
 梯子を外され、振られてもなお恋慕う姿は哀れでもある。
私の見立てでは、民主党は、政権交代への国民の期待を裏切り、既にルビコンを渡っているのだ。

 誤解のないように一言付け加えるならば、私はメディアの鳩山政権へのネガティブキャンペーンを容認するものではない。普天間基地問題にしても、政局視点からの報道が中心で、ではどうしたらいいのか真剣に検証して問題を提起する姿勢はほとんど見当たらない。ジャーナリズムの劣化もはなはだしい。


 最後に私も先生のアジを見習って。
「主権者国民は、」アメリカに物言えず、財界大企業にへつらい、「二つの政治悪」の病巣におかされどんどん公約を破る民主党の「現実を正しく認識しなければならない。」
 
これこそ最後に、お断り。
「また植草批判か」という声もありましょうが、彼はプロですから、その「知られざる真実」を明らかにし問うのは、政治ブログシーンの貧困を憂える「気弱な弱小ブログ」の心意気と思ってください。
 先生を慕う生徒さんたちは、焦眉の政治課題をますます口にしにくくなっているようですが・・・。


参考:
  ■NO.1625 公約破りの「公約」 民主党参院選マニフェスト
       http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1701.html

  ■NO.1064 消費税  二十歳の誕生日
       http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1013.html
         
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テーマ:民主党・鳩山政権 - ジャンル:政治・経済

2010.05.15 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・民主党批判Ⅱ

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