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4206.jpgスギナハバチ類の産卵。茨城にて。

ノコギリ状の産卵管を植物組織に挿入して産卵する。ハバチの産卵管は、一般的なハチとは異なり外敵に反撃するようにモディファイされていないので、これを武器として使うことはできない。

ハバチは外見もハチらしくなければ、刺すこともできないので、基本的にナメられている虫である。普通のハチ類は英語でナントカwaspかカントカbeeと呼ばれるのに、ハバチだけはsawfly(ノコギリバエ)と呼ばれる。ハチの範疇にすら入れてもらえていない。日本でも、アシナガバチに色彩の似たハバチの一種に、ハチガタハバチなる和名が付けられているほど。ひどくねーか。

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精霊

4208.jpg隣界に存在する特殊災害指定生命体。対処法1、武力をもってこれを制圧する。対処法2、デートして、デレさせる。

4209.jpgトビイロケアリLasius japonicus。茨城にて。

冬眠明けの大掃除の最中。

4205.jpgスギナハバチの一種Dolerus sp. 。茨城にて。

オスクロだと思うが、酷似した種が多いため素人が区別すべき仲間ではない。シダ類をメインホストとするシダハバチ亜科の仲間。スギナハバチの仲間はその名の通り幼虫がスギナを食すが、一部被子植物を食うものもいるようだ。

4204.jpgメスは胴体が赤い。多数のオスが取り巻いていた。

精霊

4202.jpgずっと探し続けていたもの。

東日本の某有名産地に何度出向くも、発見できた試しがなかった。「湿地にいる」と教科書的には言われるのだが、同属近縁種に比べて明らかに乾き気味の所にいる。「ぬかるんではいないが、カラカラに乾いているわけでもなく、しかも適度に草が生えている開けた場所」が生息環境らしい。そんな環境、河川敷や湖沼の岸辺に行けば無限に広がっているため、探すポイントが全く絞れない。この仲間の中では一番外見が地味で見劣りする種かもしれないが、発見難易度は最高。それだけに、思い入れが強い種でもある。

2年かかって、思わぬ場所で見つけることができた。ああいう環境が好みなんだな。

4201.jpgアゲハチョウPapilio xuthus。茨城にて。

アゲハの仲間は季節により、形態が変化する種が幾つかいる。春型は小型で迫力に欠けるが、色彩にメリハリがある。夏型は巨大だが、春型よりも色彩がくすんで大味な雰囲気。やはり春型が美しい。どこにでもいる蝶だが、世界的に見ればほぼ東アジアの特産種であることを考えると、結構貴重な生物に思えてくる。

地べたに止まって、日光浴を兼ねた吸水をしている最中。春先、アゲハのみならずギフチョウの類も午前中は地べたに止まって体温を上げる。蝶の撮影マニア連中の間では、ギフチョウは地べたにただ何の能もなく止まっているよりは、カタクリの花に来ている姿の方が写真的に価値があるらしい。しかし、俺は個人的にカタクリに来ているギフチョウよりも地ベタリアンのギフチョウの方が、人生の中で遥かに見覚えがあるため、それを撮影する方を好む。地べたにいる姿だって、自然本来の姿なのだから、どちらの姿を撮影する方が優れているということもあるまい。

以前、鳥を撮影する人から聞いた話だが、鳥撮影マニアの間では、川にダイブして魚を捕るヤマセミの写真に「格付け」が存在するらしい。アブラハヤみたいな小魚を捕らえた写真は下の下で、アユになると品格が上がり、最上級はイワナだという。事実ならば心底バカバカしい。鳥が何食ってようが、ありのままの自然の姿なら何だっていいだろ。
むしろ、意図的にアユやらイワナやらを食う写真撮りたさに、鳥に餌付けするだの本来その川にいない魚を放つだのの行為のほうが、よほど有害だ。そんなことまでして、鳥の写真なんて撮るものではない。そこまで落ちぶれた写真家になど、なりたくないものだ。

4200.jpgよくわからんゾウムシ。茨城にて。

苔むした地表を多数徘徊していた。見るからに飛ばなそうな体形。

4199.jpgヒミズUrotrichus talpoides。茨城にて。

道際に落ちていた。生きてる姿を見たかった。

地上に住む我々がモグラの仲間の姿を見かけるのは、大抵死んだ状態である。古の人は、モグラが太陽の光に弱く、たまたま地上に出てきたときに日光を浴びて死んだのだと解釈していた。それに対し、大概の動物図鑑などでは「地上では餌が採れずに餓死してしまう。その結果を見ているに過ぎない」として、上述の説を否定している。

事実、モグラの仲間は体の代謝が激しく、常に物を食い続けていないと体温が冷え切り、死んでしまう。そして、地上で動きの不得手な彼らが効率よく捕獲できる獲物も少ないため、地下に戻れなければ遅かれ早かれ死ぬことになる。だが、実の所彼らは餓死する前に、他の肉食獣に見つかり嚙み殺されているのだ。肉食獣は、目の前にモグラが歩いていれば本能でこれを捕らえて噛み殺す。だが、モグラの肉には独特の悪臭があるため、殺しはしても食わずに放置していく。だから、死体だけが残される。

この写真の個体も、体表をよく見ると明らかに何者かが噛んでできたであろう毛羽立ちが見られる。

4197.jpgメスアカケバエBibio rufiventris。茨城にて。

春先にみだりに多い。ただのハエ(本当は蚊)だが、拡大すると意外にかっこいい。

精霊

4196.jpg恥ずかしながら、生まれて初めて見た。どんな昆虫図鑑にも例外なく載っているのに、なぜか俺の目の前にはウン10年間頑なに姿を現さなかった者。正直、実在すら疑うレベルだった。

もし何の事前情報もなく、いきなりこれを見つけて捕らえた日には間違いなく発狂し、学術的に極めて顕著な発見としてNatureに論文すら書いたであろう。この生物は実在したと。

ただしタガメ、てめーだけはこの世に絶対に存在しない。

4195.jpgツツハナバチの一種。茨城にて。

春先に竹筒に営巣する。腹部の白帯の発達具合から見て、シロオビかコツノのどっちかだろう。

4194.jpgセアカクロバネキノコバエSciara thoracica。茨城にて。

この仲間としては大型。春先に林縁で見かける。

4193.jpgトラフコメツキであろうコメツキ。茨城にて。

春によく見かける。

4191.jpgチビマルトゲムシ一種。茨城にて。

苔の生えた地面に多数いる。

4192.jpgマルトゲムシ。茨城にて。

おそらくドウガネツヤだろう。マルトゲは勝手に寒冷地・高山帯の虫のようなイメージを持っていたため、平地の都市公園で見つけた時には我が目を疑った。
この仲間の甲虫は、死ぬと脚のフ節が畳まれてしまい、外見上認められなくなることが多い。かつて図鑑でこの仲間を見た際、昆虫としては異例の「脚にフ節がない分類群」なのだと本気で思った。まるで、管理の関係上すべて脚を切断されている極楽鳥の標本を見た人が、この鳥は死ぬまで地上に降りない生物なのだと信じていたが如き滑稽さ。

4190.jpgコオイムシAppasus japonicus。茨城にて。

ものすごく久々に見た。

4189.jpgかっこいいカワゲラ。茨城にて。

沢の源流付近にいた。尾肢がない種。

4188.jpgなぜか出歩いている個体を発見。黒紫色の、強靭な体躯。もともと地中で土木工事して暮らしていた仲間だけのことはある。

4187.jpg今日も失敗した。

撮影にもたついている間に、どんどん気候が温暖になってきてしまい、ただでさえ素早い動きがもはや対応不可能なスピードになりつつある。今年はもうダメかもしれない。

4186.jpgマグソコガネAphodius rectus。茨城にて。

河川敷に落ちていた犬の古グソに来ていた。

4185.jpgビロウドツリアブBombylius major。茨城にて。

春先に現れる毛玉。こいつの飛ぶ姿を如何に美しく撮影するかに腐心するのが、この時期の虫マニア共の懸案。

4184.jpgヒメマルカツオブシムシAnthrenus verbasci。茨城にて。

乾物や衣服、そして昆虫標本を食い荒らす、虫マニアの宿敵。何で察知するのか、わざわざ貴重な珍種の標本から選んで食いやがる。

4183.jpgムラサキシジミ。茨城にて。

翅を開いた姿を撮影するのが、非常に面倒かつ難しい。モノ自体は身近な市街地の公園にいるが、昨今のゴミカス疫病に伴う移動自粛の向きから、公園は行き場をなくした人間共でごった返しており、落ち着いて虫の撮影もできなくなってしまった。

4182.jpgシャクガの一種。茨城にて。

ツマキリ系の何かだろう。後になってこの個体の後翅の色が、左右非対称なのに気付いた。

4181.jpgルリシジミCelastrina argiolus。茨城にて。

珍しく低い所で吸蜜していた。クロヤマアリが邪魔しに来た。

4178.jpgヒメハナバチの類。茨城にて。

例のゴミクソ疫病のせいで、今年予定していた遠征の全てをキャンセルせねばならなくなった。身の回りでは、もうこんな春の虫が出ているというのに、どこにも行けない。他の虫マニア連中のSNSでの乱獲自慢を、ただただ指咥えて眺めるだけの日々が無限に続く。

マジでコロナ死ね。お前という存在を、少しでも原始的かつ野蛮な手段でいたぶり殺せるなら、俺は悪魔に魂すら売る。

4177.jpg俺もお前も今日はしくじったな。

4179.jpgアリグモの類。茨城にて。

アリとは生態的に何の関係もない。ただ外見が似ているだけ。

4180.jpg苔むしたケヤキの樹皮に取り付いていた幼虫。4mm程度。

茨城にて。

4175.jpgキノボリトタテグモConothele fragaria。茨城にて。

日本の本土に分布するトタテ御三家(キシノウエ、キノボリ、カネコ)の中では、野外での捕食シーンを撮影するのが一番困難と思われる。今なお満足いくカットが得られない。

トタテの捕食を野外で撮影するなら、早春に限る。肌寒いこの時期の夜間、奴らはそれでも獲物を待ち伏せて狩りを行うのだが、寒くて機敏な動きができないためか、温暖期に比べて一連の狩りの行動に「遊び」がある。巣から飛び出すスピードは高速だが、その後獲物を脚と牙で捕縛して、それを巣内に引きずり込むまでに、明らかに手間取る。この傾向が一番顕著なのがカネコで、警戒心が割と弱く、また一旦警戒して巣に引っ込んでも比較的短時間でまた上がってくる。
しかし、キノボリは寒冷状態でも意外と動きのスピードが落ちない。巣が垂直面にしかないので、撮影時にしばしば無茶な体制を取らねばならない。警戒心も非常に強く、一度引っ込まれると容易に機嫌を直さないなど、撮影しやすい要素が何一つない。やっと一枚それらしいカットを撮ったが、あくまでもそれらしいカットでしかない。

しかし、キノボリの扉は多くの個体で、巣の扉の上にさらに扉がついているように見える。キシノウエでこういう状態の巣を見た覚えがないのだが、どういうことだろう。