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矢差が蛸かまきり

4139.jpgヤサガタコカマキリStatilia apicalis。石垣にて。

4140.jpg八重山に分布するコカマキリの一種。日本産カマキリの中では、遭遇がかなり難しい部類。南西諸島において、近縁種スジイリコカマキリはよく見かけるが、こちらは滅多に見かけない。強風の夜中、鬱蒼としたチガヤ草原の根際を3時間ほど掻き分けた末に、たまたま出た。
見つけて嬉しいっちゃ嬉しい虫だが、本当は同じ環境に生息するサシガメ2種を探していて、それは掠りもしなかったので、諸手挙げて大喜びするほどではない。

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4137.jpgヒメアマガエルMicrohyla okinavensis。石垣にて。

南西諸島ではごく普通。小型のカエルで、日本最小種。そこらの水たまりで、ガタタッガタタッとけたたましく鳴く。口が小さいため、ほとんどアリかシロアリしか食っていないらしい。その意味では、好蟻性脊椎動物の範疇に入るだろう。
今更、これがジムグリガエル科ではなくなっていたことに気づいた。

4138.jpgトゲサシガメPolididus armatissimus。石垣にて。

鬱蒼としたチガヤ草原の根元をかき分けて匍匐前進していれば、そのうち出てくる。全身棘だらけのハリセンボンみたいな奴。本当はこれとは別のサシガメを探していたのだが。

4135.jpgワモンゴキブリPeriplaneta americana。石垣にて。

※痛恨のミス、コワモンゴキブリP. australasiaeでした。教えてくださった方、ありがとうございます。

どこにでも現れる。

4136.jpgアシヒダナメクジLaevicaulis alte。石垣にて。

殻を持たない海生の巻貝に近縁。荒れた環境でよく見る。寄生虫がいるので、素手で撫でくり回すのは危険。

4132.jpgヤチグモ一種。石垣にて。

洞窟で見た、体色の薄い種。しかし眼は退化しない。日本産の洞窟性ヤチグモ類で、眼が完全に退化するのは沖縄本島にいる1種のみ。

4134.jpgタカサゴシロアリNasutitermes takasagoensis。石垣にて。

樹上にスズメバチのそれに似た巣を構える。兵隊はイチヂク浣腸みたいな頭を持ち、ここから粘性の高い防御液を放って敵と戦う。
テングシロアリの仲間は世界中の熱帯に広く分布し、それらの巣をぶち壊すと珍奇な形態の好白蟻生物をわんさか採ることができる。しかし、日本のこいつの巣をぶち壊しても、悲しいほど何も出て来ない。分布域の端に位置する個体群なので、居候の種類相も必然的にしょぼいらしい。

4131.jpgホソミアシダカグモHeteropoda simplex。石垣にて。

巨大。フィールドの至る所に出没する。

4133.jpgヤマシログモScytodes striatipes。石垣にて。

人間が荒らした環境で見ることが多い。口から毒の投網を吐きかけて獲物を捕らえる事で知られる仲間。国内での分布は広いことになっているが、南西諸島以外ではまず見かけない。なお、南西諸島産の個体群をS. striatipesとしない説がある模様。

4130.jpgヤエヤマサソリLiocheles australasiae。石垣にて。

多い場所には多い。海岸から森林地帯まで広く生息する。毒性が問題になった例は知られていない。

4128.jpgタイワンサソリモドキTypopeltis crucifer。石垣にて。

森林に夜間、掃いて捨てるほど現れる。

4127.jpgヤエヤマエダナナフシ。石垣にて。

4129.jpgイシガキモリバッタTraulia ornata。石垣にて。

森林に住む地味なバッタ。通常よりもえらく黒ずんだ個体。

精霊

4123.jpg隣界に存在する特殊災害指定生命体。対処法1、武力をもってこれを制圧する。対処法2、デートして、デレさせる。

4126.jpgアシナガサシガメの一種。石垣にて。

鬱蒼としたチガヤ草原の根際にいる。恐らくミナミアシナガサシガメであろう。細すぎて見づらい。

4121.jpgハダカアリ。宮古にて。

工事現場や乾いた赤土の広がる空き地など、鳥肌が立つほどクソつまらない、他の虫など何もいない荒れ果てた環境で見かける。ハダカアリは近年分類が変更され、かつてハダカアリと呼ばれた種は3種に分かれた。恐らくこれはトゲハダカアリと思われる。

4120.jpgハイイロテントウOlla v-nigrum。宮古にて。

南西諸島に近代侵入した、外来種のテントウムシ。同じく外来種の樹木ギンネムに付く外来種ギンネムキジラミを食う。ギンネムは侵略的外来種として問題になる樹木であるため、これを痛めつけるギンネムキジラミは益虫と呼べる。だから、それを食いまくるこいつは生態系破壊を助長するクソ害虫ということになる。

4124.jpgウデナガサワダムシTrithyreus siamensis。宮古にて。

クモの親戚筋に当たるヤイトムシの仲間は、熱帯・亜熱帯ではありふれた土壌動物の一群である。日本には4種知られ、林床の石下や洞窟内で見出される。その中でもウデナガサワダムシは、地下性の傾向が割と強い種のようである。

4125.jpgヤエヤマアメイロアリNylanderia yaeyamensis。石垣にて。

湿った森林の石下に営巣する。微少ながら美しい種。

精霊

4109.jpg隣界に存在する特殊災害指定生命体。対処法1、武力をもってこれを制圧する。対処法2、デートして、デレさせる。

3990.jpgクロオオズアリPheidole susanowo。西表にて。

3993.jpg林縁の石下にコロニーがあった。マイナーワーカーは体表がツヤ消し調で、曇りガラスの趣がある。メジャーワーカーは黒っぽいブギオオズアリ(ナンヨウテンコクオオズアリ)に見える。生息密度は低く、あまり見かけない。

種名がカッコいい。日本産アリ類には、分類学者の意向からか日本神話からとった種名を持つものが少なくない。

4110.jpgタイワンマツモムシEnithares sinica。与那国にて。

池やよどんだ川におり、場所により個体数は多い。いつも水面下にさかさまに張り付いているが、ビビらすと高速で深いところに潜り、中層付近で後脚を痙攣させつつホバリングするように停滞する。本土のマツモムシをビビらせて、こんな仕草するのを見たことがないのだが。

精霊

4111.jpg隣界に存在する特殊災害指定生命体。対処法1、武力をもってこれを制圧する。対処法2、デートして、デレさせる。

4112.jpgヨナグニアシナガアリAphaenogaster rugulosa。見た場所など書く意味もない。

そこの固有種。もう一種ここ固有の近縁種クロミアシナガアリがいるが、なぜかこいつは俺には見つけられない。

ヒメアギトアリというアリは、かつては石垣島の固有種と考えられており、採集例の少なさも相まって環境省レッド種になっている。第一次の頃からリスト入りし、今なお載ったままだ。
しかし、今や本種は沖縄の4島で分布が確認されているほか、そもそも生息環境が大概の虫マニアが見ようともしない乾燥した荒れ地である。単に探す目で誰も探さないだけの潜在的普通種であり、事実上絶滅危惧種として扱うべきでない種と考えざるを得ない。
このレベルの種を絶滅危惧種の範疇に入れたら、南西諸島固有のアリ類、特にアシナガアリ系は全て絶滅危惧種にせねばならないだろう。

4106.jpgキスジホソヘリカメムシRiptortus linearis。石垣にて。

路傍に普通。マメ科植物を加害する害虫として嫌がられている。

4107.jpg与那国にて。

4001.jpgアズキヘリカメムシHomoeocerus marginiventris。西表にて。

ただのカメムシだが、個人的にずっと各地で探し続けていたもの。できれば本土で見たかったのだが。

本州から南西諸島まで広域に分布し、その名に違わずアズキを中心としたマメ科作物を加害する害虫として名を馳せてきた者。しかし、近年では農薬の使い過ぎなどから各地で激減。野生アズキ類が豊富に自生する南西諸島ではまだ多いが、本土では極めて少なくなった。殊に東日本では、相当狙って探さねば発見は難しい。現在、複数都道府県で絶滅危惧種扱いされている。
絶滅を危惧されていると言った所で、名実ともに害虫たるこの生物に対して、行政が何らかの保護対策を行うはずもない訳だが。

4004.jpg海岸に繁茂する野生アズキ(ツルアズキだかハマアズキだか)に、ものすごい密度で見られた。本州のクズにいるホシハラビロヘリカメくらいの感覚で大量についていた。これは日没後に撮影したのだが、もっと明るい時に撮影し直そうと思って翌朝同じ場所に行ったら、どういう訳か一匹もいなくなっていた。アズキ根際をほじくっても、何の手がかりもない。昨晩同じ場所で見た他の虫たちは普通にいるのに、なぜかアズキヘリカメだけが消しゴムツールでかき消したかのように、そこの景色から消えていた。
ところがその晩、また同じところに行ってみたら再びおびただしい数のアズキヘリカメが出てきていた。こいつらは夜行性なのか。かつて沖縄本島の、野生アズキが繁茂する海岸で本種を探すも一匹も見つからなかったことがあった。あの時は昼間探したが、それがダメだったのか。

4115.jpgヨナグニシュウダElaphe carinata yonaguniensis。見た場所など書く意味もない。

そこの固有種。国内屈指の大蛇で、大人になると長さとも太さとも凄まじいが、これはまだまだ小さい幼蛇。とはいえ、その目つきは親と変わらないほどに精悍。絶滅危惧種だが、近年馬鹿なペット業者が乱獲したり、馬鹿なバラエティー番組がそれを面白おかしくテレビに流すので、保全の観点から問題になっている。

4114.jpgたぶんタイワンシロチョウ。与那国にて。

トガリシロチョウの仲間は、特にメスは素人には区別できない。周囲にはカワカミシロチョウのオスが多かった。