2013/11/30|Category:海外・東南アジア
キャメロンはマレーシア随一の農作物の生産地で、マレーシアの台所と言っても過言ではない。台のような形の高原なのだが、天辺の平らな部分は軒並み畑地として耕作されている。しかし、それだけ多くの農作物を育てるとなれば、当然物凄い量の肥料が必要になる。その肥料の一つとして使われるのが、エビの殻だ(篠永 2004)。
マレーシアを始めとして東南アジアでは、海沿いのマングローブ林を伐採して大規模なエビの養殖池を作っている。そこで育てられたエビは、日本などに多量に食用として輸出されている。しかし、むきエビの状態で輸出すると、外した多量の殻が産廃として出ることになる。そこで、それらを肥料として使うのだ。
キャメロンの畑地を車で走ると、何とも言えぬ腐臭が漂ってくることがよくある。それは大抵、畑に撒いたエビ殻の腐った臭いであろう。このエビ殻から、おぞましく大量のハエが発生することになる。直接まだ見たことはないが、ひどい場合は畑の畦そのものがハエのウジの群れになって、畦がモコモコ動くほどらしい(篠永 2004)。
キャメロンの畑がハエだらけなのには、日本人も少なからず原因の一端を担っていると言える。
参考文献:
篠永哲 (2004)ハエ 人と蠅の関係を追う。八坂書房、pp.209.