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3496.jpgベッコウバチ(キバネオオベッコウ)Cyphononyx fulvognathus。大阪にて。

大型の徘徊性クモを狩る。たまたま目の前にコアシダカグモを運ぶ奴が現れたので、例によって挨拶代わりに半ヤラセで麻酔行動を再現させた。ベッコウの仲間は、どの種も毒針をクモの牙の生え際か、脚の付け根同士の間に打つ。

麻酔行動再現のためにハチから獲物を一時的に奪い取る際、なるだけ長い枝を使って巧みにクモを生きているが如く操らないと、ハチを騙せないばかりかハチの逆鱗に触れて逆襲される恐れがある。今回の個体もかなり気が立っており、下手するとヤバかった。「狩人蜂は直に手で握らなければ刺さない」は、大型ベッコウにだけは通用しないことを肝に銘じるべきだ。
もっともこの地球上で、あの地獄の電撃千枚通しを打ち込まれるリスクを負いつつ、道端で通行人らの衆人環視の下、わざわざベッコウバチが運ぶ最中のクモを横取り悦に浸るなどという、通報職質ものの変態がそうそう他に現れるとも思えないので、書くだけ無駄な情報である。

ベッコウクモb…知らん名だ。

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永遠のイセリア

3487.jpgイセリアカイガラムシIcerya purchasi。兵庫にて。

ナンテンの葉裏に若齢個体が多数。お菓子みたいで美味しそう。

3493.jpgコキノコゴミムシCoptodera japonica。兵庫にて。

通常、あまり多くない種。夜間、キノコのはびこる立ち枯れ上に姿を現す。

3491.jpgカナブンPseudotorynorhina japonica。兵庫にて。

以前、国営放送のテレビ番組内でKANA-BOONという音楽グループが取り上げられた際、イメージ映像として差し込まれた甲虫の写真はコガネムシだった。世間様にとって、カナブンとコガネムシの違いなどどうでもいいことである。そして、そんなカナブンとコガネムシの写真の使い間違いに関していちいちクダを巻く虫マニアなど、その一劾三千京倍どうでもいい存在である。

3488_20180720100657fc3.jpgカシノナガキクイムシPlatypus quercivorusの穿孔した穴。兵庫にて。

各地で広がる「ナラ枯れ」の元凶をなす甲虫。ナラやカシの幹に集団で穴を空けて、樹木にダメージをなす病原菌を伝播する。これにより、木が多数枯れて景観が悪くなるといった観光面の他、立地によっては土砂崩れの原因にもなると言われ、防災の観点からも問題視されている。この虫が大発生しているエリアの森に入れば、目につく木という木の幹に穴が開き、細かい木屑(フラス)が出ている。

このように、我々の生活に深刻な事態を引き起こしかねないナラ枯れだが、一方で俺のような一部の不謹慎な虫マニアにとって、この状況は必ずしも悪いことばかりではない。キクイムシを専食するホソカタムシやミツギリゾウムシ等、珍奇な形態かつ非常に稀な肉食甲虫類を得られるチャンスがあるから。
林内でフラスの出まくっている木が立ち並ぶ様を見るや、夜の見回りが楽しみで仕方がない。

3481.jpgカトウツケオグモ Phrynarachne katoi。兵庫にて。

鳥の糞そっくりな色彩と肌の質感を持つ、異様な生物。かつては日本産クモ類の中でも指折りの珍種として知られ、80年代に出たクモ図鑑には「国内ではまだ2-3匹しか見つかっていない」みたいなことが書かれていたほど。
最近、クモ類を趣味で探し回る奇人変人どもの人口が格段に増えたせいか、それともこのクモの個体数自体が増えてきたせいか、そこそこ野外で見つかる部類の種にはなってきた。とはいえ、広大なフィールド内で狙って見つけ出せるようなものでもない。俺は30年以上生きてて、日本では初めて見つけた。マレーシアではコレとかコレとか見ているのだが。

3483.jpgミイロツメボソベッコウAgenioideus cinctellus。兵庫にて。

最近、場所により多いらしい。人里近い環境によく出没し、ハエトリグモを狩る。

3480.jpg同定屋泣かせのアレ。

湿性環境で見た。gmかksjuskかhgtuskのどれかであるのは恐らく間違いないのだが、どれかは不明。外科的措置を伴わないまま確実に見分けるには、オスの触角の節の形を見る必要があるらしい。しかし、当方素人なので、触角がどうなっていればどの種に該当するのかが全く分からない。そもそも、これの雌雄の別さえ分からない。

3476.jpgマメコガネPopillia japonica。千葉にて。

マメといいながら、ものすごく幅広い分類群の植物を食らう。日本からアメリカに人為的要因で侵入し、農作物の大害虫となったのは有名。それゆえ、日本から来やがったクソいまいましいジャップ虫という意味を込めて、ジャパニーズビートルという渾名で向こうでは呼ばれている。

3479.jpg美味しいかの山。

千葉にて。

3478.jpgキクヅキコモリグモPardosa pseudoannulata。千葉にて。

水田ではおなじみ。そして、水田に生息するベッコウバチ類の格好のカモ。

3477.jpgナガヒラタムシTenomerga mucida。茨城にて。

夜間、材木置き場に多数が集結していた。これに似て背中に模様のある奴は、国内では激レア種。

3457.jpgキスジトラカミキリCyrtoclytus caproides。茨城にて。

ハチじみた風貌のトラカミキリ類の中にあって、野外で動く姿がことさらハチじみた部類の一つ。各種広葉樹の薪の上に普通。

3474.jpgトウキョウダルマガエルPelophylax porosus porosus。千葉にて。

上陸直後の幼体。幼い頃、庭先のナメクジ程度に普通にいた動物だと思っていたが、近年ほんとうに減った。

3473.jpgトラフカミキリXylotrechus chinensis。千葉にて。

日本に数あるトラカミキリの種の中でも、ハチへの似せっぷりが神がかった部類のやつ。そこそこデカいのも素晴らしい。しかし桑畑がない地域では、なかなか馴染みがない。

3475.jpgヒメアメンボGerris lacustrisの群れが、脱皮直後のコオイムシAppasus japonicusを集団で折檻する。千葉にて。

こうしてみると、アメンボという生物がいかに獰猛かがわかる。

3472.jpg精霊。

チゴガニとの関係が深いとされるが、地域によってその依存度にはかなりの差があるように思える。この産地ではチゴガニの個体数は相当多いのだが、その巣があるエリアにはほとんど姿がない。もっと干潮線間際にある、チゴガニの巣があまりなくて地面がひび割れたような所に集中して多く見られる。ひび割れの隙間を巣にしているようだ。

以下、分かる人間にのみ向けた内容。

大きい方のヤツに、どうしても会いたい。しかし、もうかれこれ何度犬型のスモールボックスリバーに出向いたか知れず、しかもヤツが一番表を出歩いている可能性が高い夜中に探しに行ってるのに、見つかるのは常にこいつばかり。もはや、ここで粘って探すのは実りがない気がしてきた。
いっそ、フォーチュンアイランドのシャークリバーまで行ったほうがまだ可能性はあるのかとも思う。しかし、あそこで見つかったという記録が報じられたのは、今からかれこれ30年近くも前のこと。今、あそこのヤツは健在なのだろうか。近年あそこまで探しに行った者はいるのだろうか。少し調べた限りでは、あの辺りは津波の影響で一度広域に渡って洗い流されてしまったらしく、海浜植物群落がダメになるなど、結構深刻な被害を被ったという。限りなくここも望みは薄そうだが、それでも犬型で粘るよりはマシな気がする。


3471.jpgチゴガニIlyoplax pusilla。千葉にて。

夕陽を浴びて、ひたすら踊り続ける。

3468.jpgヒヌマイトトンボMortonagrion hirosei

塩気のある場所に特異的に出現するので有名なヤツなのに、あろう事か一度も見に行ったことがなかったので、思い切って見に行った。午前中の早い時間であれば岸辺にいるらしいが、日が高くなると岸から遠いヨシ原へと移動してしまい、観察が面倒になる。まさに、その面倒な時間帯に行ってしまったため、探索に難儀した。
かろうじて一匹だけ見つけたが、どうも未成熟個体だったようで、色が中途半端にボケていた。

これを見たヨシ原は、恐ろしい数のヤブ蚊が生息しており、たちまち全身をフルボッコにされた。しかし、そんなの当たり前だ。トンボの楽園は蚊の楽園なのだから。餌もなしにトンボが飛ぶものか。

3469.jpgアオオサムシCarabus insulicola。茨城にて。

驚くほど町中でも、しぶとく生き残っている。

3470.jpgオオアトボシアオゴミムシChlaenius micans。茨城にて。

でかくて渋い。固く締まった湿地で見ることが多い気がする。

3464.jpgクロスジギンヤンマAnax nigrofasciatus。神奈川にて。

3465.jpg水中に半身を浸して産卵していたが、度々アメンボの襲撃を受けていた。
トンボのメスは、どの種も産卵に命を賭けすぎている。親と子で、全く違う世界を住みかにしてしまった宿命。

3467.jpgコハクオナジマイマイBradybaena pellucida。茨城にて。

もともと西日本の限られた所だけにいたらしいが、近年人為的にかなり分布を拡大した。殻の中央の黄色い部分は、紫外線ライトを当てると発光する。理由は不明。

3459.jpgササコナフキツノアブラムシCeratovacuna japonica。岐阜にて。

まだ天敵の姿がなかったが、兵隊はふんだんにいた。これから夏にかけて蹂躙が始まる。
各地で毎回見かけるたびに撮影するのだが、何度撮影してもコレだ!という写真にならない。兵隊、幼虫、生殖虫の3タイプをフレーム内に写し込み、ピントを合わせつつ大きく撮影するのが難しいのだ。

3462.jpgアメンボAquarius paludum。神奈川にて。

3463.jpgナキイナゴMongolotettix japonicus。神奈川にて。

オスは後脚を翅に擦りつけ、ジャジャジャ・・と初夏の草原を気怠く唄う。気配に敏感かつ跳躍力が強いため、撮影は意外に面倒。

3449.jpgコカブトムシEophileurus chinensis。茨城にて。

この地域ではかなり個体数が多い。こいつ、誰かに似ているような気がしていたが、前に神聖エルダントで見たアレに全体的なオーラが似ているんだ。
漆黒の体といい、点刻の感じといい、申し訳程度の短い一本角といい。

3460.jpgエゴヒゲナガゾウムシExechesops leucopis。埼玉にて。

昔はウシヅラヒゲナガゾウムシの名で図鑑に載ってたはずだが、今は名前が変わってしまったらしい。この顔立ち、どう見ても牛にしか見えない。絶対ウシヅラの名のほうが良かったんに。

俺は見てもいないものをさも見た体で吐かす人間をやめるぞジョジョーッ!!!

3466.jpg精霊。

この生物を知る誰もが、その特異な頭部形態からアレを食うに違いないなどと言いながら、その実それら人間の99.9(以下、9が無量大数個続く)%が実際に見てなどいないさま。

まして、それが写真に撮られた歴史はあるのだろうか。少なくとも、俺が今持てるあらゆる手段でネット・文献その他を漁って調べた限りでは、それが存在する証拠を掴めなかった。

俺は実際にそのさまを見た。写真にも収めた。だから胸を張って「これが細長い頭部をカタツムリの殻内に突っ込み、中身を食う生物だ」と、これから方々で喧伝して回る。俺にはその権利がある。

3458.jpgウスマエグロハネナガウンカZoraida albicans。茨城にて。

外見の酷似する無印のほうではないと思う。成虫は各種広葉樹の葉裏などについているが、幼虫は朽ち木に生える特定のキノコから吸汁しているらしい。