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2860.jpgセスジアメンボ系とおぼしき者。ケニアにて。

2859.jpgサバナに点在するわずかな水たまりにいた。明らかに成虫なのに有翅の奴と無翅の奴が混ざっていた。こいつ、どう見ても日本の八重山にいるツヤセスジアメンボにしか見えないのだが。

ツヤセスジアメンボというのは、現在与那国島には現存しているのだろうか。数回行って死にものぐるいで探しているが、本来それがいるであろう環境は全てコセアカアメンボが占拠している。というより、小さめのアメンボ自体がろくにいない。
与那国島は、近年の干魃傾向と強烈な台風のダメージとで、水辺環境が極端に悪くなった。かつて湿地があったとされる場所は、ほぼ陸地化してしまっている。「動く藁」と呼ばれる精霊にどうしても会いたくて探しているが、もうあれは絶えているとしか思えないほど全く見つからない。たぶん本当に絶えていると思う。

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2844.jpgハナレメ系のイエバエに見える者。ケニアにて。

この手の奴は肉食。自分より弱い相手には容赦ない。

2855.jpgゾウムシ。ケニアにて。

小さい。

2856.jpgハムシ。ケニアにて。

2857.jpgよくわからない甲虫。ケニアにて。

灯火に飛来した。分類群不明だが、水に関係したものであろうことは何となく想像がつく。

2858.jpgドクガ。ケニアにて。

経験上、背中に針のような毛が逆立つ種のドクガは触ってはならない種に思える。

2841.jpgツヤホソバエ。ケニアにて。普通にいる。

2520.jpgチョボグチゴミムシApotomus sp.。ケニアにて。過去の遺産から。

夜間、灯火に飛来する。分類上かなり特殊なゴミムシらしく、珍種。とても小さく、ぱっと見はメクラチビゴミムシのRakantrechusを思わせる。

2818.jpgプライヤキリバGoniocraspidum pryeri。大分にて。

洞窟で数多く発見される、奇妙なガの一種。成虫は夏に羽化するらしいが、羽化後はまともに活動しないまますぐ近隣の洞窟や隧道に入り込んで休眠に入ってしまう。そのまま冬も越し、翌春にやっと外へ出て交尾産卵の後すぐくたばるらしい。何が楽しくて生まれてきたのかよくわからない生活史を持つが、実の所ガの大半種の生活史なんてそんなもの。

しばしば一か所に多数個体が集結して眠っている。湿度の高い洞窟内では、体がびっちり結露している。生きながらカビにやられて死んでいる奴が多い。コウモリが住む洞窟では、かなりの個体が休眠中コウモリに食われることも明らかになっている。生を謳歌するでもなく、まして生きるのに全く適さない環境をわざわざ選び、引きこもって過ごさねばならない理由がますますわからない。

Sano, A. (2006). Impact of predation by a cave-dwelling bat, Rhinolophus ferrumequinum, on the diapausing population of a troglophilic moth, Goniocraspidum preyeri. Ecological Research, 21(2), 321-324.

2819.jpgリュウガヤスデ一種Skleroprotopus sp.。福岡にて。

好洞窟性で、地下空隙に住む。こいつにとって地下にいることは、生存の必須条件ではない。

2831.jpgマレーにて。

2839.jpgヤイトムシ。マレーにて。

クモの親戚筋。日本ではあまり馴染みがないが、熱帯地域には住宅地の庭だろうが深山幽谷だろうが普遍的にいる。オスはケツの先端が膨れて特徴的な灸(やいと)の形状を呈する。

2862.jpg阿鼻叫喚のサバナ灯火採集。ケニアにて。

去年の写真。本当はこのタイミングで出す予定ではなかったのだが、記事を整理していた際に間違って出してしまったので、このまま出してしまう。

水に乏しい環境でありながら、来た虫の7割方がゲンゴロウとガムシだったのには本当に意表を突かれた。

2838.jpgマメクワガタの類。マレーにて。

小さい。オスもメスもメスの形をしている。日本にも西南部に広くいるらしいのだが、ビックリするほど一度も見ない。

2837.jpgとんでもないムカデ。マレーにて。

ムカデの専門家(などこの世に何人いるかは知らないが)ですら生きたものを見た者はほとんどいない珍種。今までさんざ通った東南アジアで、見つけたのはたった3回きり。全身が鋼のように硬いメカ装甲で覆われているという、普通のムカデではそうそう見ないフォルム。見つかるのは地面の石の下だったり樹幹だったり、一定しない。
最近、知人がこれのとんでもない生態を明かしている。

2834.jpgキオビシリアゲアリCrematogaster inflata。マレーにて。

樹幹に営巣するが定期的に引っ越すようで、一年前に巣のあった場所に行くと大抵もぬけの殻。胸部に毒液を溜めていて、掴むと放出する。

2836.jpgオオムカデ。マレーにて。巨大。

2828.jpgMyrmophilellus pilipes。マレーにて。

東南アジアに住むアリヅカコオロギの仲間で、日本産全種が含まれるアリヅカコオロギ属Myrmecophilusとは別属(と現状扱われている)。後脚フ節が黄色く、さらに鳥の羽毛状の細毛でびっしり覆われるという、他のアリコロにはない特徴を持つので見たら一発でそれと識別できる。
最初スリランカで記載され、その後もインドやブータンなど比較的限られた国で散発的に記録されていただけだったが、実際には東南アジアの相当な広域に分布することが判明した。
この種は寄主特異性をほとんど欠き、現在確認されている限りで4亜科にまたがる不特定多数種のアリの巣にとりあえず寄生できる。その代わり、どの種のアリとも親密にはなれない。ぶっちゃけアリ無しでも生きられるが、それでもアリの巣の周辺の方が餌となる有機物が多く得られるため、好蟻性に甘んじているらしい。

日本にいないので和名がない。分布域が極めて広域なのと、どんな種のアリとも関係できる点から、俺は勝手にアマネ(遍)アリヅカと呼んでいる。


Komatsu, T., & Maruyama, M. (2016). Additional records of the distribution and host ant species for the ant cricket Myrmophilellus pilipes. Insectes Sociaux, 63(4), 623-627.

2833.jpgジャングルでの非常食。向こうでは朝と晩の二食が基本なので、昼はあらかじめ買いだめたこういうものでしのぐ。

「クリームクラッカー」と銘打つから当然クリームが挟んであるのだと思ったら、何も挟まず味もない素クラッカーが入っているだけ。「クリームはてめーで用意して、挟みたきゃ勝手に挟んで食えこのデコスケ野郎クラッカー」の略。

2835.jpgヨロイアリMeranoplus mucronatus。マレーにて。

X字のトゲを生やした厳つい姿だが、性質はとても大人しい。蜜食の気が強く、大抵はアブラムシやカイガラムシなどの甘露を求めてそうした場所に入り浸る。

2832.jpg通常は樹上のかなり高い所で採餌するようだが、比較的低い所に集まる事もある。

あわびゅ

2830.jpgアワフキアリBothroponera sp.。マレーにて。

毒バリを持つ大形ハリアリの一種で、東南アジアのジャングルでは場所により珍しくない。夜行性で、日没後に地面・樹幹問わず徘徊する。

2829.jpgこいつの最大の特徴は、敵に捕らわれたときの防御手段。毒バリから特殊な液体を放つ。粘性に富むこの液体は、空気中に触れると膨らんで大きな泡の塊となる。毒バリから出る以上は毒には違いないが、仮にそうでなくても敵をビビらせるには十分に過ぎるほどの隠し芸。

1456.jpgツチミゾガシラシロアリSchedorhinotermes sp.。マレーにて。過去の遺産から。

1457.jpgコロニー内に、サイズと姿の異なる2タイプの兵隊をもつ。本属は旧世界の熱帯地域には広く分布し、南米にはこれに外見上瓜二つのミゾガシラシロアリRhinotermesが分布する。大型の兵隊は鋭いキバを持ち、噛まれると例外なく肌が切れて出血する。傷口はあとで腫れることが多く、攻撃時に何らかの毒を浴びせているように思える。
しかし、こちらも硬い朽木を手鍬で破壊して内部を調査する過程で、何十、何百匹もの彼らの同胞を潰して死なせることになる。反撃を受けて多少出血する程度の報いは、受けても仕方ない。

2820.jpgツヤケシマルヒメドロムシOptioservus sakaii。九州にて。

山間の細流の水底にいて、岩にしがみついて暮らしている。ゴマ粒ほどもないサイズだが、燃えるような赤い模様を背負い、とても美しい。
もともと「セアカヒメドロムシ」と呼ばれていたものだが、それが実際には外見の似た複数種で構成されていることが判明し、細かく分類され直した。そのうちの一人がこれ。

2823.jpg九州のどっかにあるという、トンチで知られるキッチョムさんの故郷。石像が作られていた。

2824.jpg
2825.jpg石像の随所にスズバチの古巣があったり、ミノムシが付いていたり、いろんな虫達の拠り所となっていた。

これを見て、勘の鋭い人間ならば俺がどこに何の目的で行ったか容易に見当が付くであろう。

2821.jpgキウチメクラチビゴミムシHimiseus kiuchii

四国の限られたエリアにのみ出現する。一属一種で同類が他におらず、分類学的に特異。この手合には珍しく、遠縁の2種のメクラチビゴミムシと同所的に共存する。

2811.jpg中信地域の裏山の有様。ほぼアカマツの純林だが、赤く見えるのは松枯れで枯死した部分。

10年ほど前まで、松本近辺の裏山には松枯れなどほとんど見かけなかった。あれだけ松ばかり生えているのに、よく松食い虫が入って来ないものだと、当時感心したものだった。恐らく、この頃は今ほど年間の平均気温が高くなかったせいで、松食い虫が育たなかったのかもしれない。それがここ5年くらいの間に、急速に松枯れが進行してきた。山のあちこちで、異常をきたした松の木の伐採が進んでいる。しかし、松枯れの勢いに作業が追いついていない状況で、これからもさらに被害が広がっていきそうである。
行きつけの裏山の一角に、毎日必ずムササビが森の奥へ飛び立つ際の中継足場に使っていた松の大木があった。その木のすぐ傍に、丸太を組んだアスレチックが置いてあり、これの天辺に座って夕方待っていれば、すぐ目の前にムササビが飛んできて着地するのを観察できて良かったのだが、この大木も切られてしまった。

ブラックバスにアライグマ、日本で問題を起こしている外来生物は数あれど、マツノザイセンチュウ以上に日本の自然環境・景観を全国規模で、完膚無きまでに踏みにじり尽くした奴など存在しないのではないか。マツノザイセンチュウそのものの働きはもとより、それを効率よく防除する手だてが現状松の木の伐採と薬剤空中散布くらいしかないことが、なお日本の自然を救いようもない状況に駆り立てている。
もし空中散布の歴史が日本になければ、フサヒゲサシガメの生息状況は今より遥かにマシな状況だったのかもしれない。

松枯れ、シカの増えすぎ、無秩序なメガソーラー建設、白鳥の餌付け・・・俺がちょっと席を外している間に、信州の自然の有様がどんどん見るに堪えない様になっていくのは、全くもって堪えられない。お願いだから、かの地をこれ以上里帰りしたくなくなる土地にしないでほしい。ならないでほしい。

2813.jpgコハクチョウCygnus columbianus。長野にて。

2814.jpg論文に使用する某虫の写真を探そうと、ハードディスクを漁っていたときに出てきた3年前の写真。かの地を追い出される直前、ある場所に寄った際に傍の白鳥越冬地を様子見したのだった。ここでは地元の団体が白鳥やらカモやらを毎年餌付けしており、沢山の個体がやってきているのだった。すぐ傍の掘っ立て小屋では餌の販売もしており、観光客らが湯水のように餌をくれていた。

2812.jpg鳥どもは人を恐れず、近くに寄っても平気でうたた寝している。この池は幼稚園のグラウンド程度の面積の、かなり小さなものである。通常、自然状態で越冬ガンカモ類がどのくらいの密度で湖沼に生息しているのかはよく知らないが・・・

2815.jpgここに写っている以外にも、まだこれの倍以上の白鳥がひしめいている。この数、いくら何でも多すぎやしないか。この場所の収容許容量を明らかに超えた数の鳥を、餌で釣って無理矢理集めている感が否めない。
こういう、野鳥が過密に集結した状況を長期にわたり維持する行為は、今流行の鳥インフルエンザの温床にもなりかねない。さらに、過密状態で鳥が大量に出す排泄物、そしてばら撒かれた餌の食い残しは、水を汚す。季節が変わって気温が上がれば、これらが腐って水質を汚染するであろう。ここには水鳥だけでなく、絶滅危惧種含めいろんな水生生物が生息しているのだが。

この件に関しては思うところが山とあるのだが、こんな所で下手に言及すると金輪際二度と信州の土を踏めない身体にされかねないので黙っている。

あまりの気持ち悪さとその他諸々の理由により、公共機関に配ったらへんな理由で訴えられかねない「守りたい日本の絶滅危惧種ポスター地下空隙編。2827.jpg申し訳ないが「環境省以下略

2788.jpgコジマチカヨコエビを多数出した、裏山の湧き水。雑木林になった小さな岩山の裾からこんこんと出ていて、細流となっている。少し下流で大きな川に注ぐ。
メクラミズムシが出ないかと、かなり執拗に噴き出し口を調べたが、ヨコエビしか見つからなかった。過去の調査によれば、この方法でミズムシは採れなくはないが、打率は低いらしい。また、地下性甲殻類は年中採れるようだが、地下性ゲンゴロウは基本的に冬に採集例が集中する傾向があるという。

関西地域のなるだけ平地で、こういう環境を見つけて砂利を洗うかヘチマを埋めるかすれば、絶対ゲンゴロウが採れるはずなのだ。場所さえ分かれば、すぐにでも出向いて探すのだが、関西にツテはないし土地勘もないので出来ずにいる。
もし京都や兵庫で、平地の平坦な地面から地下水が湧き出す場所を知ってる人がいたら、寒風吹きすさぶ真冬に噴き出し口の土砂を2〜3時間ぶっ続けで洗って、1mmくらいのダニみたいな黄色い甲虫が出るか調べてみて下さい。もしいたら、くれとか寄越せとか野暮な事言わないので、生きたまま見せて下さい。あとサイン下さい。

2789.jpg湧き水の近くにある住宅地の道路脇から、じくじく染み出す地下水。こんな一見クソつまんなそうな所からさえ、ちゃんと調べれば地下性ヨコエビが出る。いわんやゲンゴロウをや。