中国念頭 現状変更に反対 島サミット宣言原案
首相600億円以上支援へ
日本と太平洋の島しょ国・地域が16~18日に東京で開く
「第10回太平洋・島サミット」の首脳宣言の原案が判明した。
中国の覇権主義的行動を念頭に「世界のいかなる場所であれ、
力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対する」と明
記した。
岸田文雄首相は開発協力のため、今後3年間で600億円以上
の支援を表明する方向。太平洋地域で影響力を拡大する中国を
けん制し、島しょ国の引き寄せを狙う。
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平和・安保では、「自衛隊の航空機・艦船の寄港を通じた防衛
交流と共同訓練の強化に取り組む」と明記した。中国は、202
2年にソロモン諸島と安保協定を結ぶなど南太平洋地域を軍事拠
点化する構えを見せており、海自護衛艦の寄港頻度を増やすこと
で日本の存在感を高める狙いがある。
価値観を共有する国に装備品を無償供与する「政府安全保障能力強化支援」(OSA)を通じた警備艇などの供与を進め、島嶼国の海上保安当局の能力強化に取り組む考えも示した。
気候変動では、島嶼国が「海面上昇や気候・災害リスクに最も影響される」との危機感を共有し、「災害リスクの低減などに関する国際的な議論の場で連携する」と記した。技術面では、海底ケーブルの維持・管理での協力を打ち出し、「デジタル通信の安全性、信頼性、利用可能性を向上させる」とした。
南太平洋に点在する島嶼国は、アジアと米大陸をつなぐシーレーン(海上交通路)に位置する戦略的要衝で、米中が覇権争いを繰り広げている。日本も島嶼国との信頼関係を強化して中国に対抗する方針だ。
太平洋島嶼国への海自艦船の寄港増など7分野で連携強化へ…「島サミット」の共同行動計画原案判明
16~18日に東京都内で開かれる「太平洋・島サミット」で採択される共同行動計画の原案が判明した。太平洋 島嶼 国への海上自衛隊艦船の寄港を増やすなど安全保障分野をはじめ、気候変動や技術など7分野での連携強化を打ち出す。政府はサミットを通じ、米中対立の最前線である南太平洋地域への関与をより深めたい考えだ。
サミットは、1997年から3年ごとに開催されており、今年で10回目。今回は、パラオやミクロネシア連邦など16の島嶼国・地域の首脳らのほか、オーストラリア、ニュージーランドの閣僚級が参加し、岸田首相が共同議長を務める。
原案では、「地域の一体性を常に尊重しながら、共通の目標に向けて互いに協力する」とうたい、重点分野として「平和と安全保障」「政治的リーダーシップと地域主義」「人を中心に据えた開発」「資源と経済開発」「気候変動と災害」「海洋と環境」「技術と連結性」を掲げた。
平和・安保では、「自衛隊の航空機・艦船の寄港を通じた防衛交流と共同訓練の強化に取り組む」と明記した。中国は、2022年にソロモン諸島と安保協定を結ぶなど南太平洋地域を軍事拠点化する構えを見せており、海自護衛艦の寄港頻度を増やすことで日本の存在感を高める狙いがある。
価値観を共有する国に装備品を無償供与する「政府安全保障能力強化支援」(OSA)を通じた警備艇などの供与を進め、島嶼国の海上保安当局の能力強化に取り組む考えも示した。
気候変動では、島嶼国が「海面上昇や気候・災害リスクに最も影響される」との危機感を共有し、「災害リスクの低減などに関する国際的な議論の場で連携する」と記した。技術面では、海底ケーブルの維持・管理での協力を打ち出し、「デジタル通信の安全性、信頼性、利用可能性を向上させる」とした。
南太平洋に点在する島嶼国は、アジアと米大陸をつなぐシーレーン(海上交通路)に位置する戦略的要衝で、米中が覇権争いを繰り広げている。日本も島嶼国との信頼関係を強化して中国に対抗する方針だ。