衆院憲法審査会の閉会中審査の環境を整える幹事懇談会が28日、国会内で開かれる予定だったが、改憲に慎重な立憲民主党と護憲を掲げる共産党が欠席し、自民党や公明党、日本維新の会、国民民主党などによる「意見交換会」に切り替わった。
出席者からは議論に背を向ける立民に厳しい声が上がったが、それでも説得を諦めない自民にも厳しい視線が注がれた。
同日は、選挙困難時に国会議員の任期延長を可能にする憲法改正原案の「たたき台」となる論点整理について意見交換が行われた。
与党筆頭幹事の中谷元氏(自民)は終了後、記者団に「秋の臨時国会に憲法改正原案が提出できるよう閉会中も精力的に議論を詰めていきたい」と強調した。
一方、立民の泉健太代表は同日の記者会見で、「通常国会は閉会した。なぜ憲法審だけ『開け開け』と言うのか。かなりいびつな考え方ではないか」と反発した。しかし、こうした主張は他党の共感を得られていない。
国民民主の玉木雄一郎代表は立民の欠席について、記者団に「必ずしも立民にとってプラスにはならない。強引に開いているわけではない。何とか(各党間で)円満にできる日を探った上での今日だった」と語った。
立民の欠席で幹事懇が開催できなかったことは過去にもあったため、今回の野党第一党の対応は想定内だった。自民関係者は27日、「立民が欠席しようが明日は改憲勢力で集まる。立民抜きの閉会中審査を実現していくための一つのステップだ」と指摘。また、「議論を拒み続ける理由はなかなか見つからない。立民は抗しきれなくなり、いずれ出てくるだろう」との見方も示していた。
ただ、厳しい視線は立民だけでなく、自民にも向けられている。中谷氏は記者団に「基本的には立民も共産もそろった形で閉会中審査をやっていきたい」と述べ、なお参加を呼びかける意向を明らかにした。
しかし、維新の馬場伸幸代表は記者団に「多数決で決めて憲法審を開けばいい。出てこない方が悪いのか、正しいのかは国民が判断する。自民も本当に党是として自主憲法の制定をうたうならば、その時は来ている」と強調。さらに、秋の臨時国会に向けて強い意欲を見せた中谷氏にこうハッパをかけた。
「『言うだけ番長』にならないように期待したい」