「ネバーギブアップ」忘却恐れ、核廃絶に命を懸けた被爆者の証言の力
毎日新聞
2024/10/18 08:00(最終更新 12/9 13:30)
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「核のタブーの確立に多大な貢献をした」。ノーベル賞委員会は日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)への平和賞の授賞理由で、被爆者による証言の力をたたえた。核廃絶の道のりはなお険しいが、被爆者が命を懸けて紡いできた言葉に改めて耳を傾けたい。
日本被団協代表委員の一人、田中重光さん(83)は13日、長崎県時津(とぎつ)町にある墓に静かに手を合わせた。眠っているのは、2017年に88歳で亡くなるまで代表委員を務めた谷口稜曄(すみてる)さん。田中さんはノーベル平和賞の受賞決定を「先輩たちが、苦しく困難な中で運動をされてきた結果だ」と語った。
谷口さんは16歳の時に長崎の爆心地から約1・8キロで郵便配達中に被爆。背中一面を熱線で焼かれるなど瀕死(ひんし)の重傷を負った。3年7カ月の入院生活のうち1年9カ月をうつぶせで過ごし、痛みと苦しみで「殺してくれ」と叫んだ。皮膚の移植手術を繰り返し、入院時の床ずれで骨まで腐った胸には深くえぐり取られたような痕が残った。肋骨(ろっこつ)の間から心臓が動くのが見えた。
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