「ぼくは原ばくがだいきらいです」 父の苦しみ作文に その子は今

懐かしい教え子との40年ぶりの対面に自然と顔がほころんだ。長崎市の被爆者、山川剛(たけし)さん(87)は6月、同市の原爆資料館で小峰英裕(ひでひろ)さん(50)と再会した。1984年、山川さんが市立西町小で4年生の担任教諭を務めた時の児童の一人。山川さんは、こんな書き出しで小峰さんが当時つづった作文を大切に保管してきた。「ぼくのお父さんは西町で原ばくにあいました」――。
きっかけは、1学期の放課後、小峰さんがふと口にした言葉だった。「僕ん方(がた)に仙二おじちゃんの来(く)っとばい」。小峰さんの父が営む理容室に当時、平和運動をけん引していた被爆者の山口仙二さん(2013年に82歳で死去)が通っていたという。山口さんは大やけどを負い、顔や首などにケロイドが残っていた。「仙二さんが安心してカミソリを当ててもらっているということは……」。山川さんが直感したことがあった。
程なくして小峰さんの家庭訪問をした。小峰さんの父秀孝さん(83)も被爆者だった。4歳の時、爆心地から約1・5キロで原爆に遭い、大や…
この記事は有料記事です。
残り970文字(全文1424文字)
【時系列で見る】
-
原爆の非人間性、映画・朗読で語る きょうあす長崎 /長崎
288日前 -
79年前の朝、上着だけ残し消えた姉 90歳女性の証言が冊子に
289日前 -
長崎黒い雨救済 厚労省へ要望書 八者協議会 /長崎
289日前 -
被爆証言の光景、市民ら熱演 福岡市の「田隈塾」 女学生や出征学生思い /福岡
293日前 -
「原爆を作るために生まれた町」の現実描く 映画「リッチランド」公開
294日前 -
きのこ雲が誇り? 映画「リッチランド」監督が語る「原爆の町」の矛盾
294日前 -
「憎むべきは戦争」 被爆後、米国に敵意を抱いていた女性の思い
294日前 -
原爆投下から39年後、書かれた作文 いまでも足のゆびのあいだにあながあいている /長崎
295日前 -
813人を遺族の元へ 原爆供養塔納骨名簿を掲示 広島 /広島
295日前 -
「ぼくは原ばくがだいきらいです」 父の苦しみ作文に その子は今
299日前 -
/340 100歳「鐘」鳴らし続け /長崎
299日前 -
「今でも恨んでいますか?」 79年前、母を殺された私への問い
300日前動画あり -
世界を巡る船の中で、92歳の男性が伝えたかったことと心残り
301日前動画あり -
来館外国人93%「維持を」 長崎原爆資料館 「投下前」展示 市民アンケ /長崎
304日前 -
原爆資料館「伸ちゃんの三輪車」 再現作スイスに寄贈 広島 /広島
304日前 -
公園の下に眠るまち 「いま」を地続きにする出合い
305日前 -
「黒い雨」記憶未来へ 被爆者証言で基町高生描く 6日、文化祭 16作品一般公開 広島 /広島
305日前 -
広島平和記念式典 イスラエル招待に「ダブルスタンダード」の声
306日前 -
被爆者10.6万人で過去最少更新 平均85.58歳 高齢化進む
306日前
関連記事
あわせて読みたい
' +
'
' +
'' + csvData[i][2] + '
' + '' +
'' + listDate + '' +
'
' +
'