愛知県議会、無所属議員の質問回数制限 機会平等のあり方とは?

愛知県議会の質問順序表=名古屋市中村区で2023年8月22日、兵藤公治撮影
愛知県議会の質問順序表=名古屋市中村区で2023年8月22日、兵藤公治撮影

 主要政党が与党化する愛知県議会(定数102)は今春の統一地方選で、無所属議員が改選前の7人から9人に増えた。だが、無所属議員に対して今夏、ある制約が課されることになった。「大都市の地方議会の実情はこんなにひどいの?」。SNS上でも驚きの声が上がった愛知県議会のルールとは。

突然の決定

 愛知県議会はこの4年間、自民、立憲民主、公明、国民民主の主要政党が大村秀章知事を支援する「オール与党体制」が続く。そんな中で実施された4月の県議選では、2月の知事選で大村知事と戦った候補やトヨタ系労組の組織内候補と争った候補ら新人4人を含む9人の無所属議員(1人会派議員も含む)が誕生した。

 県議会の記録によると、当選後も無所属で9人が活動するのは、地方自治法が施行された1947年以降最多とみられる。

 「重要な任務を負った。暮らしの声を届けていけるよう頑張りたい」。愛知県豊橋市選挙区で8年ぶりに議席を奪還した共産の下奥奈歩県議(36)は当選後、こう決意を述べた。

 議員の役割の一つは、県議会定例会の場で一般質問という形で県民生活に関わる県政のさまざまな課題について県の方針や考えをただし、改善を求めていくことだ。

 しかし、県議選から2カ月後、無所属議員や1人会派議員の本会議での一般質問の回数を制限するルールが決まった。

 6月14日、県議会議事堂の議会運営委員会室。集まった14人の議員に1枚の紙が配布された。そこには、会派ごとの一般質問の順序表とともに、無所属議員の一般質問に関する注意書きとして「任期中につき1人1回以内」「各定例議会につき1人以内とし、任期最終年度の2月定例議会は行わないこととする」などと書かれていた。

 議運委の島倉誠委員長(自民)が「この案の通り決しましてご異議ありませんか?」と諮ると、他の13人の委員全員が「異議なし!」と同意した。

 議運委のメンバーは改選ごとに決められ、原則6人以上の議員がいる会派に割り振られる。所属議員数が5人の公明や、3人の減税は今回、特例措置によりメンバー入りしたが、1人会派となる無所属議員に特例は認められなかった。

多数会派への割り振りを優先

 議会事務局によると、一般質問は慣例により年4回の定例会(2月、6月、9月、12月)で行われる。1定例会につき14~21人が質問に立ち、1人50分以内(質問30分、答弁20分)との申し合わせがある。1年間に換算すると質問に立てるのは計70人、任期の4年間では計280人となる。このほかに、無所属議員の希望があれば加えられる。

 質問者は所属議員数を勘案し、議運委が会派ごとに割り振る。愛知県議会の会派別内訳は自民57人▽あいち民主28人▽公明5人▽減税3人――。直近の6月議会では、自民9人▽民主4人▽公明1人が質問に立った。

  後半では、愛知以外の都道府県議会の状況も紹介します。

 議員が一般質問を希望する場合、発言通告書を議長に出す。これまでは通告を受けるたびに議運委理事会でその都度協議し、対応を決めてきた。ルール変更について、島倉委員長は「無所…

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