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『パンと僕のモモちゃん』の“あげたまロール”を再現!

 最近、無添加や自然食品にこだわるパン屋さんに興味を持ち、色々食べ歩いているのですが、ここ数年すっかり「萌え断」サンドイッチが定着したな~としみじみ感じております。
 見た目がきれいなだけではなく、ラップやシートなど側面がきっちりガードされている為、野菜たっぷり入れやすかったり、思い切ってかぶりついてもボトボト落ちる心配がないのが嬉しいサンドイッチだと思います。
 しかし、某店に置かれていたある「萌え断」サンドは、具を大量に入れすぎてもはや丸形のシルエットとなっており、流行がピークに達するとどうしてもマリー・アントワネットの髪型の如くデカ盛りに進化してしまいがちなのかな…と感じました。

 どうも、生卵を乗せて焼くトーストやピザは半熟だと黄身がどうしてもダバーっとこぼれてもったいない為、やや固焼きにするしかないと断腸の思いで結論を出した当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『パンと僕のモモちゃん』にて主人公・シロ君が滋養たっぷりの朝食として作っていた“あげたまロール”です!
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 『パンと僕のモモちゃん』とは、母子家庭で7歳の時に母を突然登山中の遭難事故で亡くし、身寄りがない事から施設に入れられかけたものの伯母に引き取られて5年経過した12歳の少年・松野白(通称:シロ)君が、人間嫌いかつ猫好きで一見クールに見えるものの実は温かな心の持ち主である34歳の伯母・松野百恵さん(通称:モモちゃん)へパン料理を作る日々を描いた、異色のパングルメ漫画です
 サザエさんの一族で例えるなら、ワカメちゃんがタラちゃんを引き取って養育するような感じですね(←正確にはワカメちゃんはサザエさんの妹ですので、伯母ではなく叔母になりますが)。
 シロ君にとっては母、モモちゃんにとっては妹を同時に亡くし、それ以来お互いの心の空白や傷を共同生活をし支え合う事で少しずつ癒している様子が、切なくも微笑ましい作品です。
 これだけだとごく普通の成り行きに見えますが、何故異色かといいますと、それはシロ君がモモちゃんにほのかな恋心を抱いていること。
 正直、年上の異性への憧れや、亡き母に対する思慕を共有する縁である事や、多感な時期に身近な異性を意識する心理など、様々な要素が入り組んでいる為純粋な恋心とは違っているのかもしれませんが、シロ君は真剣に「モモちゃんとずっと一緒にいるにはどうすればいいか」と思うあまり不器用なアピールに走る事も多々あり、その結果モモちゃんから「至らない伯母のせいでシロがおかしくなってしまったのではないですよね…??」と悩んでいました;
 中でも、母との最後の会話が「大好きだよ」で終わってしまって以来、また失ってしまうのが怖いというトラウマもあり素直にモモちゃんへ好きと言えないストレスが暴発し、モモちゃんはかわいい猫が好き→猫ならずっと一緒にいられるという発想に至り、ある朝猫の尻尾のアクセサリーを腰につけて「ペットにしてよ」とシロくんがお願いしたエピソードは、もし自分がやっていたら数年後に上級黒歴史として悶え苦しみそうな案件です(←男女逆転だったら18禁漫画で普通にありそうなキワどい展開で、発覚したら生きるどころか社会的に殺されそry)。
 お互いとことん真面目な性格だと、ツッコミもなしにどこまでも思考が暴走機関車になって大変なことになるな~と苦笑したものです…。
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 今作のレシピは、まだ小学生のシロ君が主人公ということもあり、包丁も火も使わず誰でも安全かつ簡単に作れるのが最大の特徴で、朝食として食べることが多いです(←包丁も火も使わないレシピ限定の料理漫画って、実はなかなかないので貴重です)。
 「料理は危ないから私がします」と頑なに言うモモちゃんを説得させるよう、朝食は健康の為にもしっかり食べる必要があると言って上記のような安心調理法を編み出したらしく、シロ君を引き取って以来いつもに無理して頑張っているモモちゃんへのお礼と「共存のたしなみ」として行っていると書かれていました。
 何故パンばかりかと言うと、その昔、母を亡くしたばかりで何も食べたくないと元気を失っていたシロ君にモモちゃんが「パンに豊富に含まれている糖質は即エネルギーになる元気の源です。ですからパンを食べれば元気になります」「何があっても、どんな時も私たちは食べて生きていかなければなりません。食べて生きなさい」と言い、モモちゃん自身ボロ泣きしながらパンを頬張っていた思い出が印象強かったからの模様(←なんとなく、『千と千尋の神隠し』でハクから貰ったおにぎりにかぶりつきながら千尋が号泣していたシーンを思い出しました)。
 それ以来シロ君は「パンは僕に生きる元気をくれる」「パンは…愛だから」という理由で好物になったとのことでした。
 ただ、パン料理をやめたくないばかりに「…もう34歳。脳のことも考えないと、老後のために…」と冷静に言うところは、モモちゃんと同年代の身として切ないものがあるので、なるべくやめてあげて欲しいなと思います;(←ただ、どういう理由にしろモモちゃんの身を案じる気持ちは本当で、毎回食材の栄養素や効能について詳しく伝えてくれるのが優しいな~と感じました)。
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 今回ご紹介するのは、8話にてモモちゃんが不治の病と勘違いして栄養をつけたいと切実に考えたシロ君が、愛猫・クーちゃんがくわえて持ってきたバターロールの袋をみて思いついた、“あげたまロール”!
 作り方はとても簡単で、市販の味付きお揚げを袋状に広げて二重に重ね、そこへうずらの卵の水煮・ちぎったチーズ・スライスしたきゅうりを詰め込み、切れ目を入れたバターロールに挟んでマヨネーズをかけたらもう出来上がりです。
 ポイントは、お揚げを袋状にしたり重ねる時は破れないようそっと作業すること、バターロールの切れ目にはバターを薄く塗ることの二点で、こうすると丸いうずらの卵でもちゃんと収まりお揚げの煮汁でパンがびちゃびちゃにならないとの事でした。
 うずらの卵には鉄分とビタミン類、油揚げにはタンパク質・ミネラル類・食物繊維が豊富な高栄養食品で、この時過労で退院したてだったモモちゃんに手っ取り早く力をつけてほしかったのが伝わる一品です。
 油揚げを使ったトーストなどは少数ながらみたことはありますが、味付きお揚げと組み合わせるレシピは前代未聞ですので、初見時は結構衝撃を受けたのを覚えています。
 けれども、味付きお揚げは甘辛い味の割にそこまで癖は強くなくどちらかといえば淡白ですし、これまでにも焼きそばパンやナポリタンパンやお好み焼きパンなど、奇想天外に見えて実は合う組み合わせは登場している為、むしろ全然ありなのでは…と読み進める内に感じたものです。
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 手抜きで簡単な稲荷寿司を作ろうとして市販のお揚げを購入する際、ふとこちらのパンが頭に思い浮かび、無性に試したくなった為再現することにしました。
 作中では絵入りの調理工程が描かれていた為、早速その通りに作ってみようと思います。


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、具材の準備。
 市販の味付きお揚げを袋状に広げ、破れないようにそっと二重に重ねます。
 その中へ、うずらの卵の水煮と一口大にちぎったチーズを交互に入れ、残りのスペースを埋めるようにしてスライスしたきゅうりを入れます。
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 その間、バターロールはパン切りナイフで上部に半分だけ切れ目を入れ、室温に置いて柔らかくしたバターを薄く塗りつけておきます。
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 バターロールの切れ目に先ほどの具入りお揚げを挟み、マヨネーズをいつでもかけられるようスタンバイしたら“あげたまロール”の完成です!
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 お揚げの中にうずらの卵を入れる作業が地味に器用さを求められてそこそこ大変でしたが、慣れると意外にスイスイ詰めることが出来ました。
 パット見だとピタパンを挟んだロールパンっぽいので違和感はないですが、果たして味の方はどうなのか…とても気になります!
※本当は、マヨネーズをかけるのが正しいレシピなのですが、かけてないVerもなんだかおいしそうだったので、邪道ですが今回は二種類扱いで食べました。
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 それでは、マヨネーズをかけた物も、かけてない物も一緒にいざ実食!
 いただきまーす!
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 さて、感想ですが…「お揚げとパンって合うんだ…!」という謎の感動とファースト・インパクトがでかい美味しさ!ソフト系のパンになら何でも合いそうな組み合わせです!
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 洋のバターロールに和のお揚げを乗せたら味がバラバラ過ぎて反発しないか心配だったのですが、こってりした甘さのお揚げはかえってほのかに甘いバターロールと相性が良かったらしく、むしろ一体感がありました。
 ふんわり柔らかくて癖のないバターロールが、噛む瞬間から既に香ばしい煮汁が滴るジューシーなお揚げをしっかり受け止め、バターの香り高い風味と調和するのがたまりません。
 きゅうりの爽やかなシャキシャキ食感と、チーズの強いコクがいいアクセントで、口の中でマヨネーズと共に合わさると、「あっさりめでチーズ風味の甘辛たまごサンド」と例えたくなるような味わいになっていきます(←マヨネーズなしでも、「精進風ミックス照り焼き風サンド」的仕上がりになってさっぱり美味で、個人的にはこっちの方が好みかもしれないです)。
 醤油と砂糖とお出汁で濃厚に煮上がったお揚げは意外にも肉っぽくてなかなか食べ応えがあり、肉なしでボリューム感のあるサンドイッチを作りたい時はお揚げを具にしようと思ったくらいでした。
 バターのおかげでビチャビチャにならず程よく煮汁が染みたパンも、肉餡の汁気が染みた肉まんの饅頭部分的旨さがあり、良かったです。
 お揚げとバターもびっくりする程合っており、何でだろうと不思議でしたが、大人しめのバター醤油味と考えたら合点がいきました。


 難点を言うなら、お揚げが破れて崩壊すると、ツルツルしたうずらの卵が勢いよく転げ落ちそうになる為、慎重に食べ進める必要があります(←平行に食べるのではなく、なるべく傾けて食べたほうがいいかもです)。
 ご飯にあうものはパンにも合うというのは、グルメ漫画を読んでいて重々理解していたはずですが、まさかお揚げまでそうとは…と食の奥深さに改めて感心した再現でした。


P.S.
 無記名さん、無記名さん、匿名係さん、竈門さん、コメント下さりありがとうございます!
 無記名さん、半魚人と聞き『ウルトラマン』に登場したラゴンを思い出しました…もしそうなったら、夫といえど「ムー」へ投稿すべきでしょうか。『理想のヒモ生活』は、あんなに活躍して働き者なら壮大なタイトル詐欺のような気がしますw。嬉しいお言葉を下さり、感謝です。
 無記名さん、10年ぶりにお越しいただきありがとうございます。色々あり、記事数的にも一つの区切りが見えかけておりますが、亀仙人の「もうちっとだけ続くんじゃ」の如く続きそうです。多くの方の応援がなくてはここまで続かなかったと思いますので、感謝の一言につきます。
 匿名係さん、マロニーちゃんはこれまで思いつきませんでした!材料は違うものの、確かに春雨の一種ですね。実は以前、マロニーちゃんと同じじゃがいも澱粉が原料の春雨で試したのですが、そちらも同じくぼそぼそになっちゃいました…マロニーちゃんはどうなんでしょう。
 竈門さん、マルコメの大豆ミートでも代用可能だと思います。むしろ、この時の再現のように一から大豆の皮を剥いてつぶして使用するより、食感や食べ応え的には断然お肉に近い味わいになりそうです。ベジタリアンの方にとって、便利な世の中になったな~と感じます。


●出典)『パンと僕のモモちゃん』 うさとさや/コアミックス
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『はたらく彼女と、つくるヒモ』の“キハダマグロのタルタル”を再現!

 まだ寒波が去ったばかりだった頃のある夜、帰宅した夫から「今度の月曜の夜、会社のみんなと海に行くことになったから晩ご飯いらない~」と言われ、「やった、晩ご飯手抜きできる!久々に納豆パスタでも作っちゃおうかな?分かったー、いってらっしゃい」と何気なく返事をした事がありました。
 しかしよくよく考えてみると、こんな極寒続きの気候の中、ろくに電灯もない真っ暗な海で会社の人達と何をするのか…?と少しホラー味を感じた為、改めて理由を聞いてみると、「え、海?違う違う、〈海に〉じゃなくて〈飲みに〉行くって言ったんだよ!」と聞き間違いだった事が判明しました。
 この時も飲みに行った日も特に何事もなかった為、当管理人の耳が何もない所で不運と踊っちまったというよくある話で済みましたが、もしその日夫が何らかの事故にあって行方不明になってしまった場合、警察の方へ「会社の人と海に行くから遅くなるって言っていました…違うんですか?」と意味深な証言をし、ちょっとした都市伝説みたいなエピソードになっていたかと思うと、今後はもっと耳をすまして夫の話を聞こうと気持ちを新たにしたものです。

 どうも、長年一緒にいてもお互い思い込みのボケと真相発覚後のツッコミばかりで以心伝心とは程遠い当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、 『はたらく彼女と、つくるヒモ』にてある夜サプライズディナーが開催された際に登場していた“キハダマグロのタルタル”です!
キハダマグロのタルタル図
  漫画『はたらく彼女と、つくるヒモ』とは、某洋菓子店で週休一日早朝から深夜まで働くという激務でパティシェをしていた主人公・まいったねぇさん(通称:まい君)が心身ともに限界を感じて同棲中の彼女・れなさんに退職の相談をしたところ、「人生の休暇と思ってゆっくりしなよ」と言われてヒモになり、たっぷりある時間を使って彼女に愛情を込めたいたわりご飯を作る日々を描いた、ヒモが作ってみた系ほのぼのコミックエッセイです(←※作画の野宮レナ先生と彼女のレナさんは、同名の別人です)。
 これまで世に出てきたヒモが主役の作品といえば、投資で何億も稼ぐ金持ち美少女小学生達に養われて自堕落なハーレム生活を楽しむ一種のファンタジー漫画や、親も見捨てた酒とギャンブルが好きなヒモ彼を何とか更生させようとする悲壮感溢れる漫画や、東村アキコ先生が自身のアシスタントである夢追い系男子を立派なヒモに養成し経済力のある女性とマッチングさせる実録系漫画けれども案の定猛烈な批判にあい僅か二回で謝罪文掲載の上打ち切りになった幻の作品など、色んな意味で灰色の暗~い気持ちになってくるマイナスイメージな物ばかりでした(←ただ、気が付くと異世界に召喚されて褐色美女の女王様のヒモになったという『理想のヒモ生活』という作品はおすすめです)。
 しかし、本作のまい君は時間に規則正しい生活を行いながられなさんをサポートし、趣味は料理で朝も夜も健康に良く美味しい料理を作り、常ににこやかな雰囲気でれなさんをさり気なく元気づけているところが読んでいて非常に好感的で、ヒモというよりもはや主夫だと感じました。
 まい君曰く、「ヒモのあり余る時間の使い道として、パチスロ通いよりも実は料理がぴったりだと思うんだ」「料理はお金がなくても時間と手間をかければおいしいものができるんだし!」との事で、実際に作中ではスーパーで普通に売られている食材が多用されているのが特徴で、お財布に優しいレシピが多いです。
 使う食材や分量が一覧となってきちんと記載されていたり、絵付きでコツがわかりやすく書かれていたりと、料理する側としては大変ありがたい料理本としても優秀な一冊なので、初心者の方にも安心してお勧めいたします。
ヒモになることにした主人公・まいったねぇさんことまい君
 あと、こちらの作品を読んでいて幾度となく圧倒されるのが、彼女であるれなさんの器のでかい姉御肌っぷり!
 まだ結婚していなかったとはいえ、共に生活する者として相方の収入がゼロになってしまうと聞くと少し怯むものがあってもおかしくないと思うのですが、まい君から退職について話をされたところ、開口一番「まあ…なんとかなるよ…!」「私の収入があるじゃん」とにっこり笑顔で受け入れられ、まい君が一日でも早く職を見つけられるよう頑張ると言っても「そんなに急がなくていいんじゃない?」「今まで働きづめだったんだからまい君のしたいことをしなよ」とヒモ生活への背中を押す優しい言葉まで言っているシーンがあり、男前だなぁ…と感動しました。
 自身が大手アパレルメーカーの会社員としてフルに働くキャリアウーマンだった事も大きかったと予想できますが、それ以上に彼氏であるまい君を一人の人間として信頼していたからこそ出た言葉だと感じ、こんな伴侶だったら心強いだろうな…と思ったものです(←経済力があって度量のある女性に養われると聞くと、条件反射的に『ドラゴンボール』のブルマが思い浮かびますが、確かにバイタリティのある性格はお二人共似ている気がします。その為、一瞬まい君はベジータのポジションか…と考えましたが、ベジータはアニメ・『ドラゴンボール超』のギャグ回以外は家事を一切していないので真逆ですね)。
 れなさんが言うには、まい君の料理は「どこかで食べたような、でもどこにもないような…落ち着く味がするね」だそうで、まだ付き合いたてだった頃に手料理を初めて食べた時も「この人となら何があっても暮らしていける気がする」と感じたとのこと(←実際、作中で登場しているレシピはシンプルながらもほっとする、それでいてオシャレなエッセンスを感じる家庭料理が多く、こんな料理を連日ふるまわれたら胃袋を掴まれそうです)。
 最終的にこの二年後、充実した生活で気力が回復したまい君はごく自然に「そろそろ働きはじめようかな」と思い立ってヒモを卒業し、作業療法士として働きれなさんとも結婚されたようで、読後感もよかったです。
めちゃくちゃ男前な同棲中の彼女・れなちゃんどこかで食べたような、でもどこにもないような温かい料理の数々
 今回ご紹介するのは、第二話で作られていた“キハダマグロのタルタル”!
 作り方は簡単で、みじん切りにしたキハダマグロ・玉ねぎ・パセリ・ケッパー・塩・醤油・粗挽き黒コショウ・ウスターソース・エクストラバージンオリーブオイルを混ぜ合わせ、仕上げにサイコロ状に切ったアボカドを敷いたお皿へ丸く盛り付け、いくらを飾り付けたらもう出来上がりです。
 ポイントは、キハダマグロはさっぱりした背中の身のサクを使用すること、マグロの身は細切りにしてから小さく刻むことの二点で、こうするとトロリとした口あたりで程よいコクのある味わいになるとの事でした。
 元となったタルタルステーキは、生肉やにんにくを使ったがっつり系のレシピが主流ですが、こちらはマグロで尚且つウスターソースを使うというのが新しい発想で、定番料理でありながらも独自のセンスを感じさせます。
 ちなみに、こちらの料理はれなさんの誕生日にサプライズとして出したご馳走の前菜で、仕事でクタクタになって帰ってきた夜にこんなおもてなしをされるなんて羨ましい…と感じたものです(←我が家は平成も令和も、「私作る人、僕食べる人」の昭和スタイルです。当管理人はまい君と同じく作るのも食べるのも好きなタイプなので問題ないですが、たまに夫がパスタを作ると「人が作ったご飯もいいなぁ」としみじみ思います)。
キハダマグロは淡白な分、タルタルにぴったり
 最近、品質がいいキハダマグロの刺身用のサクをお得な価格で手に入れることができたので、以前から気になっていたこちらの料理を再現することにしました。
 作中には至れり尽くせりの詳しいレシピがちゃんと記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、キハダマグロの下準備。
 背側の身のサクを一旦細切りにした後、さらに小さく切ってたたき状にします。
 ※サクがない場合は、同じく赤身でさらに味が濃い中落ちを使うのもありかと思います。
キハダマグロのタルタル3
 次は、味付け作業。
 ボウルへ先ほどのキハダマグロをいれ、そこへみじん切りにした玉ねぎ、パセリ、ケッパーを投入し、スプーンなどでざっくり合わせます。
 そこへ、塩、醤油、粗挽き黒コショウ、ウスターソース、エクストラバージンオリーブオイルを投入し、全体に味が行き渡るようしっかり混ぜ合わせます。
キハダマグロのタルタル2
キハダマグロのタルタル1
 具材に調味料がよく混ざったら、あらかじめ皮を剝いてサイコロ上に切ったアボカドを敷いたお皿へ丸く盛り付け、最後にイクラを飾り付ければ“キハダマグロのタルタル”の完成です!
キハダマグロのタルタル4
 作中で言われていた通り、パーティー向きの宝石みたいに華やかな一皿で、薄くスライスしたフランスパンを添えたら立食パーティーでも手軽に食べやすそうです。
 やや大胆な組み合わせなので少しドキドキしますが、マグロとアボカドという無敵の鉄板コンビを信じてみようと思います!
キハダマグロのタルタル5
 それでは、軽く混ぜ合わせていざ実食!
 いただきまーす!
キハダマグロのタルタル6


 さて、感想ですが…自宅にいるはずなのに、一気に今風のシックなジャズバーに転送されたのかと思ってしまう程、「外」のおつまみ感がする美味しさ!ビールは勿論、白ワインや辛口のジンジャーエールにぴったり合いそうな粋な味です!
サプライスディナー大成功もうなづけるお味
 マグロの赤身のあっさりしたコクに、ウスターソースのスパイシーでシャープな酸味と、黒コショウのピリッとくるドライな辛味は相性がよく、例えるなら「洋風仕立ての香味マグロのたたき」みたいな味付けだと思いました。
 玉ねぎのシャキシャキした小気味良い食感と、パセリのサクサクした爽やかな歯触りが、柔らかくてほのかに粘りのあるタルタルマグロをより引き立てています。
 キハダマグロは本マグロやミナミマグロに比べるとやや淡白めで、刺身だとどうしても物足りないイメージがありますが、タルタルにすると他の素材が色々カバーしてくれて十分豪華な一皿になっていました。
 また、付け合わせられたアボカドのこってりした味わいとイクラの贅沢な塩気のアクセントは地味に重要で、さり気なく味変をし、最後まで単調なく食べられたのが良かったです。
 当初、生のマグロとウスターソースって合うのだろうか…と心配していましたが、ウスターソースの香りが生魚にありがちな生臭さをスパッと断ち切り、他の個性が強い食材の中で欧風ポン酢のような役割を果たしてそこまで違和感がなかった為、料理は奥深いと感心しました。


 これまで進んで買おうと思わなかったキハダマグロですが、こんな洋風味でも合うのなら、今後はもっと思い切った調理法でいろいろ試してみるのもありかも…と目から鱗が落ちました。
 オシャレすぎる料理だと抵抗感のある夫も「うまい!」と好評で、お互いお酒が進みました。
 細かくたたいて作るので、特価で販売されている切り落としでもおいしく作れるので、おすすめです!


P.S.
 Sullaさん、いちろーさん、無記名さん、ブログ拍手欄にて拍手の際にコメントをしてくださり、ありがとうございます!
 Sullaさん、長らく拍手コメントしていただいていたことに気づかず申し訳ございません…!ここ数年拍手欄でコメントをいただくことがなかった為、まったく気づいておりませんでした…。もう見て頂いていないと思いますが、改めてこの場にて謝罪いたします。
 いちろーさん、大変ありがたいお言葉痛み入ります。とんでもないです、とても光栄で嬉しかったです。未だ自分の文章に満足していない為、自信が持てないのですが、そう仰って頂けて安堵しております。九州といえどまだ寒く咳き込みやすい日が続いておりますので、どうぞご自愛ください。
 無記名さん、優しいお言葉を下さりありがとうございます。一か月に一度ペースと思っているのですが、なかなか難しいのが歯がゆいです…。美味しそうな料理を紹介されている素敵な作品と、ご縁があり見て頂いている方々が知り合う、ほんの小さなきっかけとなれるよう、無理せず更新いたします。

 
●出典)『はたらく彼女と、つくるヒモ』 作画:野宮 レナ 原案:まいったねぇ/KADOKAWA
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店』の“若尾のポテトサラダ”を再現!

 ものすごく今更で大変恐縮ですが、明けましておめでとうございます。
 昨年は何の前触れもなく12月更新をお休みしてしまい、申し訳ございませんでした。
 正直、過疎りすぎて場末のスナックどころか「…ここ、本当にまだ閉店してない?」と近所で噂になっていそうな曰く付きの個人店みたいな状態になっている為、来られる方もほぼ0になったかと思っていたのですが、拍手やコメントをして下さる方がいらっしゃった為驚くと同時に感謝いたしました。
 2023年も、細々と着実に続けていきたいと思います。

 どうも、新年早々に喘息を発症していたことが判明し、「辛い料理を控えるべきって言われたけど、四川麻婆豆腐やスリランカカレーを食べられなくなるのは嫌だな…」とあくまで食べる事ばかり考えている当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店』にて主人公・ワカオさんが父から受け継いで作り続けている“若尾のポテトサラダ”です!
若尾のポテトサラダ図
 『大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店』とは、新久千映先生の代表作・『ワカコ酒』のスピンオフ作品で、猫原ねんず先生によって連載されていた、居酒屋という限られた舞台で繰り広げられる日常グルメ漫画です。
 先代の父から引き継いでもう20年になる、どの駅からも徒歩15分の立地にある猫の額ほどの大衆酒場「若尾」の店主・ワカオさん(50)が主人公で、スポーツ刈りとちょっぴり強面な顔立ちがトレードマーク。
 寡黙なので分かりにくいですが、手間暇かけて料理を作る情熱と、お客さんへのサービス精神はかなりの物で、「おいしい」の一言が客席から聞こえるたらそれだけで「こんなことで明日も頑張ろうという気になってしまう」と思う、料理人の鑑のような男性です。
 『ワカコ酒』はお客さん目線の漫画で「食べる行為のこだわり」を貫く攻めの姿勢で描かれていますが、『大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店』はお店の方目線の漫画の為、「作る行為のこだわり」をお客さんに満足してもらえるよう受けの姿勢で表現しており、読んでいて面白いです。
 四季によってお店や食材の雰囲気が変わったり、季節の移り変わりを調理工程の感触の違いによってしみじみ実感したり、客席ではなくカウンターだからこそ見えてくるお客さん達の人間模様を密かに応援していたりなど、事細かに描写されている心情が微笑ましいので、一味ちがうグルメ漫画を読みたい方におすすめです(←また、臨場感あふれる料理描写も見ものなので、お料理系YouTuberの動画がお好きな方が見てもハマるかもしれません)。
怖い顔をしているように見えますが、笑うと優しい表情になる主人公
 「若尾」は午後7時に開店し、午後2時に閉店するやや遅い時間帯の営業スタイルで、店主一人だけだと負担が大きいせいか、女子大生・やっちゃんが接客兼調理アシスタントとしてアルバイトにきています。
 明るく元気で手際がいい上に気配り上手、真面目ながら愛嬌もあり、常連さんとの会話もそつなく心から楽しんでこなすという、まさに理想の部下又は理想的な息子のお嫁さん的存在のスーパーアルバイトで、若年ながら既にワカオさんにとって心強いサポート役となっています。
 飲食業界で働きたいと思い、料理人というお仕事に興味を抱いているやっちゃんの為、たまにワカオさんが簡単な料理を教えているシーンがあるのですが、飲み込みが早く「教えがいがある」と独白していました。
 性別も年齢も性格も立場も異なるお二人ですが、だからこそ違う視野や知識をお互い交換し合っていい化学反応を起こしているのが読んでいてほのぼのする感じで、読んでいるこちらとしても常連客の一人になったような気持ちでついにやにやしながら眺めてしまいます。
お店の看板娘・やっちゃんは滅茶苦茶いい子!
 今回再現するのは、第十六夜目のお話で登場した“若尾のポテトサラダ”。
 作り方はちょっと手間がかかり、蒸して皮を剥いたじゃがいもをつぶして塩と粗びき黒胡椒で味付けし、粗熱が取れたら塩もみしたきゅうりと玉ねぎ・蒸して切ったにんじん・ざっくり崩した茹で卵・火を通したベーコン・細切りにしたたくあんを投入して混ぜ、最後にマヨネーズで味付けしてさらに粗びき黒胡椒をトッピングしたら出来上がりです。
 ポイントは、じゃがいもは粗めにつぶすこと、きゅうりは種を取り除いてから斜め細切りにして塩もみすることの2点で、こうすると無骨なまでに芋の味がする水っぽくない仕上がりのポテトサラダになるとのことでした。
 ワカオさん曰く、このポテトサラダはお袋ならぬ親父の味だそうで、昔からお店でも家でも定番料理として出されていた、子供の時一番好きだった思い出の味とのこと。
 先代の頃から来ている常連さんにも人気のメニューで、「…うん、親父さんの頃から変わらない味。相変わらずうまいよ」「ここのはちょっとクセになるよな。何か食べたくなって寄っちゃったよ」とある男性が語っていました。
 初見時は「たくあんとマヨネーズ味って合うのだろうか…?」と不思議でしたが、その後滋賀県にはマヨネーズで和えたたくあんをコッペパンに挟んだ“サラダパン”という総菜パンがあることを知り、意外と合うのか…と衝撃を受けたのをお覚えています。
子供の頃好きだった味を、今度は自分が作っている…いいですね
 最近、一時期高騰していたじゃがいもやにんじんの値段がやや落ち着いてきた為、これをいい機会に再現してみることにしました。
 作中では、大体のレシピや作業工程が絵入りで描かれていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、じゃがいもの下ごしらえ。
 じゃがいもは流水でしっかりこすり洗いして泥を落とし、少し濡れた状態のまま蒸し器に入れて蒸します(←この時、じゃがいもを一周分包丁で切れ目を入れてから蒸すと、後々皮が剥きやすくなります)。
 じゃがいもの中心まで竹串がスッと入るくらいまで柔らかく蒸しあがったら蒸し器から取り出して皮を剥き、木べらやフォークなどでざっくりと粗く崩して塩と粗びき黒胡椒で味付けし、少し時間をおいて粗熱を取っておきます。
若尾のポテトサラダ1
若尾のポテトサラダ2
 次は、具の準備。
 卵とにんじんはそれぞれ適度に茹で、卵は殻を取ってからざっくりめにきざみ、にんじんは薄めのイチョウ切りにします。
 きゅうりは種をそいでから薄い斜め切り、玉ねぎは薄くスライスしてからそれぞれ塩もみし、水分が出てきたらそれぞれ両手でしっかり水切りをします。
 たくあんは好みによりますが、今回は軽く汁気を絞って細切りにしてみました。
 ベーコンは拍子木切りにし、フライパンでややカリカリになるまで炒めておきます。
若尾のポテトサラダ3
若尾のポテトサラダ4
若尾のポテトサラダ5
 今度は、いよいよ仕上げ作業。
 じゃがいもが入ったボウルへ、先ほど用意した茹で卵、にんじん、きゅうり、玉ねぎ、たくあん、ベーコンを投入し、丁寧かつざっくりと混ぜ合わせます。
 そこへマヨネーズを絞り入れ、全体に味がなじむようまんべんなく混ぜます。
若尾のポテトサラダ6
若尾のポテトサラダ7
 じゃがいもと具にマヨネーズや塩胡椒が合わさったら小皿へとりわけ、仕上げに上から粗びき黒胡椒を散らせば“若尾のポテトサラダ”の完成です!
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 ゆで卵の白、たくあんの黄色、きゅうりの緑、にんじんのオレンジ、ベーコンのこげ茶などいろんな色がじゃがいもに映えているのが美しく、目でも楽しめるポテトサラダです。
 実家では魚肉ソーセージを使用していたり、具も大分簡略化されていた為いつもと違う雰囲気にドキドキしますが、見るからに美味しそうなので味が楽しみです!
若尾のポテトサラダ9
 それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
若尾のポテトサラダ10


 さて、感想ですが…甘辛酸、色んな味がする賑やかなご馳走ポテサラで美味!副菜というよりもはや立派な主役で、酒の肴としても優秀です!
親父さんの代から愛されるポテトサラダの味
 蒸した後大ぶりに崩した事で最高にホクホクしたじゃがいもや卵の黄身、プリプリした舌触りの卵の白身がベースで、一口だけでも結構食べ応えがありました。
 滑らかなポテサラのように上品ではないですが、塊状でゴロッとした芋を噛みしめるのもワイルドな醍醐味があり、マヨ味に染まり切っていないじゃがいも本来の素朴な味も同時に楽しめるのも、少しお得な気がします。
 ベーコンの旨味のある塩気と、粗挽き黒胡椒のピリッとしたスパイシーな風味が大人好みのパンチが効いた味付けにしており、王道というよりは食事に力を入れた今風のバーで提供されていそうな、オシャレで洗練されたポテサラというイメージでした。
 たくあんのカリコリした小気味良い歯応えと、大根特有のじんわり優しい甘味が所々主張してくるのがよく、塩味だけだと単調になりそうになるのを引き締めてくれます。
 意外にも、きゅうりの種がないのがそこそこ味に影響しており、水っぽさがなく全体的にしゃっきりしているのがひと手間かけたお店感を出しており、他の具ともしっくりくるよう調和していたのに感心。
 また、いぶし銀的ないい仕事をしていたのが玉ねぎで、塩もみしてちょっぴりとろみを帯びてしんなりシャキシャキした食感、わずかにピリッとくるシャープな辛味がいいアクセントになっていました。


 これまでポテトサラダは魚肉ソーセージが合うと考えていましたが、今回のように色んな具が入った贅沢なポテトサラダだったら、むしろベーコンみたいに存在感のある塩気の方がいいかも…と考えを改めました。
 ポテトサラダはどうしても副菜みたいな扱いになりがちな割に、大変手間がかかるので作るのは億劫になりがちですが、こちらのポテトサラダは思い出すたびに食べたくなるような癖になる感じがあった為、また作ってみようと思いました。
 夫もこのポテトサラダは気に入ったようで喜んでおり、ほっとしました。


P.S.
 無記名さん、無記名さん、ひやむぎさん、コメントをして下さりありがとうございます。
 無記名さんがおっしゃっていた「ロ〇ホ」の「コス◯ド」、恥ずかしながら今まで知らなかったので検索したのですが…確かに似てて驚きました!これも美味しそうですね…一度食べてみたいです。
 無記名さんも、『おおどろぼう』シリーズのバナナオムレツが心に残っていたとお聞きし、とても親近感を抱きました!お役に立てたみたいで、よかったです。簡単なのにちょっとない美味しさなので、お勧めです(←卵は硬めに焼くより、フワフワ半熟がよさげです)!
 ひやむぎさん、ブログを楽しみにして頂いているとのお言葉ありがとうございます!  『どんぶり委員長』は読んでも作っても楽しい作品なので、そうおっしゃって頂けるととても嬉しいです。『パンと僕のモモちゃん』、先日読んでいて面白い上に美味しそうなレシピがいっぱいで再現したくなりました…情報提供してくださり感謝です!


●出典)『大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店』1巻 漫画:猫原 ねんず 原作:新久 千映/コアミックス
     『大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店』2巻 漫画:猫原 ねんず 原作:新久 千映/コアミックス
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『週末キッチン』の“とろとろチーズのクリーミーシーフードラーメン”を再現!

 先日、久々に『ベビーシッター・アドベンチャー』を夫と一緒に視聴したのですが、相変わらずドキドキハラハラする子供たちの一夜の冒険譚という感じで、暗記する程見たはずなのに最後まで楽しく見られました。
 デートをドタキャンされた女子高生・クリスが、急遽母親からアンダーソン家の娘・8歳のサラのベビーシッターをするようにお願いされ、サラの兄で以前からクリスに憧れていた15歳のブラッド共々彼らの両親が帰ってくる深夜まで面倒を見ることになるのですが、そこにクリスの親友・ブレンダから「家出して遠くまで行こうと駅まで来たけど、そこまでのタクシー代でお金を全部使い果たした!その上、恐ろしい人達がそこら中にいて殺されそうで怖い!お願いだから車で迎えに来て!」と懇願され、仕方なく迎えに行くことになるのですが、そこにアンダーソン家の姉弟とブラッドのお調子者な悪友・ダリルまでついていくことになってしまい、渋々クリスは母の車で駅のある都会へと向かう…という導入で始まるストーリーなのですが、後にブラッドたちが「人生で最高の夜」と言うのも頷ける数々の冒険に興奮するお話なので、本当にお勧めな映画です。
 実はこれまで、まっさらな状態で楽しみたい為Wikiやネットで調べたことがなかったのですが、視聴後にふと検索したところ、まさかのディズニー映画と知り驚きました(←ディズニーといえばアニメ、作中何度も挟まれるミュージカルという思い込みがありました;)。
 かの有名な『ホーム・アローン』シリーズの監督が初めて担当した作品だそうで、何だか『グーニーズ』『ミセス・ダウト』『ジングル・オール・ザ・ウェイ』も見返したくなってきたものです。

 どうも、中学3年生の時にある学習テストを受ける為遠出して電車で帰る際、うっかり寝過ごして気がついたら外は真っ暗、自分以外誰も乗ってない車両に揺られてパニックになりかけたという恐怖経験のある当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『週末キッチン』にてある夜に行われたカップラーメン縛りの夜食報告会にて報告されていた“とろとろチーズのクリーミーシーフードラーメン”です!
トロトロチーズのカップラーメン図
 『週末キッチン』とは、もう10年以上の付き合いになる仲良しな独身男子3人組・三田村裕介さん(34)、大野一樹さん(35)、吉岡薫さん(28)が週末に裕介さんのキッチンで料理してまったりしたり、近所でぶらぶらグルメ散歩をしたり、遠出してグルメ旅に出かけたりする日々を描いた、友情がミックスされた日常系グルメ漫画です。
 元々は2014年から某漫画アプリで不定期連載されていた作品なのですが、別の連載でお忙しくなったことが原因か1年に1~2話の新作を読めれば御の字な状態となり、連載や単行本化は絶望的か…と半ば諦めかけていたものの、2019年にめでたくLINE漫画で連載が決定されて単行本化も実現された、まさに奇跡のV字回復を遂げた漫画!
 特に何か事件が起きたり、『ジャングルの王者ターちゃん』『クレヨンしんちゃん』のようにいきなりシリアスな鬱エピソードが挿入されたり、学園バトル物が異世界ファンタジーバトル物になったりするぶっとび展開がある訳ではなく、その辺は『よつばと!』を始めとするその他の日常系漫画と同じです。
 作中で「オレたちも大きな奇跡はないけど、小さい奇跡を信じて平凡な日常を頑張って生きるかぁ」と言われている通り、週末の楽しみを糧に仕事や私生活のゴタゴタを頑張る姿は自分達にも通じる物があり、休みの前日に読んで癒されるのに向いているシリーズです。
  単行本1~2巻までは分量はあったりなかったりとまちまちでしたが、それ以降はきちんと記載されるようになり、尚且つ何と作者のトータス杉村先生が奥様と作中の料理を再現してYouTubeでアップされている為、レシピのわかりやすさは料理漫画界でもダントツかと思われます(←チャンネルはこちら)。
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 3人とも主人公といえば主人公ですが、その中でもやはりまとめ役で中心的存在と言えるのが、オーソドックスな眼鏡男子の裕介さん
 周囲から「給料も普通、用紙も普通、性格も普通…」「面白みがないともいう」とからかわれている通り、標準的なスペックのA型お料理男子で、WEB制作会社勤務。
 そろそろ結婚したいと考えて婚活パーティーに参加してますが、どこか認識の甘さが見えるせいか仮交際までたどり着いたご縁はなく、最近は新しく購入した魔法瓶弁当箱にハマっています。
 また、この中で1番年上なのが、モジャモジャ頭がトレードマークの一樹さんことカズさん。
 4人兄弟の次男としてヤンチャに育った影響か、よく食べよく寝てよく笑う好奇心旺盛で明るい性格で、元々は大手出版社の〇学館に務める編集者だったそうですが、革細工職人になりたいという夢を抱いて退社し、数年は見習いと言う名のニートをしていましたが、先日やっと自分の革工房をオープン。
 メンバーでは唯一のバツイチ子持ちで、革細工職人を目指した頃に離婚して弁護士の元奥さんが一人息子を引き取ってたまに面会しているようですが、内心では復縁を狙っている模様です。
 あと、メンバーでは一番年下なのが、イケメン枠の吉岡薫さんことヨッシー。
 大学時代、すでに社会人になっていて同じアパートに住んでいた裕介さんとひょんな事から知り合って以来ずっとカズさん達とつるんでおり、アラサーになり食品メーカーでサラリーマンとして働くようになってからも永遠の後輩としてよく面倒を見られています。
 美人で押しの強いお姉さん方に囲まれて育ったせいか末っ子気質で、基本的には裕介さん同様に常識人ではありますが、どこか気まぐれかつマイペースで、小さい時にマンション前で保護して3人が保護者として飼う事になった猫・くるりちゃんと共に暮らしています。

 なお、人物紹介の欄に年齢が記載されていますが、実はサザエさん時空ではなく、厳密にではないですがゆっくり年を取る設定になっているようで、2020年の時点で裕介さんは37~38歳、カズさんは38~39歳、ヨッシーは31~32歳と明かされていました。
 将来、3人とも結婚しなかったら一緒に家を借りて暮らそうか…という、冗談のようで結構本気そうな空想も話し合う回もあったので、個人的には主要人物がとうとう50代に投入した『きのう何食べた?』『杉原爽香』シリーズのように、そろそろ老後の支度を考え始める年頃まで見守りたい作品です。
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 今回ご紹介するのは、2巻でヨッシーが夜食として食べていた“とろとろチーズのクリーミーシーフードラーメン”!
 作り方はものすごく簡単で、シーフードヌードルのフタを開けてとろけるミックスチーズを入れてお湯を入れてフタをし、時間が経ったらフタを開けて牛乳を少し入れたらもう出来上がりです。
 ポイントは、通常3分とされている待ち時間を2分半とやや早めに設定することで、ヨッシーは硬めの麺が好きなので30秒程早めに食べるのがデフォだと書かれていました。
 正直、袋麺はお鍋に入れて直接火を通す為色々とアレンジをしやすいですが、カップ麺は容器にあらかじめ入っている分自由に手を加えにくく、せいぜい薬味を足すくらいしかしてこなかったのですが、牛乳とチーズならお手軽に足せそうなので、かなり興味をひかれたのを覚えています。
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 先日、カップヌードルが比較的安く売られているお店を見つけた際にこちらのアレンジ料理を思い出し、再現することにしました(←金欠の時にインスタントラーメンを食べる描写が昔の漫画にありましたが、近頃は大分高価になったのでそうそう食べなくなっています)。
 作中には詳細な作り方が記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、下準備。
 シーフードカップヌードルのフタを少し開けて中へミックスとろけるチーズをふりかけ、そのままいつも通り熱湯を内側の線まで注ぎ、フタを閉じて2分半放置します。
 時間が経ったら、チーズのとろけ具合を確認しつつ牛乳を加えます。
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 少しだけ混ぜて牛乳を全体に気渡らせれば、“とろとろチーズのクリーミーシーフードラーメン”の完成です!
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 香りはいつもと変わりませんが、真っ白な見た目は一見豚骨ラーメン風で、少し戸惑います;。
 牛乳ととろけるチーズを一緒にかけるのは初めてなので味の想像がつきませんが、見たところ美味しそうなので、期待大です!
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 それでは、熱い内にまたかき混ぜていざ実食!
 いただきまーすっ!
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 さて、味の感想は…予想以上にクリーミーで美味し!定番にしたい程しっくりくるアレンジです!
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 シンプルながらも癖になる、まろやかなミルク風味のシーフードスープといった味わいで、スープだけ単品で売っても人気が出るんじゃ…と感じたくらいほっとしてすぐ馴染む仕上がりでした。
 ここにあさりを加えたら、ジャンクなクラムチャウダー風とも言うべき味付けに進化し、より完成度が高まりそうです。
 実はこれまで、シーフードヌードルはスープがシャープに塩辛く角々しいイメージがあった為そこまで好きではなかったのですが、チーズの脂分や牛乳の丸みのあるコクが程よく中和しているせいか、一転して癒やし系ラーメンになっており、シーフードヌードルが俄然好きになりました。
 豚骨ラーメン風になるかと思いきや海鮮出汁が強いせいかそこまで豚骨っぽさはなく、どちらかといえば海鮮ちゃんぽんのスープに近いです。
 チーズは細く伸びて麺に絡むというより、所々チャンクな部分があって別種の麺として一緒にすする感じでしたが、これが結構食べ応えがあり、見た目よりもかなり濃厚です。
 今回はヨッシー風に2分半で作り、しゃっきりしたやや硬めの麺にしたのですが、こってりスープに硬めの細麺は博多ラーメンでも立証されている相性の良さなので、このまろやかなスープとぴったりでした。


 カップラーメンのアレンジは今まで色々見ましたが、今回のシーフードヌードル+牛乳は手軽かつ上位互換と言っても過言ではないアレンジですので、いろんな方にぜひ試していただきたいです。
 作中では牛乳は少量と書かれていましたが、いっそ沸かした牛乳100%で作ってもイケるのでは…と考えた程なので、むしろ多めをお勧めいたします。
 このお話では、カップヌードル+海苔と梅干しや、カレーヌードル+生卵と醤油など簡単に試せるアレンジがいくつか載せられていたので、こちらの方も試してみようと思います。


P.S.
 無記名さん、無記名さん、コメントをして下さりありがとうございます。
 美味しそうとおっしゃって頂けると、大変励みになります。
 栗ご飯がそこまで好きではない夫も、洋風で玉子付きだと「一風変わったピラフみたいで美味しい」と好評でしたんで、作中で言われていた通り、和風の栗ご飯が苦手な方に一度はお試しいただきたいレシピだと思いました。


●出典)『週末キッチン』1巻 トータス杉村/LINE Digital Frontier
     『週末キッチン』2巻 トータス杉村/LINE Digital Frontier
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『紺田照の合法レシピ』の“ほっくり洋風栗ごはん玉子のせ”を再現!

 先日、「そうだ京都に行こう」と急に思い立ち、九州から新幹線に乗って女一人気ままな日帰り旅行をしてきました(←ちなみに、その日深夜に思いついて数時間後の早朝の便に飛び乗った為、移動費用の方が高くつきました天下御免の大馬鹿者ですね)。
 ずっと家に引きこもっていたので脚力の衰えが心配でしたが、ほぼ徹夜で丸1日観光できたので、人間の潜在能力ってすごいと感じました(←ただ、高台寺にある傘亭へのちょっとした山歩きかと思う急こう配な道のりはなかなかヘビーで、一瞬めまいがしました)。
 偶然ですが、その日は約3年ぶりに時代祭が開催される日だったそうで、タクシー運転手さんからお勧めされたのもあり見学したのですが、様々な時代の有名人物に扮した方々の行列を間近で見ることが出来、満足でした。

 どうも、「紫野和久傳」さんでお土産として購入した和菓子の“西湖”“くりの葛焼”に感動した当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、 『紺田照の合法レシピ』にて紺田君が5代目組長とその息子さんの為に作った“ほっくり洋風栗ごはん玉子のせ”です!
ほっくり洋風栗ごはん玉子のせ図
 紺田君が所属する霜降肉組は3年前に先代組長が抗争により急逝しており、それからはその妻・霜降美月さんが5代目組長として後を引き継ぎ、息子と組を女手一つで養っています。
 見た目は全然違いますが、中身は『静かなるドン』にて異彩を放つ「ニトロのお妙」こと近藤妙さんに似た過激な性格で、かなり男前で度胸のある女性です。
 ある時など、対立勢力である桃嘉十組の組長から「俺と一晩どうですかぁ?」と和解の席で言い寄られた事があったのですが、一見満更でもなさそうな雰囲気を出しながら、次の瞬間太ももに装着していたダイナマイトをチラ見せし、「優しくしてくれんと…火傷するんで気ぃ付けて下さい」「ウチを抱くなら命懸けでっせ」とほほ笑んでいました。
 「それ以上ウチと組をナメるんなら、部下共々木端微塵にすんで。覚悟はええな?」という、『シグルイ』流乙女の可憐なる抗議ですね、わかります。
 極道の妻ともなれば、「ニトロはともだち!怖くないよ」の精神がないととても務まらないのかもしれない…と震え上がったエピソードです(←SMAP『ダイナマイト』という曲の「Dynamiteなhoneyでもいいんじゃない♪」という一節を思い出しました。またもや年齢がバレる引用)。
 亡き先代組長の親友が美月さんに密かに片想いしておりますが、正直『花の慶次 -雲のかなたに-』の色んな意味で規格外な慶さんに匹敵する剛の者でないと難しいのではないかな…と感じたものです。
火傷どころか周囲を照度にする気満々の美月さん
 そんな抗争でもカチコミでもどんとこいな美月さんですが、唯一てこずってしまう人物が、亡き夫の一粒種でもある長男・霜降羽牟助君(5歳)。
 ちょっと長めのいがぐり頭がチャームポイントの生意気盛りな男の子で、いやいや期を通り越して早い反抗期に突入したのか、「もう嫌やねん!空手もそろばんもやりたくないねん!」など、作中では色んな駄々をこねては美月さんを困らせていました;。
 先代組長は和食好きで文武両道かつ質実剛健な人物だったそうですが、羽牟助君は洋食好きでヒップホップやゲームが趣味の遊び好きな現代っ子という正反対さで、どことなく市川海老蔵さんを彷彿とさせるキャラだなぁ…と何となく思いました。
 ちなみに、作中では羽牟助君が「栗とはもう絶縁したいねん」と言ってプチシューを間食し、美月さんから「そんな軟弱なもん食うてたら歯、無くなんで!!」と言われているシーンがあり、初見時は「そんな、昭和時代のコーラを飲んだら歯が溶けるっていう都市伝説みたいな話…」と苦笑したものでしたが、実はあながち嘘ではないようで、甘い物を摂取すると唾液の作用で酸に置き換わり、歯が溶けるというのはある意味本当だそうです…気を付けますorz。
亡くなった先代親分の好物である栗ご飯を食べようとしない息子さん
 今回ご紹介するのは、お父さんの好物だった最高級丹波栗を使用した秘伝の栗ご飯をどうしても食べない羽牟助君に悲観した美月さんに、「俺が坊ちゃんの納得される栗ご飯を作ります」と言って紺田君が作った“ほっくり洋風栗ごはん玉子のせ”です!
 作り方は思ったより簡単で、バター・にんにく・ハム・玉ねぎ・生米を炒め、ブイヨンスープ・茹で栗・塩を加えて炊きあげたご飯の上へ、牛乳を足してバターで焼いた玉子、バター・小麦粉・牛乳・コンソメを煮詰めて作ったホワイトソースをかけたら出来上がりです!
 ポイントは、にんにくや玉ねぎなどを炒める段階で火入れをきっちりして香りと旨味を出すこと、ホワイトソースは手早くかき混ぜて絶対に焦げないようにすることの2点で、こうすると子ども向けの洋風栗ご飯に仕上がるようです。
 当管理人にとっても栗ご飯と言えば昆布の出汁をきかせた和風味というイメージだった為、当初はこの攻めた発想に驚きましたが、「芋栗南瓜(いもくりなんきん)」 の語呂合わせで他に仲間として挙げられているサツマイモやカボチャも、バター醤油味やコンソメ味の洋風炊き込みご飯のレシピは珍しくないので、栗も確かに相性がいいのかも…と俄然興味を抱いたものです。
和の栗ご飯がだめなら洋の栗ご飯で攻めてみることを提案
 先日、甘くていい栗を手に入れる事が出来、定番の和風栗ご飯を作って食べたのですが、ふとこちらの料理を思い出し好奇心を刺激された為再現することにしました。
 単行本や、こちらのサイトにも詳細な分量付きのレシピが記載されていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、洋風栗ご飯作り。 
 熱した厚手の鍋(又はフライパン)へバターとみじん切りにしたにんにくを入れて加熱し、いい香りが出てきたらみじん切りにした玉ねぎとハムを加え、玉ねぎが透き通ってくるまで炒めます。
 そこへ、研いだ後ザルにあけて水気を切っておいた生米を投入し混ぜ合わせます。
ほっくり洋風栗ごはん玉子のせ1
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 生米に油がなじんで表面だけ透明感が出てきたら、あらかじめ殻をむいて蒸しておいた栗、ブイヨンスープ、塩を入れてフタをし、そのまま通常通り炊きます。
 炊きあがったら、しゃもじでざっとご飯全体を切るようにしてさっくり混ぜ、フタをしてさらに蒸らしておきます。
 ※厚手の鍋を使用の場合は、そのまま同じ鍋で煮立った後弱火10分→蒸らし15分で炊き上げられますが、当管理人の家には厚手で焦げにくいお鍋がない上に自分の料理の腕が信用できなかったため、途中文化鍋に移して自動炊飯しました。
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 次は、ホワイトソース作り。
 バターを溶かしたフライパンへ小麦粉を投入して炒め、粉っぽさがなくなってきたら牛乳を注いでコンソメキューブも加え、泡だて器で手早くガーッと急いでかき混ぜます(←フライパンの側面にソースがこびりつき、そこだけ微妙に混ざらなかったりしますので、加熱用ゴムベラなどでこまめにこそぎ取りながら混ぜるよう気を付けます)。
 ソース全体がまんべんなく合わさり、なめらかで光沢のあるとろみがついたのを確認したら、ホワイトソースは準備完了です。
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 ここまで来たら、いよいよ玉子の用意と盛り付け作業。
 フライパンへバターを入れて溶かしたら、牛乳を入れてしっかり混ぜた溶き卵を間髪入れずに流し込んでざっとかき混ぜ、半熟でトロトロになるよう焼き上げます。
 やがて、玉子が程よい焼き加減になったら、お皿に丸くよそっておいた洋風栗ご飯の上へかぶせるようにしてそっと乗せます。
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 玉子の上へ温め直したホワイトソースをたっぷりかけ、仕上げにみじん切りのパセリをパラッと散らせば“ほっくり洋風栗ごはん玉子のせ”の完成です!
ほっくり洋風栗ごはん玉子のせ13
 栗ご飯は何度も食べた事がありますが、洋風にアレンジした物、ましてやオムレツ状の玉子を添えて食べたことは無かった為、地味に味の予想がつかないです…。
 ただ、バターの芳しい香りは本当に素晴らしく食欲をそそりますので、紺田君を信じて食べてみようと思います!
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 それでは、熱々の内にソースを絡めいざ実食!
 いただきまーすっ!
ほっくり洋風栗ごはん玉子のせ15


 さて、感想ですが…予感していたよりも遥かに本格的な美味しさで大満足!秋の期間限定メニューとしてお店に出されててもおかしくないレシピです!
洋風栗のご飯のウマさに撃ち抜かれる美月さん
 茹で栗使用のせいかしっとりホクホクした食感で、秋の恵みの豊穣な甘さが滑らかにとろけてご飯にさっと混ざっていくのがたまりません。
 バターの香り高い風味と栗の素朴な甘味はかなり相性がよく、おかず系の味付けのはずなのに、どこか洋菓子を思わせる上品な旨さが特徴的でした(←あそこまで甘くないですが、感じとしてはスイートポテトが近いかもしれません)。
 炒めてから炊いた為パラッとした口当たりのご飯は、ほのかなにんにくの香りがアクセントになっているシンプルなバターピラフに仕上がっており、控えめな塩気なのが栗の味をさり気なく引き立てていました。
 このあっさりしたピラフに、想像していたよりもしっかりコンソメの出汁が効いたコクのあるホワイトソースがまったり絡むと、クリーミーなドリアっぽい味わいに変身するのがよかったです。
 ここにふわふわトロトロのバターオムレツが加わると、今度はホテルレストラン系の贅沢なホワイトソースのオムライスというイメージで、どう食べてもリッチで優雅な気分になれる一皿だな~と感心しました。
 こんなにあちこちバターを入れていたらしつこくならないか心配でしたが、分量のバランスが余程ちょうどいいのか最後まで全然くどくなかったです。


 ホワイトソースやオムレツを乗せた方が勿論おいしいですが、洋風栗ご飯自体が大変完成度が高い味わいなので、後日トッピングなしで食べてみましたがしみじみ美味でした。
 夫もそこまで栗ご飯が好きな方ではないのですが、「洋風の味でおいしいね」と和風の時より気に入っていたようで、バターやホワイトソースで食べ応えが出たおかげかな?と感じました。
 これ以上足したり引いたりしたらかえって味が損なわれるような気がしたので、少なくとも最初はレシピを遵守して再現なさることをお勧めいたします。


P.S.
 たなかっつさん、無記名さん、ぽんぽこさん、コメントをしていただきありがとうございます!
 たなかっつさん、何と同じ作品の懸賞を2回も当てたんですか…すごい豪運ですね!当管理人は結構懸賞に応募している方だと思いますが、まだ片手で数えられるくらいしか当選したことがないのであやかりたいです。『おとりよせ王子 飯田好実』のレバーペーストと言いますと、平田牧場さんの“三元豚のレバーペースト”でしょうか…あれも美味しそうだったので印象に残っています!
 無記名さん、こちらの再現はもう干支を一周遡らねばならないレベルで昔の記事になりますので、お恥ずかしながらうろ覚えなのですが、確かに肉のえぐみと灰汁が空気中に溶け込んだような癖のある匂いだったことはぼんやり覚えています…orz。本物のニカワの匂いは知らないので何とも言えませんが、恐らくほぼ事実だと思います。
 ぽんぽこさん、嬉しいお言葉を頂けて感謝です。大変励みになりました。当管理人もいちご煮の存在を始めて知った時、てっきりコンポートかと思って乙女チックな印象を抱いたことを思い出しました…まさかの海産物で、衝撃的だったものです。


●出典)『紺田照の合法レシピ』 馬田イスケ/講談社
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プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


○当ブログについて
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 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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