第103話『
妖精は歌う』
○あらすじ
怒りと悲しみと憎しみに任せて暴走するルーシー。
コウタを喪った今、ルーシーは地球上のありとあらゆるものを破壊しようとするが、肉体の崩壊がはじまり……。
○登場人物
コウタ、ルーシー(にゅう、DNAの声)、ユカ、、マユ、ナナ、ノゾミ、わん太、蔵間、艦長、ベクタークラフト開発者、ベクタークラフト
○ターニングポイント
・細胞の接合
ベクターの過剰な負荷により、肉体が溶解し始めるルーシー。ルーシーは、コウタを助けるために……。
ここのシーンは色々とビックリしましたよ。前回の引きからというのもありますけど、いきなりベクターの力で傷を塞ぐことができるなんて設定が出てくるから。当時は色々と感情がない交ぜになった状態で読んでいたから、冷静ではいなかったのですが、よくよく考えるとおかしい気がする。だってそりゃあ、今までそういう話が全く出ていなかったのですから。でも、それを勢いで読ませて気にさせないあたりが見事だと思う。
それにしても、この場に初菜ちゃんが居たら、こんなことをしなくてもコウタもルーシーも悲惨なことにならずに済んだと思うと……。まあ、初菜ちゃんが悲惨なことになりますが。
・妖精の歌
ルーシーは、歌う。哀しき妖精の歌を。
ドイツの作曲家、ヴォルフの代表曲であるElfenlied(歌詞については、まんまを載せると問題になるので、検索してください)はこの場面で2回目の登場となるが、アニメ版でこの曲が採用されなかった理由がなんとなく分かる。いくらなんでもファンタジックな曲だからだ。流石に作風的に、これを歌うとなると違和感がありますからね。OP及び、ルーシーが歌っていた曲がLILIUMだからこそ、アニメ版が大成したのかもしれない。
ちなみにここで、久しぶりのノゾミちゃんの登場だが、18話ぶりの登場。しかし、実際のところは9ヶ月近く登場していなかったりして。ユカやマユ、ナナに比べるとどうしても扱いの悪さが……。
・無駄な攻撃
暴走するルーシーを抹殺するために自衛隊は攻撃を仕掛けるが、ルーシーに通用するわけがなかった。
このシーンで自衛隊の戦闘機とイージス艦がミサイルで攻撃しているが、両者とも存在する。戦闘機の放ったミサイルは、新型普通爆弾(XGCS-2。XGCS-Zは誤字かもしれない)という対地あるいは対艦用のミサイル。イージス艦を発射したSM-3は、スタンダードSM-3迎撃ミサイルと呼ばれる弾道ミサイル迎撃用ミサイル。両方とも、一般的なミサイル兵器である。
ちなみにこのシーンで、艦長はフェードアウトしている。ベクタークラフトは次の回まで登場しているのに……。
・人の形
目が覚めたコウタの視界に見えたのは、人の姿をしていないにゅうだった……。
いやもう、これを見た時はただただ胸が痛むとしか言いようがなかった。まさかここまで崩れ落ちるとは思わなかったのだから。正直、今でも辛いものがある。
○まとめ
ルーシーの命を賭してのコウタの応急処置と、その先の悲劇が描かれた回。
エルフェンリートを読んで、ベスト5に入るほどの精神的に参る回だったかもしれない。
今読んでも色褪せない面白さの
エルフェンリート。
さて明日は、
極黒のブリュンヒルデの感想の日。物語も大きく動き出し、良太たちもヴィンガルフもヘクセンヤクトも大騒動になりそうだが、果たして……。
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