2024.10.21 Mon
機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム
おいでませ。
ジオン公国軍の皆様、ガンダム地獄巡りツアーへようこそ……
って感じで、まぁ、時期はオデッサ作戦の後。ジオンの敗北は濃厚になってきた、所謂、アムロたちが快進撃をしていたり、連邦がMSを量産化に成功していたり、08小隊やら、何やらが動いていた時期でもございます。
所謂、オデッサは奪還されたけど、まだまだ……って根気強く行けたような、それでも敗戦ムードも混ざり合った、そんな時期。そんな中で、ルウム戦役の英雄であるイリヤ・ソラリ率いるレッド・ウルフ隊が、ヨーロッパのとある基地を奪還した夜、基地は連邦陸軍の最新鋭MSガンダムEXの奇襲を受けて壊滅状態となる。ソラリたち生存者はガンダムを擁する連邦陸軍の追撃を受けながら、生き残るために死闘を繰り広げる。
そんな感じで、まぁ、面白かった。
水星の魔女の後っていうのもあって、どうなるかと心配だったけど、まぁ、面白かったw
主人公のお姉ちゃんのイリヤの髪型がダサかった以外は殆ど、面白かったよ。なんで片方だけ髪を剃り込んでいるのか……それがねー主人公は実はバイオリニストで戦争なので色々とあって子供を両親に預け、戦争に参加するも夫を失い、そんな中でも戦わなければならないという状況の中で気丈にも戦う女軍人と。それでいて、母親属性もちゃんと兼ね備えているから人から見れば、対魔忍の不知火のような……いや、そうじゃなくて。
ただ、真面目に、そういう感情移入したくなるような母親っていう構図なんだよな。そんな中でも、部下をガンダムに殺されて失ってでも息子に会うために生き続けるという、悲劇が常に纏わりつくような女でもあるという。
そんな感じで生き延びるためにガンダムから逃げるっていう。
そして、ガンダムが滅茶苦茶強いw
それでいて、こう、何て言うか和風ホラーでいう未知の怪異が襲ってくる瞬間とか、所謂、初代ゴジラ的な、そういう要素を含んだガンダムEXが、とにかく無双する。それをジオンサイドで見るから、滅茶苦茶、怖いんだけど、同時に、滅茶苦茶かっこいいっていう。ただ、ジオンサイドの物語であるから、やっぱり、怖い。
とにかく、理不尽な存在になっているガンダムEXにジオンが負けていくっていう。あれは文字通り、人知の及ばない怪異であり怪獣であるっていう描き方は秀逸なかっこよさだった。
あれは、惚れるね。
それでいて、ちゃんと内容は戦争する中で疲弊してきた兵士たちの戦いに疲れを抱いた兵士、それでも、抗う兵士だったりとか、そういったものたちの不安が描かれている中で、ガンダムが襲いかかってきて、更に、終盤、ガンダムEXのパイロットが、それこそ、アムロたちと同じような少年兵で実はニュータイプで「戦争を仕掛けたのはお前たちだ。」みたいな、ことを言われて戸惑う。それに対してジオンサイドの主人公であるイリヤは少年兵であること、それも自分の息子と同じ年端のいかない子供だと知って何とか、子供を戦争から遠ざけようと説得しようとしたら……
ある種、イリヤの中にある自分たちが、このガンダムのパイロットを生み出してしまった現実に対する慟哭。だからこそ、あそこはもう母親としてのイリヤが何とか、子供に殺し合いをさせまいと止めようとするのはガンダムだよなーってなるよな。
そして、説得の末、二人は理解し合うことは出来たんだよ。それで終わってればよかったんだけど、その先の悲劇は正に戦争であり、戦争とは常に片方が犠牲者みたいなことは無いという証でもある。
殺し、殺し合って……
そう言う悲劇が見ていて重いな。
あぁ、ガンダムだ。
まごうことなき、戦争を描いたガンダムだ。って、そういうことを思います。
ガンダムにとっても、イリヤにとっても、結末はどの道バッドエンドっていうのは辛いものがあるよな。
人は個と言う部分で分かり合うことはできても、それが集団、組織になると解りあうこと、信じあうことの難しさっていうのを終盤に、これでもかって位、あのラストに全てを詰め込んだ、富野ガンダムがやってきたことを、ここでやった。っていうのはデカいよな。
シャアとアムロも、最後は分かり合えなかったけどさ。
イリヤとガンダムEXのパイロットである少年兵はある種、ジオン連邦って違いはあれど境遇は似たようなものだからこそ、最後の最後に分かり合えそうになった時に……あの結末だったのが痛いな。
そんな感じで、機動戦士ガンダム復讐のレクイエム、面白かったんで見ると良いです。
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