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まん丸、メジャーへの道 6

あることないこと 話半分でお付き合いくださいませ

2023.07.07

ぜんざい公社







ぜんざい公社



どうも
三流亭まん丸でございます。



中央官庁ひしめく霞ヶ関…のはずれ。

「ぜんざい公社」なる看板がかけられたビルをみつけ、久しぶりにぜんざいでも食べてみようかという気になり受付へ。
「あのぅ、ぜんざい食べられるんですか?」
「はい。」
「あのぅ、ぜんざい食べたいんですけど…」
「2階1番窓口で手続きしてください。」
とぶっきらぼうな対応。



2階に上がって1番窓口へ。

「あのぅ、ぜんざい食べたいんですけど…。」
「では、こちらの申請書に必要事項を記入して持ってきてください。記入用テーブル・ペンはあちらです。」

「『申請者名』に名前を書いてっと。『年齢』は40歳。『職業』は会社員。『住所』は東京都○○区。『電話番号』『携帯番号』『メールアドレス』『家族構成』『同居人』『尊敬する人』『苦手な食べ物』『好きな異性のタイプ』『既往症』『血圧』…。ぜんざい食べるのに何でこんなことまで書かにゃいかんの? ブツブツ…。」

「はい、書きました。」
「内容確認しますので、あちらでお待ちを。」

…フロアには私以外誰もいないのに15分経過。

「では、この申請書を持って3階の2番会計窓口へ行ってください。」



3階2番会計窓口。

「申請書もって来ました。」
「はい、じゃあ申請手数料300円納めてください。」
300円支払います。
「では、この申請書と申請手数料受領書を持って、2階1番窓口へ行ってください。」



2階1番窓口。

「お金納めてきました。」
「申請書と申請手数料受領書を最終確認させてください。それまでの間ちょっとお待ちください。」

…フロアに私以外誰もいないのに15分経過。

「大変です!! 血圧欄、上が80、下が120ということで健康状態に異常があります。医師の診断書が必要です。5階に診療所がありますのでそこで受診し診断書を書いてもらってください。」
「上下間違えて書いただけなん…」
「すぐに5階へ行ってください。」



5階診療所。

「すいません。診察してもらえますか?」
「どれどれ? …ちゃんと脈打っているようだから、ぜんざい食べるのには問題なしじゃ。」
「はい、これ診断書。この診断書を持って3階2番の会計窓口へ行きなさい。」



3階2番会計窓口。

「診断書もらってきました。」
「では、診断料および診断書発行手数料で300円納めてください。」
300円支払います。
「申請書と申請手数料受領書と診断書と診断書発行手数料受領書をもって、2階1番窓口へ行ってください。」



2階1番窓口。

「書類はこれで全部揃いました。」
「ようやくぜんざい、食べられるんですね。」
「まだです。ぜんざいにお餅を入れますか?」
「え? ぜんざいって普通お餅が入って…」
「もし入れるようでしたら、トッピング追加手続きが必要になりますので、4階3番窓口で手続きしてください。」



4階3番窓口。

「トッピングでお餅ですね。1個につき100円ですが、何個入れますか?」
「3個、お願いします。」
「お餅は焼きますか?」
「あ、焼いてください。」
「焼くと1個当たり50円高くなりますが、よろしいですか?」
「…焼かなくていいです。」
「ではこの『トッピング追加手続書』を持って3階2番会計窓口へ行ってください。」



3階2番会計窓口。

「お餅3個トッピングで300円を納めてください。」
300円支払います。
「では申請書と申請手数料受領書と診断書と診断書発行手数料受領書、そしてこのトッピング追加手続書とトッピング料受領書を持って2階1番窓口へ行ってください。」



2階1番窓口。

「手続きはこれですべて完了です。ではこの手続き完了書を持って3階2番会計窓口へ行き、ぜんざい代3000円を納めてください。」
「エエッ!? すでに900円も払ってるんですけど…。」
「900円は手続き費用です。」
「ぜんざい3000円って高すぎやしませんか?」
「もし金額にご納得いただけないようでしたら、申請を取り下げることもできます。その場合、手続きとして今までの手順をすべて逆に回っていただき…」

「…わかりました。食べます。」



3階2番会計窓口。

「ぜんざい代3000円を納めてください。」
3000円を支払います。
「はい、こちらが食券になります。この食券を持って別館へ行っていただき、ぜんざいをお食べください。」
「別館?!」
「はい、こちらの建物は手続きする場所で、食べる場所は異なります。」
「じゃあ、別館の場所を教えて下さい。」
「2階1番窓口へ行って、お聞きください。」



2階1番窓口。

「別館はどこですか?」
「このビルを出て、目の前の道を西へ真っ直ぐ30分ほど歩いたところです。」
「30分?!」
「あ、お食べにならないようでしたら、申請取り下げていただくこともできます。その場合、手続きとして今までの手順をすべて逆に回っていただき…」

「…わかりました。行きます。」



夏のギンギラ太陽が照り付ける中、汗だらだらで言われたとおりに30分歩くと、「ぜんざい公社別館」の看板が。
中に入るとガランとした食堂のような所に愛想のない担当職員が1人立っています。
暑い中さんざん歩いてきたので、喉がカラカラです。

「とりあえず冷たい水をいただけますか?」
「では、本館で、手続きしてください。」
「…水はいいです。ぜんざいください。」


食券を手渡すと、職員はそのまま厨房へ。

待つこと20分…。



やっと出てきたぜんざい。

バクっとくらいつきます…が、全く甘みがない!

「これ、全然甘くないんですけどっ!!」

と文句を言うと、その職員は、


「そりゃそうです。甘い汁は全部公社が吸いましたので。」 






マイナンバーカードを使うと、
ぜんざい食べるまでの手続きが
簡単・便利でスピーディーになります。

諸費用もカードに紐づけされた口座から
自動引落としされますので超楽チンですよ。


でも、ぜんざいは
全く甘くありませんので、
あしからず。

(むしろ苦々しいかも…)






コメント

お役所仕事

先日新座市役所に 年金からひかれている①後期高齢者保険料 ②介護保険料 について問い合わせしました。6月に年金機構から送られてくる金額が かなり増えていたので。すると担当セクションがいくつもあり たらいまわし。私が今回問い合わせした数日前に 答えてくれた内容と異なりました。何故違うのかという質問に 何課の誰でしたか?と言われました。どこのだれか覚えてなんかいません。すると「それでは調べられません」縦割り行政 責任感欠如
市民のためなんて意識かけらも
無し。まん丸さんの記事良く分かります。 

2023.07.09  kitchenplaza  編集

kitchenplazaさん、コメントありがとうございます。

ご存知だと思いますが、これ「ぜんざい公社」というお噺でございます。

内容は多少アレンジしてますけど、「役所のたらいまわし」と「甘い汁を吸う」は、今でも全く古くないでしょ?(笑)

マイナンバーカードでこの「行政たらいまわし」や「効率悪さ」が解消しても、マイナンバーカードを巡る今起きているゴタゴタの根本は、この噺で描かれている行政の体質にあるわけですよねぇ。

ま、効率化されれば、自らの仕事が減るわけですから、マイナンバーカード普及の最大抵抗勢力は実は、その登録を国から押し付けられている地方公務員さんたちなのかもしれませんよ。(笑)

地方公務員さんたちは、きっと今の状況を変えたくないでしょうから、結局は変わらないと思いますねぇ。



2023.07.09  三流亭まん丸  編集

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Author:三流亭まん丸
オヤジギャグ好きの
ただのそこらへんにいる
ちょいエロオヤジでございます。
あること・ないこと、
真偽のほどはいい加減。
そんな記事により
皆様に何か不都合が生じた場合、
その責任は痛感いたしますが、
責任はとりません。(笑)

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