いよいよ、この旅の企画者のご推薦の旅籠に到着です。
松本市の美ヶ原温泉です。
恥ずかしながら温泉の所在はぼんやりとは知ってはいましたが、詳細は不明です。
松本のバスターミナルから出発。
どうも普通の路線バスです。ごく普通に市内を回って進みます。
料金表の額が上がってゆきますが、あれ、そろそろ予定の金額だが…。
郊外にはなってきていますがまだ普通の住宅が連坦しています。
市街地の周辺部の雰囲気で、住宅は沿道に繋がっています。
美ケ原温泉のアナウンスがあったのは、小さな田舎のお店の前。
企画者も、この先に、バスターミナルがあって温泉街があると信じて運転手に尋ねます。
ここが終点と、そっけなく言われ我々はやむなく下車。
降り立ったのは、普通の昔からある住宅などや小規模農家があるような市街地周辺部で、温泉の趣は微塵もありません。
ありゃー、どうなっているの?
道端に出ていた周辺の地図の看板で所在を確かめて歩きます。バス停からは、5,6分程度でしょうかありました。
哀しいかな、この旅館がある通りだけ少し情緒あり。名前から勝手に想像していた風情は単に誤解でした。
僕らは、温泉のある観光地の近くから旅に出ているので、正直言えばがっかり、名称尾は詐欺ではないかと思いましたよ (-_-;)
選んだ方が知識不足なので責める訳には行きませんが、勉強不足と反省仕切り。
当然今回は温泉三昧と言うテーマなので直ぐにも温泉へ。
しからば、到着したときには、観光バスが狭い道路に横づけで下車中。
これは、やばいぞと、ダメ押しの選択ミスに慌てます。この連中が来る前にはお風呂に入らないと、不愉快な目に遭うぞと。
急ぎます。滑り込みセーフで入りましたが、ゆっくり湯に浸かっているとやはり押し寄せてきました。小さな浴槽しかない温泉です。
僕らは、似非温泉通とはいえ、温泉所在地の住民で、せこせこした浴槽は評価に値しません。団体客を取るなら、ドーンとでかい浴槽を用意せよ。
勿論、小さな旅籠ではこれもまた風情はあるのですが、観光バスが横付けするような旅館は大浴場が無ければね。
この団体客は、既にバス内で飲んでいる様子で、温泉はいいねぇとのたまっていますが、僕にはこんな小さなのは、団体客は取らない家族的経営の温泉しかないよと内心不満たらたら。
悪いですが、温泉は評価はするにあたわず。
でも、館内の作りは和のテイストで結構気使いがあり悪くはありません。通路も接客スタッフもそこここに気使いがあり悪くないです。
夕食です。品数だけは凄いのですが、まあ、並べてみます。
生ビールを注文しましたがなく、この瓶ビールで乾杯。
続いて、次々と料理は運ばれます。
まず、八寸の盛り合わせ。
鴨鍋。
ヨモギの生麩のお吸い物。
松本市街地にある老舗の、名前は忘れましたが、多分、三河屋さん?、馬刺しや桜鍋は美味しかったよなぁと。あの美味さを懐かしみます。
御しのぎなのでしょうか、信州サーモンのお寿司1巻。一代限りの育て方のサーモン風は内陸では今やポピュラーです。
何処で仕入れたのかはわかりませんが、はしりのタラボの天ぷらが入った盛り合わせ。
これも、松本市街地の、大好きで何度も通っている名居酒屋の「しずか」の旬の山菜は美味しいよねと。
聖護院大根のような中華風の食べ物。説明を受けたけど詳しくは失念。
ご主人の十割の手打ちそば。出汁は何ですかなと、蕎麦湯で薄めて確認させて頂きました。
蕎麦屋ではないのですものね。
接待の人材も入れ替わり来て説明し、おもてなしの精神は溢れています。
ご飯は食べきれないのでお部屋に雑穀米のおにぎりを届けて頂きました。
食事処への導線は敷地の関係で仕方がないのでしょうが、遠くて上り下りもあり少し不満かな。
でも、器や館内の設えは拘りを見せており、ご主人が考えているおもてなしの方向性は十分理解できました。
寝るとしようと布団に入ると、これは心地よかったです。寝具にも気を使っています。
でも、何なんでしょうかね、この、少しだけ腑に落ちない気分は。
お世話になりました。
今日は、これにて。
寒い日が続きます。温かいコーヒーを飲んでゆっくりします。