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めんまの話。

でや―!しまった!

朝っぱらから冷蔵庫の前で声を上げたのは

たけのこみずにすらいす

買い置きのタケノコが凍っていたからだ。

水煮のタケノコをよく買うが、これがどういうわけか、相当の確率でチルドルームに紛れ込む。

肉や魚などをしまうチルドルームは、冷蔵室より温度が低い。本来なら凍結しないはずが、冬場、とくに底のほうは相当な低温になるらしい。

じつはタケノコを凍らせたのは今回が初めてではない。ケチな私は煮物にしたものの

あれは マズかった…

繊維の中にできた氷の結晶のせいで、高野豆腐よりもスカスカになったタケノコは、煮ても煮汁がしみず、歯ごたえもゴリゴリで残念な代物だった。

あーあ… どうするよコレ…

凍り付いたタケノコは、パックの外から見ただけで、スカスカのガシガシとわかる有様である。

しかしそのとき

💡!

近頃ご無沙汰していた例のひらめきが、私に訪れた。そう、チャレンジクッキングだ。

がっちり凍ったパックに水をかけて溶かし、スカスカのタケノコを取り出して、薄切りにすると、フライパンに熱したゴマ油で炒める。

酒、しょうゆ、砂糖と鶏ガラスープの顆粒を入れたら汁けがなくなるまで煮詰めて、ラー油をひと回しすれば、メンマもどきの出来上がり。

ガシガシの歯ごたえが本物のメンマっぽい。

もしかして アタシ天才じゃない?

筑前煮の予定を変更して、今夜はラーメンである。



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ちゃれんじ | コメント(2) | トラックバック(0) | 2024/12/21 11:30

でぱーと話。

大阪の老舗百貨店では、例年クリスマスシーズンのショーウインドウが美しく飾り付けられる。

おかーさん デパートのクリスマス始まってるよ 行かない?

うーん…行きたいような…

めずらしく歯切れが悪かった。

健脚でお出かけ好きで、神社仏閣よりデパートが大好きな母である。

ここでも英国フェアを記事にしてきた(→ふぇあの話。)ように、百貨店の催事場で人混みにもまれて、散財するのが彼女の楽しみだったのに

…行きたくないような…

なんだか消極的なのである。

どこがどう悪いというのではないけれど、このところガクンと気力を失くしているように見えるのは、父が亡くなった年齢を過ぎたからだろうか。

なんだかもう 欲しいもんもないしね…

あんなに何でも欲しかった人に言われると、寂しくてならない。

イモートとふたり、窮屈なよそゆきを着せられ、歳末の雑踏をくぐりぬけて催し会場に上がり

ねエまだ~?お腹すいた~!

婦人服のバーゲンセールに夢中な母のスカートの裾を引いてうるさがられた、あの日の記憶もなお新しいのに

そんなこと言わないで~ 年に1度じゃない!

そおね~…

まさかこっちが誘う側になるとは。

今日はデパート開業の日。日本初の百貨店が営業開始して、今日で120年。

はんきゅうひゃっかてん2024-1
(行けば行ったで喜ぶので、行って良かった)



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むかしむかし | コメント(3) | トラックバック(0) | 2024/12/20 11:30

そっくす話。

派遣された仕事も3日目、最終日となった。

短期とはいえ気持よく働けたので、お名残惜しい。

かといって、友だちになったわけじゃない。私だって大人だから分かっている。

最後にお疲れ様と言い合い、いい現場だったなと皆が思って別れる、それで十分なのである。

それでも、出かける身支度をしていたとき

あ…そうだ…

ふと思いついて、抽斗を開けた。

お昼休憩もろくにとれなかった忙しい1日が終わり、後片付けをしていると、ひとりの女性が私の足元に目をやって

あら、それ!

あ、気づきました?

気まぐれで穿いてきた、年甲斐もなくハデなクツシタは、サンタクロースの模様だ。

もうすぐクリスマスだな と思って…

クリスマスだもんね~

2人で立ち話をしていると、他の人も寄って来て

あら~!

カワイイ~ でもこれ…

そうなの 今の時期だけしか…

ハハハ…じゃあ穿かなきゃね!

和やかな雰囲気の中で、やがて作業は終わり

お疲れさまでした~

さようなら~ よいお年を~

口々に言い合って別れたあとも、ほのぼの暖かなものが残る、そんな年の瀬。

くりすますのそっくす



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2024/12/19 11:30

なふだの話。

昨日に引き続き、今日も外部の仕事。

空調は申し分なく、寒さの心配(→ぼうかん話。)が無用なのは初日でわかったが

上履きがある方がいいな…

帰り道で考えた。

ゲストの方々は座っていても、スタッフの我々は忙しく右往左往するから、会場に備付のスリッパだとパタパタとやかましい。万一カカトを踏んで転びでもしたらコトである。

靴のようにスポッと穿ける、携帯用の室内履きがあるのを思い出し、棚から引っ張り出すと

ポソッ…

何かが足元に落ちた。

ほごしゃのなふだ

なんだコレ?

職場で使うものとは違う、姓だけの名札。

3-2って…あ、そうか…

ムスコが中学の時の保護者用の名札。PTAや面談で校内に入るときに、首にかけていたそれが、ここにあったのは、上履きとセットだったからだ。

この名札を首にかけ、上履きを穿いて、ガスストーブが顔ばかり熱くする冬の教室で

ムスコ君はテストはともかく 提出物がねエ…

内申点が…困りましたねエ…


先生に苦言をいただいたことが、昨日のように蘇る。

そんな風に担任を悩ませたムスコも、今や社会人。

あれから10年かァ…

思わず声に出たのは、感慨、それだけではない。

この棚を、10年以上片付けていない、という事実。

ハッ!もうこんな時間…

慌てて上履きをバッグに突っ込み、年末の大掃除へと圧のかかる、師走の街に飛び出す。



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ごかぞく | コメント(6) | トラックバック(0) | 2024/12/18 11:30

ぼうかん話。

今日は、終日外出。

帰りも遅くなるので、しっかり防寒せねばと、新調の超極暖(→ほめられ話。)を身に着けて、玄関に置いたマフラーと手袋を手に家を出る。

外は晴れて、風もない。

早足で歩きだすと、じき身体が温まりはじめるのは

さすが がつくだけはある…

駅に着くころにはポカポカして、手に持ったマフラーと手袋は、使うことなくバッグにしまった。

乗り込んだ電車は、ダウンジャケットやウールのコートで着ぶくれた人でいっぱい。

暖房要らないんじゃないの…

ドアが開いてサッと冷気が入り込んできたときはホッとするほどだったが、改札を出たらさすがに寒い。手袋をはめようとバッグを探っていると

おはよう!

声に振り向けば、今日ご一緒するダレソレさんだ。

ナニガシさんに拾ってもらうけど 乗ってかない?

嬉しい!いいんですか?

渡りに船、とはこのことだ。取り出しかけた手袋をまたしまって、いそいそ車に乗り込んだ。

けっきょくどこでも、ちっとも寒い思いをしないで、うちに帰る。

マフラーも テブクロも 使わなかったな…

カギを回して玄関を入ったら

寒っ!

留守をした部屋はヒンヤリと冷えて、今日一番の寒さだった。

ゆきがらてぶくろ



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2024/12/17 11:30
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