前回、紹介したMマウントのAFアダプタに LEICA の 初代 SUMMICRON-M 50mmを取り付けて、何日か使用してみたので適当な使い勝手や感想を書いておこうと思う。
最初にアダプタの入手について記載しておくが、海外の通販サイトでプレオーダー期間中に、なんとか予約する事ができた。
が、その発注後に日本国内でも焦点工房から、50台の予約受付を行っているのを見つけ、入手前に値段の違いからいきなり落胆する事になってしまった。
とはいえ、焦点工房の先行予約分の50台は一瞬でなくなってしまった様なので、結果として5,000円程高くついてしまったが、少し早く手に入れることが出来て良かったという事にして精神の安定を図っておきたい。
早速、届いたアダプタを取り付けて嵌合部分の確認をしたが、Mマウント側のマウントは、レンズ取付時に若干固く感じた。
幾つかのMマウントレンズや、Mマウントへの変換アダプタを取り付けて確認したのだが、同様に若干固い。
もっとも、所有しているレンズやアダプタ(所有しているSRマウントのみ不可)では、取り付け出来ないという物はなかったので、取り敢えず良しとする事にした。
アダプタ取付後に、電源を投入してみると賑やかなモーターの音がする。
音量的には、純正のLA-EA4を使って非SSMレンズ使用時、程度の音量だと思う。
アダプタの挙動については、あまり安定していない、同社のCONTAX GのAFアダプタの初期ファームの様に頻繁にブラックアウトや、再起動が行われる。
正直な感想としては、これにはかなり参ってしまった。
突然、撮影が出来なくなる事態が、しばしば発生するのだ。
アダプタの機嫌を伺いながら、のんびりとした気持ちで撮影する事により、精神的なストレスを緩和するよりない。
AFについては、速度と精度ともに昼間の屋外であれば、自分の運用では充分な性能だけに惜しい。
と、言って終わるはずだったが、このブラックアウトの現像は4/15のファーム更新で、ほぼ改善された。
新ファームによって不快な挙動から解放され、そこそこの明るさのある場所では特に問題は無く使用出来るように感じる。
問題は暗所でのAFについてになるのだが、結論を言うと暗い場所では、ほぼ合焦しなかった。
暗所でのAFについては、同社の販売する CONTAX GのAFアダプタでも、きびしいのだ、似たようなものだと、最初からアテにはしていなかったので、特にがっかりする事はなかった。
暗所については、MFでピントを合わせるしかないだろう。
ただ、前述のCONTAX Gアダプタと違い、このアダプタにはMFダイヤルが付いていない。
MFダイヤルをちょっとでも触れば、MFモードに切り替わるCONTAX G用に比べて、今回のアダプタは若干操作感に劣る。
レンズ本体のピントリングを廻して、ピントを合わせる事になるのだが、ピントリングを操作する際にAF/MF/AEL切換レバーの中のボタンを押しながら操作しなければならない。この操作は、自分のカスタムボタンセットの問題なのだろうか?時間のある時に、もう少し設定MENUを弄ってみようと思う。
ちなみに、AF/MF/AEL切換レバーの中のボタンを押している間は、ピーキング表示も使えるのでピントを合わせたらボタンを押し込んだ状態でシャッターボタンを押せばよい。
逆に言えば、ボタンから指を離してしまうとAFモードに戻ってしまう。純正レンズ使用時の瞳AF運用のような操作感と言えば、わかりやすいかも知れない。慣れれば、特に問題のある操作ではなかったが、一つ欠点として、現時点でのファームの問題かどうか定かではないが、自分の環境ではMF時の拡大が出来ない。ピーキングでのピント合わせは出来ても、拡大して厳密なMFが出来ないのだ。今後のファームアップで対応されるのか、それとも自分のカスタムボタン設定がいけないのか、又は、MFダイヤル付きの2型の発売が控えているのか?
(4/29 設定の問題でした。押している間MFになっていました。拡大でのピント合わせも問題なく出来ています。)
個人的には、2型に期待したいところだ。
買って早々に、何故、2型?、と思われるかも知れないが、このアダプタには、もう一つの欠点がある。
もう一つの欠点とは、アダプタの構造上のガタつきの問題だ。
このアダプタは、Mマウント面を前後させる事によってピントを合わせるのだが、このマウント面が重たいレンズをつけると個体によっては、見て判るほどに下を向いてしまうらしい。
ネットで検索してみると、確かにガタつきのある個体もあるようだ。
幸い自分の手元に届いた物は、そこまでのガタつきはないが、レンズ装着時に、手でレンズを動かして確認してみると微妙に、傾く。
これでは、重めのレンズ使用時には、ナチュラルに煽り撮影になってしまう。
軽く手で押さえてやればいいのだが、気持ちのいいものではない。
個人的に、AFについては充分満足出来るものなので、次の製品があるのなら期待したいところだ。
同社のCONTAX G用のAFアダプタも、3型になってモーターの速度が速くなり、Bluetoothによるファームウェアの更新に対応する事で、素晴らしい製品だと思えるようになったのだ。
今回のMマウント用 LM-EA7は、Bluetoothについては最初から実装されているし、モーターについては特に不満はない。
あくまで私的な感想だが、次期モデルでガタつきが改善されていれば、とても良い製品だと言える。
長々と、くどい駄文を書き連ねてしまったが、幾つか写真をあげて終わろうと思う。
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 開放
ズミクロン独特のグルグルだが、AFには問題ない。
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 合焦部切り出し
しっかりピントがあっているように見える。
ここまで写っていれば、私的には全く問題ない。
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 F5.6
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 合焦部切り出し
これも、やはり充分だと思う。
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 F4.0
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 合焦部切り出し
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 開放
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 合焦部切り出し
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 開放
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 合焦部切り出し
綿の繊細さは、表現されているように感じる。
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 開放
信号待ちの停車時に、片手で撮影したものだが、こういった撮影が出来るのがAFの良いところだ。
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 合焦部切り出し
それなりに写っているようだ。
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 開放
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 合焦部切り出し
逆光の中での撮影だったが、特に問題はない。
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 F4.0
現像による増感で写真はそれほどではないが、この明るさでは、合焦することは出来なかった。
ピーキングを頼りに撮影したものだ。
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 F8.0
この写真もピーキングによる撮影だ。
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 F8.0
当然、MF撮影である。
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 開放
やはり、MFでの撮影。
α7RⅡ + LM-EA7 + LEICA SUMMICRON-M 50mm F2.0 開放
部屋の照明でも、この程度の明るさであればAFを使用して撮影する事が出来た。
マシュマロの写真といくつかの花の写真については、最短撮影距離以上に近接しての撮影である。
アダプタの繰り出し分4.5mmと、元からレンズに備わっている前進分を足すことにより最短撮影距離以上に近接しての撮影を可能にしている。
この仕組みについては、ヘリコイド付きアダプタと同じ原理という事になる。
上記のアダプタの繰り出し量は、MFでの撮影時、2種類のMFモードが用意されている。
1、無限にセットされたマウント面によるMF撮影。
2、4.5mm繰り出されたマウント面でのMF撮影。
上記の1、2の切り替えは絞りダイヤルにてセットする事ができるが、一旦電源を再投入せねばならず、この操作性については人によって感想は変わると言えるだろう。
レンズの焦点距離についてもアダプタ本体に、10種類の焦点距離がセットされているので、手ブレ補正はオートで対応する事が出来る。
アダプタに用意された焦点距離以外を使う場合は、近い物をセットする事で対応する事も出来る。
EXIFには反映されないが、手ブレ補正のみ、オートでの設定を解除して個別で入力してもいいだろう。
特殊な操作のような気もするが、頻繁にレンズを交換しなければ特に問題にはならないだろう。
最後に、
個人的な総評となるのだが、マウント面のガタ付きを考えると現時点では、あまり人に薦められるものではないように思う。
ただ、AFレンズなど考えも及ばなかった時代のレンズを、AFで使用するというのは非常に面白く感じる。
普段から、MFでの撮影に特に不満を持っていた訳では無いが、AFも出来るという新しい選択肢を得る事が出来たのだ。
面白くない訳がないと思うのだが、あくまで個人的な感想である、人によってはインチキぽいAFなど邪魔なだけという考えを持つ人もいるだろう。
このブログを見て、興味を持たれたら試してみて欲しいと思うが、今、現在、全面的に薦められるデキには至っていないように思う。
ただ、個人的には問題ない。
ここ、最近レンズを取っ替え引っ替え楽しんでいる。
人には、薦められないが、ブログ主であるところのyoshiyashiは、毎日、楽しんでいる。
と、いう事で今回は終わりたい。
*下記に記載されている、SRマウント(ミノルタMC、MDマウント)のみ、記事のアダプタに取り付ける事が出来なかった。
-
-
-
-
-
-
-
-
テーマ:★カメラ&レンズ・機材 - ジャンル:写真
- 2016/04/19(火) 02:49:17|
- マウントアダプタについて
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
今回は、文末に「ようだ」とか「らしい」、「筈だ」「だろう」という言葉が頻繁に出てくる事を最初に断っておきたい。
なぜ、この様な文末になるかは、英字や中華圏の文章を拙い語学力で、どうにか翻訳サイトを利用して情報を集めているせいなのである。
調べたところによると、「ついに」、と言うべきか、「やっと」と言うべきか?
Eマウントから、Mマウントに変換するAFマウントアダプタが、CONTAX GのAFマウントアダプタを販売している、TECHARTから出るらしい。
発売は春頃になる様だが、大体の仕様は決まっているようだ。
公式かどうかはわからないが、試作アダプタの動画も出回っているので、興味のある物好きな人は確認して欲しい。
https://www.youtube.com/watch?v=zEwpHChOkC0AFの仕組みはアダプタ自体の伸縮によって、レンズ全体を前後させ、ピントを合わせるようだ。
肝心の伸縮幅は、4.5mmとなるらしいが伸縮が、足りなければヘリコイドを操作して合焦させればいいだろう。
「足りなければヘリコイドを操作して」という、この仕組みを使えば、マクロチューブ的に最短撮影距離以上に、レンズを前進させ合焦する事も出来る筈だ。
その他には、Mマウントからの変換アダプタを利用すれば、手始めにLマウントをAF化する事も可能であり、
各種のYC-M、SR-M、PK-M、FD-M、M42-M、F-M と言った具合にMマウントへの変換さえ出来れば何でもAF化する事が可能という事だろう。
誰かこういうの作らないかな、と思っていたのだが、やはりルール無用の大陸で作られる様だ。
翻訳サイトで暗号解析するが如く読み解いていくと、所有しているα7RⅡでAF-SとAF-Cには対応するらしい、位相差AFするのかどうかは良くわからない。
アダプタに記憶させるのか?読み解けなかったが、EXIFについても10種類ほど保存できる様だ。
アダプタのメモリへの書き込み方法や、どの程度の情報を記憶出来るかは、残念ながらわからない。
はっきりとわかっているのは、Mマウントのアダプタを物理的に伸縮させピントを合わせる。
これだけである。
私的に気になる部分として、幾つか挙げると
出来れば、TECHARTで既に販売されているCONTAX GのAFマウントアダプタ同様に、シームレスなMF移行が出来ると有難い。
もう一つは、どの程度のレンズの重量迄、使う事が出来るのだろうか?という点と、駆動音の大きさである。
EマウントとMマウントのフランジバックの差を埋める程度の厚みしかないマウントアダプタに、大きな出力を出せるモーターをセット出来るのかはよくわからない。
私的には、あまり重いレンズは使えない様に思う。
頻繁に300gという言葉がBBS等に出る事から、300g迄なのか?若しくは、それ以上は、手でレンズを支持して等の処置をしなければいけないのか?
何しろ、300gがキーワードだ。
更にモーターの駆動音については、前述したCONTAX GのAFアダプタは、かなりの騒音を発生させる。
それこそ、ミニ四駆並みといって差し支えないだろう。
当然、今回のマウントアダプタも小型のモーターが入る以上、駆動音は発生する筈だ。
せめて、既に発売されているCONTAX Gのマウントアダプタ程度に抑えてあればよいのだが、これも実際に入手する迄はわからない。
私的には、わからないだらけの事ばかりだが、春頃には販売されるらしいので、今回も人柱になるつもりで購入してみるつもりだ。
実際に届いてみたら、AF精度も悪く、駆動音は激しい騒音を出し、それこそカメラ本体の異常をきたす事もあるかもしれないが、あくまで自己責任で対応しようと思う。
そもそも、AFする事が出来る様になったからといって、元々のレンズが素晴らしい描写に変わるわけではない。
古いレンズは、結局のところは古いままだ。
強引にAFさせても写真自体が、大きく変わる事は無いのだ。
それでも、ピントを合わせるのに苦労するような85mmでF1.4という様なレンズで、気軽にAF撮影出来るのであれば試してみたいのだが、所有しているYC 85mm F1.4等は300gなどという重量ではない。
ガラスの塊と言っていいだろう。
到底、今回の話で出ている、マウントアダプタでは重量を支えきれない様に思う。
もし、出来たとしても鈍重なAF速度になってしまうのでは無いだろうか?
結局は実際に発売され、入手する迄はわからない事だ。
差し当たって、今後はコンパクトカメラからレンズを取り出して流用レンズを製作する際には、可能な限りMマウント化する方がいいといえる。
Mマウント化する事によって、自分で加工した流用レンズが、AFレンズになるというのは面白い。
それこそ、ヘリコイド構造によるピント操作から解放されれば、製作難易度が下がってくる流用レンズもある。
それでなくても、今迄は機構上どうしてもヘリコイドを実現出来ない時は、ヘリコイドつきのMマウントアダプタを利用していたのだが、選択肢としてAFアダプタも可能という事になりそうだ。
もっとも、価格や入手ルートも未確定な現在では、のんびりと待つより仕方がないだろう。
ゆっくりと待ってみようと思う。
-
-
-
-
-
-
-
-
テーマ:★カメラ&レンズ・機材 - ジャンル:写真
- 2016/01/13(水) 09:07:10|
- マウントアダプタについて
-
| トラックバック:0
-
| コメント:5
今回は、アダプタについての話し
マウントアダプタの内面反射をちょっとだけ考えてみる。
考えると言っても、所詮素人なので細かい検証は特にしていないのだが・・・
自分は、持っているマウントアダプタに、全て内面反射防止のつもりで反射防止塗装を施している。
もっとも、前述したとおり特に細かい検証はしていない、処理前と処理後の比較写真を真剣に撮影していないので、
効果があるのかと真剣に問われても、
「あると思いたい」 という程度の答えしか返せない。
こういう処理をしたということによって精神的な安息感や、所謂フラシーボ効果というものを得ている可能性は否定出来ない。
一応、画像で処理前と処理後の画像を紹介するのだが、安物のアダプタの内面は非常に光沢がある。
商品によっては、光を拡散させるために、溝を幾重にも彫っているものあるのだが、
内面塗装に光沢があり、溝の効果の程には疑問がある。
LEDライトをレンズ前面から、照射した状態である。
ここまでの強烈な光源を、写真にいれる絵作りはないとは思うのだが、光沢がどれほどあるのか分かり易くしたものである。
この光沢によって、意図しない強い光がセンサーに写ればフレアなど、それなりに写真に影響があると思える。
LED等による光を、照射せず、蛍光灯の下で撮影している。
この製品は、若干、半光沢気味なのかもしれない。
とりあえず、このアダプタにつや消し処理を施そうと思う。
いつも、使用しているのは、
ターナー アクリルガッシュ20ml ジェット ブラックである。
個人的には、これ以外にも植毛紙や、より強力なつや消し塗装があれば使ってみたいのだが、
植毛紙は、それ自体に埃が付着しやすく、糸くずのようなゴミも出る。
更に、それなりの厚みの紙を貼り付けるので、アダプタ内径の減少も気になるところから使用を躊躇してしまっている。
紹介している塗料はアクリル塗料なので、用具の手入れも水で洗い流せるところと、シンナーのような刺激臭もない。
また、塗り味に於いてもムラが少なく、超微粒子顔料の採用をしているそうだ。
乾燥後も、それなりの皮膜強度がある。乾燥時間も短く手軽なところが、気に入っている理由である。
使用する際には、特に薄めずに直接筆で塗装している。
感覚的には、塗料というよりは絵の具に近い。
いつも、コピー用紙の上に適量を出して薄めずに筆で塗装している。
チラシの裏や、適当な紙に出せばいいのだろう。
塗装後に、塗装前と同じくLEDライトを照射してみると。若干マイルドな反射を感じる。
比較写真のつもりだが、同じ画角でないところが見苦しい・・・
左が処理前で右が塗装後である。
どちらにせよ、反射をゼロの状態に抑えることは不可能だ。
私的には、この程度の作業でこの程度の効果というか、何らかの処理をしたという精神的な安堵感は
撮影時のモチベーションを維持するにあたり、それなりの効果を発揮しているように思う。
しかし、あまり古いレンズの場合には、アダプタのツヤ消し塗装以前にレンズ側の内部自体に内面反射処理を、
施されていないものもあり、アダプタを処理したからどうだ?といった事もある。
一時、ついでにレンズも分解して、そういった処理をしてみようかと考えたこともあるが、結局は実行しなかった。
実行しなかった理由は、面倒だったのも勿論あるのだが、内面反射によるハレーションも、
レンズの個性といえるのではないかと思えたからである。
フレアの頻繁にでるオールドレンズの撮影など、扱いづらくて苦行のような物だとも言えるが、
それがいやなら、最初から純正レンズなり最近のレンズをつけて撮影すればいいのだ。
わざわざ、そういうクセの強いレンズを使用しなければいいと思う。
もっとも、価値観や基準は人それぞれなので、実際やってみるのもいいかもしれない。
私的には、製造されて数十年も経つようなレンズに、そういった内面反射処理だけをしても、
現在のレンズの解像や歪曲の補正には、到底追いつかないなだろうと思うので、
今の自分基準では、レンズ自体の内面反射処理を施したりはしていない。
* 下に表示されている商品は、今回の記事で紹介した塗料です。
テーマ:★カメラ&レンズ・機材 - ジャンル:写真
- 2014/08/13(水) 00:08:43|
- マウントアダプタについて
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
今回は、
CONTAX Gと α7R と
CONTAX Gと α7R (2) の、話しの時に出た。
AFの出来る 「 TECHART 」 のアダプタについて、私的な感想を入れた「まとめ 」を、しようと思う。
まず、「 TECHART 」 の現在入手の容易に出来るアダプタは、最新の TA-GA3 と TA-GE1BⅡ である。
初期型は限定生産だったのと、AFのみの仕様となっており、マニュアルフォーカスの出来るダイヤルは付いていない。
AFが出来るといっても純正品で無い事を考えてみれば、それほどAFはアテには出来ないと思ったので
自分は所有していないし、そもそも、正式に発売されていたのかすら解らない。β版との事だったと思う。
今回、ブツブツ独り言で説明するのは、所有している TA-GE1BⅡ と TA-GA3 となる。
左:KIPON製MFアダプタ 中央:TECHART製 TA-GE1BⅡ 右:TECHART製 TA-GA3
KIPON製 MFのアダプタは、こちらで
細かく分けると TA-GE1BⅡ にも、限定モデルが存在しており、通常版と限定版では、外装の仕上げが違う。
TA-GE1BⅡの詳しい詳細
限定モデルはこちらで確認してください。
TA-GA3はこちら
通常版ではツヤ消し黒のマットな仕上がりに対し限定版は、シルバーのメッキを施されていて、
シャンパンゴールド気味のGレンズの筐体に、よく似合っているかもしれない。
この辺の外装の仕上がりは、個人的な好みもあるので、TA-GE1BⅡ を入手しようと思っている人は、
特に機能や性能に違いは見受けられないので、好みで選べばいいと思う。
TA-GE1BⅡ のAFの速度は、TA-GA3 に劣るものの私的な感想を言えば合焦精度には、特に違いを感じない。
新旧、どちらにしても現在のカメラと比べれば、今一歩と言ったところだろうか?
ただ、ISO オートに設定し昼間屋外にて、ISO100もしくは400くらいまでの明るさが確保出来ている環境であれば、
どうにか実用品として扱うレベルではあると思う。
どうしても合焦出来ないと感じれば、マニュアルダイヤルを少しでも触れれば瞬時にマニュアルモードに切替わるのがいい。
ピーキングを設定していれば、すぐさま合焦部の着色画像を、EVFと背面液晶から確認出来るし部分拡大表示をして、
合焦をさせる事も通常のマニュアルレンズを使用する時の作法と、全く同じ様に出来る。
TA-GE1BⅡ、TA-GA3 ともに、この機能については精度も含めて変わらない。
ただ、マニュアルダイヤルについては、一つ説明しておきたい。、
よく、掲示板等でフォーカスダイヤルが、その小さな形状から 「使いにくいのではないか?」とか、
「指が疲れそう」と、言う意見を見かけるのだが、
見掛けと違い非常に使いやすい。
実物のアダプタを触れた事が無い者からすると、このダイヤルは何かしらのギヤに直結されていて、
小さなダイヤルを廻して、幾つかのギヤを経由後にレンズの駆動伝達部を回転させているのではないかと思うらしい。
実のところ、自分も実際に手に入れるまでは、そう思っていた。
小さくて重たいギヤを、指の皮が剥ける程に転がすのでは? とか、
こんな小さなダイヤルでは、一体何回転させれば最短から無限遠まで廻すことが出来るのだろうか?
そういった、ネガティブな想像である。
しかし、現実のダイヤルは想像のソレとは全く異なっている。
「小さくて、重たいダイヤルを何回転も廻して、指の皮は剥けたりしないのである。」このダイヤルはAFモーターに電気的に接続されているので、ギヤを介して直接レンズを駆動している訳ではない。
フォーカスダイヤルを廻すとモーターが回転して、レンズを駆動する仕組みだからだ。
私的な感覚では、パワーアシストに近いといえると思う。
身近な物では、自動車のパワーステアリングなどの倍力装置と言ったところだろうか?
慣れないうちは寧ろ軽く廻り過ぎて、任意の合焦ポイントを何度も通り越してしまう。
ダイヤルの回転に対し、想像以上にレンズの駆動量があるからだ。
しばらく使って慣れてしまえば、瞬時にピントを合わせる事も可能だと思う。
フォーカスダイヤルの感触も、TA-GE1BⅡ と TA-GA3 で特に違いは見られない。
小さなダイヤルが、付いているが軽く回る、トルク感もなくダイヤルの回転に対し駆動量は想像より多い。
この二つを比べて大きな違いがあるとすれば、そのAFモーターの回転速度にあると思う。
単純に言ってしまえばAFモーターのスピードアップを、図った物が TA-GA3 である。
TA-GA3 のAF速度に於いては、広告にも謳っている通り、TA-GE1BⅡに対し約1.5倍の速度で駆動する。
このモーターの速度は実機に匹敵すると思う。
かなり、実用的なレベルに成長していると言えるだろう。
TA-GA3はこちら
右の新型 TA-GA3の接点部分の樹脂に植毛質なシートが、貼り付けられている。
又、最新の TA-GA3 は、Gレンズ接続用の端子部分に植毛布?植毛紙?の仕上げになっており
内面反射などの抑制に、気を使っているようである。
その際、端子部の樹脂の拡大により、思わぬ弊害も出ているのは残念だ。
CONTAX G CarlZeiss Hologon 16mm F8.0
上記のレンズは、別として(α7シリーズでは、シャッターに緩衝する為)、前期モデルであるTA-GE1BⅡでは、
CONTAX Gシリーズのレンズは全て装着及び、AFする事が出来たのだが最新モデルである TA-GA3では、
新たに、CONTAX G CarlZeiss Vario-Sonnar T* 35-70mm F3.5-5.6 が、接点端子部の樹脂部分の拡大により、
使用出来なくなってしまったのである。
右の新型 TA-GA3 のほうが、旧型に比べ端子接点部分の樹脂が大きい。
このレンズ後玉近辺の枠部分が、完全に緩衝してしまっているのである。
AF出来ないどころか、装着自体出来ないのだ。
そもそも、このレンズに対しては前期モデルである TA-GE1BⅡ についても、とりあえずAF出来るという程度で、
真剣に対応しているのか怪しい。
何故なら、他のレンズではExifに焦点距離が、45mm、35mmといった具合に保存されるのだが、
この CONTAX G CarlZeiss Vario-Sonnar T* 35-70mm F3.5-5.6 については、21mmとしか保存されないのである。
多分、21mmと表記されることから、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8 として、誤認されているのあろう。
更に、35-70mm F3.5-5.6というスペックから、相当明るい昼間でもなければ満足な合焦性能を得にくい。
もうひとつ付け加えると、α7シリーズならではの問題かもしれないが、このレンズは後玉のせり出しが大きく、
後玉とセンサが近くなり過ぎてしまい、35~50mm近辺までは、21mm、28mmのBiogonを取り付けた時の様に、
周辺の色被りに悩まされてしまうのである。
もっとも、APS-C機の旧NEXシリーズや他社APS-Cミラーレス機ならセンサーサイズが小さい分、問題無いのかも知れない。
35mm時の後玉の位置、かなりせり出してきている。
50mm時では、程よく奥に入り込んでいると思う。
ビオゴンほど飛び出てはいないが、この状態では完全に色被りしてしまう。
もし、α7シリーズユーザーで、このズームレンズをAFアダプタで使用しようと考えているのなら、
それなりの覚悟で購入するしかない。
試していないので適当な事を言うのだが、端子部の樹脂を削れば新型の TA-GA3 でも装着させる事は、
出来るのかも知れないが、私的には周辺の色被りが出るのを知っていながら、
アダプタの該当パーツを、
「削るという作業をしてまで取り付けたいか?」と考えてしまう。
失敗するリスクも考慮すると踏み切れないものがある。
正直なところを言うとアダプタの購入は別として、このズームレンズについては、自分は失敗してしまったのである。
新型の TA-GA3 の宣伝用のAF撮影動画を見た際に、あまりのAF速度に驚いて購入したのだが、
ついでに記念と思って(今、思うと自分の行動に失笑を禁じ得ないが)
オークションで、このズームレンズを落札してしまったのである。
現段階では、完全に失敗である・・・
この先、色被りの出ないセンサを搭載した、Eマウントミラーレスカメラが発売されるまで、
Biogon 21mm、28mmと同様に防湿庫で封印保管するより無いだろう。
残念な結果だ・・・
ただ、ある程度の明るさを確保出来ていれば、妥協はあるもののAFについては申し分ないので他のGレンズ使用時には、
ある程度、現実逃避できる。(笑
失敗の話しを何時までしても、仕方がないので新たに装備された特筆すべき機能について触れておこうと思う。
旧型のアダプタに対して、新型の TA-GA3 は、アダプタのファームウェアのアップデートにも対応できるようになった。
今後のアップデートによっては、更なる各種機能の向上もあるかもしれないし、カメラが新機種になった場合でも、
新しいカメラに対応できるかもしれない
アップデートの手順は、Bluetoothでのワイヤレス接続によって行われ、今日現在に於いて、2つのアップデートファイルが、
リリースされている。
個人的には、今後の更なるファームウェアの最適化により、時折、発生するブラックアウト現象の軽減や、
AF精度の向上等が、あれば嬉しいと思っている。
尚、ブラックアウト現象については、どういう条件で、発生するのか?というのは、全くわからない。
ブラックアウト状態から復帰するには一旦電源を切るか、アダプタからレンズを外し再取り付けを行うと、
復帰する事が多いと思うが、それもよくわからない。
ついでにネガティブな話をすると、AFの駆動音はかなり大きく、撮影しているとミニ4駆か何かの音を連想させる。
個人の許容範囲はそれぞれだと思うが、自分は海外でその音を見ず知らずの外国人に聞かせる気にはなれなかった。
その理由から、前回の旅行では従来からあるマニュアルフォーカス用のアダプタで撮影していた。
そもそも暗所では、なかなか合焦表示が出ないのでマニュアルフォーカスに移行してしまう事も多々あるのと、
私感ではあるが、バッテリーの持ちも、良いとは言えないα7シリーズで、このAFアダプタはバッテリーの消費を、
更に
加速させるからだ。
国内旅行でなら、まだしも、いつ充電出来るかわからない異国の地では従来のマニュアルフォーカス用アダプタが、
もっとも信頼がおけると思う。
それでも不満なら、純正レンズを使えばいいだけだ。
それでも、散歩や充分に時間のある旅行であれば、このマウントアダプタでAF機構自体を楽しんで撮影するのは私的には、
すごく楽しいと思っている。
どういうわけか、AFアダプタという便利な撮影機器のはずなのに、時には不便なところが楽しい。
結局、なんだかんだ言ってはいるが、ブログでブツブツ独り言の様に紹介するのだから、
案外気に入っているのだ。* 他のContax Gまとめ* 下に表示されている広告のアダプタは、今回の記事で紹介したレンズを使用できます。
(本文で、実際に使われていない物も表示されています)
CONTAX G マウントアダプタ
テーマ:★カメラ&レンズ・機材 - ジャンル:写真
- 2014/07/02(水) 01:00:31|
- マウントアダプタについて
-
| トラックバック:0
-
| コメント:1