今回は、コダックのシグネット35のエクター44mm F3.5というレンズを使った、所謂、改造レンズの話。
元のカメラは、1951年から58年まで 米国コダックで造られた物だそうだ。
50年以上前の物となれば、オールドレンズになるが一部にファンはいるらしい。
個人的には、生まれてもいない頃に売られていたらしい、今回のカメラにもレンズにも思い入れはない。
入手先としては、結構前にネットオークションで見つけた物だが、出品者は、どうも同じような改造レンズを幾つか出しているらしかった。
現在も出品しているかは確認していないが、特に不愉快な取引をした記憶はない。
もし、当ブログで同じように入手を考える人がいたら、自己責任でお願いしたい。
ネットオークションでのトラブルやリスクは、個人で考えるべきものだろう。
記憶では7~8千円程度で、手に入れる事が出来たと思うが、定かではない。
「改造レンズって、どんなだろう?」、と興味深々で半ば遊び半分で落札したように思うが、遊び半分でこの値段が、安いか高いかは個人の感覚だろう。
自分は、元のカメラを購入してレンズだけを取り出して~、という手間を考えれば妥当と感じたが、人によっては50年以上も前のレンズに、この値段は無いと思うのかもしれない。
こういった、物の価値観の基準は人それぞれだが、私的には満足の範囲内だった。
なにより、写り云々よりも届いたレンズを実際に手にし、改造する為の部品の構成や構造を目にする事が出来たのは、何にも替えがたい物だったのだ。
自分でも改造レンズを作ってみようという気持ちにさせた、最初の改造レンズなのである。
何回か散歩ついでに、α7シリーズで使用してみたが解放では、甘い写りだがネットで検索すると、それなりに定評のあるレンズだ。
とはいえ古いレンズである、光源が入れば、それなりにフレアやゴースト祭りになる。
もっとも、こういった描写は古いレンズでは当たり前とも言える、効果的なレンズコーティングもまだ確立されていない時代の物なのだ。
味だと思って、四苦八苦しながら撮影すればいいし、あえてフレア入りの低コンストラストな写真を撮ればいい。
どうしても気になるなら現行純正レンズを使えばいいだけの事だろう。
いつも言っているが、わざわざ、古いレンズで撮影して文句を言っても仕方のない事だと思う。
相変わらずの独り言のような前置きだが、α7RⅡで撮影してみたので、幾つか写真を出しておこうと思う。
α7RⅡ + kodak Ektar 44mm F3.5 F8.0
小雨降る夕方に六義園に行ってみた。
α7RⅡ + kodak Ektar 44mm F3.5 F8.0
α7RⅡ + kodak Ektar 44mm F3.5 F8.0
α7RⅡ + kodak Ektar 44mm F3.5 F8.0
α7RⅡ + kodak Ektar 44mm F3.5 F8.0
α7RⅡ + kodak Ektar 44mm F3.5 F8.0
α7RⅡ + kodak Ektar 44mm F3.5 F8.0
α7RⅡ + kodak Ektar 44mm F3.5 F8.0
α7RⅡ + kodak Ektar 44mm F3.5 F8.0
この近所に有名なケーキ屋があるので、とりあえず向かう事にした。
α7RⅡ + kodak Ektar 44mm F3.5 F8.0
小雨の中、到着したが、すっかり暗くなってしまった。
iPhoneで撮影
普段、食事の写真など撮らないのだが、トップにいつも入れるレンズ装着状態の写真を撮る際に、ついでに撮影しておいた。
使ってみた感想を書くべきなのだが、小雨降る夕方では的確な感想を述べるには至らない。
後日、もう少し光の条件が整っている時に再度、評価したいと思う。
当たり前だが古いレンズである、私的な意見としては全く現代のレンズと比べる部分はない。
歪曲、解像や逆光に対する耐性など、特に特筆する部分はないだろう。
しかし、この写りを求める人がいても、それはそれでいいと思う。
いつも通りの言葉になるが、何を求め満足するかは人それぞれだ。
自分のような素人は、楽しめればそれでいいのである。
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- 2015/11/14(土) 03:10:54|
- kodak Ektar 44mm F3.5
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今回は、前回Eマウント化したヤシカ エレクトロ 35 GXというコンパクトカメラの
COLOR YASHINON DX 40mm F1.7というレンズで適当に写真を撮ってみたので紹介しようと思う。
製作編の参照はコチラ毎度の事ながら、写真を撮ってみたと偉そうだが本当に撮ってみただけである。
作例として、微妙なものも含まれるが参考になれば幸いである。
適当にスナップを撮ってみた感想としては、前回の製作編でも記していたのだが
「当たり前のように逆光には強くないし、周辺の減光もある。」
このくらいの年代では当たり前の事なのだろう。
もっとも、フィルムを使って実機を使って撮影すれば、多少は変わってくる話しなのかもしれない。
手に入れた個体は、レンズのまともそうなジャンク品だったので、実機を試す事が出来なかったのだ。
いつもの様に適当な試写ではあるがRAWをPhotoshop Lightroom 5にて現象しているので、RAW現像込みでの描写として見ていただきたい。
COLOR YASHINON DX 40mm F1.7 開放
開放では周辺の減光は顕著だ。
COLOR YASHINON DX 40mm F1.7 F4.0
F4.0まで絞っても減光は残る。
COLOR YASHINON DX 40mm F1.7 F8.0
ここまでくれば古いレンズで、どうこうということはなさそうだ。
COLOR YASHINON DX 40mm F1.7 開放
夜間での撮影であれば、開放F1.7というのはそれなりに使えるといったところだろうか?
自分はこれで充分だと思うのだが、個人差というより許容範囲は人それぞれだろうと思う。
COLOR YASHINON DX 40mm F1.7 開放
光源の位置で、周辺減光はかなり変わってくる
味だと思って割り切れば私的には問題ない。
COLOR YASHINON DX 40mm F1.7 F8.0
F8.0まで絞ると普通にカッチリの写りと思う。
COLOR YASHINON DX 40mm F1.7 開放
太陽を入れて撮影してみたが当然フレアだったりゴーストだったりは出る。
こういうものと思えば別に問題はない。
最新のレンズではないのだから、こういった描写は味だと思えばいいのだろう。
COLOR YASHINON DX 40mm F4.0
LRでビビッドな設定を試してみた。
多少どぎつい感じだろうか
COLOR YASHINON DX 40mm F5.6
空を写すと当たり前のように周辺の減光が発生する。
まあ、味なのである。
COLOR YASHINON DX 40mm F1.7 開放
COLOR YASHINON DX 40mm F1.7 開放
夜間の開放の描写は結構気に入ってしまった。
写りとしては、前に改造レンズで紹介した
minolta HI-MATIC E の ROKKOR-QF 40mm F1.7 と焦点距離と開放F値は同じだが、若干マイルドに感じる。
解像についても甲乙つけがたいが、ROKKOR-QF 40mm F1.7のほうが若干上なのかもしれない?
ただ、こちらのほうが発色もマイルドな気もする・・・
所詮、素人が何か感じても勘違いや思い込みもあるだろう。
アテには、ならない。
はっきりわかる印象としては、元レンズの鏡胴を使えたこともあり、絞り操作も扱いやすい。
ヘリコイドの感触も悪くなく、いたって普通のマニュアルレンズである。
ここのところつけっぱなしにするくらいには、気に入っている。
自分で改造したのだ、思い入れもあるのだろう。
多少、古臭い写りでも私的には充分なのである。
* 下に表示されている広告の商品は、今回の記事で紹介した材料です。
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- 2015/06/01(月) 00:24:15|
- COLOR YASHINON DX 40mm F1.7
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今回は、YASHICA ELECTRO 35 GX というコンパクトカメラに搭載されていた、COLOR YASHINON DX 40mm F1.7
というレンズを取り出して、Eマウントに改造してみた。
今回は鏡胴部分と絞りについては元カメラオリジナルの物を使用することができたので、それなりの仕上がりで改造できたのはありがたい。
絞りの枚数は5枚となっている、角ばった玉ボケを発生させるがこんなものだろう。
使用した鏡胴については、α7Rにあわせて黒いボディの元カメラの物を使うことにした。
簡単な手順をこれから紹介するが、早い話は元のカメラからレンズの鏡胴ごと取り外してEマウントとなる、なんらかのマウントを取付ただけである。
簡単に説明はしたが、一度レンズ部分は分解してシャッターユニットは取り外しておいた。
何かの拍子で、シャッターが閉じてしまわない様に固定しようと分解しながら考えていたのだが、思いのほか簡単そうだったので取り外す事にしたのである。
若干の軽量化になっていればいいとも思うのだが、元からそんなには重くはない。
「とりあえずやった」、そんな程度の物でしかないかもしれない。
簡単な部品構成などの概略図をのせておく。
マウント部については、フランジバックの都合上、MUKカメラのM42に直接変換できるアダプタを使用した。
厚さが1.5mmと非常に薄く作られており、フランジバックの短いレンズには、今後も流用がききそうな部品である。
アダプタとステップアップリング、52mm用保護リングとレンズ底部の接着にはメタルロックで固定した。
このメタルロックという接着材の良いところは溶接と同等といわれる接着力にあるのだが、
間違えて使用した際には非常に厄介な代物でもある。
本来なら、かなり覚悟のいる固定方法と言えるだろう。
接着時間も短く本硬化までには、それなりの時間を要するのだが、軽く固着するまでの時間は15分ほどである。
塗布後は少しの間よく目の届く監視下においておき、軽く固着が始まれば手に触れない場所においておけば問題ない。
概略図に載っている、φ1.5mmのビスについては、ホームセンターにて購入したものである。
φ1.5mmと言っているが、本当のサイズはよくわからない、ノギスで測ったところ約1.5mmだったのである。
ホームセンターの店頭にて、幾つか各サイズの入った袋入りの物を購入したので、これが何φかというのがわからなかった。
もし、このブログを見て自分でも試してみたいと思った人は各種サイズの入った袋の物を購入するといいだろう。
本題ではなさそうなビスの話しを掘り下げてしまったが、今回の改造ではこのビスが重要な役割を果たす。
レンズ底部のビス穴に取り付けられたビスと、保護リングに直角に接着されたビスによって、ヘリコイドのストッパーの役割をしているからだ。
ここで固定されることにより、レンズの前部分を回転させるタイプのピント調整をせずに済むことになる。
やはりピントリングを回して、ピントを合焦させたいからだ。
とは言ったものの、前述した前部を回転させるタイプのほうが、よりレンズを前に繰り出すことが出来る場合が多いので、
より近接して撮影したい場合は、やはり前部を回転させる改造がよいのだろう。
とはいえ、本来の最短撮影距離より短くしてしまうと、メーカーの考えた性能を発揮できるのか疑問は残る。
もっとも、ミラーレスカメラに取り付けている時点で、本来の性能云々はどうでもいいのかもしれないのだが・・・
いつものようにひとり言をブツブツ述べたが、そろそろ手順の画像をあげていこうと思う。
まずは、分解。
レンズを支持している、金属の板を本体から切り離す。
レンズ本体を分解していく、この際シャッターユニットを取り外した。
レンズボードからレンズ本体のヘリコイド部を切り離す。
この状態で構造を確認し、どうやれば前玉部を回さないでピント調整できるか検証した。
今回の改造レンズに使用する部品の一覧。
左から、MUKのUM42-NEX薄型のM42へのマウントアダプタである。
用途としては、M42マウントネジの切ってある、引き伸ばしレンズをカメラに付けて使用する際に便利なアイテムである。
当ブログでは、まだ紹介していないが自分もフジノンの引き伸ばしレンズで使用した事がある。
スッテプアップリングを組み合わせてフランジバックを大まかに合わせる。
この際には無限遠で、ピントリングをテープで固定する、レンズを仮付して無限を調整するには必要な処置だ、
写真の状態では、すでにレンズ底部と保護リングは接着剤(メタルロック)にて固定されている。
M42アダプタをカメラに取付て無限の調整をする、調整方法はレンズ底部のヘリコイド部を回転させてレンズ自体を
前後に移動させ、遥か彼方に見えるビルの屋上に設置してある、避雷針の突針をカメラの拡大機能を使って合わせる。
もっといい方法は当然あるのだが、大体でも問題はないだろう、気になる人は若干のオーバーインフで調整するといいかもしれない。
無限の調整ができたら、マウント部分とレンズ底部に取り付けたステップアップリングを接着する。
当たり前といえば当たり前だが、この際には、指針が真上のなるように調整しなければならない。
この接着材の強度では、取り外して調整などはできないと思ってもらいたい。
接着後、レンズ底部のねじ穴にビスを取り付ける。
その後ステップアップリングの内側、側面に接着剤にてビスを固定する。
使用するビスの頭部分は、皿ビスと言われるものが接着面積の都合上、適しているといえるだろう。
この部分にビスを固定すことにより、ピントリングを回して、ピント調整が出来るようになる。
底部に取り付けたビスを長くしている理由は、レンズ自体の前後の動きを制限しない為である。
ピント調整時には写真の金色に見えるネジ部より内側は前後に移動するからだ。
乱反射防止の為にモルトプレーンを貼り付ける。
ビス自体も黒く塗ってみたが、ピント調整の際にこすれて塗装が落ちてしまった。
この部分は塗装しない方が賢明だろう。
落ちた塗装のかけらが、センサーに付着しては厄介だからだ。
写真の常態の底部は、保護リングとステップアップリングのねじを外した状態である。
ピントリング自体に接着剤で、真鍮の棒を切ったものをストッパーにする為に取り付けた。
バッチリ再度無限調整をした後に、その状態を保持したまま接着している。
細かい作業なので、ピンセットを使用した。
最短撮影距離は80cmから実測で約40cm程度になった。
ヘリコイドに付けた真鍮製ストッパの問題なので、このくらいになったといえる。
レンズ底部の接着には、この分のヘリコイドの可動域を見越して、底部の板の位置を調整する必要がある。
じっくり仮組して、検討する必要があるといえるだろう。
最終的な状態、やはりこのくらいの時代のレンズには、しっかりしたフードは必要だろう。
見た目にもインパクトはあるが、そんなに違和感はない。
こんなものだろう。
次回は、このレンズの試写を紹介しようと思うが、特に問題のある描写はなかった。
当たり前のように逆光には強くないし、周辺の減光もある。
ただし、嫌いな描写ではなかった。
今回の製作は、あまり切った貼ったをしないで作れたので敷居は高くない印象だが、仮組と調整に時間のほとんどを費やした。
このブログをみて製作を試してみたい方がいたら、じっくりと調整してもらいたい。
レンズの仕上がりに、大きく影響するだろうと思う。
撮影編はコチラ* 下に表示されている広告の商品は、今回の記事で紹介した材料です。
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- 2015/05/08(金) 21:42:44|
- COLOR YASHINON DX 40mm F1.7
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前回、製作した改造というか流用したレンズの試写をしたので紹介しようと思う。
レンズの概要としては、FUJI HD-RのFUJINON 38mm F2.8というレンズをEマウントに改造したレンズなのだが、
一言で言えば非常に良く写る。
印象としては「パキン」という感じだ。
個人的な感想としてはボケもいいが、このレンズは絞ってカリカリした描写を楽しみたいと思わせる物を持っているようだ。
製作についても比較的、簡単に製作出来た。
製作編の参照はコチラ持ち出しやすさについては重量をかなり軽く作ることが出来たので、画角もさる事ながら気軽に持ち出せると思う。
普段、カメラを持ち出す際には素人である自分としては、持ち出し易さに重きを置いている。
職業ならいざ知らず、プライベートなスナップ撮影をするのにあまり重たいレンズは持って歩きたくない。
せっかく軽いα7Rに、重たいレンズを付けて歩くのは勿体無く感じてしまう。
それでも、「どうしても今日はコレがいい」という日があって、そんな時には重たいレンズを付けていくのだが・・・
いつも通り素人がゴチャゴチャ言ってもしかたないので、画像をあげていく事にしようと思う。
α7R+FUJINON 38mm F2.8改 開放
α7R+FUJINON 38mm F2.8改 約F5.6
α7R+FUJINON 38mm F2.8改 約F8
あまりボケがどうこうのレンズではなさそうだ。
カリっとした描写だが嫌いという事でもないのでこういうレンズを使うのもたまには面白い。
あまり気にならないが、若干の周辺の減光があるようだ。
明るい背景では少し気になる場合もあるのだが、そういう時は現像時に調整すればいい。
もっとも、素人の自分としては、そのままでも味だと思って割り切ってしまえばいいのかもしれないのだが・・・
α7R+FUJINON 38mm F2.8改 開放
α7R+FUJINON 38mm F2.8改 開放
α7R+FUJINON 38mm F2.8改 約F8
開放でも充分使える感じだろうか
周辺の減光が気になる場合は少し絞ってもいいかもしれない。
α7R+FUJINON 38mm F2.8改 約F5.6
α7R+FUJINON 38mm F2.8改 開放
α7R+FUJINON 38mm F2.8改 開放
少し使ってみただけだが感想としては、解像感もあるし問題ない。
自作流用レンズとしては、上出来だとも思える。
もっとも元のカメラ自体も、古いものではないのでそれなりの写りという事なのだろう。
歪曲についても、目くじら立てるほどの事でもなく。
レンズ遊びとしては、必要以上の写りだと思う。
そう、これはこういう遊びなのだ。
所詮、素人の趣味なのだから適当にスナップを撮る程度であれば充分なのである。
* 下に表示されている広告の商品は、今回の記事で紹介した材料です。
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- 2015/03/22(日) 14:05:11|
- FUJINON 38mm F2.8
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前回の改造レンズ製作から、コンパクトカメラのレンズを流用する、レンズ製作が楽しくなってしまったようだ。
この遊びの楽しいところはアレコレと、どうすれば精度の出せる組立が出来るか?とか、外観はどういう風にしようか?といった事をしばらく模索出来る事だろう。
なにせ素人がやる事なので、何が正しいのか考えても答えが出ないところが特に面白い。
こうなってくると、何かの確認作業のように思えてくる。
今回も、本業の仕事の合間に湧いてくる稚拙なアイデアに翻弄されながら、2個目の改造レンズを製作してみた。
今回のレンズは、フジのHD-Rというカメラに搭載されていたFUJINON 38mm F2.8というレンズである。
カメラ版のG-SHOCKといった外見の元カメラだ、そこそこに弾力のある外装の樹脂に纏われていて工事現場等で重宝されていたようだ。
もっとも工事現場では、HDシリーズの少し後にコニカから発売される「現場監督」という、そのものズバリの名前のカメラのシリーズに取って代わられる。
前置きは長くなったが要約すると、今回は無骨なハードプロテクタを外装に貼り付けてあるHDシリーズというカメラのレンズをどうにかしようという話しだ。
何故、このカメラのレンズを使うのか?と問われると、単純に安くて良く写るレンズだからである。
元カメラの値段は安くはなかった筈なのだが、ネットオークションで500円程度で入手する事が出来た、入手のしやすさは理由の一つとしてあげられるだろう。
写りに関しては、ネット上のブログ等で見た限りは悪くない、むしろカリカリした生真面目な写りに、好感を覚えた。
もう一つ、理由をあげるとすれば、ビハインドシャッター機ゆえに製作の簡略化が出来ると考えたからだ。
このカメラのレンズユニットは、後玉部と前玉部が一体化されたものであり後玉部以降のフィルム側に絞り兼シャッターユニットが付く構造になっている。
前回、製作したHI-MATIC Eのように前玉と後玉が分離されて、且つ、間に絞りユニットが入る構造だと後玉と前玉の間の距離や絞りの配置にかなり細かい精度や手間を要求される。
しかし、ビハインドシャッター機であれば、センサーの前で、なんらかのレンズユニットを前後させる機能を持たせながら、絞りユニットを後玉のセンサー側に取り付けるだけでオリジナルのカメラと同じ構造を再現する事が出来るのだ。
具体的には、近接撮影用の伸縮操作用ヘリコイドのついたマウントアダプタを使ってレンズユニットを前後させ、絞りユニットをMUKサービスさんの物を別途購入して使用すれば、簡単に製作出来ると考えられた。
(実際にはヘリコイド付アダプタを使用せず、元カメラのヘリコイド部を流用できた)
更に、もう一つ理由をあげると、このレンズはセンサー面から近接しているわけでもなく、焦点距離も38mmということでα7Rで使用してもケラれや周辺の減光も無いだろうと思い至ったからだ。
まとめてみると、
1.入手のしやすさ、価格も含む。
2.写り、カリカリした写りだが嫌いな描写ではない。
3.レンズ構造からくる製作のしやすさ。
4.ケラれや周辺減光の心配がなさそう。
となる、もっとも実際に製作して試写するまでは何一つわからないのだが・・・、
まずは、簡単な図面を作ってみた。
<画像のクリックで大きく見れます>
元のカメラのヘリコイドを使う事ができたのは幸いだった、精度を求めやすい。
早速、分解してみるがフラッシュ回路での感電には注意したい。
レンズユニットと言うべきかベースになっている部分を取り出す。
樹脂製のベース部分とレンズのみを使用する。
ニッパーにて新規鏡胴に収まるようにベースの樹脂を切り取る、ベースは樹脂になっているので容易に切り取る事が出来た。
今回の改造レンズ製作に使用する部材を並べてみた。
切り取ったベース部にレンズをセットして、板おもりでセンターを出しつつ
接着剤でステップダウンリング37ー28に貼り付ける。
レンズ先端部にステップアップリング24-37を接着する。
ステップアップリングとレンズの隙間にはスペーサーとして板おもりを使い、センター出しを行う。
この際、センターがうまく出ていないとヘリコイドを回転させた際にレンズのフェイス部分が偏心してしまう。
どうにかセンターに接着出来たようだ。
次は、絞りユニットを取り付ける。
慎重にセンターを出して接着する。
取り付け時にレンズの後玉サイズ程度に絞りを閉じるとセンターが出しやすい。
保護リング37ー37を、絞りユニットのレバー可動部に合わせてカットする。
ヤスリがけをして装着してみる。
仮組をしてみる、まあまあ形になってきた。
58mmの接写アダプタを用意した。
本来のこのアダプタの使用方法は、58mmのフィルターサイズのレンズを逆さに取り付けるアダプタである。
当然の事ながら、58mm径のネジが付いているのだがどうもみっともなく感じてしまう。
結局、ネジ部を削り取ってしまった。
製作過程での切断や削れなどを塗装する事にする。
スッテプアップリングなどの部材にも37ー37などというふうに文字が、書かれているので単純に見栄えを良くするためでもある。
塗装終了した状態。
削った接写アダプタもこれなら問題無い。
塗装後の仮組状態。
遮光板の取り付けをする。
このままの状態では、絞りレバーの切り込みから外光が入ってしまうので、
遮光板を絞りユニット下部に取り付ける。
プラ板を円形に切り出しステップアップリングに接着する。
絞りユニット側にモルトを貼り付ける事により絞りユニットとの隙間を完全に無くす。
モルトを貼り付けた。
この状態だと絞りユニット下部に程よく圧迫される状態になる。
レンズ先端部にフードを取り付けモルトを切り出し、表面の化粧板とした。
一応、これで完成だ。
見た目は、そんなに悪くない。
欠点といえば、今回のレンズの構造上ヘリコイドを回してレンズを繰り出していくと
レンズユニット自体が、ネジを通り越して外れてしまう事である。
何か、いいストッパー替わりになるものを、考えなくてはいけないようだ。
次回は、早速このレンズの試写を紹介しようと思う。
撮影編はコチラ* 下に表示されている広告の商品は、今回の記事で紹介した材料です。
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テーマ:★カメラ&レンズ・機材 - ジャンル:写真
- 2015/03/12(木) 01:07:15|
- FUJINON 38mm F2.8
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