NO.2587 河本よ、なぜ頭を下げた?「俺は悪くない!生活保護は権利だ!」と言ってみな。
人気お笑い芸人コンビ「次長課長」の河本準一氏をカッコウのネタで叩き、生活保護切捨ての下地作りをやってますね。
ワイドショー政治!きわめて危険な風潮です。
何かに便乗して鬱憤晴らしをしたい・・・、最近の「橋下人気」と同じ社会の「空気」を感じますね。
そして、河本は格好の餌食だとばかりに、政治がこれを巧妙に利用する。
公務員バッシングにも共通するやり方だと思います。
河本よ、なぜ頭を下げた?「俺は悪くない!生活保護は権利だ!」と言ってみな。生活保護の山本太郎になってみな!と言いたいところです。
早速、小宮山厚労大臣が生活保護支給引き下げを表明しました。
■生活保護支給引き下げ検討 厚労相、見直し表明2012/05/25 17:45 【共同通信】
小宮山洋子厚生労働相は25日午後の衆院社会保障と税の一体改革特別委員会で、生活保護費の支給水準引き下げを検討する考えを表明した。生活保護の受給開始後、親族が扶養できると判明した場合は積極的に返還を求める意向も示した。
消費税の増税や年金額の切り下げなど、国民に痛みを強いる改革を進めているため、生活保護も聖域視せず、削減する必要があると判断したとみられる。
過去最多の更新が続く生活保護をめぐっては、自民党が10%の引き下げを求めており、見直しの議論が加速するのは必至だ。
そもそも、何ら法的な違反はないのに、倫理的道義的な問題に絡めて批判する風潮は思考停止状態ですね。。
河本さんの問題をわざわざ国会でも取り上げた自民党の片山さつき議員は、河本氏の謝罪会見を受けて、
と、迫ったのです。「生活保護を受ける人の親族や資産に対する地方自治体の調査権限が弱く、執行体制を支える人員や予算も少ないので、これらを強化することが今回の問題の本質だ。『追及を弱めるな』という反響が多く来ており、自民党として、法改正や執行体制の強化に向けた提言を打ち出していきたい」
この件には多くの方が触れていますが、問題を冷静に見るために、以下三つのブログをを参考にオススメします!詳しくはぜひリンク先でどうぞ、…って、またまた他人の褌です(笑)
まずは、生活保護がなんたるかの基本を。
■河本準一さん親子問題から考えると間違える。生活保護の本質は憲法上の基本的人権である生存権の保障だ!
実は今日、河川敷で暮らすホームレスの方々のテントをまわって、生活保護申請を提案するボランティアに行くんです。
路上生活ほど「健康で文化的な最低限度の生活」からはずれた生活はありません。
そんな生存権を侵害された人がまだ多数いらして、生活保護を受けずに、受けられずにじっと耐えておられる、それをそのまま放置している。
それが、生活保護問題の最も重要な問題なのです。
河本さんの問題に目を奪われませんように。
つづいて、「河本準一氏叩き」が隠そうとする危うさについて・・・。
■河本準一氏叩きで見失われる本当の問題
・・・わたしは河本氏叩きにはまったく賛同できない。不正はなかったにも関わらず、河本氏に謝罪を強要した社会を、わたしは怖いと思う。
河本氏批判の結果で恐れること
わたしは河本氏を叩くことで以下のような流れになることを恐れる。
1.「援助可能な収入のある親族」が存在するものの、実際には援助を受けられない立場の人たちが、ただ単に「援助可能な人がいる」というだけで生活保護を受けられなくなること。
2.不正受給は改善すべきであるが、単純に「不正受給をなくすためには受給条件を厳しくすればよい」という流れになって結局、必要な人に必要な生活保護が認定されないこと。
3.不正受給の追及にのみ専念し、生活保護を必要とする人が増えている現状を何も変えようとしないこと。
4.そもそも、不正受給分が適正に配分されたとしても、生活保護が全然足りていないという現状から目をそらし、「不正受給のせいで必要な人に回らない」という考えで不正受給叩きに専念すること。
5.門前払いが厳しすぎたり、一度受給すると生活保護から抜けることが難しくなるという現状の問題点が見逃されること。
6.別に不正でも何でもないことを不正だ不正だと騒ぎ立てることに対して疑問を抱いたら「不正受給者を擁護する」と扱われること。
7.「自分の払った税金」が他の人に使われることに対する嫌悪感が拡大すること。
8.「払えるのに払わなかったのは許せない」という道徳・倫理的な「反感」が、いつの間にか「社会正義」扱いされ、巨大な圧力となって数々の弊害を招くこと。
9.「子は親を養って当然(社会に養わさせるな)」が今後の高齢化社会においても強固な信念として抱かれ続け、その結果として自分の親の介護負担が過重なものとなってそこから逃れられなくなること。
10.河本氏と無関係な「民族問題」になぜか結びつけられること。
以上のようなことにならないことを強く願う。結論から言えば、河本氏叩きには何の意味もないし、氏が謝罪・返金する必要はまったくなかったと思う。ただ、これをきっかけに生活保護が「困っている人たちにまんべんなく」与えられるようになることを願うものである。そのために増税がどうしても必要なのだったら、甘んじて受け入れよう(それがこの信念に対する筋というものである。ただし、安易な増税はノーサンキューだ)。
次も全く同意!です。
■星野智幸 言ってしまえばよかったのに日記
「この件で異様さを感じるのは、生活保護の実態への関心など本当はなく、ただ世間の何でもいいから叩いてやりたい、バッシングしたいという気分に、人気の芸能人がらみという点がうってつけだったために騒ぎが大きくなっただけなのにもかかわらず、政治が動いている点だ。政治を動かす要素は、もはや現場の実情や構造、その分析ではなく、世の中の漠然とした気分へと、すっかり取って代わっている。
バッシングを受けて政治が生活保護水準を下げたりしたら、どのようなことが起こるか。ただでさえ、社会から経済的社会的にこぼれ落ちて、生存の瀬戸際にいる大量の人たちを、死の側へ押しやることになる。背中を押したら死ぬとわかっている人に対し、複数人で背中を押したら、これは殺人になるのではないだろうか。今の社会が行っていることは、そのような行為である。有権者も政治家も、報道も含め。」
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