マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」が、自民党総裁選(9月12日告示、同27日投開票)の争点の一つに浮上している。12月に迫った現行保険証の廃止時期を巡り、林芳正官房長官が見直しに言及。関連の政策を推進してきた河野太郎デジタル相との間で、ほとんど閣内不一致の様相だ。石破茂氏も見直しに賛同し、舌戦が激化しつつある。
デジタル庁「今さら何を」
「まだまだ国民の間にいろんな不安がある。不安を解消するために、見直しを含めて適切に対応していきたい」。林氏は7日、現行保険証の廃止時期について報道陣にこう語った。
「今さら何を言っているのか」。林氏の発言に、マイナンバー政策を主導するデジタル庁の幹部は頭を抱える。官房長官は首相を支える政府の“ナンバー2”。その口から突然とび出した見直し論に「現職の官房長官が政府の政策に水を差すのか。河野さんのはしごを外す発言だ」と憤りを隠さない。
利用率は11%
政府は2022年、現行の保険証を廃止してマイナ保険証へ機能を移す方針を決定。今年12月2日からは現行保険証が新規発行されなくなる。ただし、その後も最長1年間は現行の保険証を利用でき、マイナ保険証を持たない人には当面、代わりに「資格確認書」が交付される。
とはいえマイナンバーカードの取得や保険証機能のひも付けは、あくまで任意だ。そのためSNS(ネット交流サービス)などでは「政府が保険証を人質に取り、取得を強制している」などと批判が絶えない。ひも付けミスなどのトラブルも相次ぎ、マイナ保険証の利用率は7月時点で11・13%と、まだまだ低調だ。
こうした中、河野氏は「現行保険証は偽造、なりすましを防げない。これを続けては問題を引きずることになる」と繰り返し、現行保険証は予定通り廃止する姿勢を堅持。マイナ取得やひも付けを事実上強制しているとの指摘にも「全くならない」と反論していた。
マイナで人気低下?
ただ、一貫して強硬な姿勢は…
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