特集
インサイド霞が関
財政、社会保障、インフラ整備…。政府の政策立案過程を現場記者が追い、首相官邸・永田町からの要望や中央省庁間の駆け引きなど、隠されたファクトに迫る
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どうなる防衛増税 行く末見つめるタバコ農家と気を吐く族議員
2024/12/2 15:30 2242文字将来的な防衛財源を確保するための「防衛増税」が揺れている。いつ増税を始めるかが2025年度税制改正議論の主要テーマのひとつだが、増税に反対する国民民主党の存在感の強まりで見通しにくくなっている。財源のひとつであるたばこ税の増税が経営を直撃するタバコ農家やメーカーは、税制改正の行く末を固唾(かたず)
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存在感薄まる財政審 厳しい「ご意見番」か、財務省の「代弁者」か
2024/11/29 18:00 1377文字「経済財政運営に対する市場からの信認を維持・確保するためにも、(基礎的財政収支=プライマリーバランス=の)黒字化達成に向け、不退転の覚悟を持って予算編成に臨むことが求められる」 財務相の諮問機関である財政制度等審議会は29日、建議(意見書)をまとめた。財政規律を重視する「ご意見番」でありながら「財
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「残せばいいのに」 現行保険証なぜ廃止一択 国会議員も“勘違い”
2024/11/29 06:00深掘り 2613文字マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」への移行に伴い、12月2日から現行の保険証は新規発行されなくなる。マイナ保険証を持たない人には「資格確認書」が交付されるが、不安を抱く人たちからは「保険証を残せばいいのに」との声も。なぜ廃止が前提なのか。理由を探ると、政府の本音が垣間見えた
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河野太郎氏のせい? マイナ保険証の「利用控え」官僚から恨み節
2024/11/28 05:30深掘り 2013文字12月2日からマイナ保険証の利用促進に向け、紙の健康保険証の新規発行が停止されます。マイナ保険証の利用低迷や紙の保険証が廃止に至った背景などについて記事を配信します。 <関連記事> イチから分かるマイナ保険証 つぎ込んだ巨額公費 現行保険証なぜ廃止一択 マイナ保険証について知っている患者はほとんど
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財務省SNSに中傷コメント急増、収束見えず 国民民主の躍進影響か
2024/11/28 05:15 1595文字財務省のSNS(ネット交流サービス)に異変が起きている。「財務省解体」「財務省は国民の敵」といった中傷コメントが急増しており、こうした動きは国民民主党の躍進と密接に関わる。国民民主の玉木雄一郎代表も「中傷や陰謀論はやめて」と火消しを図るが、収束の気配は見えない。 ◇公式X投稿ごとに数百件 「この度
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続く物価高でどうなる生活保護見直し 厚労省と財務省の攻防
2024/11/21 08:00 1602文字生活困窮者を救う最後のセーフティーネットである生活保護費の見直し議論が年末に迫り、国の動向が注目されている。 直近の2023年度の見直しに向けた議論では、厚生労働省から引き下げの試算が示されたが、与党が急激な物価高騰などを考慮して引き下げを2年見送った経緯がある。 依然続く物価高に厚労省内からは「
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厚労省が決めた訪問介護報酬減 背景にブラック霞が関が影響か
2024/11/19 08:01 1389文字訪問介護サービスを危機的な状況に導きかねない介護報酬改定はなぜ立案されたのか。訪問介護サービスが黒字を確保していたのが主な理由だが、厚生労働省を取材するとそれだけではない構造的な問題も見え隠れする。【前編】3500万円減収、倒産最多 介護報酬減で在宅介護は「崩壊寸前」 3年に1度の介護報酬改定に際
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3500万円減収、倒産最多 介護報酬減で在宅介護は「崩壊寸前」
2024/11/19 08:00 2660文字4月の介護報酬改定で訪問介護サービスの基本報酬が引き下げられたことが影響し、ある事業者は半年間で前年同期より3500万円減収した。今回の改定は元々経営が厳しい訪問介護サービス事業者に追い打ちをかける結果となった。業績悪化による倒産は後を絶たず、人手不足でヘルパーの成り手もいない。在宅介護が続けられ
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一変した税制改正の風景 地盤沈下加速の自民税調存在意義は?
2024/11/14 20:14深掘り 1545文字自民、公明の与党各党と国民民主党の税制調査会長同士による「年収103万円の壁」見直しに向けた協議が14日、始まった。例年、自民税調が事実上決めてきた税制改正の風景は一変する。与党より官邸が政策決定で力を持つ近年の「政高党低」でかつての勢いを失った自民税調は、地盤沈下に拍車がかかるか、岐路に立ってい
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「シンゾー」と「ドナルド」 安倍氏元側近が語るトランプ外交の勘所
2024/11/13 10:28 3229文字11月の米大統領選で返り咲きが決まったドナルド・トランプ氏。前期(2017~21年)のトランプ氏と向き合ったのが安倍晋三政権だった。2人は親交を深め、「シンゾー」「ドナルド」と呼び合った。当時政権の中枢にいた今井尚哉(たかや)元首相秘書官(66)=現キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹=に、トラ
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トランプ氏再登板も「驚くことは出尽くした」 杉山晋輔・元駐米大使
2024/11/10 09:00 1947文字米大統領選で共和党のトランプ前大統領が返り咲きを決め、来年1月に新政権が発足します。米国や日本、世界はどう向き合えばいいのでしょうか。国内外の識者に問います。 ◇杉山晋輔・元駐米大使 安倍晋三政権下の2018年に駐米大使となった。トランプ氏への信任状奉呈の際に15分ほど話しかけられたほかに2、3回
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「国営漫画喫茶」の汚名返上なるか 動き出した幻の計画
2024/11/5 15:00 3281文字政府が漫画・アニメの振興拠点づくりに向けて動き出した。その源流は、かつて「国営漫画喫茶」との批判を受け幻に終わった計画だ。なぜ今、再燃したのか。 ◇5年後に拠点開設 具体化進む 「メディア芸術ナショナルセンター」(仮称)開設は5年後の2029年めど――。文化庁が8月に設置した有識者会議で、拠点の具
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「日本発のヒット曲を」 財務官が語る国際社会で存在感を高める秘策
2024/11/5 06:31 1951文字為替介入の指揮で注目を集める財務官は、財務・金融関係の国際交渉の事務方トップだ。国際社会での日本の存在感を高めるべく、三村淳財務官は「日本発のヒット曲をどんどん出したい」と意気込む。どういうことか。 <インタビュー前編> シマウマ、キリンにチーズ…「国際交渉の道具」とは ――財務官の仕事や使命は何
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コモンエイジ・公共のかたち
「ぶっちゃけ興味ある?」 国の事前接触15回 補助金事業委託の限界
2024/10/7 06:01スクープ図解あり 3228文字中小企業庁(中企庁)が手がける中小企業省力化投資補助事業を巡って、あらかじめ国側が委託先候補を事実上選定し、事前接触を繰り返していたことが分かった。新型コロナウイルス禍では、補助金事業の民間委託で不透明な実態が相次いで発覚。透明性を高めるルールは整備されてきたはずだが、これまでの教訓は生きているの
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コモンエイジ・公共のかたち
補助金事業「パソナに受託させたくない」 “誤解”招いた国の事前接触
2024/10/7 06:00スクープ図解あり 2098文字国の補助金事業を巡る内部文書が毎日新聞に届いた。国民の税金を原資にした補助金を支給する実務を担う委託先の選考で、国が特定の企業に「受託させる意向はない」と記載されている。委託先は厳正な公募で選ぶはず。手続きは公平に行われたのだろうか。取材で見えた政府と事業者の不透明な「事前接触」の実態を、2回にわ
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霞が関でうごめく消費増税案 安倍氏の「呪縛」に挑む官僚たち
2024/10/1 07:00 3187文字消費増税は今後10年間必要ない――。2019年に安倍晋三元首相が発したこの言葉は、永田町や霞が関でいまだに大きな影響を及ぼしている。世界情勢や景気動向はめまぐるしく変化し、日本を取り巻く環境は年々厳しさを増している。財政需要も増大する中、霞が関の一部に安倍発言の「呪縛」を解こうとする動きがある。
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「イエスマン」「指示待ち」は許されない 神田真人さんの熱い官僚論
2024/9/19 06:00 2450文字財務官の仕事は為替介入だけではない。戦時下のウクライナに乗り込み、実務者レベルでの支援策をまとめたり、経済危機に陥ったスリランカ支援のための多国間枠組みの議論を主導したりと多岐にわたる。 その博覧強記ぶりと視野の広さから「宇宙人」と呼ばれることもある「令和のミスター円」こと、前財務官の神田真人氏に
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3時間睡眠、かばんにダンベル… 神田真人さんが明かす財務官の日常
2024/9/18 06:00 2487文字世界の為替当局や投資家らと向き合う財務官の日々はベールに包まれている。歴史的な円安に対抗した「令和のミスター円」こと、神田真人・前財務官に激務の中で編み出した健康維持方法などを聞いた。 歴史的円安に対抗するため、為替介入を実施し「令和のミスター円」として知られる神田真人・前財務官は、その博覧強記ぶ
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「日本は悪質訪日客のタックスヘイブン」 新制度望む税専門家
2024/9/17 07:30 1142文字2022年度に取り損ねた消費税は少なくとも21億円分――。なぜここまで免税制度を悪用した消費税逃れが横行するようになったのか。日本の現状を「タックスヘイブン(租税回避地)」になぞらえる中央大法科大学院の酒井克彦教授(租税法)に聞いた。 世界では低税率国や税金を課さない「タックスヘイブン」に企業や資
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あっさり100万円 インバウンドの陰で「盗まれる税」 国の策は?
2024/9/17 07:00 3429文字7月の訪日外国人客数が単月で過去最多の329万人を記録するなどインバウンド消費に沸く日本。その裏で横行するのが、消費税の免税制度を悪用した税逃れだ。国も水際対策を強化するが、あまりの不正の多さに手をこまねく状況が続く。どんな手口なのか。毎日新聞は訪日客の玄関口・成田空港で初めて、免税制度の抜け穴か
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