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村上春樹をめぐるメモらんだむ

現代作家として国際的に高い評価を受けている村上春樹さん。小説の執筆だけでなく、翻訳に、エッセーに、ラジオDJにと幅広く活躍する村上さんについて、最新の話題を紹介します。

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村上春樹さんが語る 「小説家というのは一種の巫女」 その意味は

映画「めくらやなぎと眠る女」の先行上映会で握手をする原作者の村上春樹さん(左)とピエール・フォルデス監督=東京都新宿区で2024年6月15日、渡部直樹撮影
映画「めくらやなぎと眠る女」の先行上映会で握手をする原作者の村上春樹さん(左)とピエール・フォルデス監督=東京都新宿区で2024年6月15日、渡部直樹撮影

 「長編で唯一、僕が映画にしてほしいと思うのは『アンダーグラウンド』です」――6月15日、東京都新宿区の早稲田大学大隈記念講堂で、村上春樹さんはそう発言した。「初夏の文芸フェスティバル」と銘打つ早大国際文学館(村上春樹ライブラリー)主催のイベントのうち、村上作品が原作のアニメ映画「めくらやなぎと眠る女」(フランスなど合作、ピエール・フォルデス監督。7月26日より東京・ユーロスペースほかで全国公開)の特別上映会の後、フォルデスさん、米文学者で翻訳家の柴田元幸さんとともに舞台に上がって行ったトークでのことだ。

唯一の映画化希望はノンフクション

 「アンダーグラウンド」(1997年)は、95年の地下鉄サリン事件の被害者らに村上さんがインタビューして書いた長大なノンフィクション作品だ。映画化を望む理由について「いろんな人のボイス(声)が詰まっている本だから」「日本人のサイキ(精神)の集積だと思っている。だから映画にしてもらえるといい」とも語った。

 短編小説を基に作られたアニメ映画については「とても楽しく見ることができた」と感想を話した。短編を基にした映画のほうが「(原作に要素を)足していかないといけないから、意欲的なものができる。長編(が原作の映画)は、どうしても引く作業になる」「(映画化する場合、原作に)何かを付け加えて新しいものにしてほしいと思っている」といった考えも述べた。その後、出てきた冒頭の発言は、「アンダーグラウンド」をフィクションの長編と同等に位置づける作家自身の思いを改めて示すものだった。

 改めて、というのは、かつて刊行直後の筆者のインタビューで、村上さんが次のように語ったのをよく覚えているから…

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