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村上春樹をめぐるメモらんだむ

現代作家として国際的に高い評価を受けている村上春樹さん。小説の執筆だけでなく、翻訳に、エッセーに、ラジオDJにと幅広く活躍する村上さんについて、最新の話題を紹介します。

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村上春樹をめぐるメモらんだむ

村上春樹さんが見抜いた オウム真理教事件と戦争に共通するもの

地下鉄築地駅から地上に出て倒れたサリン中毒症の乗客を救助する救急隊員ら=東京都中央区築地で1995年3月20日、本社ヘリから山下浩一撮影
地下鉄築地駅から地上に出て倒れたサリン中毒症の乗客を救助する救急隊員ら=東京都中央区築地で1995年3月20日、本社ヘリから山下浩一撮影

 8月27日放送のラジオ「村上RADIO」で冒頭、村上春樹さんのこんな珍しい発言が聞かれた(引用は番組ウェブサイトより。表記を一部改変)。

 「きょうは声が少ししゃがれています。夏風邪をこじらせて、喉をやられてしまいました。次の回までには治しておきますので、きょうはすみませんが、この声にお付き合いください」

 毎日ジョギングを欠かさず、もう40年以上も毎年1度はフルマラソンを走ってきた作家だけに、ちょっと驚いた。途中でも「きょうは声の調子があんまりよくなくて、すみません。でも頑張ってやります」と言っていたから、相当苦しい状態だったのではないか。

 収録時期は不明だが、いずれにしても7月から8月にかけて日本列島を襲った記録的な猛暑のさなかに違いなく、さすがの村上さんの健康状態にも影響するほどだったのかと、この夏の異常気象を改めて思い知る形となった。心配したが、9月28日に早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)主催で行われる俳優の白石加代子さんによる「雨月物語」の朗読イベント(場所は同大大隈記念講堂)には、作家自身が対談相手として登場することになっている。あくまで不調は一時的なものと思われるので、ご安心を。

アメリカ滞在中のマッチョな雰囲気

 さて今回は、長編小説「ねじまき鳥クロニクル」(第1~3部、1994~95年)を前に取り上げた際、積み残した問題――作家の長い海外滞在とその終わりについて考えたい。今年4月に米ボストン近郊のウェルズリー大で行った講演で、村上さんは同作を執筆した当時の思い出に少し触れ、「ここに帰ってくることができ、うれしく思います」と述べた。

 30年前の93年から2年間、作家は同じマサチューセッツ州にあるタフツ大に滞在し、ボストンの隣町ケンブリッジに住んで「ねじまき鳥クロニクル」第3部を書いた。第1、2部は91~92年にニュージャージー州のプリンストン大で書かれ、この時の米国暮らしは95年夏に帰国するまで4年半も続いた。

 のちに村上さんは…

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