目立つ黒いスーツの若者 就活ファッション、なぜ画一化したのか

今年3月、合同企業説明会の開場を待つ大勢の学生たち。ほとんどが黒のスーツ姿だ=大阪市住之江区で2019年3月1日午前9時53分、梅田麻衣子撮影
今年3月、合同企業説明会の開場を待つ大勢の学生たち。ほとんどが黒のスーツ姿だ=大阪市住之江区で2019年3月1日午前9時53分、梅田麻衣子撮影

 日本企業の多くは6月に翌年の新入社員の選考を始める。街には黒いリクルートスーツの若者が目立つようになった。誰が決めたわけでもないのになぜ、就職活動の学生たちのファッションは画一的なのだろうか。その時代背景と新しい動きを追った。【中川聡子/統合デジタル取材センター】

スーツ店はデザインでなく機能で競争

 黒いスーツに白シャツ姿の大学生がずらりと居並ぶさまは、今では学生向けの会社説明会や入社式で定番の光景である。ほとんどは髪が黒く、髪形も地味だ。

 リクルートスーツのデザインはどれもほぼ同じのため、スーツ販売大手の「洋服の青山」「AOKI」や小売業の「イオン」などは、通気性の良さやしわになりにくいといった機能面、そして価格で競っている状況だ。就活生からは「『服装で悪印象を与えるのでは』という心配をしたくない」「会社に入ってからも使えるからと親が送ってきた」などという声が聞こえてくる。

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