■学長くんガチョーン. 楠本修二郎さん
カフェ・カンパニー、楠本さん。政府・クールジャパンの場でご一緒していました。食の分野でニッポンを引っ張るカッコいいおにいさん。ここにきてまた「保存」でイノベーションを起こそうと突き進んでいる。走るのがスキだなぁ。
◆食×テクノロジー・ZEROCO
今年(2023年)4月に発表した食のワクワクする未来を作るラボ。そのためには、農業から外食まで一気通貫したソリューションになるテクノロジーが必要。それを考える中で、鮮度保持と分子調理という概念に着目し、ZEROCO(特許技術)という会社を立ち上げた。
ZEROCOは冷蔵庫・冷凍庫でもない第三の技術。雪下野菜の技術は日本特有。徹底的に0℃に近い状態でなおかつ超高湿度状態。湿度が100%に近ければ近いほど長期保存と旨味を増す環境ができる。細胞が完璧な状態で保存されてスリープした状態。
これができると、飲食だけじゃなく、海運で世界中にMADE IN JAPANを届けることができる等、食の業界における物流や農業などやれなかったことがやれるようになり、面白い。
◆ごちゃまぜ
なぜ、ごちゃまぜか。
ひとつは博多。屋台文化。ごちゃまぜ好き。博多そのものが中国や朝鮮半島や様々なところから物が届く。昭和の時代は視点経済。色々なものが混ざっている。
そして、世界史だけを勉強していた。とにかく世界へ行きたかった。どうやったら行けるんだろうという好奇心から世界中を知りたくなった。文化融合に興奮した。アレキサンダー大王の統制やヘレニズム文化など、混ざっていて大好き。そういう気質がある。
◆学校・学生時代
世界史の勉強は高校時代に徹底的にやった。自分が好きでやっていた。
大学は経済学部で、財務のゼミなど入っていたが全く勉強をしなかった。学生のときからサークルをやり、起業していた。企画会社をつくった。場作りが好きだった。
いろんなヒット店舗・場を作っていく師匠に習って、そういう人間になりたいというのが学生時代からの夢。
学校では仲間づくり。真空管みたいな中身のない人間だが、これいいんじゃないかというのを引っ張ってきて、相手のいいところを引き出すのが好き。周りに変態じみた得意技を持った人たちが男女問わずいっぱいいたので、この人とこの人を繋げるとこういういいことができる、と。いまでいうコラボレーション。
当時は専門職を身につけようという時代だったが、いろんな異能が重なり合って、なにかやったら今までなかったものを作ることができるということが師匠からの教えでなんとなくわかった。それが楽しかった。
世界史は役に立っている。これとこれを繋げるのは妄想や直感だが、なんでそうおもうのかをなにかから引っ張ってきたときに、論語やアリストテレスの言葉などを関連付けることができる。コンテクスト。
◆経験を積む
企画・提案し、イベントやいろんなことをやり少しでもお金を入ると分配するようにしていた。みんなで経験値を高めるためにバックパックで旅に出たり。そうすると文化に触れて、またなんでだろう、となる。その繰り返えし。それが最終的に雑学になる。
新しい業態をカフェ・カンパニーでつくろうとなったときに、あの時のあそこの国のあれだ!というような仲間同士の暗黙知となる、あれあれ経営。そのように経験則からシェアしていく。
◆キミたちへのメッセージ
気が付かないうちにすべてのモノにリスペクトしてすべてものに感動していた。そうなればなるほど、自分がものすごく楽になった。
自分探しなんかいらない。自分のインナーに向かうのもいいのかもしれない。しかし、それよりもありとあらゆる自分と違う人達と同じところを喜んだり、違うところを否定するのではなくリスペクトしたり、というのを若いうちに繰り返している方が、結果的に自分が大きくなっている・知識が増えている・経験が増えている。ということが20代で多かった。大変なこともあるが、それも全部ネガティブに考えず、次の場面をクリアしようとやっていると、すべての関係ないとおもっていたドットが30代になったときに気がついたら線で繋がった。
繋がりの結果自分はこれをやろうということが後出しじゃんけん的にみつかってきた。今も変わらずそんなことができている。
20代はとにかく違いリスペクトして、同じことをおもいっきり喜んで、どんどん世界を広げていってほしい。