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2021年2月22日月曜日

大川功さんを想ってみた。

■大川功さんを想ってみた。

西和彦さん「反省記」を読んで、大川功さんが亡くなってもう20年かとしみじみしました。

CSK、セガ、ベルシステム24を上場させた、叩き上げの大経営者ですが、もう知る人も少なくなりました。

iU生で知る子はいますまい。

あのおっさんを忘れてしまうのは、実に損失であります。


2001年3月に亡くなった大川さんの追悼を、当時ぼくはたくさんしたためました。

役所を出てMITに渡り、以後、学の領域でふにふにする舞台を与えてくださったのが大川さんであり、MIT Okawaセンターはじめデジタルと子供のプロジェクトが成就する直前に世を去る無念を存じ上げていましたので。


追悼文のひとつ。

ご一読ください。

2001.3.22「大川さんが遺したもの(中村伊知哉)」 日経デジタルコア

http://www.ichiya.org/jpn/NikkeiNet/nikkeinet_010322_vol5.pdf


つまり大川さんは、その後MITを核に広がったプログラミング教育やら一人1台PCやらの火元であり、教育デジタルの世界的な大貢献者なのです。

  

でもぼくが伝えたいのは、偉業と裏筋の、ハチャメチャで色気のある、その後会ったことのない昭和タイプのお大尽の姿。おもろいおっさんでした。


最初にお見かけしたのは役所の新人のころ。1984年。

通信自由化を実現すべく電気通信事業法案を策定していた郵政省電気通信局。

毎日のように大川さんが幹部に談判していました。

ソフトウェア会社の社長なのに通産省を敵に回す民間将校の立場でした。

ぼくは日々お茶出しをしていました。


その後、ぼくがパリでスパイをしていた95年、情報G7でお世話をしたのは追悼文に記したとおり。

帰国してぼくは、マイクロソフト成毛眞さんが赤坂で毎月開くサロンに出入りするようになります。

そこに来ていた大川さんと再開、でもぼくは35も年上の大立者と口をきくような立場ではありません。

酔っ払って遠巻きに眺めていました。


トイレのドアをガッと開けたら大川さんがパンツ下ろしてオシッコしてて、あ~見たらあかんヤツや、黙って応接間に戻ってまた飲んでたら、「ワシのケツ見たん誰や」と大川さんが戻ってきて騒ぐ。

こいつこいつ。

そいつどいつ、と吉本芸人コンビ名のような尋問がなされ、覚えられていまいます。


西和彦さんがアスキー救済からのMIT出資、研究所設立という案件を大川さんと進め、おまえ役所やめてMIT行かんかい、となったのはその少し後のこと。

大川さんによる首実検は飲みながら行われました。


「役所出るの、問題あるか?」と大川さんに聞かれました。

ぼく単身で渡米しますが、スカンピンで、家族の住むとこがありません。

「この部屋空いてるさかい住め。」

あてがわれたのは永田町のものものしいマンション。

家族が入居しました。


隣の部屋がハマコーさん。

向かいは金塊が出てきた金丸信さんの事務所でした。

うちに届く郵便物の宛先が「温故知新の会」となっていることも多数。

渡辺美智雄さんに貸していた事務所だったんです。

そこに住む怪しい一家。

その後一家はどうなったかというと、


実はまだ四階に住んでいるのです。



大川さんは大舞台に立ってCSK社歌に準ずる歌「東京ラプソディー」を熱唱したり、ゆったりと名取級の日舞を舞ったり、芸達者でしたが、一番の芸は、「おひねり」でした。

夜な夜な赤坂の料亭で芸者さんたちの袖に、ひょいひょいとポチ袋に入ったおかねを入れていくのです。


ポチ袋には1万円が入っていて、毎度たんまりと持参し、バカ話エロ話をしながらそばにいる芸者さんにひょいひょういとなんべんも入れていく。

お大尽。

サラリーマン社長にはできません。

ベンチャーで成功した人がこうして文化を守っていく。

ぼくはおひねりにお札を入れる準備作業を何度か手伝いました。


お大尽。

橋本大二郎さんが高知県知事に当選した時、お祝いにシャガールの絵を県立美術館に200点以上寄贈したことがありました。

なぜ?「シャガールて、死んだやろ、死んだヤツは、ええねん。」とヒトコト。

小錦さんとか生きてる人への支援は熱心でしたもんね。

(一枚ぐらい欲しかった・・)


お大尽。

エルメスのパリ本店で「ネクタイこっからここまでくれや」と注文されたときは、通訳を躊躇しました。

そのあと牛乳を6本買ってこさせて、定価で買い戻った秘書に「なんでまけてもろわへんねん」と小一時間問い詰めていた。

船場から叩き上げた商人の2面を見ました。


官から民に出て最初に仕えたひと。

民間に出たら、こんなムチャクチャな人がたくさんいるんだ。

と覚悟したのですが、あんなムチャクチャな人にはその後会っていません。


西海岸に畑を持っていて、大川さんのそばにいればベリンジャーがなんぼでも飲めました。

1999年の一瓶だけ、とってあります。

20年の命日に開けます。

改めて、ありがとう、大川さん。

2021年2月17日水曜日

デジタル十大ニュース2020、投票結果が発表されました

■デジタル十大ニュース2020、投票結果が発表されました



10年目となるデジタル十大ニュース。

投票結果が発表されました。

投票総数21178。みなさまありがとうございました。

コロナ対応で数年分のDXがグッと動いた2020年。上位はコロナ関連が並びました。


10位 東証ダウン、全銘柄終日停止

9位 ガンダム大地に立つ。等身大ガンダム、動く。

8位 学校PC一人一台実現、遠隔教育も全国で

7位 米大統領選が示すデジタル社会分断

6位 映像配信戦争続く:ディズニー+スタート、ソニーのクランチロール買収


25年かかると思われた学校一人一台が一気に実現。

映像配信が活況を呈しソニーがアニメ展開に踏み込むのもコロナの影響大でしょう。

米大統領線の対立構図がより加熱して、トランプさんのSNSが停止をくらったのもコロナの余波と言えましょう。


5位 東京オリパラ延期からの新ライブエンタメ隆盛

五輪は今なお揺れています。コロナ下でどのような大会となるでしょう。

そして無観客の音楽ライブや自宅からのお笑いネタ見せ、VTuberの投げ銭などエンタメのネット配信がビジネスとして立ち上がり、新しい表現文化が隆盛しています。


4位 eスポーツ特需と「あつまれ どうぶつの森」世界人気

eスポーツはコミュニケーションの娯楽である。WHOが立場を変え、eスポーツを推奨し始めました。リアルスポーツの選手が参入するなどコロナ巣ごもり下で賑やかに。

あつ森は日本商品化権大賞のグローバル部門を受賞しました。


3位 ZOOM社会到来、テレワークは定着するか

30年来の課題、テレワーク。コロナ当初、東商の調べでは25%の会社しか対応できないとしていましたが、最近の調べでは9割が対応する意向ありとか。どこまで高止まりするでしょう。

ZOOM勤務でずっと自分の顔を見るので女性化粧品が売れているそうです。


2位 鬼滅の刃、興収歴代一位へ

千と千尋の神隠しから20年、首位交代。これもハリウッドがストップするなどコロナの作用があるんでしょう。

世界の興行収入ランキング1位アベンジャーズ、2位アバター、3位タイタニック、に対して、鬼滅と千というアニメの強さが日本らしい。


1位 デジタル庁設立で肩身の狭いハンコ・FAX

電子政府を掲げたeJapan戦略から20年、コロナで敗戦が明らかとなり、やっとデジタルが政府の一丁目一番地に。

役所も病院も学校もFAX文化だったこともバレました。

FAXという昭和日本の成功体験が平成のデジタル敗戦をもたらした。

どうする、令和。



ちなみに11位~14位は以下のとおり。

11位 PS5発売

12位 5G離陸と値下げ圧力:楽天モバイル開始にドコモ完全子会社化

13位 EU、GAFAに包括規制へ

14位 中国 独身の日、1日で売上12兆円

15位 NHK同時配信スタート





過去9年の十大ニュースは以下のとおりです。


○デジタル十大ニュース2019

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2020/02/2019.html

1. Yahoo!・LINE経営統合

2. デジタル教育大驀進:推進法成立、NTT吉本100億円、一人一台予算

3. eスポーツ、初の国体開催

4. 量子コンピュータ実現

5. 消費税アップ、からのキャッシュレス・ポイント還元

6. Pray for 京アニ

7. W杯ラグビーONE TEAM、瞬間視聴率49.1%!

8. NHK、ネット常時同時配信可能に

9. 米韓5Gスタート

10.テープ、まわしてるんちゃうん?


○デジタル十大ニュース2018

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2019/02/2018e.html

1. eスポーツ元年。JeSU設立、吉本も参入。

2. VTuber爆誕

3. 海賊版対策、まとまらず。

4. 超教育協会設立、デジタル系業界団体オールスター

5. 新4K8K放送開始

6. 携帯電話4割下げ攻防、楽天の参入も

7. TikTokなど中国アプリ大人気

8. CiPファンド設立

9. PAYPAY100億円、10日で終了

10. デジタルサイネージアワード10周年


◯デジタル十大ニュース2017

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2018/03/2017_1.html

1. アツい!プログラミング教育

2. ビットコイン1年で20倍に

3. VR・AR普及。施設ができたり、ゲームが増えたり。

4. AIスピーカー普及の兆し

5. チケキャン閉鎖

6. カール東日本撤退

7. DeNA vs. ソフトバンク ~楽天でもよかったんだけど~

8. 楽天、第4の携帯会社に名乗り。

9. ロボットもいろいろ~aiboがでたり、バク転したり、戦ったり~

10. Nintendo Switch発売


◯デジタル十大ニュース2016

http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2017/02/2016_13.html

1位 ポケモンGO 配信開始

2位 PS-VR発売 VR普及元年 

3位 PPAP YouTubeから大ヒット

4位 Google AI アルファ碁、人間に勝つ

5位 邦画大ヒット「シンゴジラ」「君の名は」

6位 プログラミング教育必修化へ 

7位 4K出揃う。リオ五輪8K生中継も。

8位 キュレーションサイトの閉鎖ドミノ。

9位 ソフトバンク、ARMを買収 IoT本番へ

10位 チケット転売問題勃発


◯デジタル十大ニュース2015

http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2016/02/2015.html

1位 ネットが暴いた五輪ロゴパクリ問題

2位 首相官邸にドローン落下ですぐ規制

3位  AI・IoT狂想曲

4位 Apple、Google、AWA、LINE、サブスクリプション本格化

5位 マイナンバー制度開始

6位 DSにWii、任天堂岩田社長が逝去

7位 自動運転、グーグル、アップルなどの覇者争い

8位  VW、不正ソフト利用で排ガス規制逃れ

9位  ペヤングvsゴキブリ、販売停止と復活劇

10位 オンライン学習サービス、いよいよ本格化


◯デジタル十大ニュース2014

http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2015/02/2014.html

1位  LINEで決闘:「決闘罪」が適用される

2位  論文コピペ発覚で大問題~STAP細胞はあります~

3位 プログラミング教育 本格化

4位 ウェアラブル機器続々:GlassやらWatchやら

5位 非実在小4、どうして解散するんですか?を問う

6位 3Dプリンター事件:銃とかわいせつなものとか

7位 ベネッセ個人情報流出

8位 ロボットPepper登場。ロボットペットも復活。

9位 角川ドワンゴ統合

10位 mixi モンストで大復活!   


◯デジタル十大ニュース2013

http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2014/02/2013.html

1位 バルス祭り 14万tweet 世界記録塗りかえる

2位 特定秘密保護法とNSA通信傍受

3位 3Dプリンター低価格化で身近に

4位 オープンデータ進展

5位 冷蔵庫に入る若者たち~炎上相次ぐ

6位 ホリエモン出所

7位 あまちゃん・半沢直樹、テレビの底力

8位 4K8K/Hybridcast次世代テレビに期待感

9位 大阪市・荒川区・武雄市が2015年度までに子どもにタブレット配布

10位 ウェアラブル・コンピュータ時代到来か


◯デジタル十大ニュース2012

http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/01/2012_26.html

1位 どないしてん日本家電産業

2位 LINE8000万人、無料通話ソーシャルサービス戦国時代へ

3位 違法ダウンロード刑罰化

4位 コンプガチャ問題

5位 炎上大国ニッポン:市長も社長も教育長も

6位 ソーシャルなデモ多発:原発やら反日やら

7位 遠隔操作ウィルスで警察手玉に取られる

8位 アノニマス大暴れ!ACTAとか霞ヶ浦とか

9位 スマートテレビ始動:放送、通信、メーカーの本格対応

10位 ビッグデータは宝の山?


◯デジタル十大ニュース2011

http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2012/01/2011_14.html

1位 スマートフォン急激に普及 上半期出荷台数は1000万台超

2位 スティーブジョブズ氏死去

3位 復旧作業や安否確認にソーシャルサービスが活躍

4位 通信・放送融合法制が施行

5位 震災後 TVのネット配信が一時実現

6位 facebookの加入者 日本で1000万人突破

7位 タブレット端末 各メーカーから出揃う

8位  地デジ、被災三県除き整備完了

9位 DeNA野球参入に楽天が反対

10位 サイバー攻撃相次ぐ

2021年2月15日月曜日

西和彦さんの「反省記」を読んでみた。

■西和彦さんの「反省記」を読んでみた。

西和彦さん著「反省記」。

反省なんかするわけないでしょう西さんが。

破天荒で暴れん坊、ビル・ゲイツの片腕で、ビル・ゲイツと張り合って、アスキーというパンクな会社を成功させ、沈めて、なおへこたれない西さんが。

と思ったが、反省している風の半生記。

波乱万丈なり。


ぼくには恩人が何人もいます。

役所を出てMITに行くきっかけを作ってくれたのが西和彦さんで、日本で大学院を作るプロジェクトに誘ってくれたのが村井純さんで、教育デジタル化運動を立ち上げる後押しをしてくれたのが孫正義さん。

その一人が今、モーレツに反省している。

ぼくは自分史にも照らして読みました。


根っからのデジタル屋、テックおたく。湯水のようにアイディアが湧いてくる。

居酒屋に入ると、メニューの端から端まで、乱暴に注文し、赤いサインペンで割り箸の袋に次世代の通信機やら音響システムやら描いては「どやろ、どやろ」と聞いてくる。

あぁ、100ドルPC構想もそんな具合に生まれたのでした。


ソニーの大賀典夫社長、興銀の中山素平特別顧問、通産省の福川伸次次官らうんと上のかたがたから支援されていたのは経営者としての魅力もあったから。

でも、資金繰り、造反、リストラ、裏切り、本書に登場する難渋なドラマは哀しい映像にできそう。


お茶目で喧嘩っ早くて、超級のスケールなのに細部にこだわる。

その厄介な魅力は450ページの自伝では伝えきれていませんが、まぁお読みください。面白いんで。

ぼくはCSK/セガの大川功会長と絡む終盤から接点があるので、補項としてその部分だけメモします。


西さんとの初見はシャルル・ド・ゴール空港。

政府からパリに派遣されスパイをしていたぼくに、米ホワイトハウスから電話がかかってきた。

クリントン政権とデジタル政策について議論していた西さんが、官民のつなぎ役を求め「今から会いに行く」とコンコルドに乗ってきた。

95年かな。楽しい季節だった。


でも本書によれば、97年、アスキーが146億円の大赤字でリストラを徹底することに。

5月創刊の「週刊アスキー」ゼロ号にぼくは村井純さんと並んで登場するが、雑誌は大コケ。

すると西さんが「役所辞めてアスキーのゲーム部門担当せえへんか」と言ってきた。

ぼくは省庁再編の只中で、それどころじゃない。


97年末、郵政省が自治省・総務庁と合併して総務省になることで省庁再編に決着がつき、ぼくは自分の責任の処し方を考え始めていた。

同じころ西さんは大川さんに出資を依頼、12月にOKが出た。

西さんはアスキーの社長から平取に落とされ大川さんの秘書となる。


98年に入り、西さんがMITメディアラボ・ネグロポンテ所長と大川さんを仲介し、メディアと子供の研究所「MIT大川センター」を設立する案が論じられる。

大川さんはMITの提案に即答、50億円を即金で支払う。

その出資の条件に、日本から客員教授を1名迎える、という条項があったらしい。


すると西さんがぼくを「アスキーやなくて、MITの客員教授やらへんか」と誘ってきた。

自分が行かされることを懸念したのかな。

MITに研究所を作る?やります。

西麻布のワイン屋で大川さんの首実検があった。合格した。

「大川さんとサシであんなにガブガブ飲んだヤツはおらん」と後で聞かされた。


MITに渡り、ぼくはセガの特別顧問にもなって、ドリームキャストの開発にも関わった。

ゲーム機で初めて通信機能を搭載する。

その歴史的な判断は、たぶん早すぎた。

日本のeスポーツが遅れた一要因となったかもしれない。


大川さんは2001年3月、ガンとの闘いの末、850億円をセガに寄付してすっからかんで美しく亡くなった。

大川センターは間に合わなかった。

7月、西さんは100ドルPCのもととなる構想をMITに提案、大川センターの礎を築いた。


西さんの「日本先端大学」構想はリーマンショックで吹っ飛んだという。

でも、あきらめない。「成功させて大川さんにほめられたい」と書かれています。

MITの産学連携を見て日本の大学に疑問を抱いたぼくは、お先にiUを作りました。

西さんの大学構想にも何か役に立てれば、と思っております。

2021年2月8日月曜日

iU、開学してみた。半年たった。

iU、開学してみた。半年たった




iU、またの名を情報経営イノベーション専門職大学、開学から半年。

250社の連携企業や300人の客員教員らにオンラインで報告する機会があり、お話し申し上げました。


情報つまりICT、経営つまりビジネスで、イノベーション、革新を起こすプロ、専門職を育てる大学。 

全部つなげて情報経営イノベーション専門職大学。

正式名、iU。では認可が下りないので、日本一長い名をつけた。 

世界で初めて大学名にイノベーションを入れた。 

でも長いので、あくまで名前はiU 


5点を実行します。 


1.ICTとビジネスと英語でいく。

  よそにないカリキュラム。 


2.企業「で」学ぶ。

 大学でありながら企業、という環境。

 学生全員が半年インターン。 


3. 企業「と」作る。

 教員27人の8割が産業界出身。

 プロフェッショナルが教える。

 連携企業は既に250社。まだまだ増える。


4. オンライン教育を徹底。

 コロナでオンライン開学だったが、準備していたので混乱なし。

 一方キャンパスは、ビジネス構築やモノづくり、リアルじゃなきゃできないことをやる。

 今閉めている大学が多いが、iUは6月からオープン。

 ただ授業はオンラインを継続。学生もあちこちバラバラでPCで受講中。


5. 東京に2つの拠点を置く。

 本校舎は墨田区スカイツリーのそば。壁のない開かれた環境。

 港区の竹芝にサテライト。スマートシティの産学連携特区。

 上階はソフトバンク本社が入居し、5Gやロボット、AIの施設整備をともに進める。

 平井卓也大臣からデジタル庁と連携することを要請されています。


以上の5点はもうできた。これだけでも画期的だけど、さらに5点に挑戦します。 


1.客員教授、100人。

 人材のプール。100人という目標を立てていたら、客員が友だち連れてくる。最近は学生が連れてくる。

 300人になってしまった。

 学生は一学年で200人なので、学生よりも教授のほうが多い大学。


2. 全員入社。

 全員が入れる会社i株式会社も作る。学費をみんなで稼ぐ。 


3. 全員起業。

 学生全員が4年の間に、一度は起業に挑戦する。世界初でしょう。

 起業にみんなが成功したら就職率はゼロ。

 目標、就職率ゼロ。

 でも9割は失敗するでしょう。失敗するほうが学べる。

 別名、失敗大学。


4. 教育特区。

 竹芝CiPは国家戦略特区の認定を受けているが、墨田の本校舎も特区を目指したい。

 特殊な電波を使える電波特区、著作権フリーのアーカイブ特区、ロボットが働く特区、留学生のビザ特区。


5. 海外提携。

 海外の大学と提携を進め、行き来できるパスポートを作る。


既に各種プロジェクトが走っている。

起業支援。「超起業学校」というアクション。

大学、高専や高校のコミュニテイを作る。起業家やコンサル、VCをマッチングする。

eスポーツ。日本eスポーツ連合などと連携し、大学から小学校までの学校と研究者によるコミュニティ「超eスポーツ学校」も発足した。


iUeスポーツなどの部活動を推奨する。

ぼくが自ら作りたいのは「運動部」。

運動といってもスポーツじゃなく、学生運動。

ステイクホルダーである学生は主体的に大学運営に口を出していい。

ヘルメットとマスクとサングラスは支給する。ゲバ棒は怖いから支給しない。

学生が自分の大学を作れ。




認可は遅れたが、初年度、結構な競争率だった。そして予想外の学生が多い。


・大学をやめてきた  

 慶応やら何やらいい学校をやめてきた学生が何人もいる。

 既存の大学に飽き足らないのね。


・親子入学  

 父親と息子、母親と息子、2組。

 こういう需要があるとは。親子コース、作るか。


・「反対する親を説得して入った」

 多くの学生がそうだと聞く。申し訳ない。ありがたい。頼もしい。


・「もう起業させろ」

 3年でインターン、4年目に起業、と設計していたが、1年生でもう起業させろ、っていう学生もいて、既に起業したのもいる。

 学生たち、思ってたんより、おもろい。



企業・客員のみなさまへ、お願いが2点あります。


・あそんでください。

 大学は使えます。ぼくがいたMITもスタンフォードも企業が使い込んでいました。日本は断絶しています。


・評価してください。

 厳しくダメ出ししていただきたい。鍛えていただきたい。そうして強いコミュニティに育ちたいです。



開学2年目のiUを、よろしく。