■Net 新・日本型サイネージ
「日本型サイネージを作ろう」。「デジタルサイネージ革命」(朝日新聞)や「デジタルサイネージ戦略」(ASCII)でも書きましたし、このブログでも再三触れていますが、日本のデジタルサイネージは世界に先行する進化をとげています。そのデザインとビジネスモデルを作り上げ、海外に出て行きたい。ケータイが「ガラパゴス」に陥った轍を踏まず、はじめから世界を見据えて広がっていくことを期待します。
では、日本型にはどんなものがあるでしょうか。自販機やケータイを駆使したサイネージはもうあたりまえ。JRの自販機が全面サイネージであるのも、ローソン「東京メディア」やファミマ「SSE」がケータイにフェリカタッチさせているのも、そりゃそうだよね、と思わせます。日本では。アメリカ発のコンビニのシステムをとことんまで練り上げて今やアメリカの経営を主導する日本のコンビニには、日本風のサイネージが似合います。
ブログから・・・
日本型サイネージを作ろう-1
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2009/11/1_16.html
自販機サイネージ
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2010/11/blog-post_21.html
先日紹介した湯島天神と東京大神宮のサイネージってえのも日本的ですね、そもそも神社ですし。ディスプレイの筐体が神社っぽい東屋風で、ついてる屋根が「銅葺き」ですぜ。職人的にこだわって作り込んでしまう愛情。日本的です。「こだわり」と「ものづくり」が生きています。
そのコンテンツも、(平時には)式年遷宮のPRとか、四季の祭事だとか、皇室ニュースだとか、いかにもニッポン。東京大神宮のビジョンは「しくみデザイン」の双方向ARソフトを使って、参拝者が画面に手を振ったり動いたりすると自分の動きに合わせて桜の花びらがまったり、お守りが降ってきたりする「遊べるビジョン」。
そう、コンソーシアムが断行したアキハバラ初音ミク献血実験だとか、大阪・道頓堀で通行人がイノキに変身させられてしまう阪神競馬のCMサイネージとか、海外でやったら苦情が来そうなイカれたポップを神社でやってしまっているのです。
神社とサイネージという、太古と21世紀をつなぐには、日本社会が長く培ってきた「ものづくり力」=技術力と、「ポップなコンテンツ」=文化力のドッキングが威力を発揮。これから世界に打って出るには、この「ハード」と「ソフト」を合体した力が必要です。その両方を持っているのが日本の強みなのです。
アキハバラ初音ミク日本赤十字デジタルサイネージ実験
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2010/01/blog-post_10.html
サイネージ都市トーキョー:浅草
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2010/08/blog-post_03.html
大阪サイネージ
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2010/12/blog-post_11.html
すすきの無料案内所
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2010/12/blog-post_21.html
ほかにも日本的なサイネージはたくさんあります。カラオケ、パチンコ、ゲーセン、これまでぼくはいろいろとクローズアップしてきました。
カラオケ・サイネージ
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2010/11/blog-post_23.html
パチンコ・サイネージ
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2010/12/blog-post.html
ジョイポリス・サイネージ
外人に「日本の面白い商品は?」と聞くと「ウォシュレット」という答えがよく返ってきます。ならば、トイレサイネージってのはあり得るのではないか? 羽田空港の女便所に導入されているようなサイネージといふものを、男もしてみむとてするなり。そこでいつものピョコタン画伯に冒頭の絵を描いていただきました。
すると、セガがやってくれました。「トイレッツ」。おしっこでゲームができる!おもしろ電子POP!。「溜めろ!小便小僧!」おしっこの量を量ります。「落書き早消し!何秒で消せるかな?」おしっこで落書きを消そう!「ぶっかけバトル!鼻から牛乳」前におしっこした人と対戦!
http://toylets.sega.jp/index.shtml
くだらねーっ!
ぼくがアキハバラのゲーセンで試した溜めろ!小便小僧!では、「あなたの量は203mlと出ました」という結果。もっと溜めておくべきでした。
いや、ぼくが言いたいのはそれじゃない。面白くクダラナイことを考えるのはぼくでもできるのですが、それをホンマにやってまう、というのが日本のポップなんですよね。システム作って、コンテンツ用意して、実際に便所に設置して実用に供するんですよ?経営会議でどんな議論を経て資金を投入してチームを作ってスケジュール管理して実現に至ったんですかね?こういう魂があれば大丈夫。かつて世界市場を凌駕した日本ゲーム界のDNAがサイネージでも何かやっちゃってくれると思うのです。
結論。
ものづくり力+コンテンツ力、そして「ホンマにやってまう力」、つまり「鉄の意志」をかけあわせたところ、3つの光が交わる点に、日本型サイネージの明るい未来が展望できます。