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2015年4月30日木曜日

コンテンツ国家戦略特区、活動スタート。

■コンテンツ国家戦略特区、活動スタート。

  東京港区竹芝にコンテンツの集積特区を作るプロジェクト「CiP」。その推進母体となる社団法人「CiP協議会」の設立総会イベントを4月23日、慶應義塾大学三田キャンパスで開催しました。
 ぼくが理事長に就き、14企業・団体の理事、16社の会員によりスタートです。理事には、通信、放送、音楽、アニメ、ゲーム、システム、学校、起業支援、といった職種が並び、会員には商社、広告、出版といった職種も連なります。
 

 稲田朋美自民党政調会長/初代クールジャパン担当大臣、遠藤利明衆議院議員/ 2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事、福田峰之衆議院議員/経済再生担当大臣補佐官から激励をいただいたほか、内閣官房知財本部横尾事務局長、総務省湯本コンテンツ課長からも応援コメントをもらいました。
 

 一方、パネルに登壇いただいたのは、吉本興業大崎社長、夏野剛さん、東京大学稲田修一教授の3名。これからコンテンツはどうなるの?について伺いました。というのも、先にお堅い面々にごあいさつをいただいて、政官産学の連携で進める姿をご覧いただいたのですが、とはいえぼくらがやりたいことは、よしもとの沖縄国際映画祭や、ドワンゴのニコニコ超会議のようなカオスで爆発的な参加型の祭りに、稲田さんのもつ高度な技術を融合させたような場。そのモデルが示せればと思いまして。

 さて、お越しいただいたみなさまに、メッセージが伝わったかどうか。それは、これから、CiPの活動を通じて確かめてまいります。
 ひとまず、イベントでお配りした資料から、概要をピックアップしておきます。よろしく。

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 東京都港区竹芝地区に、『コンテンツを核とした国際ビジネス拠点』を形成します。
 2019年度の完成を目標に、東急不動産と鹿島が推進している都市開発プロジェクトにて、デジタル×コンテンツに関する様々な活動の実施母体として一般社団法人 CiP 協議会を設立しました。
 本プロジェクトは本年3月、国家戦略特別区域計画の特定事業として内閣総理大臣認定を取得しており、開発計画が本格的にスタートします。

 研究開発、人材育成、起業支援、ビジネスマッチング。技術を生み出し、人を育て、それを産業として押し出し、世界にビジネスを広げる。そこから生まれたテーマを研究する。そのサイクルを描きたい。
 研究開発、人材育成、起業支援、ビジネスマッチングの一気通貫サイクル。
 2020年以降のデジタル☓コンテンツ、その産業と、教育と、文化を生む、コンパクトなクラスター。東京湾を臨む海の玄関口であり、羽田と直結する空の出入口。海と空を活かして、特区を作って、技術とデザインの資源を集中投下したい。1.5haの都有地に 39Fの業務棟を建て、ラボやスタジオなど8,000 m²の共同施設を設ける。周囲の場所も活かして、ビジネスの融合する地域を形成したい。

 東京の各都市をつなくハブになりたい。五輪に向けて進む各地の再開発では、みなデジタルがポイントになる。それをつなぎたい。札幌、京都、福岡、沖縄・・・この分野に力を入れる都市を連結したい。ボストンや西海岸の大学。ロンドンの研究所やパリのイベント。シンガポールのプロジェクト、ソウルのインキュベーション施設。全てつなぐ拠点になりたい。
 著作権特区、電波特区、サイネージ特区、ロボット特区、超人スポーツ特区。これまでできなかったビジネスを起こす知恵も盛り込みたい。
 大いなる挑戦です。

■理事会員
 アーティストコモンズ
 IPDC フォーラム
 株式会社アルベログランデ
 株式会社 NTTドコモ
 株式会社エフエム東京
 一般財団法人大川ドリーム基金
 一般社団法人日本音楽制作者連盟
 グリー株式会社
 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
 株式会社スペースシャワーネットワーク
 学校法人中央情報学園
 一般社団法人日本動画協会
 株式会社フォーカスシステムズ
 マーザ・アニメーションプラネット株式会社

◆一般会員
 ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
 株式会社オプト
 一般社団法人共同通信社
 コネクツ合同会社
 株式会社集英社
 住友商事株式会社
 株式会社ディー・エヌ・エー
 株式会社テレビ朝日ホールディングス
 東京コンテンツプロデューサーズ・ラボ
 株式会社 株式会社東京放送ホールディングス
 株式会社東芝
 有限責任監査法人トーマツ
 株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
 株式会社ヒップランドミュージックコーポレーション
 株式会社ビリビリ
 株式会社文化放送キャリアパートナーズ

2015年4月27日月曜日

IT政策研究会:ドローンとIoT

■IT政策研究会:ドローンとIoT
 「官邸サンタ」というひとのおかげで、ウチの近所は大騒ぎです。オフィスも自宅も、そのあたりなもんですから。大勢のおまわりさんたちが、空をジロジロ見ています。
 ドローンへの関心を高めたヒーローでしょうか。警備への警鐘を鳴らした善行でしょうか。規制強化を早める不届き者でしょうか。反原発に泥を塗る行為でしょうか。

 ちょうど、近くのオフィスで、ドローンの議論をしていました。
 スタンフォード大学とKMDの共同プロジェクト「IT政策研究会」。
 スマホ、クラウド、ソーシャルによる「スマート化」から、IoT、ロボティクス、インテリジェント、ビッグデータからなる次のステージに入りました。ではIT政策のアジェンダはどう変わるのか。これが議論のテーマです。
 ネット・地デジのインフラ整備とコンテンツ振興という過去10年の政策が次のステージに進む。その柱は何か。通信競争政策、NHK受信料見直し、セキュリティ、個人情報保護、TPP。その次は?


 そこで、西海岸でITをずっと見続けている小池良次さんに、米FAAのドローン・ガイドライン案を解説してもらいました。
 これによれば、規制が強くて、Google、アマゾンの配達ドローンは困難となります。これからどこまで緩むのか。日本はどうするのか。
 自宅の敷地、公共施設をドローン飛行区域に指定・登録するNo Fly Zoneについても説明してもらいました。これはどこまで有効で、どこまで広がるのか。全国が登録されてしまうとどうなるでしょう?
 逆に、無数のドローンが低空に飛ぶ事態を想定すると、どういう管理・ルールになるでしょう。アメリカでもこれから多くの省庁・自治体が絡んできそうです。特に通信/電波を所管するFCCの動静が気になります。
 日本は航空法に基づくルール化が取り沙汰されつつ、官邸のロボット革命実現会議で議論されています。つまり国交省vs経産省の構図。総務省も電波政策で絡んできています。

 どういう動きになるでしょう。
 アメリカが規制色を強くするなら、日本は緩く行きませんか?北海道、沖縄、原発避難区域などドローン特区にどうです。東京は竹芝CiPが手を上げます。


 そんな議論をしている最中の、官邸事件でした。
 これまでは、アメリカの規制強化を横目でにらみつつ、産業振興をベースに考えてきたのですが、残念ながら一辺倒では進まなくなりそう。
 さっそく航空法改正による管理強化策や登録制などが政権から立ち上っています。野党も同調、あっという間に規制が入る空気が漂います。

 そして、東大・稲田修一さんに「情報革命とスマート製造業の実現」について話してもらいました。IoTが全産業に浸透する議論です。
 ドイツ科学技術アカデミーIndustrie4.0の話に引き込まれました。製造業のIoT化、スマート工場の実現。ドイツが中小企業の活性化策として導入を進めています。
 GEが食品製造にIoTを持ち込んだところ、生産量と商品開発速度がどちらも30%向上したといいます。スゴい成果ですね。
 稲田さんの政策インプリケーションは、最も非効率なセクターである行政にIoTを持ち込むこと。つまり、オープンデータによる業務連結です。
 多くの企業をつなぐIoTはセキュリティがカギ。ところが日本はその恐怖心が強い。抜本的な対策が必要になります。
 ドローンも同様ですが、セキュリティ対策に手を打ちつつ、いかに使いこなすか。アメリカの動きもドイツの動きも、日本に対して姿勢を問うものです。

2015年4月23日木曜日

もしもしにっぽん:カラオケ

■もしもしにっぽん:カラオケ

 きゃりーぱみゅぱみゅさん主演の「もしもしにっぽん」。
 http://www.jibtv.com/programs/moshimoshinippon/
 ICHIYA’s POP EYE、「カラオケ」の巻。

 日本が生んだ最大の発明品、カラオケ。誕生から30年で全世界に普及しました。
 通信で曲が提供されるので、世界中のあらゆる歌が歌えるようになりました。
 歌のうまさを機械が採点して、全国でランキングするサービスもあります。自分の歌が全国で何位かがわかります。自分の歌をCDに録音できるのもあります。カメラを通して、全国の誰かと通信機能でデュエットするサービスもあります。
 セーラー服やメイド服のコスプレで歌うカラオケや、アニメのセリフをしゃべるカラオケもあります。変ですよね。

 カラオケは、常に最先端技術と結びついて進化してきました。昔は酒場でギターやピアノの生演奏で客が歌っていたのですが、1970年代に、テープで演奏するものが現れました。1980年代にレーザーディスクが登場して、カラオケに映像がつきました。そして1990年代に通信カラオケが登場しました。お店でディスクを持っていなくても、数万の曲が提供されるようになりました。
 そして、日本の都市では、個室のカラオケが急増しました。数人のグループで防音の個室に入って、飲んだり食べたりしてカラオケを楽しむ。ご飯がおいしいことを売り物にしているカラオケもあります。自分で飲食の持ち込みができて、数$で楽しめる個室カラオケもあります。おもちゃが置いてあって、子どもも一緒に遊べるサービスもあります。まるで自宅ですよね。

 個室カラオケをミーティングルームとして使っているビジネス人もいます。個室だし、飲み物もあるし、防音で静かで、椅子もちゃんとしているから。カラオケではなく、友だちが集まって映画を観るという使い方もされています。逆に、一人用のカラオケ店も流行っています。ギターを持ち込んで練習するためのカラオケサービスもあります。カラオケの使い方はさまざまです。

 日本人は恥ずかしがり屋で、何を考えているかわからないとよく言われる。なのに、カラオケだととても大騒ぎします。不思議ですよね?でも、確かに、日本人は子供の頃から人前で歌うことに慣れています。音楽の授業も充実していますし。
 これに対して、政治や社会問題の意見はなかなか話しません。意見を表明して相手にどう思われるかを気にすることよりも、歌をうたうほうがハードルが低いのかな。

 まあいいや。そんな難しいことを考えているよりも、みんなでカラオケに行って、騒ごう!

2015年4月20日月曜日

4K8K vs スマートTV !?

■4K8K vs スマートTV !?

 ブロードバンド特別シンポジウム@日本プレスセンターに参加しました。「4K8K vs スマートTV」というパネル討論。日経新聞関口さん、NTT栗山さん、NHK桑原さん、ニコニコ動画杉本さん、NexTVフォーラム元橋さんという座組み。
 ぼくにキツい質問がありました。この分野、エラそうなことを言うと、激しいツッコミが来るのですが、覚悟して答えました。

◯2020年、東京五輪で実現する高精細放送のイメージは?
→ぼくらのような年配のメディア行動は変わりますまい。
 スマホ1stの若い世代が大画面をどう使うかでしょう。4K8Kのパブリックビューイングの前でスマホ片手に応援するニコ生的な絵図ならイメージできます。

◯4K8Kを推進するリーダーは?
→先導的な開発面でNHK、NTTに期待します。NHKは法改正でネット配信が「可能」になったとはいえ制約が多い。NTTにも放送局を買収する自由はない。国内事情で手足を縛っている間にGoogle、Appleに市場を持っていかれる状況です。

◯スマートテレビの展望は?
→スマートテレビというのは、20年前のマルチメディアと同様、次のメディアを待望する呪文のようなもの。マルチメディアブームの後に残ったPCとケータイとネットのように、次に実現して残ったテレビが、振り返るとスマートテレビと呼ばれることになるのでしょう。
 4K8K+ネットの大画面シングルスクリーンとなるのか、スマホ/タブレット連動のダブルスクリーンとなるのかは未だ見えません。一つの像に収れんすることはないかもしれません。

◯伝送路はどうなる?
→ぼくがフォーラムの代表を務める「IPDC」は、放送波に通信プロトコルを乗せる電波一本のシステム。NHKハイブリッドキャストは放送波と通信網とを組み合わせる技術。いずれも放送から通信への攻勢で、使える伝送路をフル活用するものです。
 そろそろオールIPを考える時期。通信も放送もIPで統合するシステム。NHKが通信サービスを行い、NTTが放送を行うことを考えていいのでしょう。

◯通信・放送融合は?
→昨年の放送法改正で一歩前進したというが、未だ2010年改正の成果が上がっていません。帯域免許や通信放送統合サービスが出現するような状況変化を期待します。
 融合の議論は92年から続いているが、その動きが日本で遅いのは、放送ビジネスが好調だったからでしょう。それは幸せなことだったのですが、成功体験が足かせになっていると思います。

◯課題は?
→日本はインフラの充実度とユーザのネット利用力が高い。そのチャンスを活かしたい。制度面ではロードマップや電波圧縮方式の検討に加え、電波利用の一層の規制緩和が重要。
 4K8KはB2Cよりも、デジタルサイネージや医療などB2Bが先でしょう。その先行市場を立ち上げる努力がほしい。

◯海外展開は?
→4K8KをB2Cで突っ込むとHDTVの二の舞いでしょう。クラウドやIoTなどを組み合わせたシステムで出て行くことを考えるのでは。
 国内で成功してから海外という手順ではないとは思いますが、そうは言っても日本には、インフラや放送局の制作力、ニコ動に集うユーザ力などの強みがあります。その強みをテストベッドとして使ってほしいと考えます。

2015年4月16日木曜日

もしもしにっぽん:食堂

■もしもしにっぽん:食堂

 きゃりーぱみゅぱみゅさん主演の「もしもしにっぽん」。
 http://www.jibtv.com/programs/moshimoshinippon/
 ICHIYA’s POP EYE、「食堂」の巻。

 ぼくのオフィスは東京・赤坂にあります。ここから100メートル以内には、和食以外に、いろんな国のレストランがあります。
 中国、韓国、インド、タイ、ベトナム、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、ベルギー、スペイン、ポルトガル、トルコ、ナイジェリア。
 日本ほど世界のレストランがある国はないでしょう。これほどフランスやイタリアの国旗が下がってる国もないのではないでしょうか。
 日本食レストランでも、いろんな種類の専門店があります。ここから100メートル以内でも、すし、てんぷら、ラーメン、うどん、そば、やきとり、牛丼、うなぎ、ふぐ。
 日本の地方の郷土料理屋もたくさんあります。ここから100メートル以内でも、札幌の羊、仙台の牛たん、新潟のそば、富山の魚、京都のオムレツ、大阪の串かつ、高松のうどん、高知のかつお、宮崎の鶏、沖縄の豚。

 そして、日本のめし屋は楽しい。
 客に料理するところを見せて作る店が多い。フランス料理もイタリア料理も中華料理も、普通は客席と調理場は離れている。しかし多くの日本料理では、調理するカウンターが客のそばにあって、オープンになっています。
 日本のレストランは店と客のコミュニケーションやエンターテイメントを大事にしています。すし屋のカウンターは、すし職人と客が最もコミュニケーションをとりやすい距離を計算して板の幅が決められているといいます。作るのを見せるのは、どんな素材でどう作っているのか、客を信用させる効果もあるんでしょう。
 客が自分で料理するレストランも多い。お好み焼き、しゃぶしゃぶ、という食べ物は、客がバーベキューのように自分で作って食べる。じゃあ自宅で食べれば、って思う?いや、それが、自分で作ってもレストランでないと出ない味、というのがあるんです。

 レストラン雑誌がとてもたくさんあるのも特徴。ラーメン特集、丼特集、すし特集、いろんなものがあります。それだけじゃなくて、インターネットでも店の情報を徹底的に調べて食べに行きます。日本人はたとえ料理が美味しくないと感じても、店の人に文句を言ったりできない。そんな思いをしなくて済むように、あらかじめ本やネットで調べるのかな。
 レストランの本と言えば、世界的にはミシュラン・ガイドが有名ですが、ミシュランで星付きのレストランは、パリが64軒、京都大阪は243軒、東京は266軒。東京は世界一のグルメ都市なのです。
 だけど、高級料理ばかりじゃなくて、とても安くてとてもおいしいものが食べられる。マクドナルドのビッグマックの値段指数を比較すると、日本はアメリカ、ヨーロッパ、中国、韓国よりも安くて、56か国中3番目に安いという調査結果もあるんです。
 どう?日本にめし食いに来る気になった?

2015年4月13日月曜日

アーカイブ立国宣言!

■アーカイブ立国宣言!



 福井健策・吉見俊哉監修「アーカイブ立国宣言」。
 マンガ、アニメ、ゲーム、テレビ、脚本、音楽、書籍などの事例・課題・対策。これ一冊でぜんぶわかる。福井さんはいつもいい本を作るなぁ。うらやましい。
 まずは巻末の「デジタルアーカイブ振興法」。
 ぼくも議論に参加しました。オープンデータ、孤児著作物対策、税制措置、メタデータ整備、多言語化、相互接続、人材育成。正しい大仕事です。実行しましょう!

 本書にはさまざまなかたが思いを寄せています。
 森川嘉一郎明治大学准教授による東京国際マンガミュージアムの話。すばらしい。尊敬します。彼の著書「趣都の誕生」を経済産業研究所のサイトに紹介してもう10年になります。改めて本件の話を伺いたい。
 細井浩一立命館大学教授のゲームアーカイブ。京都府山下「係長」の尽力で進んだという挿話があります。そういう偉人が数名いないと大きいプロジェクトは動きませんよね。山下さんを副知事に出世させた京都は、いいまちです。
 細井先生や山下さんらとスタンフォード大学の学生らも交えて、任天堂の協力も得て、学生がゲーム制作に携わるプロジェクトを進めたのももう10年だなぁ。ぼくらのCiP構想で、スタンフォード-京都をつなぐプランを改めて立ててみたいと思います。
 その細井さんのゲームアーカイブ論、オンラインゲームの保存が難問との件。これは知財本部でも論議中です。久夛良木健さんも動いておられます。ぼくはこうした師匠たちの下働きを何なりといたします。

 植野淳子さんのアニメアーカイブ。対象となるアニメの総数は15万件、5万8千時間にのぼるという。大仕事です。よろしくお願いします。
 藤本草さんによる伝統音楽のデジタルアーカイブ。SP原盤を複製するのを権利者がNoとしたことに対し、むしろアーカイブ化は今後権利を主張しやすくするための保全だと説得した話。これは重要な視点ですね!
 2011年に去った市川森一さんが始めた日本脚本アーカイブス。2013年に去った富田倫生さんの青空文庫。お世話になった先人の願いをなんとかしたいと思い続けております。
 宮本聖二さんによるNHKアーカイブス、NHKオンデマンド。植村八潮さんの書籍アーカイブ。長野県小布施町立図書館、札幌市中央図書館、その他さまざまな人たちによる奮闘が日本のアーカイブを支えている。それに頼りすぎていると考えます。仕組みを作らねば。

 岡島尚志さんが、仏INA(国立視聴覚研究所)のテレビ番組アーカイブに関し「フランスは湯水のようにお金を使う」と指摘。国家が重点を置いているということです。他にも本書では2箇所にINAに言及。うん、注目しましょう。
 青柳文化庁長官、御厨東大教授、吉見東大教授の鼎談も刺激的。青柳さん「伝統文化と現代文化の間に亀裂が生じた結果、社会全体が「不機嫌な社会」になりつつある」。これはぼくも気になっています。その連結作業はぼくらの仕事ではなかろうか。
 メディアやフォーマットが変化していく中でのデータ保存法。式年遷宮を参考にするアイディア。千年以上前からのメタデータ(マニュアル)を元に、20年ごとにマテリアルを造り替える。そのように情報も変換・保存する。いいですね。

 さて、アーカイブのための組織、ネットワーク機能が必要という議論。そこは賛成。だが、それをハコにしようとすると、こじれるのよ。アニメの殿堂100億円がポシャったのは、ハコものだったからだと思うんです。
 100億円をゼネコンに渡すんじゃなくて、この本に登場する方々に、アーカイブの中味に使ってもらえば、グッと進むと思います。

2015年4月9日木曜日

もしもしにっぽん:カフェ

■もしもしにっぽん:カフェ
 きゃりーぱみゅぱみゅさん主演の「もしもしにっぽん」。
 http://www.jibtv.com/programs/moshimoshinippon/
 ICHIYA’s POP EYE、「カフェ」の巻。

 カフェって、お茶を飲んで、おしゃべりをするところ。
 だけど日本のカフェはそうではない。
 いろんなテーマをもつカフェがたくさんあるんです。

 有名なのはマンガ喫茶。
 大量のマンガがある図書館とカフェが合体したものです。
 もともと日本の喫茶店にはマンガがたくさん置いてあって、お茶を飲みながら何時間もマンガを読むというのは昔からありました。ぼくも学生のころは一日中カフェでマンガを読んでいました。
 そのマンガの部分がどんどん大きくなって、巨大な図書館にカフェもついているようになったのがマンガ喫茶。
 どんどん進化していて、個人用の部屋やファミリースペース、サウナやマッサージ機を備えている店もあります。ホテル代わりに住み込んでいる人もいます。

 メイドカフェ。
 メイドに扮したウェイトレスが、客をご主人様としてもてなします。邸宅にいるメイドと主人を、店員と客が演じます。客としてあなたが入店すると、メイドが「おかえりなさいませ、ご主人さま」と声をかけてくれます。あなたは主人として、威厳をもって茶を飲まなければなりません。
 2001年に秋葉原に登場したのが始まりだそうです。今や中国、韓国、アメリカ、チェコなど諸外国にも広がりをみせています。

 もちろんカフェは海外から日本に入ってきた文化で、そこから多様なものが発生しているという点で、クールジャパンの代表例です。
 特にメイドカフェのように、現実から離れた世界観を楽しむ不思議なテーマをもつカフェがたくさん生まれてきています。
 挙げてみましょう。

動物にいやされながらお茶を飲む。
・    ねこカフェ
 http://www.nekocafeclub.com/
・は虫類カフェ
 http://bit.ly/1fMOj6y
・    ふくろうカフェ
  http://bit.ly/1x9V92K

電子工作が静かなブームになっています。電子工作のための道具や場所をシェアするカフェ。レーザーカッターや3Dプリンター等を設置してものづくりをするカフェもあります。
・    はんだづけカフェ
 http://handazukecafe.com/
・    ものづくりカフェ
 http://fabcafe.com/tokyo/

この番組でも文房具を紹介したことがありますが、文房具フェチが集まって文房具に触れるカフェ。
・    文房具カフェ 
 http://www.bun-cafe.com/

キャラクター
・    ガンダムカフェ
 http://g-cafe.jp/
・    ドラクエカフェ
 http://www.paselabo.tv/luidas_bar/link.html

  ほかにも
・    落語カフェ
 http://rakugocafe.exblog.jp/
・    プラネタリウムカフェ
 http://www.starry.jp/index.html
・    ハンモックカフェ
 http://mahikamano.com/
・    足湯カフェ
 http://www.mominokihouse.jp/ueno1.html
・    水カフェ
 http://mizucafe.jp/
・    ミシンカフェ
 http://nico2525.exblog.jp/

 カフェって、くつろいだり、友人とおしゃべりしたりする場所。だけど、じっとくつろいだり、チャットしたりするのは日本人は苦手。エンタテイメントを欲しがります。マンガだったり、メイドだったり、ふくろうだったり。
 もっと新しいヘンなカフェが生まれていくでしょう。
 日本のカフェめぐりをしてみません?

2015年4月6日月曜日

アルゴリズムが世界を支配する

■アルゴリズムが世界を支配する 
 


 クリストファー・スタイナー著/永峰涼訳「アルゴリズムが世界を支配する」。 ITはおろか、金融も音楽も医療もアルゴリズムが支配する時代の到来をエンジニアでありジャーナリストである筆者が丹念に描写します。面白い。

 コンセプトをアルゴリズムに転用する「ハッカー」が新しい帝国を建設する。ビジネススクールの人びとではない。そのパワーシフトを描きます。芸術やデザインなどクリエイティブクラスが携わる領域も安泰ではなく、アルゴリズムが浸透しつつあるとします。
 紀元前2500年頃にシュメール人が遺した粘土板を起源とするアルゴリズムは、ユークリッド、フィボナッチ、パスカル、ベルヌーイ、ライプニッツ、オイラー、ガウス、バベッジ、シャノンらの系譜を辿る。その解説も楽しいです。

 まず、音楽。
 ディヴィッド・コープが開発したアルゴリズム「アニー」の作り出した楽曲がクラシック音楽の教授の作品を凌駕し、バッハの曲なみに評価された事例が生々しい。ウォールストリートのトレーダーたちがアルゴリズムを敵視し、クラシック音楽界がアルゴリズム作品を拒絶する模様もうなずけます。

 ジェイソン・ブラウンがビートルズ「ハード・デイズ・ナイト」のオープニングコードの謎をアルゴリズム解析したエピソードもワクワクします。29375個の周波数をサンプル解析したといいます。
 解析の結果、ジョージのリッケンバッカー12弦ギターに加え、ジョンが6弦でC5を、ポールがヘフナー・ベースでD3を、そしてジョージ・マーティンがスタインウェイのピアノで5つの音を重ねていたというのです。へぇぇ、そりゃコピーできんわ。

 その他さまざまな分野へのアルゴリズムの浸透を描きます。
 マネー・ボールが描くように、オークランド・アスレチックスを優勝常連に導いたのもアルゴリズム。
 ダニエル・スパイヴィはシカゴの先物とNYの現物との情報の速度を千分の4秒縮めるため、160km短いルートに光ファイバーを通し、他社の十倍に当たる年300万ドルの通信料金を提示。超高速アルゴリズムの世界も物理的なハードウェアに規定されるという話。

 筆者は医学への展開を期待しています。米国民と、医療費が1/10以下のキューバ国民の平均寿命がほぼ同じという事実を踏まえ、医療費を抑える手法としてアルゴリズムの導入を説きます。
 SUNの共同設立者ビノッド・コースラは、医療ニーズの90〜99%はアルゴリズムを使った正確・安価な医療に置き換えられ、ごく普通の医師は必要なくなるといいます。


 2008年には、全米株式市場の取引量の60%は自動化されたアルゴリズムによるものに達していた。金融業界はあらゆる優秀な理数系人材を大学院からかき集めていた。MITの大学院卒業生の1/4がウォールストリートに就職したといいます。
 リーマンショックにより事態は一変、優秀な理系人材が金融を目指す時代は終わり、シリコンバレーに向かったそうです。高給な仲介業者よりも、リスキーでも建設的・創造的な仕事を目指すようになったということでしょう。
 90s後半に西海岸に向かった人材が2000年のネットバブル崩壊で東海岸に向かい、リーマンショックに西海岸に戻り、現在のスマート化・脱スマート化を支える。改めてアメリカの振り子のようなダイナミズムを想います。

 筆者はGoogleカーに関し、年3万3千人に上る米交通事故死のほとんどが人的エラーによるものとし、アルゴリズムが運転するようになれば事故死をほぼなくすことができるかもしれないと説きます。
 MITのブリニョルフソン教授(訳ではブリンジョルフソンと書かれているが、ニョと読みます)の書いた「機械との競争」は、多くの仕事が機械に取って代わられると警告するが、筆者は弁護士や物書きも例外ではないとします。
 これに対し筆者は、敵対するのではなく、「慣れ親しむ」ことを説きます。そして、理数系の教育が逆に不足しているとし、全高校生が一度はプログラミングできるカリキュラムを組め、としています。
 賛成です。

2015年4月5日日曜日

ポリシープロジェクトの解説-2:ポップパワー
 

■ポリシープロジェクトの解説-2:ポップパワー
 


 ポリシープロジェクト2本柱の1つ、ポップパワープロジェクトです。

 CITY、COOL、CONVERGENCEの3つのサブプロジェクトで構成します。



1 CITY


 デジタルの街づくりをするサブプロジェクトです。ポリシープロジェクトの総合力を都市設計に活かします。

 CiPとTokyo Crazy Kawaiiとの両ユニットから始めます。




 

1) CiP
 CiP=コンテンツ・イノベーションプログラム。
 東京都港区竹芝地区にコンテンツ産業集積地を形成します。


 1.5haの都有地に地上39階のビルを建設。コンテンツやITに関する研究開発、人材育成、起業支援、ビジネスマッチングを一気通貫で行うため、約8000㎡を用意し、ラボ、ホール、スタジオ、オフィス等を構築する計画です。
 国家戦略特区として総理大臣の認定を受けており、テストベッドを構築するほか、沖縄・京都等の都市、アメリカ、韓国、シンガポール等の拠点を結ぶハブとして機能させます。スタンフォード大学との連携も強化します。
 2015年4月、社団法人CiP協議会を設立。計画策定と運用に当たります。街開きは2019年度の予定ですが、さっそく次世代サイネージ、Artist Commons、超人スポーツ等のプロジェクトを走らせていきます。
 http://takeshiba.org/

 


2) Tokyo Crazy Kawaii 
 マンガ、アニメ、ゲーム、ファッション、食、雑貨などなど、クールジャパン業界の総合力を海外に発揮するビジネス☓カルチャーイベント。NIPPONのカワイイを世界各地でローカライズしていきます。

 2013年秋、第一回をパリで開催、稲田朋美クールジャパン担当大臣にも参加いただき、大反響を得ました。2014年には台湾。2015年にはタイ・バンコクとパリでの開催を予定しています。

 http://www.crazykawaii.com/



2 COOL

 ポップカルチャーの世界展開やコンテンツの開発を進めるサブプロジェクトです。

 エンタテイメント産業と連携して、音楽、マンガ、アニメ、ゲーム、お笑いコンテンツのプラットフォームを形成します。政府(知財本部、総務省、経産省、文科省)とも連携します。

 Artist Commons - Sync Music Japan、海外マンガフェスタ、アニメビジネス、もしもしにっぽん、JMOOC、沖縄国際映画祭の各ユニットからなります。




1) Artist Commons - Sync Music Japan
 音楽業界によるJ-Pop情報の海外発信プロジェクト「Sync Music Japan」のアーティストデータベース(約2000組)をKMDで運営しています。ほぼ全てのJ-Popアーティストの情報を扱い、海外展開の窓口となります。
 Sync Music Japanの番組を制作してフランスでオンエアしたり、アメリカ・オースティンでのSXSWに出展してアピールしたりするなど、学生主体の活動も行います。
 また、アーティストに固有のIDを付与し、コンテンツやグッズ、ライブ等の情報を展開しやすいようにするプロジェクト「Artist Commons」をスタートさせます。


 http://www.syncmusic.jp/wordpress/





2) 海外マンガフェスタ
 内外のマンガ家と関連企業が集う「海外マンガフェスタ」を東京で開催します。

 大友克彦氏、浦沢直樹氏、ちばてつや氏、松本大洋氏らが参加、仏、伊、ベルギー、EU、台湾らが協力しています。

 https://www.facebook.com/kaigaimangafesta







3) アニメビジネス
 日本動画協会が主催するプロジェクト。アニメとマンガ・ゲーム、音楽、グッズ等のコンテンツ分野がパートナービジネスを開発する活動に協力しています。

 文科省アニメ・マンガ人材養成事業と連携し、クリエイター、教育機関、関係業界とともに育成カリキュラムの策定にも携わっています。

 http://abpf.jp/

 


4) もしもしにっぽん
 きゃりーぱみゅぱみゅ主演の「もしもしにっぽん」。
 NHKワールドで世界放映し、ネットでも配信するほか、国内ではBSフジでオンエアというメディア融合番組。
 「ICHIYA'S POP EYE」というコーナーを企画・提供。ポップな日本を英語で紹介。学生企画ネタなどをお届けしています。
 http://www.jibtv.com/programs/moshimoshinippon/

 

5) JMOOC
 ネット無料配信の講座「ポップパワー」を提供しました。
 ポリシープロジェクトに基づく「デジタル社会」「メディア政策」「クールジャパン」「デジタルキッズ」の課題に対し、受講生から実行プランを求め、それを実際に創る。新しいタイプの講座を学生たちと創っています。
 https://lms.gacco.org/courses/gacco/ga026/2015_03/about

 

6) 沖縄国際映画祭
  吉本興業が主導する沖縄国際映画祭にて、世界のお笑い映像の収集・発信、コンテンツ取引市場の形成などを推進しています。コンテンツの国際プラットフォームを形成するとともに、KMD ☓ OmOの可能性も開拓します。

 http://www.oimf.jp/

 




7)その他

◯ソーシャルゲーム
 ソーシャルゲームの健全化と産業育成を図るため、社団法人ソーシャルゲーム協会(JASGA)を設立し、活動してきました。社団法人コンピュータエンタテイメント協会(CESA)との合併に伴い、関わりが終了しました。
 



3 CONVERGENCE
 メディア融合や新メディア開発を進めるサブプロジェクトです。
 デジタルサイネージ、IPDC、KMD ☓ OmO、IT政策、その他(ネット炎上等)の各ユニットからなります。




1) デジタルサイネージ
 デジタルサイネージを一大産業・メディアに成長させるプロジェクト。

 世界最大級のコンソーシアム(デジタルサイネージコンソーシアム)を形成し、技術開発、ビジネスモデルデザイン、制度改革などの活動を進めるほか、イベント開催、コンテンツ開発、政策提言などを通じ、この分野の発展を牽引します。

 ・企業コンソーシアムを通じ、産業開発、標準化等を推進
 
・「デジタルサイネージジャパン」@幕張を開催@6月 毎年13万人が参加

 ・子どものコンテンツ制作→1万面サイネージ放映をプロデュース

 ・秋葉原献血サイネージ実験、渋谷Dinnersでの実験などを実施

 ・「デジタルサイネージ革命」「デジタルサイネージ戦略」を出版
 ・2015年4月、コンソーシアムを社団法人化
 ・2020年の東京オリンピックに向け国策としてのサイネージ整備を推進中



参考
 デジタルサイネージコンソーシアム 会員企業 100社 
 http://www.digital-signage.jp/
 
 デジタルサイネージジャパン 
 http://www.f2ff.jp/dsj/
 
 デジタルサイネージアワード  
 http://bit.ly/fohiQ3





2) IPDC
 マルチスクリーンによる日本型スマートテレビを開発するプロジェクト。

 放送の電波に通信技術であるIPを乗せるサービスを開発するIP Data Casting(IPDC)。

 通信・放送を融合する技術開発、サービスデザイン、ビジネスマネジメント、そして制度改革を進めています。

 ・企業コンソーシアムを通じ、技術開発、ビジネス開発等を推進。

 ・テレビ局と「マルチスクリーン型放送」の技術開発とビジネス実験を実施。

 ・これまで、「情報通信法(放送法等改正法)」の制定、
 「ユビキタス特区」の実現、「ホワイトスペース特区の制定」などを後押し、実現に貢献。


参考
 IPDCフォーラム 会員企業 40社
  
 http://www.ipdcforum.org/

  


3) KMD ☓ OmO
   吉本興業が展開する動画配信チャンネル「OmO」(オモ)と連携して、映像制作・配信を行うほか、人材育成、新ビジネス創出等に関する共同研究を行うものです。

・KMDの学生(留学生を含む)ないしそのグループがチャンネル内に個別チャンネルを設け、番組を制作・配信します。
・これらを通じ、映像を制作する人材の育成策の検討、ネットでの新ビジネスの開拓等について、共同で研究します。

 「OmO」×「KMD」共同制作チャンネルは5つ。全部学生がやっとります。

例◯TokyoMarin
  東京まりん「ひとりでできぬもん!」
 http://bit.ly/1ajTMh6




4) IT政策研究会
 スタンフォード大学アジア太平洋研究センターAPARCとの共同でIT政策に関する研究を進めています。日米の政府・企業関係者とともに政策の整理をします。
 http://www.itpolicy-roundtable.net/

 
 

5) その他


◯ネット炎上

 ネット炎上対策を講ずるプロジェクト。社団法人ニューメディアリスク協会とともに、事例調査、啓発教育などの活動を進めています。

 http://newmediarisk.org/guide/greeting


◯オープンデータ

 オープンデータ対策を進めます。VLED(社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構)に協力し、普及啓発に努めています。

 http://www.opendata.gr.jp/

◯radiko
 ラジオネット配信のradikoは当方の参加する産学プロジェクトとして試行・実験し、立ち上げましたが、商用移行に伴い、関わりが終了しました。
 http://radiko.jp/


2015年4月4日土曜日

ポリシープロジェクトの解説-1:概要

■ポリシープロジェクトの解説-1:概要
 KMD(慶應義塾大学メディアデザイン研究科)はリアルプロジェクトを軸に教育研究を進めるのが特徴。そのうちぼくが担当するポリシー系のプロジェクトは、昨年からキッズ系は石戸奈々子さんが総責任者になることに伴い、再編しました。改めて解説します。

 

 ポリシー・プロジェクトは新しい情報社会を築くための産官学連携プロジェクト。公益を増進する観点から、技術開発、ビジネス構築、コンテンツ制作、政策立案などを総合的に行います。

 1.ポップパワー
 2.デジタルキッズ
の2サブプロジェクトを置き、計500企業とアライアンスを組んで走らせています。
 

1. ポップパワー
 新ITメディアとコンテンツの開発を進めます。

 デジタルサイネージやスマートテレビの産業開拓、そのための制度改革や技術開発を推進しています。立法府・行政府と連携した活動を通じ「ユビキタス特区」の創設、「情報通信法スキーム」の制定など制度面でも成果を挙げてきています。

 同時に、ポップカルチャーの生産基盤を整備するとともに、海外展開を推進しています。音楽、マンガ、アニメ、映画、ゲームなどの領域に関し、各業界とプロジェクトを企画・運営。内閣官房知財本部、総務省、文部科学省、経済産業省などとも連絡調整しています。

 「City」「Cool」「Convergence」の3本柱で進めます。




2. デジタルキッズ
 デジタル時代の子どもたちに関する研究プロジェクト。
 子どもたちの創造力、コミュニケーション力を育む環境を整備するとともに、未来の学習をデザインします。

 子どもたちのための技術開発、コンテンツ制作、ビジネス展開、国際的活動、全国の教育関係者との連携、政策提言などを総合的に進めています。
 NPO「CANVAS」などと連携し、「ワークショップ」「デジタル教科書」「デジタルえほん」の3案件を進めています。




 これらを通じて、これまで成果を出してきました。


1) 政策

 メディア融合法制:情報通信法の提案

 ユビキタス特区、ホワイトスペース特区の提案

 知財計画、クールジャパン政策へのインプット

 教育情報化政策の推進  など



2) コンテンツ制作

 知財戦略、デジタルサイネージ、デジタル教科書等に関する書籍

 もしもしにっぽん、Sync Music、大学サイネージ、ラジオシリーズThis is IT
 等の番組
 JMOOC授業、よしもとYouTubeチャンネル、デジタルえほんアプリ  など



3) イベント開催

 ワークショップコレクション、デジタルえほんアワード

 Tokyo Crazy Kawaii、海外マンガフェスタ など



4) 産業プラットフォーム形成

 CiP協議会、超人スポーツ協会、
 デジタルサイネージコンソーシアム、IPDCフォーラム、


 デジタル教科書教材協議会、安心ネットづくり促進協議会、

 ニューメディアリスク協会、ソーシャルゲーム協会 など




 次回、ポップパワーについて解説します。