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2011年7月28日木曜日

ホリエモン、最後の授業-2 「研究所を作りたいな」

■Buenos   ホリエモン、最後の授業-2 「研究所を作りたいな」
 続いて堀江さんのお話。研究所を作る提案。これはぼくも長年やりたいと思っていたこと。というか、MITでもスタンフォードでも慶應でも、それをやりたくてもがいてきたライフワークのようなもの、が堀江さんの口から出てきたので、おおっとなった次第。

中村:Google、フェースブックはアメリカの大学から出てきました。日本の大学はどうしたらいいですかね。
堀江:日本の大学は金がないですからね。できないことはないけれど、まあ、これを変えるのは大変だから、俺だったら研究所を作りたいなと思います。
中村:おお、作りましょう!
堀江:あと、大学ってまずは年齢制限がある。18歳まで入れないことになっています。飛び級がないのもおかしいですね。
中村:MITなんて、子どもみたいな人とかもいますよ。
堀江:高校とかつまんなかったですね。受験勉強だけですから。面白いことを研究できるわけでもありません。16歳になったら誰でも大学に入れることがまず必要。先生が授業をしているわけですが、そんなのは自習とか先輩に聞けよと思います。試験も要りません。
中村:ケータイでYahoo!知恵袋に聞いちゃうような人はどうでしょう!? 入試もパソコン、ネットありになると思うのですが。
堀江:いいんじゃないでしょうか。そもそも試験は面接でいい。
中村:大学の腹積もりが問われる、と。
堀江:勉強は自習でいいと思います。俺は自習しかしていません。分からないところだけを聞きにいきます。大学の授業は多少出ましたが、ほとんどの先生は自分の本に書いていることしか言わないので、本を読めばいいだけです。僕の考える研究所では研究だけする、面接で決める、年齢制限はない、というものです。中学生も入れたい。そういう形のものをつくることですね。
中村:いいなぁ。

堀江:研究開発は金がかかります。実際に自分たちで何かやると機材が必要です。ずっと寄付だけでまかなうことはできません。起業して、研究機関にお金が戻ってくる仕組みが必要です。
中村:Googleではスタート時にスタンフォードの学長が役員として入ったりもしました。
堀江:僕はIT分野なら目利きはできますよ。いい会社、投資したい会社というのはあります。グリーの田中君が会社を作った時に投資させてくれといったらダメだった。サイバーエージェントもダメでした。三木谷さんのところには10%ぐらい出資しました。
中村:それは堀江さんがダメということだったんでしょうか?
堀江:個人だったらいいですよという感じですね。僕は個人では一切投資しなかったんです。利益相反になるからです。僕は科学技術投資に特化したい。潤沢に資金を与えて、スピンアウトを進めて、研究開発投資だけでぐるぐるまわっていく研究所の感じです。戦前の理化学研究所とかはそうですね。
中村:理研。戦前、田中角栄が関わっていた機関。
堀江:東大農学部にいたビタミンBを発見した人は、ビタミン製剤を作って売っていました。理研ビタミンはそこから来ています。リコーも理化学研究所のスピンアウトです。理化学研究所があって、スピンアウトしたのが理研コンツェルンです。日本の国力増強のために事業規模を拡大していきました。その各種企業から、リコーのような世界的な企業が出ています。今でもそういう研究のシーズはいっぱいあるはずです。東大ができてないのは、それを積極的に事業化することです。
中村:なるほど。

堀江:あとは研究室に金が降りてこないことです。僕は研究者になりたかったんですが、ならなかった。
中村:なんで?
堀江:駒場寮の同室の先輩がドクターでした。ナノテクを研究していて、まだカーボンナノチューブが発見されてなかったころ、研究室に実験を見に行きました。最先端の研究室の計測コンピューターがApple2のパチモンでした。台湾製のApple2だったんです。パチモンを買ってきて、研究室で使っていたんです。天下の東大でこれか、と感じました。よっぽど金がないんだな。彼ら、二言目には科研費、科研費といいます。単年度予算なので、裏金も作ろうとします。それじゃあね・・
中村:研究所は頭の中ではもうできあがっている?
堀江:そうですね。シードマネーの話はありますが、これはぜひやらないといけない。東大とかにはできないかもしれません。ライブドア時代に科学技術系のファンドを作ったこともあります。
中村:民間の資金で投資しようとするのは意味がありますね。
堀江:これは出てからの話ですね。何十億円か集めて、そういうのを最初にバンとつくれば、頭のいいやつは東大に入らない。お前いいからうちに来いという感じです。今、研究開発投資に金が使えなくなっている。

(つづく)

2011年7月25日月曜日

ホリエモン、最後の授業-1 「5勝4敗くらいかな」


■Buenos ホリエモン、最後の授業-1 「5勝4敗くらいかな」

ホリエモン、堀江貴文さんが収監されるギリギリのタイミングで、授業にお呼びしました。
講義のタイトル「あっちとこっちのギリギリで」。
ホリエモン、オンザ・エッジ。というわけです。
堀江さんには、私と岡田斗司夫さんとのトークイベントの際に初めてお目にかかったのですが、その際、まっすぐで逃げない態度にぼくはこの人の評価を高めました。なんて偉そうなことは言えませんが、少なくともKMDの学生諸君が在学中に直接会っておいてよい相手だろうと思ったのです。
しかし、前々日になって、慶應の理事会が呼んではダメと言ってきました。罪を犯せば学生なら退学になるのに犯罪が確定した人を呼ぶのはけしからん、ということでした。ん?それならば、政治学の教授でも田中角栄さんやフジモリ元大統領やネルソン・マンデラさんを呼べないのでしょうか、犯罪心理学の講義で犯罪経験のある人を呼べないのでしょうか。どうも腑に落ちません。しかも、政策屋としては、あらかじめ決まっていない規制を後出しされて、それに従って打ち切るのはデュープロセス面でも学生に示しがつかない。
なので、慶應の授業としてはやってあげないことにしました。KMDのぼくのプロジェクトの講義としてオープンにやることにしました。勝手に自腹で外部に会場を取ってお迎えしました。堀江さん、ご迷惑をおかけし、申しわけありません。
さて、以下、その最後の授業。抜粋です。3回に分けて。

中村:この教室には、囚人みたいなコスプレの人もいますが。あっちではどんな服を?
堀江:刑務所では、甚平みたいなのが寝間着。普段は作業着みたいなのを着ていますね。
中村:さて、これまで一番のディールって何ですか。
堀江:金額的にはニッポン放送の買収。1200億円くらいは投下しました。一番儲かったのは、弥生という会社を買ったこと。500億円もうかりました。会計ソフトの業界は、いったん市場を占有すると結構強い。200億円で買って、700億円で売れました。ライブドアをやっている時には、守銭奴とかマスコミに言われましたけれども、上場企業の経営者としては、株主に最大限のリターンを最短期間で返すというミッションで頑張っていたんです。
中村:じゃあ最大の後悔、失敗は?
堀江:銀行を持ちたいと思いましたが、最後まで持てませんでした。テレビ局も買えませんでした。プロ野球の球団も買えませんでした。でも考えると、新規球団ができたし、ミッションは果たせたといえます。
中村:トータル、何勝何敗?
堀江:5勝4敗くらいかな。本当にダメだったのは政治とテレビ局。ここは変わりませんでした。ただ、プロ野球は大きく変わりました。新規球団のソフトバンク、楽天が入って地域密着で盛り上がっています。僕が予想したとおりです。

中村:この人だけは超えられないという人は誰ですか。日枝さん?
堀江:日枝さんのように、ライバルを全部蹴落として、院政を敷くというのは、僕はやりたくない。笑っていいともとか、王者となるころの番組は彼が作っていました。そして女子アナ。女子アナを青山とか六本木のディスコに連れて行って、タレントとして扱っていました。その時の副編成局長が村上前社長です。ずっと盟友で来ていたのですが、最後には村上さんだけがやめさせられた。メディアの世界って面白い。公共の電波を使っておいて、なぜか会長は死ぬまでやるわけ。メディアは80歳になっても現役。渡辺恒雄さん、日枝さん、氏家さん・・・。これはすごいことです。
中村:今、学生は就職するか、起業するかで揺れている人もいます。今だったらどちらを薦めます?
堀江:就職したことないので、就職の選択肢がないです。逆になんで就職するのかって思いますね。
中村:では、起業しようとする人にこれに気をつけろというのはありますか。
堀江:特になし。どうせ最初はスモールビジネスからです。スモールビジネスで始めて、やりたいことがないとかだったら、利益率高い商売やりなさいよ、とかね。

2011年7月21日木曜日

IT復興円卓会議-4 展望


■Net  IT復興円卓会議-4 展望
  413日の「IT復興円卓会議」。テーマ4について、これも松村太郎さん(@taromatsumura)がtsudaってくれた内容を軸に再現します。 

中村:元に戻り、コミュニティ・コミュニケーションの観点で、マスメディアとソーシャルメディアのこれからについて議論できれば。報道、広告、流言飛語、海外発信などの面での教訓は何か。情報共有、世論喚起等の面で、メディアの役割は変わっていくのか。

会田さん:原発問題で思うのだが、やむを得ずふるさとを捨てている状況。できれば元に戻りたいと考えている。今こそITは大切。阪神の際、復興に20年かけてきている。関西のビジネスが上手い地域ですら難しい。被災地では仕事どうしよう、自分でやるのかというニーズは出てこない。休業補償について、企業に勤めている人以外の個人の人たちにも。仕事や街の復興にもITが生きると思う。海外から放射線で誰も来なくなる事態を共有できるか。

D4DR 藤元健太郎さん:失墜した日本ブランドをどうやって復活させるか。TBSは支局を現地に作り、毎日発信している。海外に安全安心をどうアピールするか。例えばアワビやフカヒレはキャッチーな特産物。徹底的にアワビチャンネル、フカヒレチャンネルを作って海外に売り込んではどうか。

博報堂・堀さん:現地の方々にITがどういうサポートできるか。マイクロマッチング、というのがある。情報、人、物資のマッチングが有効に作用した。ファンド、寄付などの寄り細かいマッチングができるプラットホームが必要になってくるのではないか。

講談社・北本かおりさん:当初からTwitterを見ていたが、情報が一元化されていくのは怖いことだと感じた。テレビ、新聞の報道内容に心理的な疑問が上がってきた。Twitterは当初かなり機能していたが、途中からデマが出て風評被害が出て、外圧的になっていた。個人の情報発信の難しさを感じたが、記者クラブ的なメディアではないメディアの形成について聞いてみたい。

佐々木俊尚さん:今回のマスメディアの最大の問題は、速報性や情報を投げる役割を果たしたが、日本のセグメンテーションが進んでいる現状。大阪のラジオを聞いていたら腹が立った。当事者意識が全くないから。しかしそういう思いはいわきの方が東京に持っているだろう。温度差がたくさん。
   マスメディア的なものの再構築が最も必要。今の新聞やテレビが担うかどうかは分からない。しかし今のメディア空間ではダメだ、と多くの人が気付き始めた。電波、通信などがある。様々なメディアを使って人に情報が届く、その人に的確な情報が届く、そういう基盤が必要。
   そんな物は世界中、ない。米国ではマスとソーシャルの融合モデルが普及し、伸びている。ソーシャルとマスの融合、連携し、セグメンテーション化された人たちに情報を届ける手段ができれば、と思っている。

野村総研・村上さん:野村総研でネット調査をした。信頼性が上昇した物はNHK。第二位がポータル、第三位がソーシャルの個人発信。下降したのは第一位が行政、第二位がマスメディア、第三位がソーシャル。マスとソーシャルの対峙ではない。ソーシャルがここに出てくるというのも驚いた。
   ネットとマスメディアは融合ではなく、おのおのが切磋琢磨するときじゃないか。ソーシャルメディアでの信頼性はどう発揮できるのか、真剣に考えなければならない。

ウェザーニュース・石橋さん:情報の一元化の議論だが、今回の被害はほとんど津波。ここでメディアの役割を考えるべき。津波が来た場所と来てない場所では天と地の差がある。情報がちゃんと伝われば誰ひとり死なない災害。これを防災という観点では防ぎようがない。減災という考え方が必要。津波はグローバル化された日本語。日本が最も津波に強い、こんなにメディアが逃げることを助けるか、しっかりプランニングして、ようやく復興、という世界だと思う。

会津泉さん:マスメディアでは必ずしもできないがある程度の手法を使ってコンパクトに情報をまとめて動ける、こういう動きの応用ができないか、と考えている。

中村:今日の議論で何か結論がでるわけでもない。ここに権限があるわけでもない。
  ただ、放談に終わらずメッセージが出せればよいと思う。
  これまでの議論では、以下の点でコンセンサスが得られるのではないか。
--------------------------- 
日本の復興にはITの整備・利用が重要。総力を発揮しよう。

1 政官産学連携による対策
  国会、政府、自治体、産業界、NPO、学界などが連携して総力をあげること

2 復旧から復興・新生へ
  被災地対策・復旧から、災害に強く省エネに資する全国にわたる新ITシステムを
  建設していくこと

3 ITの利用促進
  情報格差の是正、公共分野での利用促進、情報リテラシー教育の強化を図ること
--------------------------- 
  藤末さん高井さん小西さん、議連や政調の取組、超党派の取組が始まっている。
 そうした場にこういう議論があることを反映していってもらいたい。
  政府・総務省、経産省、内閣府でも動きが出てきているがぜひITの重要性をアピールしていってもらいたい。
  問題は、船頭多くして舟が山に登らないこと。
  民間サイドとしても、しっかり動きをみながら強く声をあげていきたい。
  これから長い道のり。
  復旧・復興策がうまく進めばいいが、必要があれば、またこのような場を設けるのがよいかもしれない。たとえば1年後に、検証する場を持つこともあり得ると思う。
  ひとまずスタートということで、力を合わせていけるようお願いし、会議をお開きにする。

2011年7月18日月曜日

IT復興円卓会議-3 復興


■Net  IT復興円卓会議-3 復興
  413日の「IT復興円卓会議」。テーマ3について、これも松村太郎さん(@taromatsumura)がtsudaってくれた内容を軸に再現します。 

中村:復興、これから10年、どうする。
   この議論は気が早いという人もいる。でも、スタートさせなければならない。
   今年、2011年は、地デジとブロードバンドの全国整備完成が目されている。スマホやタッチパネルPCのようなマルチデバイスも広がり、しかも、ソーシャルサービスが急速に普及するという、ネットワーク、デバイス、サービスの3要素が大きく変化するタイミング。そこで起きた震災は、社会経済もメディア環境も大きく転換させるもの。

慶應・菊池さん:ミックスがテーマ。分散+コントロール、マス+ソーシャル、ユニバーサル+リテラシーの向上が必要で、政官財すべてが連携することが必要だし、地域構想の策定とフォローアップが必要。施設や設備の復旧への特別減税、規制を改める、ICT特区など。コンパクトシティ、スマートなどがテーマだが縮小だけではなく、プロダクティブも必要なんじゃないか。

民主党・藤末さん:復興ではなく新生。被災者の方々を主導に。現在は役所ごとに地方に予算を落とそうとしているが他年度で地域の方々がやれるようにする。また規制の問題も。ICTでやりたいのは遠隔医療、教育。今日本がやりたくてもできない物を被災地で新たに目指したい。カリフォルニアの地震では、サンタクララで絵本チックなビジョンを作った。そういう物を作れれば、と思っている。

民主党・高井さん:世界に誇れるモデルをやっていきたいので、ぜひ英知を集めて頂きたい。

民主党・小西さん:ICTを活用した復興プランは特区と規制改革。特区は総合特区法案を国会に出した。現在でも画期的。地域の条例で政省令をひっくり返せる。驚天動地で政治主導を実現できるようにする。成長戦略特区だったが、震災を踏まえて、震災復興特区も。
   規制改革は、震災からの復興に役立つ規制改革を考えている。被災地域をITで復興させるという点だが、地域の特性に応じてICTの活用方法を考えていく必要がある。どんな社会資本があるのか、あるいは世界的に豊かな海洋資源を持っており、ビジネスモデルを作るなど検討すべき。

総務省・谷脇さん:復興まで議論がいっていない。被災地の復興が第一のテーマだが、そのために日本の体力を失ってはならない。日本経済全体をどうしていこうか、そのときICTをどうすればいいか考える。東北地方のエレクトロニック系の向上が被害を受け、ICT産業の空洞化は対策が必要。
   やるべきメニューは新しいわけではない。電子行政、クラウド、スマートグリッド、テレワークなど、やることは決まっていて、四の五の言わずに素早くやることが重要。

石戸奈々子さん:デジタルサイネージが今後どうすべきかという議論が始まっている。東京電力からの節電要望で災害情報以外のサイネージの消灯の要請があった。本来は違う役割があるのではないか、と議論を進めている。こういう状況だからこそのネットの情報を流す等。
   公共的なシステムを設置していくべき。教育に関して、被災地では63万冊の教科書が流され、指導要領も流された。クラウド化しておくべきだった。都内の子供達が情報の得方について分からなかった、という意見があった。情報リテラシーの教育面で力を入れていくべき。
   学校が防災拠点になった。当面はインフラ復旧、子供達の心のケアが最優先だが、学校の情報化、地域のつながりの強化を通じて、防災体制を強めていく。教育分野でのICT活用も重要なテーマとして挙げて頂きたい。

池田信夫さん:現状ITそれほど優先順位が高いわけではない。電力などでマクロ経済に打撃。またエネルギー供給体制を中長期で考えていくべき。発電と送電の分離といった議論も、役所では進んでいる。通信業界ではNTTの上下分離とほとんど同じ話。知恵を貸せるのではないか。

ソフトバンク嶋さん:まず生存条件を固めなければ。岩手の津波は明治に2万人以上がなくなったが昭和では2000人、チリ地震で100人、しかし今回被害が広がった。東南海の対策をどうするか、等考えて欲しい。また教育の話だが岩手だけで4万人が非難。電子化が重要になる。こういうときこそ教育でありITが重要。電子教科書でネットワークをつなぐカタチで、人が離れてもつながるカタチを、ぜひお願いしたい。

NTTcom林さん:東北の自治体の方々はデータセンターなどに力を注いで下さっていた。今回の震災でインフラが西に流れてしまった。東北に再びデータセンターが流れるような仕掛けが必要。また自治体クラウド、社会保障などのIT化が政策的に必要。

会津泉さん:仙台市の課長からメールが来ている。心の傷が簡単に使われるが、大きすぎて受け止めきれない状況だとご理解頂きたい。新しい発想で考えていかなければならない。元に戻す復興では、東北は衰退するし、日本も衰退する。東北が日本を生まれ変わらせるというアピールが必要。

佐々木俊尚さん:そもそも、復興をどうするか、というデザインがよく分かっていない。今回の会議の問題は復興のグランドデザインにICTをどうかませるか、という議論。今までできなかった遠隔医療をやりましょう、というのは素晴らしいが、なぜできていなかったのか。聞こえはいいが、今まで全然できてなかった原因を考えるべき。慣習、枠組み、法律が障害だった。これを突破するスキームを持っているのか?

民主党・藤末さん:新しい日本の未来の生活を作るんだ、という大きなテーマを出すべき。例えば医師会の説得。被災地では医者は足りない。緊急でも遠隔医療をやってみせるべき。救急車は半分遠隔医療ができる。そういうことでトライしていきたい。

佐々木俊尚さん:日本には山のように慣習や法律がある。できれば被災地全体を特区にして推し進めて欲しい。実証実験やってIT産業を設けさせる構造にしても何も進まない。スキームを全部ひっくり返して欲しい。

民主党・藤末さん:ICTは利便性に加えて雇用。5年間余震がある中で向上は余震に絶えられない。そこでアプリケーションによるビジネスを作っていくなど、それを含んでICTを考えていきたい。お願いしたいのは役所だけでは知恵が出ない。様々な方々が大学の場などで出してもらい実現していく。

佐々木俊尚さん:復興のグランドデザインに若い人を入れて下さい。お年寄りはいらない。

民主党・高井さん:国の法律は地域の条例でひっくり返せない。一定の手続きで地域の個別の事情で対処できるはず。そうした制度を作るべきかもしれない。ぜひ皆さんも応援団になって頂きたい。

2011年7月14日木曜日

IT復興円卓会議-2 復旧


■Net  IT復興円卓会議-2 復旧
  413日の「IT復興円卓会議」。テーマ2について、これも松村太郎さん(@taromatsumura)がtsudaってくれた内容を軸に再現します。 

中村:2つめのテーマは、これから1年、どう復旧するか。
   まずは被災地やその近くの方に聞いてみたい。

いわきテレワークセンター 会田和子さん:いわきは地震に強い街というイメージだったが、今回の地震は誰も想像していなかった。東京の企業のバックオフィスを、と提案してきた。今回は津波、原発、風評被害、物流停止、農産物出荷停止、水産業もずいぶんやられた。
   原発30km圏内に入っているのではないか、と思われているが、放射線は未だ入ってきていない。しかし30km80kmから待避して欲しいという報道もあった。

   震災発生時、まず社員の安全確認と業務継続を考えていたが、1週間安否確認に取られたが幸い無事だった。業務再開可能かと思われたが、放射線量の問題で在宅ワークも圏外に避難し、働き手がいなくなってしまった。オフィスが安全かどうか私が証明しなければならなくなった。
   TwitterFacebook、テレビもあったが、実際は信用できない、という状況だった。やはり人だ、と。普段からお世話になっている方々にご意見をもらった。やはり鬱のような状況に陥っていると考えて頂きたい。1週間後はできても1年後、10年後まで考えられない。
   411日の震度6がなければ、かなり元気に思っていたが、ここでまたくじけた。うちの市長もくじけて停滞ムード。

横手市Yokotter細谷さん:横手市は人口10万人、少子高齢化先進地域。収入が少なく、パケホーダイも厳しい、PC所持も困難。農業中心の街だが雪害で大打撃を行っている。30年後、秋田の人口は30%減ると見られている。100年後に、何を残したいのか、と考えNPOを立ち上げた。
   Twitterで町おこしをしている。 #yokote は共感を軸とした小社会を形成しつつある。共感と多様性を要する社会になっていくのではないか。全国の街が共有していくことが理想。
   震災時の横手市。市民の要望で携帯充電設備設置、行政・ラジオ・Twitterが連携。横手情報発信が安否情報の補助に。道路情報の提供も行った。リアルにつながった狭い場だからこそ、自分の発言に責任を負いながら情報を受信選択し、発信もする。ローカルメディア=場。
   役に立たなかった物=停電で無線LAN、テレビ、電話、メール、PCTwitterなど。未来に向けて=地方でのWiMAXなどの高速回線、スマートフォンで完結するクラウドベースのサービス、個人に責任が課せられることへの理解、ICT教育、近所づきあいの復活を。

中村:ITの復旧状況はどうなっているのか。

慶應・菊池さん:通信の復旧状況。311日の基地局停波から、47日までに無線、固定ともに9割の復旧。放送は東北六県の半数の中継局が停電のため停波、7%の世帯に影響。受信側の共同アンテナの損壊などが続出。地デジ完全移行を岩手、宮城、福島で延期。

中村:行政府・立法府の対応は。

総務省・谷脇康彦さん:まずは無線端末機器を現地に送ることにした。前年度の残り予算17億円を集め、全体で1600台送った。衛星携帯電話は全体で1160台以上、有効に機能している。ラジオも有効。総務省、メーカーも現地に送っている。衛星インターネットでの活用もしている。
   被災地の地デジ対策、無線も足りていないため、23年度予算を振り替えており、補正予算も組む。地方自治体のイントラネット復旧も補正で。ただ被災地の状況把握ができていない。もう一度復興できるのか、という確認もする。最も地域のニーズにあった予算を考えていく。

民主党・藤末健三さん:立法府では補正予算。もう一つは大きなビジョンで復旧から復興、新生をどうするか、という議論はこれから。個人的に自民・民主で勉強会を作り、管首相に提案していく。

民主党・高井崇志さん:これまでの間、情報がうまく伝わらなかった。最初から「助けあいジャパン」などを整備しておく必要を感じた。政府として、きちんと作っておいて、いつでも立ち上げられるようにしておくことが大切だと思った。

中村:打撃を受けた通信業界は必死の取組。41日、入社式で各社代表がメッセージを発している。NTTドコモ山田社長は、インフラ回復を最優先事項にあげて、新入社員にも被災地に赴くという考えを表明。KDDIの田中社長は、ユーザのライフラインが使えない状況になったことを悔しいとする一方、サービスを絶え間なく届けることが使命だとした。SB孫さんは、技術部門だけでなく社員から志願者を募って被災地に向かい復旧に取り組んでいることを説明。

ソフトバンク嶋聡さん:衛星基地局と発電機をワンセットにしてセットするように、ネットワーク本部以外の社員も入れて活動している。避難所の生の声が届いていて、並みの状況じゃない。民間、政治、行政も一緒にすべき、と考え孫とともに官邸に行った。
   官邸では、西日本で避難民を受け入れようといったりした。避難民の方と我々の思いのズレも明らかになってきた。避難民は近いところに避難したい、という声を宮城県知事から聞いた。心と心をつなぐネットワークインフラにしなければならないとつくづく思った。
   埼玉県に双葉町があるが、古い高校に避難している。また次のところに移転することを考えているが、町長の懸念は市民がバラバラになること。行政情報も届かなくなってしまう。それをつなぐための具体策として電子回覧板をやろうかと考えている。どこに行ってもふるさととつながる。新しい電子行政の姿かも知れない。インフラとして心と心のケアにも力を入れたい。

マイクロソフト伊藤さん:主に4つの被災者支援をしている。MSNでの情報提供、クラウドを活用してつながりにくいウェブサイトのサポート、メールや掲示板での被災者情報共有の支援・被災地パートナーと組んだソリューション提供、被災地の復旧復興支援をしているNPOの支援。
   学びは3つ。クラウドが新サービスの立ち上げ、拡張などに有効である点。村上さんが触れた文科省のモニタリングサイトはMSがサポートして1日でできた。被災地を離れて生活する方の支援もできる。
   2点目。被災者、支援者もITリテラシーにばらつきがあり、ITができる人への負担が集中しないような教育が必要になっている。3つ目は、被災地のIT企業に中心となった現地のICTの確立。雇用の面でも重要。電気の問題。在宅勤務などの働き方の見直しなども可能になるが、抜本的な対策が必要になる。

アマゾン渡辺広美さん:ITネイティブとハイブリッドな話と事例を紹介。地震以降、支援サイトをクラウドでサポートさせて頂いた。短期の話だが、復興、新生に向けてクラウドの活用は当然あると思う。Eコマースの会社なので、音楽や壁紙の購入費用を義援金にするグローバルな活動を行う。
   泥臭い話とITの融合。支援物資の需給ギャップがある。現地と電話で確認し、欲しいモノリストを作り、全国の方から支援を受ける。先ほどチェーンソーが届いた、という写真が届いたが、こういう活動が必要になる。

さとなおさん:助けあいジャパン。僕は阪神の被災者だが、正しい情報が届いていないことが問題だった。ソーシャルだけでは難しいため、政府、NPO/NGO、既存メディアからの情報を総合する場。民に管が情報を提供するカタチにこだわっている。
   集まった情報はAPIで公開している。ボランティア100人が集まり制作・運用。提供先はYahoogoosinsai.infoなど。政府・省庁が出している情報が分かりにくいため、それをまとめてRSS化。ケータイ、翻訳、など100名体制。
   震災の翌日に政府筋に提案して作った。阪神の反省から立ち上げたため、都市の中の物資ニーズを解決しようと思っていたが、広域災害で情報が入ってこないという事態に直面。今は情報を取りに行くことに注力。
   被災者はネットを使っておらず、機材なども活用していなかった。これを整備することなどが反省点。ソーシャルメディアでみんなが当事者意識を持てた点が重要。また現地物産の予約購入などのEC活用、ブランド復興のIT利用などを考えている。
   今後のテーマとして、初動を早くする。海外緊急対応サイトなどを持ち、リテラシーの啓蒙活動などを継続させていかなければならない

多摩大学・会津泉さん:それぞれの方が、自分の主体でベストエフォートをしていて、これが連携に向かっているのが現状。しかしそれで十分か?というのが問題。ズレがあるのは仕方ないのだが、縮める努力をしなければベストにはならない。
   こちらから何かするのはよいが、被災地が主体。こちらはお手伝いする側であって、そういう体制ができていない。我々の中で呼びかけてプロボノプラットホームを作り、誰がどう使っているのか分からない。検証していない。相手の役に立っているのかを検証する仕組みを。
   前へ進めるために、検証・反省の仕組みを作る。被災地に行ってない方は、現地に行って、立ちすくんでみることが大切。ICTであれもこれもできず、課題が増している状況。やることはやるつもりなので誤解のなきよう。ただ基礎を固めていかなければならない。

2011年7月11日月曜日

IT復興円卓会議-1 総括


■Net  IT復興円卓会議-1 総括
  2011413日、慶應義塾大学三田キャンパスで「IT復興円卓会議」を開催しました。地震から1ヶ月、被災地では必死の活動が続いています。情報通信の分野も復旧活動が続けられています。しかしすぐに復興から建設に向かわなければなりません。そこで、政治、政府、産業界、NPO、言論界、学界など50名程度によるラウンドテーブルを開いたものです。ぼくが司会を務めました。
 ニコニコ動画、Ustreamでも生中継してもらい、フジテレビやMXTVのカメラも入りました。ニコ生視聴者は3万人。
 松村太郎さん(@taromatsumura)がtsudaってくれた内容と、ぼくの手元のメモを組み合わせて再現します。4回に分けて。 

 議論を4つに分けました。1.総括:ここまで、2.復旧:これから1年、3.復興:これから十年、4.展望メディアのあり方。
 まず1.総括:ここまでの話について。震災後のメディアの状況はどうだったのか。何が役に立って何が役立たなかったか。阪神淡路の時とは何が変わったのか。

慶應・菊池尚人さん:通信状況は固定移動ともつながらなかった。中継局被災でローカル局も一次放送停止になった。災害報道はテレビ、ラジオ、すべての放送で実施され、地震に関するツイートも非常に増えた中、広島の中学生がNHKUst、その後各局が再配信し、避難所情報などサイトが成立。
 翌日、翌々日は被災地・首都圏で福島原発の水素爆発、食料・水などが品薄になった。通信は基地局のバッテリが切れ普通エリアが拡大。放送は引き続き震災報道。ネットはヤシマ作戦などが展開。
     
佐々木俊尚さん:東京でソーシャルはどうだったか。利用できた=震災当日に自分や家族、友人の安否確認、交通情報など半径数mの情報が取れた。使えなかった=大きなニュースはデマが流れやすく信用できなかった、という総括だった。
  情報流通のためのソーシャルメディアはTwitterしかない、というのが問題。情報のオーソライズができるメディアが普及してこないと、情報インフラとして難しいのではないか。
  現地の支援をしているNPOに話を聞くと、驚くことに、Twitterで情報が流れて確認すると、情報の増幅が見られた。役に立たなかったという話がある一方で、役だったのは、震災当日から数日間、現地から流れるTwitterの情報は茨城、福島、宮城がほとんど。
  岩手の人たちが安全、もしくは被災地で情報途絶していると言うことが分かり、そこに人や物資を集中させることができた。三陸でネットに使えない方々がたくさんいる。東京のTwitter情報は伝わらないし、アナログの人たちに伝わらない。ここが重要な論点だ。

中村:テレビ・ラジオはどうだったのか。
 
NHK鈴木祐司さん:被災地にいる人たちも含む日本全体でメディアがどうだったか。被災当時多くの方々は外にいて、特徴的な使われ方だった。発生前はPCとケータイが中心。直後はNHKと民放が6割いたがPCとケータイの比率も高まっている。
  週末はテレビで全体の状況を見ようという方が多かった。我々の放送もネット経由で流れていたが、マスではテレビ。2週間後、時間がたつとともに、詳細な情報を求めてネットの比率が高まった。ポータル経由、あるいはソーシャルメディア経由の比率が高まったのがここ10年の変化。
  情報そのものがマスメディアに集まっていて、ここから多用な流れ方をすればもっと便利になるのではないか。

TBS井川泉さん:緊急地震速報はローカルで出るが、その瞬間CSは特番に入り、地上波も特番に。震災関連は2週間で205時間45分放送した。17日午前5時まで特番体制、それ以降もニュースを流した。CSも地上波より先に特番体制。CS→地上波のサイマルも行った。
  Ustreamでの再配信も行った。どんなカタチでも放送を伝えるべきだ、ということで踏み切った。被災地の状況の取材の結果も、ネットに出して消息情報がつかめるようにした。人と人をつなぐことに留意して報道してきた。

NTV田村和人さん:緊急地震速報、ワンセグが役だった。画面作りとしてL字画面にしたが、これは各局で作っていて、被災地への情報として有効だった。また地デジのデータ放送も各局制作。各放送局がテキスト入力で情報を伝えられた。この10年間で変わったことはこういった点。

フジテレビ福原伸治さん:テレビとネットの関係が変わった。ニコ動で報道特別番組を流したが、ニワンゴ杉本さんにお願いした。コメントについてもONにした。現場発信で変えていった。その後社内的にもネットとやるのは面白い、ということになり、今後の変化のきっかけに。
  取材過程で安否情報を伝えるため、切り取ってメッセージをネットに載せ、情報番組に載せる、というやり方にした。体質もあったのかも知れないが、今まで考えられなかったネットとテレビの関係ができた。

中村:今回、ネット中継が活躍した。今日もニコ動、Ust両方で中継。

ニワンゴ杉本さん:震災当日から許諾を頂いてテレビを再配信している。NHK総合、フジが311日から。NHK World14日〜25日まで。TBSニュースバード、茨城放送、東北放送などそれぞれ配信させて頂いた。いろいろなソースが合ってこそのソーシャル構築。
  そのほか、東京電力、原子力安全保安員、官邸、各種大臣の会見もすべてフルで中継し320を超えている。テレビ+会見のソース、先週から現地入りをして現地からのレポートを行っている。また討論系も含め30番組。大いに議論し、情報の把握と整理をして頂くことを心がけた。

Ust中川さん:地震の発生後、33分から中学生によるNHKの海賊配信が始まった。通常、再配信はセンターで殺すのだが、今回は独断で、まずNHKに問い合わせた。同時接続が数万になっていたので公式にやってもらいたい、とお願いした。裏でNHK経営陣の同意も取り、再配信を許可。
  311日中に他チャンネルも再配信。私宛にTwitterで、マス情報が当初必要だが、局所的に被災地の情報が必要で、そこに力を入れて欲しい、という意見。地方局にお声がけをし、栃木、茨城、岩手のテレビラジオの情報も出るようになった。
  2週間でまとめたデータでは、Ust総視聴回数は311日から2週間、6800万回、視聴人数は13チャンネルのユニーク数の合計4200万。コメント数は2週間で100万回だった。

電通関西三浦さん:私も阪神の被災者。1つは情報、1つは音楽で癒された、というのがラジオの機能。Radicoはエリア制限を解除。関西の放送局に普段のリクエストの45倍が集まり、ラジオの機能は大きかった。
  通信各社にお願いしたいのは避難所や仮設住宅にWi-Fiを整備し、タブレットなども配布して、情報の充実を。

野村総研・村上さん:阪神のボランティア活動が印象的だったが、今回はプロボノ活動が重要だった。sinsai.info、助け合いジャパン、原発関連は重要だった。また放射線情報、寄付サイト、佐々木俊尚氏の震災情報のキュレーションなど。
  文部科学省の放射線量の定期発信で国民が個人としてリスクを判断できる環境が創発された。またホンダの自動車、通行実績マップは復旧情報を明らかにした。また現地からの経験の発信を直接見られた。またTwitterのデマ情報をGoogle出突き止められるという記事も。

2011年7月7日木曜日

武雄市MY図書館


■YouGo 武雄市MY図書館
  佐賀県武雄市は、図書館が遠くて行けない方や、子育てのため行けない方、障がいのある方など、全ての市民に等しく図書館の図書に親しむ機会を提供するため、iPadを活用した電子図書館サービス「武雄市MY図書館」を、2011年4月13日に開始しました。iPad用図書館アプリを用いて、図書館に行かなくても自分のiPadで図書を借りることができる全国初のサービスであり、実証実験として行うものです。
 この構想を記者発表するため、菊池尚人さんと武雄にでかけてきました。記者会見は「がばい」樋渡市長と、アプリを開発したコアラの小野社長の4名で。
 以下、その発表内容です。
 
■特長
 ○iPad用図書館アプリを開発、自分のiPadで図書が借りられる。
 ○iPadを持っていない方のために、図書館でiPadを貸出し。
 ○複製防止、検索可能、今までに借りた履歴の閲覧などのデジタル仕様

■利用できる方
  佐賀県内在住者、武雄市に通勤・通学する方で、武雄市図書館・歴史資料館の図書利用カードをお持ちの方(現行と同じ範囲)。ただし、1,000名を上限とする。

■貸出冊数等
  5冊まで15日間貸出し可能

■今後の展開
 ○当初は、武雄市が著作権を有する図書から配信開始。
○市が著作権を有する図書や著作権保護期間が経過した著作物から配信。
著作者の了解により、デジタルデータの利用が可能な図書を配信。
今年度中に100冊への増加を計画。
iPadからAndroidPCへの展開も図る。
35年で10万冊に増やしたい。
○障害者に対するデジタル図書館サービスを整えるため、既存図書のデジタルデータ化を実施。
○将来の公立図書館のあり方を検討するため、上記でデジタル化されたデータを用いた実証実験を実施。
○武雄市図書館デジタル化推進協議会を大学等と連携して設置。

  ということで、この図書館構想はKMDと提携して進めていきます。技術面・制度面で協力するとともに、こどもが絵本や感想文を書くワークショップを開催して配信コンテンツを増やすことも検討します。
  ぼくが名誉館長に就き、菊池さんが副館長に就任しました。
  館長は初めてですな。班長、団長、係長、局長、所長、理事長、委員長、議長、社長、会長の経験はあるけど課長と組長の経験はまだありません。

2011年7月3日日曜日

デジタルサイネージジャパン2011


■Net デジタルサイネージジャパン2011

デジタルサイネージジャパン2011
恒例イベントが201168-10日の3日間、幕張で開かれました。
震災後のどんよりしたムードを振り払う賑わいでした。昨年とほぼ同じ、13万人の人出。海外からの参加が少ないことを差し引けば、ずいぶん多かったとも言えます。
そして、電子看板、広告メディアとして発達してきたサイネージは今回、またも大きく姿を変えて現れてきました。
1. ネットワーク系
 ブロードバンドや地デジとつながって、オフィスや家の中にもマルチデバイス。
 スタンドアロンからネットワークメディアへ。
2. 役立つ系
 災害情報を表示したり、学校や病院でも働いたり。
 広告メディアから働くメディアへ。
3. ソーシャル系
 ソーシャルサービスと連携したり、かんたんにコンテンツが作れたり。
 プロのコンテンツからみんなのコンテンツへ。

事例を紹介しましょう。

1. ネットワーク系
・ストリートメディア。コンテンツを地デジの電波を使ってサイネージに配信するモデル。端末側で蓄積、表示。既に620か所に展開しているそうです。




 




楽縁。ガクブチと読みます。タブレットやフォトフレームにwifi,3G,4G,放送波でコンテンツ配信。美人時計や江頭2:50時計など。KMD学生が起業したベンチャーで、ぼくも取締役なのです。




 




SCALA+日立はクラウド型の提案。マルチディスプレイ+クラウド=サイネージ。今年この傾向がハッキリしてきました。







NTTのひかりサイネージ。家の中にもサイネージ--これからの本命です。ブロードバンドが普及した日本先行型のサイネージ。








2. 役立つ系

ALPHA JAPANは自治体向け屋外サイネージ。防災情報を表示。簡易コンテンツ作成ツールを提案。かんたんコンテンツは大事なポイントです。







PDC。太陽電池サイネージ。自立しております。途上国から引き合いがありそう。災害時だけでなく。







DNP、大学サイネージの提案。今回は大学、病院、行政、オフィス向けサイネージ提案も目立ちました。








・凸版印刷。病院内の放映システム。









3. ソーシャル系

・フジイメージテック。官邸災害情報twitterの公共情報表示システムなどソーシャルメディア+サイネージのモデル。







いろいろと面白いシステムの提案もありました。

・セガ「トイレッツ」商品化! おしっこの量を競う日本型サイネージ。YouTube動画が海外含め80万回再生されたとかで、海外進出も近い!?









・シャープのディスプレイは気合いが入っています。








DNP16面ディスプレイ。ウェザーニュースのコンテンツが実にマッチ。







DNPの電子ペーパー サイネージ。モノクロとカラー。省エネには3Dよりコッチかな。







・凸版印刷。ARでのサイネージ表示。








ちょっとそそるサイネージ。 

INTEL-ALSOKのロボットサイネージ。歩くサイネージです。