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2019年12月30日月曜日

愛知県の巨大インキュベーション構想、始動。

■愛知県の巨大インキュベーション構想、始動。
「ステーションAiプロジェクト推進協議会」が愛知県庁にて開催されました。
巨大なインキュベーション施設を作り、モノづくりデジタルのスタートアップ・エコシステムを築く産学官コミュニティのキックオフ。
大村秀章知事のイニシアティブで始まりました。
ぼくはCiP協議会の立場で参画致します。

「ステーションAi」なる施設が目指すのは、愛知県の強みであるモノづくり技術と、スタートアップとを融合させることでイノベーションを起こしていくこと。そして更なるスタートアップ企業を誘引するインセンティブを起こし、エコシステムを根付かせることです。

そこで、企業、大学、行政など関係者が方向を合わせ、スタートアップの創出や誘致を支援する政策もパッケージ化することとしています。
特にクルマなど愛知県に集積するモノづくり産業と、デジタルとをかけ合わせた領域に注力します。


ステーションAiの建設地は名古屋市の鶴舞公園脇、元県勤労会館跡地7300㎡。オープンは2021年度中(2022春)の予定です。
コワーキング、オフィス、イベント、セミナー、宿泊、カフェ・レストランなどを収容する数階建ての場所になります。
日本最大、いや世界有数のインキュベーション施設となります。

ステーションAiを中核としつつ、医療・健康、コンテンツ、スポーツ、食品など愛知県内の他のサテライト支援拠点をつなぎ、拠点間の連携も図る。東京・竹芝のCiPはじめ、他都市との連携も視野に入ります。


中心プレイヤーとして参加しているのは、企業からはトヨタ、デンソー、アイシン精機、ソフトバンク、吉本興業、三菱UFJ銀行。大学は名古屋大学、名古屋工業大学、慶應義塾大学。経済団体としてCiP協議会ら。アイシン、ソフトバンク、吉本はCiPのメンバーでもあります。


特筆すべきは海外ネットワーク。既に知事が率先して海外の重要プレイヤーを巻き込んでいます。
シンガポール国立大学、清華大学、フランスIMTとは既にMOUを締結し、テキサス大学オースティン校、上海交通大学、浙江大学、仏INSEADとも協議中。
産学連携の起業支援コミュニティとしては最強の布陣です。

大村知事「世界は勝者総取りが続いている。モノづくりにデジタルをからませ、集積が集積を呼んで、スタートアップの集まるエコシステムを作る。パリのインキュベーション施設Station Fにならった構想で、そことも組む。」勇壮です。

ぼくのあいさつ「CiPは東京にテックとポップが集積する特区を作る産官学の構想で、来年の街開きに向け60社のコミュニティで進めています。東京が得意なITやエンタメが中心となって進めているが、愛知県はクルマ、ロボット、宇宙という東京にはない大きな魅力が集積。お役に立てれば。」

「中核となる産学官のプレイヤーが揃い、海外のネットワークがあり、場所が用意されていて、呼び水としての公的予算もあって、首長の熱意がハンパない。これだけ揃ったプロジェクトは見たことがありません。問題は、そのコミュニティの活性化。そこに力を入れたい。」

東京で立ち上げるテック・ポップ拠点CiPを愛知県で横展開するモデルです。
2020東京、2022名古屋、そして2025大阪万博と大型プロジェクトが立ち上がってまいります。
京都や福岡でも新しいインキュベーション構想が動いています。
これらの拠点を結ぶ列島構想を描きたい。
よろしくどうぞ。

2019年12月23日月曜日

京都国際映画祭2019、にぎやかに。

■京都国際映画祭2019、にぎやかに。

京都国際映画祭2019。第6回の開催。
今年も西本願寺南能楽堂でオープンしました。
祗園甲部の芸妓さんたちによる「ありゃありゃありゃありゃ」の手打ちで始まりました。
「七福神」「花づくし」の2曲。
4日間で  会場に約20万人がご来場。
約 人のアーティストが参加し、映画上映 本、 のアート作品展示などが実施されました。


三船敏郎賞は中井貴一さん。
牧野省三賞は故・津川雅彦さん。
津川さんの生前に授与を打診した際には、牧野さんの孫で身内だからと固辞された。
今回は牧野省三没後90年、津川さんも一周忌。そこで津川さんの長女の真由子さんが受賞することにしたそうです。


「京都国際映画祭2019 西本願寺 南能楽堂にてオープニングセレモニーを開催!!」



実行委員長としてごあいさついたしました。
映画祭のようで映画祭でない。
アート展のようでアート展でない。
それは何かとたずねたら 京都国際映画祭。
千年の文化が息づきながら、映画・ゲーム・アニメ、ポップカルチャーを創り続ける街。
観光人気ランキングで世界トップを競い続け、ノーベル賞学者を生み続け、文化庁が置かれる都市。
京都を愛するみんながつながって、映画もアートもその他もぜんぶ、「ぜんぶ」を楽しみ、創り、発信します。


今年のポスター。お風呂屋さんの壁に描かれた時代劇。
あの少年は、半世紀前の、昭和のぼくです。
大文字山のふもとの銭湯に毎日通っていました。
おとうちゃん、映画っておもしろいんか?「ものによるなぁ」
これもアート?「いろいろあるねん」


平成が過ぎて、令和の時代の子も、
目を輝かせてくれるよう、「いろいろあるねん」素敵なものをみなさんと共有できればと存じます。
ラグビーで世界中のみなさんが日本を訪れたはります。
期間中、京都で盛大におもてなししましょう。どうぞよろしゅうに お願い申し上げます。
(今年のアンバサダーは浅田美代子さん。)


映画は「牧野省三没後90年企画」。牧野総指揮、阪妻主演、伝説の無声映画「雄呂血」を、81歳の井上陽一さんの活弁で上映しました。
そして、釜ヶ崎の現実を映し、修正指示を拒否、助成金を返還した問題作『解放区』も。
表現の不自由を巡り議論がある中、上映の是非も議論となりましたが、断固上映!


「修正指示を拒否し助成金を返還 釜ヶ崎の現実を映す『解放区』監督の信念」


アートは元・淳風小学校、岡崎公園はじめあちこちで開催。
アーティストのみなさん、まいど、おおきに。


芸人さんの作品も多数。
芸人のみなさん、まいど、おおきに。
(たくろう赤木さんのと、もう中学生さんのと。)


ひょっこりはんとのWSも開催しました。


「元淳風小学校ホワイエにて「ひょっこりはんと一緒に京都で『ひょっこりほん』をつくろう」開催!」


アートの目玉は「プロレスdeアート」。
大日本プロレス、アクトレスガールズなどの6試合を行うとともに、虐待・いじめ撲滅や自然環境破壊を訴える選手の方々とのトークも。精神性や死生感も含めコンセプトを表現したい、というおかけんたさんらしいプロデュース。


なんでプロレスやねん。
思うかしれませんれど、戦後間もなくは吉本興業が力道山のプロレス興行を手がけてまして、関西の年配のファンはよう覚えたはりますねん。
(真ん中のブッチャーのパンツはいらんけど右のマスカラスの衣装は欲しい)


昨年からパワーアップした「ワークショップコレクション」を開催しました@イオンモール五条。
こまどりアニメづくり、お絵かきロボットづくり、デジタルえほんなど、CANVAS鉄板ワークショップ。
キャパオーバーのお越しをたまわり、感謝+恐縮です。


もりやすバンバンビガロさんの「誰でも簡単トランプマジック」は、大阪でもやってもろたやーつ。
おおきに。
「大阪でワークショップコレクションやで!」


天竺鼠のワークショップ!
ナスビくんと一緒にぬりえ体験。
なんというぜいたくな体験!
「芸能人会うのはじめてや~」
言うて写真撮ってんとワークショップやりや~


「作って、楽しく学べるワークショップで天竺鼠が先生に!
「CANVASワークショップコレクションin京都国際映画祭」開催」


かまいたちのワークショップ!
おきがえコレクションをつくろう!
なんというぜいたくな体験!
一生、自慢できるでキミ。
大変な人気に、よしもとスタッフが
「かまいたち人気出るなぁ」
いやいや、もう出てますて。


クロージングのごあいさつ。
「映画もアートもその他もぜんぶ。京都の街、東西南北ぜんぶ使てみんなでつくる世界的にもユニークな映画祭。6回目の開催。1年生が6年生になりました。」


「映画関係者のみなさま、アート関係者のみなさま、その他の出展者のみなさま、おおきにありがとうございます。京都市・京都府・文化庁はじめ行政のみなさま、京都新聞・KBS京都はじめメディアのみなさま、おおきにありがとうございます。」

「西本願寺、岡崎公園、淳風小学校、イオンモール、大江能楽堂、京都タワーはじめ場所を使わせてくださったみなさま、おおきにありがとうございます。」


「映画祭に起こしいただいた、おとうさんおかあさんおじいさんおばあさん学生さん子どもたち、みなさんどうもおおきにありがとうございます。
 また来年、よろしゅうに。」


(期間中、吉本興業が協力企業となって開学する大学「iU」、You & Iで「キミたちがいてボクがいる」:元祖チャーリー浜師匠を、みなさんにやってもらいました。その映像は順次、公開します。)



参考:前回までのぼくのブログ
■京都国際映画祭2018

■京都国際映画祭2017 前編

■京都国際映画祭2017 後編

■京都国際映画祭2016

2019年12月16日月曜日

CEATEC 2019が示すIoT時代の協業

■CEATEC 2019が示すIoT時代の協業

「CEATEC JAPAN 2019」@幕張メッセ。
20周年、おめでとうございます。
出展社数は昨年より62多い787。
「家電」展からIoT展へと舵を切って4年目。
元気。賑やか。そして、面白い。


2009-10年はマルチ端末の3D、11-12年はスマート化、
13-14年はクルマに軸が置かれていました。
2015年にIoTが台頭し、2016年には「脱家電」を宣言しました。
昨年は「Society5.0」を標榜し、IoT、ロボット、AIに軸を移しました。
NECが空を飛ぶ。

もう家電、ケータイ、大型ディスプレイは脇役。
タクシー、自動運転バス、ロボット、テレイグ、都市開発、トイレ。
金融、物流、流通、観光、建設など産業界全体にわたる参加が見られます。
ITの提供側から利用側へ、技術の提案からサービスの実装へ。
そして、IoTやAIが提案から実装へとステージが移ったことが実感できます。

昨年までのぼくの観測はこちらに。
「CEATEC2018」

「CEATEC2017」

もちろんNTTは5G押し。
4Kでも3-4画面を同時にスイッチして見られる。
開催中のラグビーW杯はわかりやすいアプリケーション。
eスポーツでどう使うといいですかね。
(武田双雲さんがNTT出身だと教えてもらってびっくり。)

富士通はローカル5G押し。
通信キャリアではなく、企業や自治体が限定的なエリアで5Gネットワークを展開する。
工場や倉庫などで機械の稼働や職員の移動などのデータを瞬時に共有・流通させるソリューションを構築します。
いよいよ、5G元年。

昨年シャープは8K押しでしたが、今年は他社と連携する「COCORO LIFEサービス」を強調。
調理家電「ヘルシオ」とクックパッドのIoT向けプラットフォーム「オイシー」が連携して、調理時間や設定温度をレシピに反映して家庭ごとの好みを記録します。
今回はそうした異種協業が目立ちました。

日立はソニーと協業。日立の家電とイヌ型ロボットaiboが連携しています。
冷蔵庫の扉が開きっぱなし。洗濯が終わった。
そんなことをaiboが知らせてくれる。
スマートスピーカーとはちょっと違う家事の楽しみ方。
ほかにもいろんな協業が見られます。

そのソニーは6年ぶりに復帰。だけどテレビなど家電はありません。
テーマは「メディカル/ライフサイエンス」。
手術用の映像システム、内視鏡やX線装置などをつなぐネットワークといった医療分野に特化したテクノロジーを紹介しています。びっくり。
パナソニックは初めてブースの出展を見送りましたし。

協業といえば、ファナックが昨年、シスコ、NTTなど7社を主要メンバーとして製造現場をスマート化する「FIELD system」を進めると発表していましたが、いま見てみたらたくさんのパートナー企業が参加していますね。

村田製作所はハプティクス(触覚)とホログラムとを使って空間に画像と触覚を出現させる協業デモ。
超音波を集中させて空間に触覚を発現させる技術はムラタ、そしてレーザーで空間に画像を表現するホログラムは凸版印刷の技術。ハードとソフトの企業連携です。

同じく京都企業の京セラはAI認識カメラを使って歩行者を認識して人を避けるデモや、人の位置とポージングを検出して音と光で体感できるデモを行っていました。
カメラやセンシングによるIoT+AIの表現。

ANAが分身ロボットのサービスを開始すると発表しました。
この種のテレイグ系ロボットは以前からあって、ぼくも遠隔授業やイベントなどで使ってきました。今回のANAは、移動体験というコンセプトと1千体という規模の目新しさかな。
竹芝CiPやiUもアバターのロボがたくさん働く場所にしたいです。

建設や都市開発がソサエティー5.0タウンを見据えたプレゼンスが目立ちました。
清水建設は豊洲地区、大成建設は西新宿、竹中工務店はメルセデス・ベンツとの協業、大林組はIoT・AIプラットフォーム。

昨年IoT押しだったバンダイは、教材のアーテックと協業してSTEM教材を開発しています。
ブロックプログラミング言語で簡単にプログラミングしてロボットカー対戦。
中学生以上向けに、モビルスーツ開発を体感しながらロボティクスの基礎やプログラミングの概念を学ぶSTEM学習コースも提供するとか。

VAIOです。PCじゃなくて、ロボットです。
ロボット・IoT 製品開発を実現するプラットフォームを提供し、講談社+手塚プロとの「ATOM」、バンダイの「ガンシェルジュ ハロ」などの実績を提示します。
おもちゃやぬいぐるみにVAIOのハードを組み込めば会話ロボになるというしろもの。

ロボットで異彩を放つのが三菱地所。
自動運搬ロボット、警備ロボット、AI清掃ロボット。
ロボットが実際に活躍する様子を見せることで、今後の街造りの形を示す。
竹芝CiPもたくさんのロボットが働く街にしたく、実証を繰り返しています。

もう一つの異彩がLIXIL。ウンコAI。
便器の内部にセンサーカメラを搭載、排便のタイミングや形、大きさを自動判別して集計する。職員が排便記録を手動で記録している高齢者施設での利用を想定。
社内に4台設置し半年かけて3000枚の教師データを集めたそうです。
人の仕事を奪うAI。
奪ってほしいよね。

ソフトバンクが所有する仏ナビヤ社製「ナビヤ・アルマ」は運転席や前後の区別がない11人乗り。
時速18キロで幕張メッセ周辺の公道約1.5キロを15分ほどかけて走る。
赤信号で自動的に止まったり青信号で発進したりする。
TDKが協賛しています。

DeNAが初出展。
AIとビッグデータで乗客をみつけやすくしたり、需給予測をしたりして、「働き方改革タクシー」を提唱しています。
配車アプリMOVを軸にしたタクシーのEV化、使用済みバッテリーの再利用など社会の電動化を加速させる構想も。

一番ぼくが時間を使ったのが情報通信研究機構NICT。
昨年は5G、AI、IoT押しでした。
今年まず説明を聞いたのが量子暗号。
ゲノム情報や生体認証データなど高度に秘匿すべき個人情報に使われるものです。
NECとは顔認証システムで連携、東芝とは医療分野への社会実装に取り組んでいるとのこと。

NICTも連携が目立ちます。
小型衛星・小型ロケット用セキュア通信技術。
「インターステラテクノロジズと連携して宇宙で実証中です。」
ホリエモンロケットですか!
プライバシー保護ディープラーニング。
「エルテスと連携して金融機関とともに精度を向上しています。」
エルテス!
馴染み深いです!

工場の無線環境を整備して安定した現場IoT化を推進するNICTのFlexible Factory Project。
参加者は、オムロン、ATR、NEC,富士通、ムラタ、シーメンス、IIJ、パナソニック、ドコモ、トヨタ、デンソー・・・え、スゴい協業力。
来てますね、NICT。


協業、連携が誇示されたCEATEC。
来年はその成果が現れるかな?

2019年12月12日木曜日

国体でeスポーツ!

■国体でeスポーツ!

国体初のeスポーツ大会。
全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019IBARAKI@つくば市。
eFootballウイニングイレブン2020、GRAN TURISMO SPORT、ぷよぷよeスポーツの3種目が開催されました。


主催は茨城国体実行委員会、日本サッカー協会、日本eスポーツ連合JeSU。
2019年3月から都道府県代表の座をかけた予選が各地で開催され、参加総数は15000人に上りました。
この日も3種目いずれも大変な賑わいでした。

ウイニングイレブン、通称ウイイレ。
1995年に誕生して以来20年以上の歴史。
48チームでのグループリーグを突破した16チームによって行われる決勝トーナメント。
複数の試合が同時進行する会場、あちこちから大歓声!少年の部では長崎県代表を破って青森県代表が優勝しました。

昨年のアジア競技大会で公開競技に採用されたeスポーツでは、ウイイレで日本代表のSOFIA(杉村直紀)選手とLeva(相原翼)選手が金メダルを獲得したのは記憶に新しい。
オープンの部決勝は茨城県第1代表と第2代表の茨城決戦となり、Leva相原翼さんを擁する第2代表が4-3で国体の初代王者に輝きました。

GRAN TURISMO。
国際自動車連盟FIAと提携してモータースポーツを進化させています。
少年の部と一般の部が開催されました。
一般の部は都道府県ごとに代表選手2名1組のチーム戦で、鈴鹿サーキットを10周します。

少年の部は愛知県代表の水野航希さん(17)が優勝。
一般の部は栃木県代表の山中智瑛さん・高橋拓也さんのチームが優勝しました。

パズルゲームの王道、ぷよぷよ。
小学生の部と一般の部。
一般の部は代表選手48名を地方8ブロック各6名に分けリーグ戦。
ビックリするほどの盛り上がり!
小学生の部は九州・沖縄ブロック代表6年生のこいし♪さんが優勝。
プロになりたいそうです!

同じ色を4つくっつけてぷよを消す。
簡単ルールでシンプル操作。
というふれこみですが、プロたちのバトルは戦略、観察眼、反射神経すさまじく、見ていても進行を理解するのがやっと。
スゲー!


国体での開催はeスポーツの発展に弾みがつきます。
関係者・参加者のみなさま、おつかれさまでした!