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2022年4月25日月曜日

BSよしもと=すみだメディアラボ オープン!

■BSよしもと=すみだメディアラボ オープン! 


2022年3月、iU映像スタジオ「すみだメディアラボ」がオープン。

BSよしもと」と連携して運営します。

大規模撮影+配信スタジオでBS番組はじめ映像作品を制作、放映・配信。

大学をメディア化します。

墨田区とも連携し、イベントも展開していきます。



「すみだメディアラボ」はiUの経営母体である電子学園が教育研究拠点として整備するもので、教育研究、産学連携、社会連携、地域貢献の拠点として活用します。

BSよしもとをパートナーとして、施設の管理運営および活用を共同で行います。





BSよしもと」は321日に開局。

「地方創生」をコンセプトに、全国住みます芸人や各地で活動するYouTuber、映像ディレクター、記者、住民の方々が登場して、地域の魅力や地方ニュースなど「地域の活性化や課題解決のヒント」となるプログラムを発信します。 




そして全国放送網を通じて、番組が新たなビジネスや雇用を生み、ひとつの事業となる「一番組一起業」を目的としたチャンネル作りを目指しています。

「全員起業のiUをパクった。」よしもと大崎会長はおっしゃいます。

CM依存ではない、ビジネスを生む放送局。チャレンジです。







番組は平日の朝から夜までの生放送が中心。

全国の住みます芸人が登場し、ローカルのニュース・文化・人物を紹介する情報番組、ニッポンの真実に迫るニュースショーなどのほか、過去のアーカイブ映像から数々の名人芸も放映するとのこと。



BSよしもとは、吉本興業が主要株主ですが、UUUMJストリーム、トランスコスモス、ミクシィが資本参画するデジタル連合体でもあります。

放送・通信融合を超える、バーチャル+リアルのデータ駆動型サービスが目指されます。



iUはこの拠点を教育・研究に最大活用します。

1.クリエイティブ教育

2.大学メディア

3.地域連携拠点

として。




1.
クリエイティブ教育に活かします。

学生が映像制作や配信に携わるとともに、地方創生に関わる起業のツールとします。

iUの研究所「B Lab」も融合させ、産学連携の共同研究を発信する場としても活用します。



2. 大学メディアを作ります。

WebYouTubetwitterfacebook、インスタ、tiktok・・。

iUは既に各種メディアで発信を進めていますが、自前スタジオとBS局を備え、リアルな拠点も整備することで、「大学がメディアになる」モデルを示したいと考えています。



少年ナイフはアメリカの大学FMラジオ局によるカレッジチャートで首位をとったことが世界で有名になったきっかけ。大学の放送局は重要です。

FM東京は東海大学が作った局です。radikoは慶應のぼくの研究室が起こしたプロジェクトです。日本ではその他に大学発メディアってまだないですよね。




3. 地域連携拠点とします。

スタジオは大学の敷地内にあり、隣には広大な芝生の空き地も備えています。

周囲には塀を作らず、誰でも入れるオープンな区域にしています。

千葉大学の建築デザイン学科も隣接していて、混じります。

その全体を使い、フェスやマルシェなどのイベントも仕掛けていきたい。



赤坂サカス、お台場、六本木ヒルズ、汐留。

テレビ局がコアになって街のにぎわいを創出するのって日本の特徴でもあるんですよね。

墨田にもそんな空間を、大学と一体となって作りたい。




教育の場としてのiU、研究所B Lab、そしてメディア「Media Lab」。

ぼくが作りたかった3つのピースが揃ってきました。

教育・研究、制作・発信。

3年めを迎えるiU、トップギア。



  開局式の記念ショット、吉本興業 大崎会長が撮ってくれました。

2022年4月11日月曜日

ジェン・ペリー「Raincoats」。

ジェン・ペリー「Raincoats」。


女性バンドの1979年の英国デビュー盤について書かれた4年前の著書が21年末に邦訳が出版されました。

PiLと並びぼくが崇敬する、これぞパンク。

YouTubeでフルアルバムを聴くことができるので、1曲目だけでもお試しください。

https://www.youtube.com/watch?v=pQlX3jgAbvc






Go Punk。ぼくのテーマです。

ぼくは「パンク」を「こわしてつくる」と定義しています。

歴史、伝統、系譜を転覆させ、新しいものを作ること。

様式、ファッション、正当、常識を破壊して、そのうえで、新しく作ること。


ひっくり返して作ったものが様式化しファッション化したらパンクでなくなり、パンクされる対象となります。

だからパンクは継続が難しい。

パンク後に生まれたパンク音楽は演歌であり、パンクファッションは制服です。

レインコーツは81年の2枚めまでがパンク。PiLも2枚めまでです。それで十分です。


レインコーツ。ドラム、ギター、ベース、バイオリン、ヴォーカル。

それぞれが気ままに独立し、シンクロする。

あやうく繊細、ふと強烈に叩き、叫ぶ。 

一人が疾走し一人が緩め、不協和音を奏で、一体感をなす。

奇跡的に成り立っています。


飾り気のない普段着で、音はむき身のすっ裸。

いびつな非線形でストレートに魂を乗せる。

アート気取りとは裏腹の、野生で、ミニマル。

だから型通りのロックファンや評論家からは酷評を受ける。

これぞパンク。


アウトサイドの独創で、孤高にいる。

とはいえ頂にそびえるわけでもなく、難解でもなく、大衆的。

芳醇な世界の片隅に光るかけがえのない存在とでもいいますか。

アンリ・ルソーの絵、つげ忠男のマンガ、樋口一葉の小説、パゾリーニの映画。

となぞらえれば伝わるでしょうか?





ギター(アナ・ダ・シルヴァ)はポルトガル・マデイラ島。

ベース(ジーナ・バーチ)はスペイン・アンダルシア。

ドラム(パーチリーヴ)はイギリス・ノッティンガム。

バイオリン(ヴィッキー・アスピノル)南アフリカ。

田舎者の女子が奏でる政治性に興味はないが、生まれた音楽は白くユニバーサル。






女性だけの表現は79年の1枚めだけで、81年の2枚めからはドラムに男性が入って性格が変わります。

その間の80年、PiLのジョン・ライドンは「ロックンロールは終わった。レインコーツ以外は。」と言います。

PiLとレインコーツは同時期、ロンドンで暴れていた。

ぼくもそのロンドンの空気を吸いました。




この本は自分の青年期を映す鏡でもあります。

伊右衛門の福寿園・福井社長が会長だった京都・山城ライオンズクラブによる施策に手を上げ、英国に短期留学したのが81年。

ロイヤルウェディングに沸きつつ英国病で荒れるロンドンの光と影、ウォークマン一号機でPiLやレインコーツ聞きながら歩きました。






戻ったその冬に結成されたのが少年ナイフ。

ニルヴァーナのカート・コバーンは、少年ナイフとレインコーツを愛しました。

92年、ニルヴァーナと少年ナイフは全英ツアーを行います。

同年、レインコーツとも全英ツアーを行う予定でした。

始まる1週間前にカート・コバーンはショットガン自殺しました。



81年の夏、ロンドンでぼくは本書が語る「ラフ・トレード」のシングル・レコードを買いあさりました。

キャバレー・ヴォルテール、ペルウブ、クリネックス、ポップグループ、ヤング・マーブル・ジャイアンツ、スリッツ。

そしてレインコーツのコンビのように扱われているスクリッティ・ポリッティ。




スクリッティ・ポリッティは80年代、ポップでリズミカルな人気バンドになりましたが、79年のシングルのみがパンクだったバンドです。

当時の16mmフィルムがYouTube上に残っています。

映像に登場する2枚のシングル、買いました。宝物です。

https://www.youtube.com/watch?v=fn4HC2Dfm_k




こんな40年前の自分語りをさせるのは、あのころを上回る音楽の衝撃がないからです。

オルタナ、グランジ、ヒップホップ。J-POPK-POP

あれ以降、ロックも進化しているのに、ぼくは79-81年の瞬間冷凍のまんま。

当時の強すぎるくさびを多感な時期に浴びたのは、幸福なのかもしれません。


レインコーツなるパンクが40周年を経て見直される。いまなぜこの本なのか。

ぼくのような同時代もんが歳をとり、断末魔のときをあげているのでしょうか。

パンクはロックが創世記から3-40年たち表現が煮詰まって生まれました。

それ以来、40年を経てまた煮詰まっているのですかね。それゆえの再評価ですかね。


ところでぼくは、少年ナイフにしろ、「きょうの猫村さん」ほしよりこさんにしろ、女性パンクに肩入れするクセがあります。

近頃では「Dr.ハインリッヒ」さん。

女性性へのこだわりはないけれど、純粋な孤高さがくっきりするからでしょうか。

こわしてつくる女性たち。

どんどん生まれ出てほしい。




2022年4月4日月曜日

マット・アルト著「新ジャポニズム産業史」。

マット・アルト著「新ジャポニズム産業史」。



ブリキ玩具、アニメ、カラオケ、ハローキティ、ウォークマン、女子高生文化、オタク、ファミコン・ゲームボーイ、2ちゃんねる。

敗戦から復興、高度成長、バブル、停滞、現在に至る日本文化産業史。

2021年に出会った一番の書です。


ダグラス・マグレイ氏がGross National Coolを著し、クールジャパン論を巻き起こしたのが2002年。20年前です。

当時、日本はクールだった。政府は冷淡・否定的だったが、世界に普及・定着した。

本書は、日本はより成熟したカリスマにシフトした、GNCCが変わったと説きます。

 

「日本のトレンドの背景をアメリカの読者に解説するために書いた」とあります。

自殺率、労働環境、超高齢化。日本はヤバい。

だけど、生活満足度、インフラ、都市文化、清潔、安全、医療、平穏。

「晩期資本主義の脱工業化社会」で先を行った日本に他国が追いついてきた、という見方をとります。


本書の魅力を伝えたい。



まず、紹介される商品・サービスを順に挙げておきましょう。


ファイナルファンタジー プレイステーション パワーレンジャー トランスフォーマー ポケモン 遊戯王 セーラームーン ウォークマン ゲームボーイ ゲッタードラゴン ゴジラ 千と千尋の神隠し   


鉄腕アトム 新宝島 少年サンデー 少年マガジン 忍者武芸帳 マッハGOGOGO ガメラ あしたのジョー ブラックジャック アンパンマン ポーの一族 トーマの心臓 ドンキーコング ノルウェーの森 キッチン ブロックくずし スペースインベーダー パックマン バトルロワイヤル 


AKIRA ジョイサウンド たまごっち 新世紀エヴァンゲリオン もののけ姫 機動戦士ガンダム 未来少年コナン 童夢 攻殻機動隊 ドラえもん この世界の片隅に 君の名は。 スーパーマリオ ウルトラマン ウルトラQ ドラゴンクエスト メガドライブ ソニック・ザ・ヘッジホッグ 


2ちゃんねる 電車男 ふたばちゃんねる よつばと デジモン ワンピース ダンス・ダンス・ダンス けいおん! 涼宮ハルヒの憂鬱 らきすた 鬼滅の刃 あつまれどうぶつの森 初音ミク





登場人物も列挙しておきましょう。


歌川国芳 葛飾北斎 小菅松蔵 富山栄市郎 岸信介 浅沼稲次郎 山口二矢 

手塚治虫 辰巳ヨシヒロ 藤子不二雄 石森章太郎 赤塚不二夫 白土三平 宮本茂 宮崎駿 吉田竜夫 開高健 梶原一騎 ちばてつや 押井守 田宮高麿 塩見孝也 つげ義春 水木しげる


井上大佑 盛田昭夫 小津安二郎 根岸重一 黒澤明 

竹久夢二 辻信太郎 水森亜土 内藤ルネ やなせたかし 萩尾望都 清水侑子 米窪節子 山口裕子 山根一眞 中森明菜 松田聖子 村上春樹 吉本ばなな 


井深大 木原信敏 江崎玲於奈 中村雅哉 西角友宏 細川周平 

深作欣二 齊藤了英 華原朋美 小室哲哉 安友雄一 久夛良木健 丸山茂雄 SMAP TOKIO 嵐 横井昭裕 宮沢喜一 安室奈美恵 浜崎あゆみ 宇多田ヒカル 指原莉乃 栗田穣崇 


庵野秀明 富野由悠季 土居健郎 小此木啓吾 中島梓 中森明夫 吾妻ひでお 菱川師宣 鈴木春信 喜多川歌麿 斎藤環 町山智浩 宮崎勤 大友克洋 片渕須直 新海誠

田尻智 円谷英二 山内溥 上村雅之 鳥山明 横井軍平 

中野独人 東浩紀 西村博之 田代まさし 近藤麻理恵 原恵一




まいりました。

これだけ縦横に記述されている日本現代文化史は空前です。

世界オタク研究所の推薦図書にしてもらいましょう。