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2021年3月29日月曜日

超人スポーツ、グランドチャレンジ。

■超人スポーツ、グランドチャレンジ。

超人スポーツ・グランドチャレンジのシンポジウムを開催しました。

人機一体の「超人化技術」により人の身体能力を越えようとする試みです。

テクノロジーを通じて人を助け、人の可能性を拡張し、身体の制約を超えた未来社会を創造へ貢献することを目指します。

https://www.youtube.com/watch?v=It5ircKUQnY



今回、「Super SPRINT Challenge: 走る身体能力の拡張」「Super PHYSICAL Challenge: 身体の力と器用さの拡張」「Super SENSE Challenge: 空間を認知する感覚の拡張」の 3つの領域へのチャレンジについて紹介しています。

30CM "MORNING in the Future" 

https://youtu.be/VLCCGE9Vp8k



Super SPRINT Challenge

「走る」身体能力を拡張するチャレンジ。

規定距離のタイムアタック,世界記録を突破することが目標。

実社会に使えるモビリティへの進化を期待する。

産総研持丸正明さん村井昭彦さん、北海道大学田中孝之さん。

https://youtu.be/tld54wMuSAA



Super PHYSICAL Challenge

人の力強さ/俊敏さ/巧緻さ/持久力をバランスよく高めるチャレンジ。

リハビリ、介護、工場作業等の細やかな力のコントロールが要求される状況で使われるウェアラブル支援機器設計へ応用されていくことを期待する。

広島大学栗田雄一さん、北海道大学田中孝之さん。

https://youtu.be/SOcIg9Lh7vU



Super SENSE Challenge

空間を認知する「感覚」を拡張するチャレンジ。

暗闇環境でデバイスの支援を受けて移動したり、高齢者・視覚障碍者の行動をサポートするシステムや、視覚に頼らない情報提示手法の開発につながることを期待する。

慶應義塾大学南澤孝太さん。

https://youtu.be/w5CgsymJ4r4



オリンピックには出場に挑戦するチャンスがあっても、パラリンピックにはチャ

ンスさえない。東京五輪が決定してから、オリパラに何らか参加したいね、オリ

パラの壁を壊したいね、ということで始まったのが超人スポーツ。

https://superhuman-sports.org/



当時、いずれ手足を切断して道具をまといパラに出場する人も現れるという議論をしていました。

現実になりそう。

だけど、不毛ですよ。

それなら超スポのような誰もが参加できるスポーツを開発して世界大会開いたほうがいい。

「パラ出場のために足を切るか」 

https://www3.nhk.or.jp/sports/story/6215/index.html



超人スポーツ、ぐいぐい行きます。

よろしく!

2021年3月22日月曜日

還暦にて。呆然2つ。

■還暦にて。呆然2つ。



呆然とします。還暦を迎えました。

ずっと未熟で、ジュニアの立ち位置だったはずが、ミドルの認識がないままに、気がつけばシニア、老人です。

そして同時に、人生でこんなことが起きるのか、という事件に直面しました。

2つの呆然。どうしたものか。

超個人的な内省。自分用にメモします。


ちかごろ人生100年、三毛作などといいます。

これまで二毛だとすれば、前半と後半とを分かつ30歳頃の転換は、結婚と子供を得たことです。

前半の一毛期は自分の成長期で、後半の二毛期は家族との生涯。

子供がともに成人し就職し、この1年でともに結婚。

では三毛作期、人生の主役を誰と定めるべきか。


定規を、誰whoではなく、何whatに持ち変えると、20年ごとの四毛作のほうがあてはまります。

1)6-70年代の一毛、2)8-90年代の二毛、3)00-10年代の三毛、4)20年代からの四毛。

1)ガキの遊び、2)役人の行政、3)エセ学者のプロジェクト の時期でした。

4)四毛作期は何と定める。


1)の終わりに少年ナイフができました。

2)の終わりに総務省ができました。

3)の終わりにiUCiPができました。

自分が関わったアウトプットです。

4)四毛作期は何と定める。


1)テレビっ子だったぼくは情報社会のルール元締めを職場と定め、

2)ニューメディアの高度情報社会に向け官として携わり、

3)ITのデジタル社会に向け学として関わり、

4)AIの入口で「超ヒマ社会」をめざしてiUCiPを起業しました。


戦争を知らない子供でした。

知る世代に対し引け目を感じていました。

ところがコロナという戦争に遭遇しました。

まだ戦時中ですが、早く戦後を生きてみたい。

その戦争は、二毛・三毛期にデジタル敗戦で日本が没落していたことも見せつけました。

実はデジタルで30年戦争をしていたのに、戦時意識が乏しかった。


先の大戦の責任を問うてきたわれわれ世代は、デジタル30年戦争を生きた世代となり、敗戦の責任をどう取るのか問われます。

ぼくら以上の世代に対しては「黙れジジイ」運動を一人でやるものの、ぼく自身の責任の取り方として、どう動くべきか。


iUCiPという「場」は完熟させます。

その次の照準をどう定めようかな。

還暦までに考えよう。

と思っていたら、コロナがきて、環境も展望もガラポンです。

急速DXで、超ヒマ社会も想定以上に早く来そうです。

呆然とするわけです。

この呆然は、ゆっくりと片付けようと思います。





すると、もっと呆然とする事態が発生しました。

2)二毛期を過ごした役所の大揺れです。

連日報じられたトップ2名は同期の盟友で、連なる後輩も全員懇意にしています。

あのような形で世間を揺るがすとは。

自分ごととして苦しんでいます。


ぼくの2)役人生活は、メディア政策の対象を増やした時期に当たります。

それまで役所とつきあいがあった企業は電電公社とKDDという独占企業、そしてNHKと民放の技術と経理の担当だけです。

ごく狭いムラの、小さな行政でした。

自由化、規制緩和、デジタル化は、行政の客体を増やす運動でもありました。


ITの新規参入をどう増やすか。放送局以外のコンテンツ業者にどう事業機会を与えるか。

役所の客を増やす営業がぼくの仕事でした。

走り回りました。

官と民がつながる文化をつくる、という点で、今回の案件に対し、ぼくも無縁ではなく、責任の一端があります。


先輩はがんばった。

がんばりすぎて、NTTや通産省や大蔵省とドンパチやって、橋本行革で解体されました。

ぼくは責任をとって辞め、総務省ができました。

同期・後輩もがんばった。

評判はよくなり、いいインフラができました。 


だけど、がんばりすぎたのでしょう。

そのがんばりは、ルールから外れ、糾弾されています。

そしてそれは、行政の手法にとどまらず、内容も組織もみないかん、という指弾となっています。

苦しいです。


2)の帰結として解体され再編された役所は、3)のデジタル敗戦と同時に、再び叱られる、その事態に立ち尽くします。

この呆然は、呆然としてはいられません。間を置かず考えます。

そんな還暦であります。

2021年3月15日月曜日

TOKYOスマートシティ CiP、参上。

■TOKYOスマートシティ CiP、参上。


TOKYOスマートシティフォーラム」@東京ポートシティ竹芝から配信。

東急不動産岡田社長、ソフトバンク宮城統括部長、東京都米津部長、慶應義塾大学石戸教授らと登壇しました。

ポップ&テック特区CiPについてのわがプレゼンを報告します。




CiPContents innovation program。コンテンツの集積地を作る構想、8年。

東京は世界のポップカルチャーの中心地だが、発信する拠点がない。業界もバラバラ。

ぼくも問題意識を持っていました。

政府でも、クールジャパンや知財・IT政策の観点から議論が進められてきました。

ぜひやろう。





東京に作ろう。

経済面でも文化面でも世界最高だから。

リチャード・フロリダ「クリエイティブ都市論」。経済規模で広域東京圏が世界トップ。

最も創造的な都市を聞くアドビ調査で世界一位。

ミシュランの星付きがパリの3倍あるダントツ。

グローバルファイナンス誌「住みやすい都市」で世界首位。




近くに東京タワーがある。

よくこわされるが、今も立ってる。

1961年モスラ。64年キングギドラ。66年ガラモン。

ゴジラは2003年まで50年もがまんした。が、壊した。

こわれても作り続ける。ずっとこわして作ってきた。これが凄味。

これからも、こわしてつくる。

ここ竹芝も、こわしてつくった。



なにしろ東京には海がある。海を持ってる首都なんです。 

ワシントンロンドン、パリベルリン、ローマ、オタワ、北京にモスクワ。

G7も常任理事国も海を持ってる首都はない。 

日本は海を首都にしたのに、海をうまく使ってない。

ぼくらは海を使おうよ。 

竹芝は、そんな魅力があった。



同時に重要なのは、テクノロジーとの融合。

AIIoTの大きな波が来る。コンテンツも大波を受ける。

ポップとテックを融合した国家戦略特区。既にあるコンテンツではなく、テクノロジーで新しいコンテンツを生む街にする、というのが基本コンセプト。

ポップとテックの特区。

ポップテック特区CiP



ヒトコトで言えば、初音ミクのような街を作りたいと考えました。

ボーカロイド・ソフトウェアというテクノロジーと、ミクちゃんというポップなキャラが融合したものが初音ミクであり、それをみんながネットのコミュニティに参加して、曲を作ったり演奏したり踊ったりして育てた。

そんな街。







スタートに当たり、CiPビジョン10か条を作りました。

・シリコンバレーとハリウッドの日本版融合

・コスプレが集いロボットが飛び交う基地

・新産業創出の永久機関

・国際的大学と未来の幼稚園

・クリエイターと起業家の同棲

21世紀の出島

・産学官のプラットフォーム

などです。






CiPの機能は4つ。 

研究開発、人材育成、起業支援、そビジネスマッチング、生まれたテーマを研究、というサイクル。 

研究からビジネスまで一気通貫で行う場。

通信、放送、IT、エンタメ、広告、などの業界団体や企業50社に、慶応や東大、理研など大学・研究機関も参加して街づくりを進めました。






街開き前から幾つものプロジェクトが走っています。

ポップ系では、音楽などアーティストのデータベースを整備するアーティストコモンズ。

人機一体で誰もが超人になれるスポーツを作る超人スポーツ。

オタク研究者の総本山、世界オタク研究所。




テック系では、竹芝に先端技術をまるごと実装する企画を進めてきました。

ロボット、ドローン、モビリティ、サイネージ、パブビュー、デジタルアート、ワイヤレス給電、データ流通という8つの軸。

数百体のロボットが仕事する。ドローンタクシーが5Gで飛ぶ。通信・放送融合の世界初IoT放送。



ロボット、サイネージ、データ流通などは街開きと同時に既に実装されて動いています。

ドローンや無線給電も可能性が見えています。

ここまでまとまって動くスマートビルは世界にも例を知りません。

ソフトバンクとも連携して、5GAIIoTを展開します。

このモデルを国内・海外に横展開したい。



当ビルの8Fに産学連携の拠点を設けます。

慶應KMDがサテライトとして使うほか、私が学長として4月に開学したiUもここをサテライトとします。

デジタル時代の子供の創造力を高める活動をしてきたNPO CANVASも同居します。




教育改革を進める「超教育協会」もCiPを拠点とします。そのプロジェクトも走り始めました。

eスポーツに熱心な学校と研究者のコミュニティ「超eスポーツ学校」。

起業に熱心な学校と起業家やVCをマッチングする「超起業学校」。

CiPファンドも設立して、既にコンテンツ系4社に出資しています。







9月の街開きでは無観客で無音のロック配信イベントをこのホールで行いました。ドローンを飛ばしての撮影も。アフターコロナのエンタメのモデルを示せたと思います。

熱心にご覧になっていた平井卓也デジタル大臣は、ここをデジタル庁の支部にしたいとおっしゃる。

協力すべく設計中です。





これを横展開したい。

各地で構想中の拠点を全部つなぐポップテック列島作りに進みたい。

名古屋では大村愛知県知事主導で巨大な起業支援の施設「ステーションAi」構想が動いている。CiPがそのコミュニティ形成の役目を担います。

ソウル、バルセロナ、上海など海外の都市とも提携を進めています。



ショウケースとして、来年のオリンピックに合わせ、ポップ&テックのイベントを開催します。

海外のポップ・テック系イベントを超える世界的なイベントに育てていきたい。

名称を「ちょっと先のおもしろい未来」英語では「Change Tomorrow。」略称「チョモロー」。

7月3・4日です。



さて、第4次産業革命。Society5.0

人工知能とロボットが仕事を奪ってくれます。彼らに仕事を任せよう。

「超ヒマ社会」が来ます。

明治・大正・昭和・平成という、近代の起承転結に区切りをつけ、人類が立ち入ったことのない新文明が幕を開ける、それが令和。

そのために必要なのがCiPです。




しかしコロナで状況が変わりました。

コロナ後にどうなるのか。

新しい集中と分散。新しいリアル+バーチャルの掛け合わせ。新しい密。を設計しなければならない。

そのニュー・ノーマルを、コロナ前より魅力的な環境として作る。

これはCiPにも課せられた宿題です。




14世紀のペスト。協会の権威が下がり、産まれたのがルネサンス。芸術と科学。

コロナが再生するものは何か。

ポップ・テック特区の整備、

AI・ロボットの超ヒマ社会の設計、

コロナ後のニューノーマルの構築、

そこからの新ルネサンス。

CiPに課せられたテーマです。

よろしくどうぞ。