Twitter

2023年7月29日土曜日

学長くんガチョーン. 福井健策さん

 ■学長くんガチョーン. 福井健策さん




エンタメ弁護士の代表。ニューヨーク州弁護士でもあり、ハリウッドがらみの著作権ビジネスなど大きなエンタメ系のお話のときはこの先生が後ろにいらして、政府の会議やテレビニュースなど表の場面でもこの先生がいらっしゃいます。著作権保護期間延長問題、AI知財問題、海賊版対策などぼくもしばしばご一緒しています。


◆エンタテイメント弁護士

芝居をやっていた。就職が嫌だった。芝居で食っていくのは厳しく、自由業の副業を持ちたかった。弁護士は自由業で稼ぎがいいとおもった。芝居を続けるのに丁度いい。

大学6年生のときに試験に受かった。研修所に2年間いった。大学卒業時、劇団を解散しメンバーが半分くらい入れ替わり共同主催で新しい劇団を作った。研修所に行きながら100ステージくらい公演した。研修では現場につく。被疑者の取り調べ、判決書の下書き、和解交渉もした。両方やるのはとんでもないという厳しさを目の当たりにした。同時に弁護士っておもしろいとわかった。弁護士登録をするときに役者をやめた。

弁護士で頑張ろうとしたが未練もあった。仲間はプロに。さみしい。その時に、映画会社・レコード会社の重役は弁護士が結構多く、アーティストの支援をやっているようなエンタテイメント弁護士がアメリカなどに多くいるという話を聞かされて、それになろうとおもった。


◆留学

日本にはエンタテイメント弁護士の専門書一つなかった。アメリカは花開いていると知っていたので留学は最初から考えていた。浪人したときに通った駿台の授業とこのときのコロンビア大学の授業は人生で受けた授業で一番おもしろかった。実務について弁護士について4年半の段階で留学したので、知識を渇望していた。知りたいことを浴びるほど学ぶことが出来た。


◆学校という場

日本の大学の授業は、あまり評価できなかった。当時の自分にはマッチしてなかった。大学という場はすばらしかった。駒場キャンパスはおもしろくてしょうがなかった。

小学校が1番つまらなかった。机にずっと座って授業を聞いてないといけないというのはおもしろくない。中学になって少し自由度が高まったが、まだつまらない。高校になってもっとおもしろくはなった。大学になって何でも好きなことやれる。毎日おもしろかった。そこで経験した全てがどんな授業よりも自分をつくった。

人間は頭が回転しているときに知識が定着する。机に縛られてつまらないとおもいながら、授業を受けているときには頭が回っていない。そのような時間はできるだけ短い方がいい。漫画を読むことに集中する子もいれば、サッカーに集中する子もいる。基礎的知識がないとおもろさがわからないのはそうかも知れないので、初等中等教育を0にしろという勇気はないが、頭がフル回転する時間をもっと増やさないといけない。働いてから大学に行くのもいいが、豊かな社会になったので、何年間か好きなことをやれる時間が高校でも大学でもいいから、あってもいいのではないか。また、働いて、これを身につけたいというものが出てきたら、求めている知識を与えられる教師がいる場があれば響く。


◆キミたちへのメッセージ

自分にとって大学の間は人生の中ですごく面白かった。それを一番大事にしてほしい。評価よりも、誰よりも自分が1番楽しんだと卒業時に言えるような4年間を過ごしてほしい。大学も人生も楽しんだもん勝ち。


2023年7月25日火曜日

知財計画2023のコンテンツ戦略WG

■知財計画2023のコンテンツ戦略WG


知財計画2023のコンテンツ戦略WG

座長を務めました。

 





経団連クリエイティブエコノミー委員会が検討した議論を紹介しました。

盟友・小野打恵さん率いるヒューマンメディアに経団連が調査を委託し、コンテンツ産業の現状が整理されています。

過去11年間では中国が20%超と突出した成長をみせ、米英韓が6%増に対し、日本は2%。

成長予想も日本は53か国最低。

 




一方IP収入では世界トップ25の半分にあたる12が日本発コンテンツ。

1位ポケモン、2位ハローキティ。アンパンマン、マリオ、ガンダム、ドラゴンボール、ワンピースなど。

IP大国なのです。うまく活かせていません。

 




経団連は、マンガ・アニメ・ゲーム・音楽・映画に重点を置き、1.制作力、2.海外展開、3.インバウンドの対策を取ることを検討しているという。

これは当方がまとめる知財計画とも平仄が合うはずです。






同時に、韓国のコンテンツ振興院KOCCAのような総合的政府組織を設置することを示唆しています。

かつて経団連は「情報経済社会省」を提言していたが、それと同じ流れ。私も賛同します。

ただ知財計画は政府文書なので合意は得られませんな。政治に提言しませんと。

 

さて議論では、福井健策委員から、省庁がバラバラであることが足かせになっていることに加え、予算が少なく細切れで税措置も薄い、という根本的な指摘がありました。

政府予算型の韓国や民間寄付型の米国と比較しての政策の弱さです。

 

これに関し内山隆委員から政府予算は80億円で欧州中堅国並み、韓独は300億円だが英国100億円という補足がありました。これは十分か不十分か。

コンテンツ政策が立ち上がって20年を数えますが、政府の姿勢をどう評価するか。

政策の企画だけでなく評価・検証も本WGが機能を発揮すべきです。

 

併せて内山委員から、10年前と状況・議論が同じだという指摘がありました。

もはや日本の政策がキャッチアップ型になっているのかもしれません。

韓国の国家主導モデルと、米国の民間主導モデルという2つをベンチマークにして考えるのが有意義かもしれません。かつてぼくが夢描いた「日本型」の夢を捨てて。

 

論点としては

1. AI生成爆発の影響

2. プラットフォームへの向き合い

3. クリエイター主導経済の構築

が強調されました。

 





1.AIに関しては知財本部を舞台に世界に先駆け議論を重ねて法改正し、学習させることは無許諾でOKとしたが、権利を不当に害するときはダメなこともあるヨという制度になっています。

いよいよ実態が現れ場面が変わりました。どういう運用とするか、重要な論点です。

 

2.プラットフォームはコンテンツの生殺与奪を握るパワーを持ちます。コンテンツや制作者に利益を還元させる声も高まる一方、制作機会の供給や世界への販路の確保という面で大切な存在でもあります。政策的にどう向き合うか、腹づもりが必要です。

 




3.クリエイター主導経済に関しては、対価還元策としての補償金が機能不全となっている一方、web3に代表される新技術がどう作用するかがポイントになります。

 

2023年7月22日土曜日

クールジャパン:うどん

 ■クールジャパン:うどん 





NHKクールジャパン「うどん」の巻。


ラーメンについで、うどんの時代が来ました。

ヘルシーだし、ソバより具やつゆのバリエーションもある。

そして日本には硬いの柔らかいの、熱いの冷たいの、いろんな種類のうどんがあるからね。


「ご当地うどん」

冷たい麺は水がジャブジャブ使える日本独特の文化。

温かい麺、冷たい麺、いろんなうどんがある。

ぼくは京都出身で、たぬきがスキ。

東京でたぬきといえば揚げ玉だが、京都はあんかけうどんの上に刻んだ油揚げと生姜。大阪でたぬきと言うときつねそばが出てくる。

たぬきだけでもそれだけ多様性があります。

東京はそば文化で、うどんはそば屋の一メニューだったが、20年ほど前、讃岐うどんがヒットして、東京にもうどん専門店が増え、さらに全国に広がっていきました。


「世界」

うどんはそばやラーメンと違って麺の味が主張しないご飯やパンのようなもの。

だからいろんな味やスープに対応できる。

そんなうどんの魅力が理解されて、世界に進出しています。

VTRのチェーン、ぼくもアメリカの店に入ろうと思ったら超長蛇の列でビックリ。

フォーの国ベトナムにも10店舗、インドネシアには50店舗。アジア全土にも広がっている。

どの国の食文化にも溶け込めるので、ますます広がっていきそう。


「冷凍」

クールジャパン恒例の、職人の技とあくなきテクノロジーの追求。

解凍するだけで食べられるのがいい。

ラーメンやそばより冷凍に向いてそう。

簡単でおいしい。

さらに世界に広がるかもしれません。


この番組では食べ物をよく扱うが、ラーメン、ギョーザ、カレー、サンドイッチ、舶来というか外国産のものが日本で発展したってものが多い。

それに比べてうどんは純和物。それが認められるってのがうれしいな。

2023年7月18日火曜日

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー。


空前の全世界大ヒット。日本上陸前に、取材を受けました。

 

◯ヒットの理由は?

1.世界IP収入8位のキャラクター群。(1位はポケモン)

2.40年3世代にわたるファン層。(だからリオ五輪の閉会式で安倍マリオが登場した。)

3.宮本茂と近藤浩治というレジェンドが入っての映像・音楽。

4.ゲーム世界を表現できるCG技術の進化。(93年の実写版マリオとは違う。)



ゲームが生み出すエコシステムは?

・ポケモンもゲームから。ゲームは2兆円弱だがキャラ商品化などで総額10兆円。

・任天堂だけでもゼルダ、ピクミン、あつ森、カービー、スプラトゥーン。プレステならFF、ドラクエ、バイオハザード、まだまだある。

・スマホ、配信、メタバース、web3、舞台は多い。


 

日本コンテンツの浸透力は?

・世界IP収入トップ25の半分が日本発。ポケモン、キティ、アンパンマン、ガンダム、ドラゴンボール。

・大人も子供も楽しむ庶民文化で宗教や階級の縛りのない表現、つまり自由。図工・音楽の授業が充実していて誰もが絵を描けること、つまり教育。この2つがインフラ。


 

課題は?

・世界市場でビジネスのできる人材の確保と、国際プラットフォーム(GAFANetflix)との向き合い方。

AI、メタバース、web3ら爆発する新技術を使いこなしてIP力を発揮すること。


 

マリオは日本でもヒットするか?

・しますよ。

(と言い切ってしまったが、上陸までヒヤヒヤしておりました。ヒットしてくれて、よかった。)

2023年7月15日土曜日

学長くんガチョーン. 田中邦裕さん

 ■学長くんガチョーン. 田中邦裕さん





さくらインターネット社長。コンピュータソフトウェア協会SAJの会長や日本データセンター協会の理事長など公職も多数。舞鶴高専の出身、高専のお星さま。テクノロジー主導の起業で成功し、日本経済を引っ張る若きリーダー。iU生のロールモデルです。ようこそお越しくださいました。



◆いまの日本の状況

デジタル庁ができてようやく変わろうとする機運ができた。デジタル庁の意味は2つある。1つは実行部隊。もう一つはデジタル庁ができたというモメンタム。この2つを持って、デジタル化が進み、使う人が増える。変化率の大きい時期が今。


◆コロナの影響

さくらインターネットの状況としてはフラット。変化率の話をすると、元々日本はデジタル化の度合いが低い。低いところが高くなってくる中で、さくらインターネット自体はすぐに恩恵は受けないものの、ユーザが固定客として増えていくので中長期でいうとすごくよくなった。


◆さくらインターネットの課題・日本の課題

ソフトウェア企業であったはずが、ハードウェア企業のようになっている現状をいかにソフトウェア企業に戻すかというのが大きなストーリー。

90年代初頭に起こって破壊的イノベーションを体現したのがさくらインターネット。パソコンにオープンソースのOSを入れて、インターネットで、オンラインでサーバーを売るというビジネスは当時の日本に殆どなかった。ハードウェアで担保するのではなく、ソフトウェアで信頼を担保していくという考え方がネット企業では中心。

信頼性を高めるためにハードウェアをどんどんよくしなければならず、ソフトウェアよりハードウェアに比重を置きがちになることが、日本の課題でもあり、さくらインターネットの課題でもある。ソフトウェアを最良の条件で動かすために、北海道石狩にデータセンターを作ったはずが、ハードウェアが評価されるうちにハードウェア自体がビジネスになった。チープだけれどもソフトウェアの力でよいサービスを作るというのが我々の本質。

日本はものづくりの国なので、ものを作るか、ソフトウェアを作ったとしても、受託開発のように納品をしたがる。モノのアナロジーの延長線にある。ソフトウェアを作ってサービスを提供するというアイデンティティがさくらインターネットにあったはずだが、ハードウェアをどういう風に強化するかにどうしてもなってしまう。それをいかにソフトウェア立国・サービス立国にしていくのか。それがさくらインターネットの課題であり、日本全体の課題。


◆起業

18の時に起業しようとおもった。起業の目的は「手段」・「目的」の2つ。

サーバーを運営しており、学校において、友達に貸していた。そのコンテンツが人気になってトラフィックが増えた。そうすると、学校に置いておくと迷惑になるので撤去せざる負えなくなった。本来トラフィックが増えるということは、そのコンテンツに価値が出るわけなので、その方(友達)も結果としては儲かるのでサーバー代を払ってもらえるはず。実際、友達からお金を払ってもいいからこのサイトを続ける方法はないのか、と言われた。その時に「手段」として起業した。


◆学校

人生においてそれがなければ今に来られなかった重要なステップ。

学校は出会いの場。人・モノ・知識・キャリアに出会う。iUもiUに来なければ出会わなかったと5年後10年後におもってもらえるのでは。


◆日本の教育の課題

課題探しをずっとしていることが課題。学校が出来ていることをいかにカウントするか。自治体などもそうだが、公的セクターで社会に対して貢献をするというのが営利企業より強いコミュニティにおいては課題から入ってしまうことが多い。しかし、出来たことを伸ばすことと出来てないことを出来るようにする、この2つのセットだとおもう。学校が出来ていることをいかに伸ばすかという観点を入れると教育環境が変わる。


◆キミたちへのメッセージ

やりたいことはなんなのか常に探す。消化器みたいなもの。消化器は探そうと思えばすぐにみつかる。しかし、今日はまだ1本みていない。人間は見ようとしたものしか見えない。目に入っていても、出会っていても、それを認知していないことが多い。どういうフォーカスを持つかが人生を豊かにする。やりたいことを探そうと思っている人はやりたいことはどんどん見つかる。

もうひとつ重要なのは、やりたいことをやるためにはやるべきことがある。やりたいことにつながるやるべきことは我慢できる。しかし、多くの人はやりたいことを持っていなかったり、やるべきことをやっているけどつまらない。やりたいことがしっかりみつかると、そのためにやるべきことであればきっと努力できる。結果、それがやりたいことに繋がらなくても、その次のやりたいことを作っておければ、やるべきことでも楽しく過ごせる。

2023年7月11日火曜日

吉本興業の社外取締役を退任しました。

 吉本興業の社外取締役を退任しました。




◯アホちゃいまんねんパーでんねん

大﨑さん岡本さんの話に気い取られて、自分のこと言うの忘れてました。

ぼく、よしもと、やめました。

6月の株主総会をもって、任期終了をもって社外取締役を退任しました。

これまでのようにドッグファイトで解任とか辞表提出とかじゃなくて。

 

◯ハ・いそがし

ただ、京都国際映画祭 実行委員長は継続します。

iUキャンパスに置かれた「BSよしもと」や

竹芝でのポップ&テックイベント「ちょもろー」、

吉本興業が理事を務めているCiP協議会など

仕事面の連携・協業も変わりありません。

役員を退くことでかえって動きやすくなる面もあります。

 

◯まことにすいまめーん

ぼくが役員に就任したのは2016年。7年でした。

通常の社外取締役とは違うスタンスで臨みました。

株主利益を代表してガバナンスやコンプラを内部に迫る役割というより、

株主を含む外部に対し、芸人とは対称的に無口なマネジメントに代わり、

その価値を発信する役を自ら担いました。

 

◯大阪名物パチパチパンチや

映画祭やBSよしもとの仕事、NTTとの協業、eスポーツ、中国展開など、

執行役員のように業務に入り込むことも多々ありました。

大阪での万博にも引き続き入り込む所存でおます。

 

◯キミたちがいて ボクがいる

You & I

iU

iUのスタートにも芸人さんはじめ多大なご協力もいただきました。

今後もがっつり組んでまいります。

今後も吉本興業のこと、よろしくご指導ご協力のほど、

よろしゅうに おたのもうします。

 

 

これまでよしもとについて発信してきた主なブログ記事を挙げておきます。

(映画祭は除きます。いっぱいありますんで。)


吉本興業、次の100年に向けた挑戦(前編)

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2018/11/100.html


吉本興業、次の100年に向けた挑戦(後編)

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2018/11/100_22.html

 

「吉本興業の正体!?」

http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2015/12/blog-post_28.html


「吉本興業がアジアエンタメプラットフォーム構想を発表しました。」

https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamura-ichiya/20180428-00084544/


ユヌス・よしもとソーシャルアクションが始まります。

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2018/08/blog-post_27.html


よしもと☓eスポーツ!

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2018/07/e.html

 

吉本とNTT、超教育プラットフォームを構築へ

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2019/05/ntt.html


吉本興業が中国に大学を設立します。

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2019/01/blog-post.html


吉本興業が中国で教育機関を設立します。

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2019/03/blog-post_7.html


教育プラットフォーム「ラフ&ピース マザー」スタート

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2021/04/blog-post_26.html

 

■BSよしもと=すみだメディアラボ オープン!

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2022/04/bs.html


吉本興業110周年 伝説の一日

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2022/05/110.html


よしもとのメタバースでっせ~

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2022/09/blog-post_12.html


超歌舞伎とLIVE STAND

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2022/11/live-stand.html