■学長くんガチョーン. 福井健策さん
エンタメ弁護士の代表。ニューヨーク州弁護士でもあり、ハリウッドがらみの著作権ビジネスなど大きなエンタメ系のお話のときはこの先生が後ろにいらして、政府の会議やテレビニュースなど表の場面でもこの先生がいらっしゃいます。著作権保護期間延長問題、AI知財問題、海賊版対策などぼくもしばしばご一緒しています。
◆エンタテイメント弁護士
芝居をやっていた。就職が嫌だった。芝居で食っていくのは厳しく、自由業の副業を持ちたかった。弁護士は自由業で稼ぎがいいとおもった。芝居を続けるのに丁度いい。
大学6年生のときに試験に受かった。研修所に2年間いった。大学卒業時、劇団を解散しメンバーが半分くらい入れ替わり共同主催で新しい劇団を作った。研修所に行きながら100ステージくらい公演した。研修では現場につく。被疑者の取り調べ、判決書の下書き、和解交渉もした。両方やるのはとんでもないという厳しさを目の当たりにした。同時に弁護士っておもしろいとわかった。弁護士登録をするときに役者をやめた。
弁護士で頑張ろうとしたが未練もあった。仲間はプロに。さみしい。その時に、映画会社・レコード会社の重役は弁護士が結構多く、アーティストの支援をやっているようなエンタテイメント弁護士がアメリカなどに多くいるという話を聞かされて、それになろうとおもった。
◆留学
日本にはエンタテイメント弁護士の専門書一つなかった。アメリカは花開いていると知っていたので留学は最初から考えていた。浪人したときに通った駿台の授業とこのときのコロンビア大学の授業は人生で受けた授業で一番おもしろかった。実務について弁護士について4年半の段階で留学したので、知識を渇望していた。知りたいことを浴びるほど学ぶことが出来た。
◆学校という場
日本の大学の授業は、あまり評価できなかった。当時の自分にはマッチしてなかった。大学という場はすばらしかった。駒場キャンパスはおもしろくてしょうがなかった。
小学校が1番つまらなかった。机にずっと座って授業を聞いてないといけないというのはおもしろくない。中学になって少し自由度が高まったが、まだつまらない。高校になってもっとおもしろくはなった。大学になって何でも好きなことやれる。毎日おもしろかった。そこで経験した全てがどんな授業よりも自分をつくった。
人間は頭が回転しているときに知識が定着する。机に縛られてつまらないとおもいながら、授業を受けているときには頭が回っていない。そのような時間はできるだけ短い方がいい。漫画を読むことに集中する子もいれば、サッカーに集中する子もいる。基礎的知識がないとおもろさがわからないのはそうかも知れないので、初等中等教育を0にしろという勇気はないが、頭がフル回転する時間をもっと増やさないといけない。働いてから大学に行くのもいいが、豊かな社会になったので、何年間か好きなことをやれる時間が高校でも大学でもいいから、あってもいいのではないか。また、働いて、これを身につけたいというものが出てきたら、求めている知識を与えられる教師がいる場があれば響く。
◆キミたちへのメッセージ
自分にとって大学の間は人生の中ですごく面白かった。それを一番大事にしてほしい。評価よりも、誰よりも自分が1番楽しんだと卒業時に言えるような4年間を過ごしてほしい。大学も人生も楽しんだもん勝ち。