「ハヤテのごとく!」過去編(10) - 動き出した物語
250円なら買うけど、260円だと急に買う気が失せるから不思議。今週は合併号だったとはいえ、250円は月1000円で購読できる最終防衛ラインだったというのに。
(※追記:手元にあるサンデーを確認したら、2008年4・5合併号から合併号は260円だったようですね。気付かなかった!2・3合併号が250円だったので、2008年発売分から値上げなのかな)
まあインフレに愚痴っても仕方ないので、ついに長い過去編が終わった「ハヤテのごとく!」の感想を。良い過去編の締めだったと思います。
◇いつか、雨が上がったら
前号で、「出て行けばいいんだ」とアーたんに言われ、言われた通りにロイヤル・ガーデンを出てきたハヤテ。転んで、倒れても、もはや左手を差し伸べてくれる存在はいません。
その一方で、今回初登場したのがハヤテの兄。
「通りすがりのヒーローさん」だそうで、人助けをしたのでしょうな。
その相手は、このストールの柄からしてゆっきゅんこと三千院紫子でしょう。ハヤテ兄と三千院家にもまた結びつきがあったことになります。まあ流石にこの後ハヤテ兄が名前を変えて(姫神)執事をする…という展開になる可能性は薄いと思うのですが、0ではありません。
兄のことは慕っているハヤテ、自身の「罪」を告白し、大声で泣き、謝ります。「今度雨が上がった時に謝りに行く」と決めるも、もう白皇敷地内からロイヤル・ガーデンに続く道は無く…その後現在に至るまで、会うことは無かったのでした。
◇現在に至るその過程
さて、場面は過去から現在へと戻ります。
その過程、ハヤテのモノローグについて部分的に触れておきます。
「思い出は記憶の底に沈めて」の部分は、現在との整合性を取る意味での言葉なのでしょうね。つまり、何で現在時制で今までアーたんのことを思い出さなかったのか、という問いに対する答え。ちょっと無理矢理かなとも思いますが、まあ理由付けをするならこれくらいしかないだろうとは思います(ただ、この理由付けの場合、88話(まで)でハヤテがアーたんを思い出すに足る理由が必要になってくるので、これだけだと不十分ではありますが)。
「心を鈍感に」したのは、アーたんとの出来事を通して「未来に期待しなければつらい思いはしないって学んだ」(4巻8話)ことと、「女の子と付き合う資格が無い」(4巻7話、9巻3話)と思っていることによるのかな。甲斐性の話を引きずってますからね。
「もう二度と、僕があの親を信じることはないだろう」の部分が「二度目はない」(14巻5話)に対応するのでしょう。ハヤテは心の奥底では親を信じたかったし、自分が頑張れば親が変わると思い込み一度は信じてしまった。しかし、「二度目」はないと。
「報いの時」は今後起こる何かの布石かな。
「今ならわかる。わかっている。」は、回想では「正しかったのは彼女で」にかかる言葉だと思っていましたが、今回のを見ると「報いの時」のほうにかかるのかも。
「だからもう一度会えたなら僕は、君に…二つの事を伝えたいんだ」で示されている「二つの事」は、『ごめんね』と『ありがとう』かな。シンプルだけど、流れを踏まえるとこれ以外に思い浮かびません。
◇あの日差し伸べられた手は
久しぶりにわれらがメインヒロインの登場です。
うおお、ナギ可愛いぞ…!
久々なこともあってか、メインヒロインなのに新鮮です。学校が休みだから早起き。こういうやり取りもずいぶん懐かしく思えますが、これがハヤテの今の日常なんですよね。
いつもなら見逃してしまいそうな、ナギがハヤテの指を握る行為も、アーたんとの過去のやり取りと、アーたんの幻覚を見たハヤテを受ければ、凄く強調されているように思えてきます。
あの日アーたんによって差し伸べられた手を掴むことは出来なかったけど、今はナギがハヤテの手を掴んでくれるのだな…と。
◇もう一度あの場所へ
ところ変わってパルテノン神殿。
ここはGW編でヒナハムが訪れることが分かっている場所ですが…
そこにいたのは、10年後の天王州アテネ。
アテネ(アテナ)はパルテノン神殿に祭られている神様なので、ここまでは割と予想通りの流れではあります。あとは留学生なら完璧なんだけどなー。
さておき、アーたん現在版が登場してホっとしました。ロイヤル・ガーデンにい続けると現在時制では死んでいるということで、現在時制でロイヤル・ガーデン外で出るとは思っていたのですが、一抹の不安はぬぐえなかったので。
ヒナギクと対比される「悪の女王」っぽい風貌になったじゃありませんか。おっぱい属性付き。
おつきの執事はどう見ても姫神じゃありませんね。あの後アーたんがどういう流れを経て今ここにいるのかも気になります。何故こんな場所で「夢を見た」のかも謎なら、城への道が閉ざされたという話も、棺の関与も謎。あと、実際のところ年齢はおいくつですかアテネさん。
三千院家が関係してくることは示唆されていましたが、具体的に帝がどう関係してくるのかも謎のままです。死者を生き返らせる話と関係しそうですが、ゆっきゅんは過去編時点でまだ生きていたわけですから。
過去編は終わりましたが、ロイヤル・ガーデンという場所がまた登場することは間違いありません。この作品のタイトルが「ハヤテのごとく!」ではなく「ロイヤル・ガーデン」になる可能性もあったというくらいですから、おそらく物語の核心に関わってくるのではないでしょうか。
過去編ということで、現在の物語は止まっていましたが。
少しずつ物語は動き出しています。
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過去編完結!お疲れさまでしたー。
合併号ということで来週はお休みですが、来週の水曜辺りに過去編まとめ的な記事でも投下しようかなと思ってます。予定は未定。
過去編最大の謎としては、結局「天王州」なのか「天王洲」なのか…。
≪過去編関連≫
□「ハヤテのごとく!」過去編(9) - 誰も望まなかった結末
□「ハヤテのごとく!」過去編(8) - 感情の爆発
□「ハヤテのごとく!」過去編(7) - 訪れない未来
□「ハヤテのごとく!」過去編(6) - 過去の接点
□「ハヤテのごとく!」過去編(5) - 帰るべき場所
□「ハヤテのごとく!」過去編(4) - 名前と居場所
□「ハヤテのごとく!」過去編(3) - 神さまの真似事
□「ハヤテのごとく!」過去編(2) - 交わされる契約
□「ハヤテのごとく!」過去編(1) - アーたんとの出会い
□「ハヤテのごとく!」アーたんについて整理してみる
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| ハヤテのごとく! | 22:37 | comments:3 | trackbacks:0 | EDIT
アーたんが出てきたけど、やっぱりなんか出会い頭にバトりそうな雰囲気が……(苦笑
案外、飛行石は柩の中の物を帝が加工したものか、もしくは中の物を取り出そうとして失敗してしまい、何とか痕跡や欠片なんかで再現しようとした物だったりして~。
うん、そして、ゆっきゅんの死因はその失敗に巻き込まれたのが原因でFA(笑
| ミヒト | 2008/08/07 06:56 | URL | ≫ EDIT