TVA「ハヤテのごとく!」第2クール総括
4月にスタートしたアニメ「ハヤテのごとく!」もいよいよ2クール26話が終了しました。放送が確定しているのは1年という事で、とりあえずは折り返しを迎えた事になります。
この記事では第2クール放映分について振り返ってみたいと思います。
あくまで一原作ファンの観点ということで、アニメからのファンの方とは違う考え方になるかと思いますが、その点に関してはご了承ください。
参考:TVA「ハヤテのごとく!」第1クール総括
アニメ版第2クールの構成を考えようにも、一話完結が多く、放映された話に統一感がありません。キャラを少し掘り下げて描いた、といったところでしょうか。とりあえず主要キャラに関しては、消化可能な重要エピソードを少しずつ消化できてきていると思います。
全体の構成を見て疑問に感じるのは、24~25話。原作第1部ラストのエピソードであり、作者がバックステージで使った「暫定最終回2」という呼称がよく使われる一連の話です。
これは確かに消化しておくべき話ではあるのですが、何故ここに持ってきたのかは疑問が残ります。原作第2部の最初の話のサブタイトルが「アニメだったらオープニングがかわります!」なので、このタイトルを使わないにしても、一つの区切りとして、25~26話に持って来ると綺麗だったと思うんですけどね。
正直、各話ごとに言及してるとキリがないので、ある程度大雑把に気になった所だけという形で…。
・不合格通知
アニメ版14話感想記事中で言及していますが、ハヤテへの不合格の通知の仕方は正直文句を言いたい改変の仕方でした。
原作を改変する事自体は問題ないんですが、生徒会3人がイタい子にしか見えないシナリオになっていたのでここについてはしっかり批判しておきたい。細かい事ではあるんですけど、そういう役どころのキャラじゃないと思うので。
詳しくは14話感想記事のほうをご覧いただければと思います。
・ナギのお手伝い
この話で1週丸々使うとは意外でしたが、原作部分もしっかり描けていたと思うし、追加されたオリジナル部分も割と面白かったので良かったと思います。
正直な所を言わせて貰えば、今のところ、アニメで原作ベースに追加されたオリジナルエピソードで面白かったなと思えるのはこの話だけです。
・Cパート
どちらかと言うと構成の話になりそうですが、ここで。
16話及び24話本編終了後、原作にはない話をCパートとして描いています。後半の尺が余ったからなのか、製作スケジュール的に間に合わなかったのかは分かりませんが。
Cパートの内容についてもちょっと微妙。24話ではナギの母が出てきましたが、ここで出すべきキャラではありません。
まずは尺を考えて作り、どうしてもスケジュール的な都合等でCパートを入れざるを得ないのなら、せめてもう少し内容を考えて欲しいなと。
・サンキュースパッツ
23話でいよいよいいんちょのサンキュースパッツ話が放映されました。が、無理矢理話を合体させたせいで構成がメチャクチャです。
あの話は、原作の地下迷宮編→64話のマリアさんという流れがあったからこそ、神父が助言して、ハヤテがパンチラを気にする場面だったわけで。
見せ場だけはきっちり見せてきているのですが、それ以外の部分の構成が雑だったのが残念です。
・オリジナル話
第2クールでは18話と26話の2回、オリジナル話がありました。
オリジナル話に共通しているのはいわゆるカオスで、言い換えればぐだぐだです。カオスな事と面白い事はイコールではありません。
ただ、26話ではある程度ストーリーっぽいものがあったので、少しずつカオスさも改善されてきているのかな、と。
この記事は27話放映段階までの情報で書いていますが、27話のオリジナルストーリーも悪くなかったので、徐々にオリジナルの完成度も高まっているのかな…と少し期待しています。
伏線とかは基本的にほとんど第1クールから進展していませんが…。
・執事とらのあな関連
アニメオリジナルの形で、16話で「執事とらのあな」をナギが作っていました。原作とは全く違う執事とらのあなを登場させたという事は、原作56話~63話にあたる執事修行編と地下迷宮編はカットされる可能性が高そうです。少なくとも、1年目では。その影響として、シスターと神父がアニメ本編には登場しないという事になりそうです。
その中に含まれているある種重要な西沢さんのエピソード(原作59話)はシスターがいなくても何とかなる話ですが、26話オリジナルエピソードで「ハヤテが西沢さんの執事」という似通ったシチュエーションがあったので、これも含めカットされるのかもしれません。
第2クール段階では失敗なんじゃないかと思いますね。
白皇学院の夏服が見れた事くらいなもので、アニメ内の季節が夏だった事によるメリットはほとんどありませんでした。それに対し、日付を意識しているこの漫画をアニメにする上で日付を無視しているのだから、デメリットはたくさんあるわけです。
例えば、原作66話のバレンタインの話はヒナギクと西沢さんが初めて出会う話です。ということは、アニメではヒナギクと西沢さんは来年2月まで出会うことが出来ない。無理矢理出会わせるなら別ですが。
その1ヵ月後には、1年で終わるとすれば最終回です。ラスト1ヶ月は最終回へ向けて収束させなきゃいけない。ということは、アニメでヒナハムの絡みはほとんど見ることが出来ないという事になってしまう。
1年で終わらず2年目の製作が決定したとしても、今度は2年目のラストで卒業シーズンに入ってしまう。これは原作から逸脱しすぎている。
メリットがほとんど無くて、デメリットがたくさんある。
これはやはり、どう見ても失敗だと思ってしまうんですよね…。
全体的にちょっと厳しめの評価になってしまいました。
僕は原作至上主義なところがあるので、アニメから入った方とは多分全然違う評価になったんじゃないかな…と思います。
一応総括ということで、第2クールをまとめると。
作画は良好、このクオリティなら問題なし。演出も割と良かったです。
パロディは少し勢いが足りない気はしますが、とりあえず悪くはない。
ちょっと残念だったのが、脚本や構成。原作での話の繋がり方を意識してほしいと思います。
好きだった漫画のキャラがアニメで動いてるという新鮮さはもうなくなってきている時期なので、原作通りだと原作既読者的には退屈になってしまう部分がありますね。
今のままでも原作未読の方は楽しめていると思いますが、原作既読のファンとしては、アニメで原作の面白さを更に引き出して欲しいと願うわけです。
アニメならではの演出などで原作を正当に「進化」させることを期待してしまうので、原作そのままだとちょっと期待はずれな感じで評価が下がってしまう。
ファンが持つアニメへの大きな期待が、今のハヤテ界隈でのアニメの低評価に繋がっているんではないかと思います。
さて、第3クール以降はどういう路線で来るのか。
ここからでも遅くない。キャラソンに頼らずオリジナルのライブ曲を作るくらいの気概で頑張ってほしいと思います。
この記事では第2クール放映分について振り返ってみたいと思います。
あくまで一原作ファンの観点ということで、アニメからのファンの方とは違う考え方になるかと思いますが、その点に関してはご了承ください。
参考:TVA「ハヤテのごとく!」第1クール総括
(i)構成
アニメ版話数 | 原作該当話(通算) |
第14話「ちょっとちょっと!パーティー行かなあかんねん。早よして、ホント」 | 39話 |
第15話「サムライ、ブシドー、動くヴァンダム」 | 40話、41話 |
第16話「負けてもマケンドー」 | 42話 |
第17話「あなたのためにメイっぱいナギ倒します♥」 | 68話(+100話) |
第18話「レアカードは水着です」 | (オリジナル) |
第19話「サキさんのヤボ用(全国版)2007」 | 49話、89話 |
第20話「本は好きですが、歌え大竜宮城」 | 47話、48話 |
第21話「ピーターさんもいい迷惑」 | 10話、25話 |
第22話「カポーンって擬音は誰が考えたんだろう?スゲーよね」 | 26話、85話 |
第23話「ちびっ子ではない天才先生来たる」 | 69話、70話 |
第24話「モテすぎて困る苦労はしたこと無いなぁ~」 | 27話~29話 |
第25話「心を揺らして」 | 30話~32話 |
第26話「お届けまで29分でしたので、規定通りの料金でお支払いお願いします……は、遠い前世紀の話」 | (オリジナル) |
アニメ版第2クールの構成を考えようにも、一話完結が多く、放映された話に統一感がありません。キャラを少し掘り下げて描いた、といったところでしょうか。とりあえず主要キャラに関しては、消化可能な重要エピソードを少しずつ消化できてきていると思います。
全体の構成を見て疑問に感じるのは、24~25話。原作第1部ラストのエピソードであり、作者がバックステージで使った「暫定最終回2」という呼称がよく使われる一連の話です。
これは確かに消化しておくべき話ではあるのですが、何故ここに持ってきたのかは疑問が残ります。原作第2部の最初の話のサブタイトルが「アニメだったらオープニングがかわります!」なので、このタイトルを使わないにしても、一つの区切りとして、25~26話に持って来ると綺麗だったと思うんですけどね。
(ii)脚本
正直、各話ごとに言及してるとキリがないので、ある程度大雑把に気になった所だけという形で…。
・不合格通知
アニメ版14話感想記事中で言及していますが、ハヤテへの不合格の通知の仕方は正直文句を言いたい改変の仕方でした。
原作を改変する事自体は問題ないんですが、生徒会3人がイタい子にしか見えないシナリオになっていたのでここについてはしっかり批判しておきたい。細かい事ではあるんですけど、そういう役どころのキャラじゃないと思うので。
詳しくは14話感想記事のほうをご覧いただければと思います。
・ナギのお手伝い
この話で1週丸々使うとは意外でしたが、原作部分もしっかり描けていたと思うし、追加されたオリジナル部分も割と面白かったので良かったと思います。
正直な所を言わせて貰えば、今のところ、アニメで原作ベースに追加されたオリジナルエピソードで面白かったなと思えるのはこの話だけです。
・Cパート
どちらかと言うと構成の話になりそうですが、ここで。
16話及び24話本編終了後、原作にはない話をCパートとして描いています。後半の尺が余ったからなのか、製作スケジュール的に間に合わなかったのかは分かりませんが。
Cパートの内容についてもちょっと微妙。24話ではナギの母が出てきましたが、ここで出すべきキャラではありません。
まずは尺を考えて作り、どうしてもスケジュール的な都合等でCパートを入れざるを得ないのなら、せめてもう少し内容を考えて欲しいなと。
・サンキュースパッツ
23話でいよいよいいんちょのサンキュースパッツ話が放映されました。が、無理矢理話を合体させたせいで構成がメチャクチャです。
あの話は、原作の地下迷宮編→64話のマリアさんという流れがあったからこそ、神父が助言して、ハヤテがパンチラを気にする場面だったわけで。
見せ場だけはきっちり見せてきているのですが、それ以外の部分の構成が雑だったのが残念です。
・オリジナル話
第2クールでは18話と26話の2回、オリジナル話がありました。
オリジナル話に共通しているのはいわゆるカオスで、言い換えればぐだぐだです。カオスな事と面白い事はイコールではありません。
ただ、26話ではある程度ストーリーっぽいものがあったので、少しずつカオスさも改善されてきているのかな、と。
この記事は27話放映段階までの情報で書いていますが、27話のオリジナルストーリーも悪くなかったので、徐々にオリジナルの完成度も高まっているのかな…と少し期待しています。
(iii)伏線等
伏線とかは基本的にほとんど第1クールから進展していませんが…。
・執事とらのあな関連
アニメオリジナルの形で、16話で「執事とらのあな」をナギが作っていました。原作とは全く違う執事とらのあなを登場させたという事は、原作56話~63話にあたる執事修行編と地下迷宮編はカットされる可能性が高そうです。少なくとも、1年目では。その影響として、シスターと神父がアニメ本編には登場しないという事になりそうです。
その中に含まれているある種重要な西沢さんのエピソード(原作59話)はシスターがいなくても何とかなる話ですが、26話オリジナルエピソードで「ハヤテが西沢さんの執事」という似通ったシチュエーションがあったので、これも含めカットされるのかもしれません。
(iv)時系列一致
第2クール段階では失敗なんじゃないかと思いますね。
白皇学院の夏服が見れた事くらいなもので、アニメ内の季節が夏だった事によるメリットはほとんどありませんでした。それに対し、日付を意識しているこの漫画をアニメにする上で日付を無視しているのだから、デメリットはたくさんあるわけです。
例えば、原作66話のバレンタインの話はヒナギクと西沢さんが初めて出会う話です。ということは、アニメではヒナギクと西沢さんは来年2月まで出会うことが出来ない。無理矢理出会わせるなら別ですが。
その1ヵ月後には、1年で終わるとすれば最終回です。ラスト1ヶ月は最終回へ向けて収束させなきゃいけない。ということは、アニメでヒナハムの絡みはほとんど見ることが出来ないという事になってしまう。
1年で終わらず2年目の製作が決定したとしても、今度は2年目のラストで卒業シーズンに入ってしまう。これは原作から逸脱しすぎている。
メリットがほとんど無くて、デメリットがたくさんある。
これはやはり、どう見ても失敗だと思ってしまうんですよね…。
(v)総括
全体的にちょっと厳しめの評価になってしまいました。
僕は原作至上主義なところがあるので、アニメから入った方とは多分全然違う評価になったんじゃないかな…と思います。
一応総括ということで、第2クールをまとめると。
作画は良好、このクオリティなら問題なし。演出も割と良かったです。
パロディは少し勢いが足りない気はしますが、とりあえず悪くはない。
ちょっと残念だったのが、脚本や構成。原作での話の繋がり方を意識してほしいと思います。
好きだった漫画のキャラがアニメで動いてるという新鮮さはもうなくなってきている時期なので、原作通りだと原作既読者的には退屈になってしまう部分がありますね。
今のままでも原作未読の方は楽しめていると思いますが、原作既読のファンとしては、アニメで原作の面白さを更に引き出して欲しいと願うわけです。
アニメならではの演出などで原作を正当に「進化」させることを期待してしまうので、原作そのままだとちょっと期待はずれな感じで評価が下がってしまう。
ファンが持つアニメへの大きな期待が、今のハヤテ界隈でのアニメの低評価に繋がっているんではないかと思います。
さて、第3クール以降はどういう路線で来るのか。
ここからでも遅くない。キャラソンに頼らずオリジナルのライブ曲を作るくらいの気概で頑張ってほしいと思います。
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| ハヤテのごとく!! | 22:42 | comments:8 | trackbacks:0 | EDIT