2007年08月 | ARCHIVE-SELECT | 2007年10月

TVA「ハヤテのごとく!」第2クール総括

4月にスタートしたアニメ「ハヤテのごとく!」もいよいよ2クール26話が終了しました。放送が確定しているのは1年という事で、とりあえずは折り返しを迎えた事になります。

この記事では第2クール放映分について振り返ってみたいと思います。
あくまで一原作ファンの観点ということで、アニメからのファンの方とは違う考え方になるかと思いますが、その点に関してはご了承ください。

参考:TVA「ハヤテのごとく!」第1クール総括


(i)構成

アニメ版話数原作該当話(通算)
第14話「ちょっとちょっと!パーティー行かなあかんねん。早よして、ホント」39話
第15話「サムライ、ブシドー、動くヴァンダム」40話、41話
第16話「負けてもマケンドー」42話
第17話「あなたのためにメイっぱいナギ倒します♥」68話(+100話)
第18話「レアカードは水着です」(オリジナル)
第19話「サキさんのヤボ用(全国版)2007」49話、89話
第20話「本は好きですが、歌え大竜宮城」47話、48話
第21話「ピーターさんもいい迷惑」10話、25話
第22話「カポーンって擬音は誰が考えたんだろう?スゲーよね」26話、85話
第23話「ちびっ子ではない天才先生来たる」69話、70話
第24話「モテすぎて困る苦労はしたこと無いなぁ~」27話~29話
第25話「心を揺らして」30話~32話
第26話「お届けまで29分でしたので、規定通りの料金でお支払いお願いします……は、遠い前世紀の話」(オリジナル)

アニメ版第2クールの構成を考えようにも、一話完結が多く、放映された話に統一感がありません。キャラを少し掘り下げて描いた、といったところでしょうか。とりあえず主要キャラに関しては、消化可能な重要エピソードを少しずつ消化できてきていると思います。

全体の構成を見て疑問に感じるのは、24~25話。原作第1部ラストのエピソードであり、作者がバックステージで使った「暫定最終回2」という呼称がよく使われる一連の話です。
これは確かに消化しておくべき話ではあるのですが、何故ここに持ってきたのかは疑問が残ります。原作第2部の最初の話のサブタイトルが「アニメだったらオープニングがかわります!」なので、このタイトルを使わないにしても、一つの区切りとして、25~26話に持って来ると綺麗だったと思うんですけどね。


(ii)脚本

正直、各話ごとに言及してるとキリがないので、ある程度大雑把に気になった所だけという形で…。


・不合格通知

アニメ版14話感想記事中で言及していますが、ハヤテへの不合格の通知の仕方は正直文句を言いたい改変の仕方でした。
原作を改変する事自体は問題ないんですが、生徒会3人がイタい子にしか見えないシナリオになっていたのでここについてはしっかり批判しておきたい。細かい事ではあるんですけど、そういう役どころのキャラじゃないと思うので。
詳しくは14話感想記事のほうをご覧いただければと思います。


・ナギのお手伝い

この話で1週丸々使うとは意外でしたが、原作部分もしっかり描けていたと思うし、追加されたオリジナル部分も割と面白かったので良かったと思います。
正直な所を言わせて貰えば、今のところ、アニメで原作ベースに追加されたオリジナルエピソードで面白かったなと思えるのはこの話だけです。


・Cパート

どちらかと言うと構成の話になりそうですが、ここで。
16話及び24話本編終了後、原作にはない話をCパートとして描いています。後半の尺が余ったからなのか、製作スケジュール的に間に合わなかったのかは分かりませんが。
Cパートの内容についてもちょっと微妙。24話ではナギの母が出てきましたが、ここで出すべきキャラではありません。
まずは尺を考えて作り、どうしてもスケジュール的な都合等でCパートを入れざるを得ないのなら、せめてもう少し内容を考えて欲しいなと。


・サンキュースパッツ

23話でいよいよいいんちょのサンキュースパッツ話が放映されました。が、無理矢理話を合体させたせいで構成がメチャクチャです。
あの話は、原作の地下迷宮編→64話のマリアさんという流れがあったからこそ、神父が助言して、ハヤテがパンチラを気にする場面だったわけで。
見せ場だけはきっちり見せてきているのですが、それ以外の部分の構成が雑だったのが残念です。


・オリジナル話

第2クールでは18話と26話の2回、オリジナル話がありました。
オリジナル話に共通しているのはいわゆるカオスで、言い換えればぐだぐだです。カオスな事と面白い事はイコールではありません。
ただ、26話ではある程度ストーリーっぽいものがあったので、少しずつカオスさも改善されてきているのかな、と。
この記事は27話放映段階までの情報で書いていますが、27話のオリジナルストーリーも悪くなかったので、徐々にオリジナルの完成度も高まっているのかな…と少し期待しています。


(iii)伏線等

伏線とかは基本的にほとんど第1クールから進展していませんが…。

・執事とらのあな関連

アニメオリジナルの形で、16話で「執事とらのあな」をナギが作っていました。原作とは全く違う執事とらのあなを登場させたという事は、原作56話~63話にあたる執事修行編と地下迷宮編はカットされる可能性が高そうです。少なくとも、1年目では。その影響として、シスターと神父がアニメ本編には登場しないという事になりそうです。
その中に含まれているある種重要な西沢さんのエピソード(原作59話)はシスターがいなくても何とかなる話ですが、26話オリジナルエピソードで「ハヤテが西沢さんの執事」という似通ったシチュエーションがあったので、これも含めカットされるのかもしれません。


(iv)時系列一致

第2クール段階では失敗なんじゃないかと思いますね。
白皇学院の夏服が見れた事くらいなもので、アニメ内の季節が夏だった事によるメリットはほとんどありませんでした。それに対し、日付を意識しているこの漫画をアニメにする上で日付を無視しているのだから、デメリットはたくさんあるわけです。

例えば、原作66話のバレンタインの話はヒナギクと西沢さんが初めて出会う話です。ということは、アニメではヒナギクと西沢さんは来年2月まで出会うことが出来ない。無理矢理出会わせるなら別ですが。
その1ヵ月後には、1年で終わるとすれば最終回です。ラスト1ヶ月は最終回へ向けて収束させなきゃいけない。ということは、アニメでヒナハムの絡みはほとんど見ることが出来ないという事になってしまう。
1年で終わらず2年目の製作が決定したとしても、今度は2年目のラストで卒業シーズンに入ってしまう。これは原作から逸脱しすぎている。

メリットがほとんど無くて、デメリットがたくさんある。
これはやはり、どう見ても失敗だと思ってしまうんですよね…。


(v)総括

全体的にちょっと厳しめの評価になってしまいました。
僕は原作至上主義なところがあるので、アニメから入った方とは多分全然違う評価になったんじゃないかな…と思います。

一応総括ということで、第2クールをまとめると。
作画は良好、このクオリティなら問題なし。演出も割と良かったです。
パロディは少し勢いが足りない気はしますが、とりあえず悪くはない。
ちょっと残念だったのが、脚本や構成。原作での話の繋がり方を意識してほしいと思います。

好きだった漫画のキャラがアニメで動いてるという新鮮さはもうなくなってきている時期なので、原作通りだと原作既読者的には退屈になってしまう部分がありますね。
今のままでも原作未読の方は楽しめていると思いますが、原作既読のファンとしては、アニメで原作の面白さを更に引き出して欲しいと願うわけです。
アニメならではの演出などで原作を正当に「進化」させることを期待してしまうので、原作そのままだとちょっと期待はずれな感じで評価が下がってしまう。
ファンが持つアニメへの大きな期待が、今のハヤテ界隈でのアニメの低評価に繋がっているんではないかと思います。

さて、第3クール以降はどういう路線で来るのか。
ここからでも遅くない。キャラソンに頼らずオリジナルのライブ曲を作るくらいの気概で頑張ってほしいと思います。


ハヤテのごとく! 03 【初回限定版】
ジェネオン エンタテインメント (2007/09/21)
売り上げランキング: 290

| ハヤテのごとく!! | 22:42 | comments:8 | trackbacks:0 | EDIT

「ハヤテのごとく!」それぞれの"家族"への想い

アニメ最萌2007、ハヤテ勢では最有力と思われたヒナギクが敗れてしまいました。で、いったい誰に負けたのかと見てみたら「瀬戸の花嫁」のルナでした。
ああ、これはしょうがないな(納得
靴下脱ぐアレで何人が陥落した事か…下僕にしてくださいルナ様。


さて、そんな訳で「ハヤテのごとく!」です。
先週あんな引きで焦らしプレイだった訳で、流石に今週はヒナギクが告白するだろうと(百合的な意味ではなく)思って、先週の記事を「次週、二人の想いはどう揺れ動く。」とか締め括ったのに何も揺れ動いてなくて俺涙目。
とはいえ今週は凄く濃い話でした。来週の話と合わせて一話とのことですが、今週の話だけで見ていきたいと思います。



◇姉としての咲夜

hayate_145_01.jpg

今週のサクの可愛さは異常。
あ、「ハヤテお兄ちゃん」はあえて外しました。
何というか、あざとすぎたので。

「最近ハヤテをどう呼んだらいいか迷っていた」「微妙な乙女心」とはうまくまとめたなぁ、と思ってしまいました。
いきなり「ハヤテ」と呼び方が変わった事に対して違和感ありまくりという反応が多かったからなんじゃないかなと。実際違和感あったしなぁ。

ギルバートは兄とはいえ隠し子なので、愛沢家で事実上サクは一番上の姉ということになり、よく弟や妹の世話を見ているようです。
ナギと同年代のメンバーの中でも一番年上ということもあり、たまには自分も年上の兄に甘えてみたかったのかもしれません。
とはいえ、ハヤテお兄ちゃんはないと思いますから単なる萌えシーンですね。
やっぱり「ハヤテはん」あたりが無難かと思います。



◇ハヤテの家族

「前から一度聞きたかったんやけど。もし自分の両親が心を入れかえて…もう一度、一緒に暮らしたいって言ってきたら…自分…どうする?」

今週、咲夜がハヤテに投げかけた問いです。
それに対するハヤテの返答が以下。

「あり得ませんよ、そんな事は」
「二度目はないんですよ、二度目は」
「両親の行方より、いつか…兄の行方だけは絶対に捜したいとは思ってますけど」

二度目ということは、かつて一度両親はいなくなり、そして戻ってきた事があるようですね。
また、ハヤテは兄について「いるそうです」ではなく「いますよ」とはっきり言っていますから、小さい頃に兄と会った事はあるのでしょう。
そして、兄が突然消えてしまった。それは両親のせいであると考えるのは自然な流れ。だから兄とはいつか再会したい…ということでしょう。
兄を捜したいというハヤテの眼は、強く決意した眼でした。

ところで、91話(9巻6話)でも同じような質問をヒナギクにされています。
その時と今回と、ハヤテは既に親に対しては無関心なようです。
言葉に詰まるといつもこんな調子、という今週のハヤテの台詞も含め、145話と91話には割と似たようなシーンがありますね。



◇続・姫神とハヤテの兄の関連性について

前述の通り、今週またハヤテの兄に関する話が出てきました。
更に、今週はナギが姫神のことを言っていると思われる話をしていました。

ハヤテ兄も姫神も行方不明です。どちらも急にいなくなったキャラです。
そしてこの2人が同時に今週で描かれている。
となると、姫神とハヤテ兄の関連性に関して考えることができそうです。

さて、前に姫神とハヤテ兄の関連性についてという記事を書きました。
その中から一部引用してみます。
今後何かしらの伏線が出てこない限り、いきなり「姫神=ハヤテ兄」になることは無いと思うんですね。
他の色々な設定の伏線はたくさん散りばめているのに、伏線もなくこの2人をイコールで繋ぐような事はしないんじゃないかと思うので。
今週の話は「何かしらの伏線」に該当する話だと思うので、姫神=ハヤテ兄説に十分可能性が出てきたといえそうです。
「ハヤテ兄=姫神」ではない、と上記の記事で否定しているのは、伏線が皆無である事が根拠だったので。


ところで、ハヤテの兄はハヤテより大分年上らしいですが、ハヤテ兄=姫神説において、マリアさんが「姫神君」と呼んでいることに特に問題はないと思います。
ネタ的な話を抜きにしても、マリアさんは17歳と思えない大人びた雰囲気なのは事実ですから、仮に姫神が20代前半くらいでも、「姫神君」と呼ぶことに違和感は感じません。勤続年数もマリアさんのほうが上かと思いますし…。



◇ナギにとっての「家族」

今週のメインがこのナギがらみの話になります。
サクの家族の暖かい風景を見て、かつて母とよく月を眺めていた場所に行っていたナギ。今週の落ち着いた、だけどどこか切ないナギにはなんというかグッと来てしまいました。
ハヤテが、僕やマリアさんは家族みたいにずっと一緒、と励ましますが…

「少し…前の事だけど…どんな時でも側にいて、オレがお前を守ると言った男は、あっさりいなくなってしまったよ。」

明言はされていませんが、大方の予想通り姫神でしょうね。
ワタルの29話(3巻9話)での台詞「そんなんだからあの姫神って執事もいなくなったんじゃねーのか?」という台詞と、それは言っちゃ駄目、とばかりに反応したマリアさん、そのワタルの言葉を聞いて涙を流すナギ。
この様子を見ていると、ナギと姫神の間には深い信頼があったのだろうなと。

ナギは姫神を信頼していて、その姫神が突然消えた。
こうなると、姫神にも何か理由があったんじゃないかと思えてきます。
失踪に理由があった、と書くと、ヒナギクの両親の話なども思い返されてきますが…。裏で山狗が動いているかのごとく失踪しまくりです。


更にナギは続けます。

「マリアはたしかに今は側にいてくれて、家族みたいなものだけど、いつか誰かを好きになって、きっと私から離れていってしまうだろう…。そしてたぶんそれは、そう遠い日のことじゃないと思うんだ…。」

hayate_145_02.jpg

今、ハヤテやマリアさんと一緒にいられる生活にも、いつかは終わりが来る。そして、それはそう遠い未来のことじゃないんだ、と。
少女にとって大切な人が少女の前から何度も姿を消したように。
幸せな時間がいつまでも続かない事を、彼女は悟ってしまっている。

かつて母親や姫神が自分の側からいなくなったように。
マリアさんも、…そしてハヤテも、自分の側からいつかいなくなってしまうのだろうと思っているナギ。
なかなかに過酷な人生を歩んできたナギは、普通の人生経験は足りないけど、辛い経験は人一倍ありますからね…。
個人的に、このメイド服のカットには本当にグッと来てしまいました。

マリアさんがハヤテをいつか好きになる、という展開は、34話(4巻3話)の伊澄の台詞という伏線がありますから、可能性は高いと踏んでます。
ナギは既に誤解とか関係なく、一人の少女として、綾崎ハヤテに恋しています。


もし、母親のように慕ってきたマリアさんが、いつか好きになる人というのがハヤテだったら?
それは本当に少女にとって辛い事。
マリアさんにはずっと側にいてほしい。
けれど、自分が母親のように慕った人物だからこそ。
そして、彼女もまた辛い過去を持つ人物であるからこそ。
ナギは、他の誰よりもマリアさんの幸せを願っている人物でもあるんじゃないかと。

おぼろげだけれども。
この漫画はそういう方向に向かうんじゃないかな…なんて、思いました。



◇2つの「Distance」

今週の145話「Distance~近くても」は、58話(6巻6話)「Distance」と対になっているようですね。サブタイトル的に考えて。
そこで、この2つの話について少し比較しながら考えてみます。


58話では執事修行のためハヤテとナギが離れ離れ。
シスターの「主の元に戻れない」という言葉に、三千院家へ戻れなかった時にまた一人になってしまう自分を想像してしまったハヤテは、遠く離れた三千院家にいるナギの事を想います。
そこへナギからかかってくる電話。
ナギの「早く帰ってきてくれ」という言葉にハヤテは、自分の帰る場所があることに喜びを感じる…といったような話でした。
タイトル「Distance」は言わずもがな、離れ離れになっている二人の距離。

さて、今週の145話では、一人なのはナギ。
「近くても」とタイトルに加えられている通り、今回は傍にハヤテがいますから、今回の「Distance」は心の距離。
サクの家族を見て、家族の温かみを羨ましく思ったナギ。
ナギにとってハヤテやマリアさんは「家族みたいなもの」ではあるけれども、いつまでも一緒にいてくれる「本当の家族」だとはまだ思えていないようです。

ハヤテと自分の間には絆があって、ハヤテは自分の元で働きたいと思ってくれている。ナギはそう思っていることでしょう。
けれど、心のどこかに「借金がもし完済されたら、ハヤテは自分の元からいなくなってしまうのではないか?」という気持ちはあるのではないでしょうか。
その不安な気持ちを――少なくても今は――消したのが今週の話でした。


そして、これは完全な僕の推測ですが、今週は、いつかハヤテがナギの前から姿を消すことを示唆している話だったんじゃないかと。
姫神も理由なくふらっといなくなったりはしないでしょう。それでもその「ナギを守る」と言った男はいなくなってしまった。

かつてのナギにとっての母と姫神を、今のマリアさんとハヤテに置き換えるならば、マリアさんとナギもやはりいつか離れ離れになってしまうのかもしれません。
物語的にも終盤になってからでしょうけど、そんな展開がありえるんじゃないかな、なんて思ったりしていました。


という訳で、物凄い濃い話だったように思える145話。
来週の話と合わせて一つの話ということですが、あと残っている重要イベントはヒナハムの告白だけです。2週も焦らされてきましたが、ようやく来週、二人の想いが揺れ動く時が来そうです。
それでは次週に続きます。

------------------------------

結局うまくまとまらなかった…本当内容濃すぎる今週。
あまり推敲できてないので読みにくいだろうなぁと。
こんな長い記事を読んでいただきありがとうございます。

「4月3日長すぎ」という声を最近よく耳にするのですが、別に長くてもいいと思うんですよ。何も文句ないし、148話まで4月3日でも何ら問題ないと思う。
長編に色々なテーマを詰め込んで主題が見えにくくなってるのは確かですが、ぶっちゃけいつもの事じゃないですか。しばらく一話完結で感想書きにくかったこともあり、僕は4月3日編好きだけどなあ。


ハヤテのごとく! 03 【初回限定版】
ジェネオン エンタテインメント (2007/09/21)
売り上げランキング: 162

| ハヤテのごとく! | 23:26 | comments:8 | trackbacks:7 | EDIT

Nice boat. TVA「ハヤテのごとく!」26話

久々のアニメオリジナル話だった26話。

hayate_a26_01.jpg

Nice boat.

≫ Read More

| ハヤテのごとく!! | 23:28 | comments:9 | trackbacks:2 | EDIT

「ハヤテのごとく!」回る観覧車、空回りする生徒会長

さよなら絶望先生」の10巻が発売されました。
相変わらず紙ブログと加筆が面白いのですが、地味にハヤテと単行本発売時期がズレたことが気になります。今まで意図的としか思えないほど発売時期が被っていただけに。
あとは、絶望先生アニメ11話まで結局畑先生のエンドカードが無かったこととか。


さて。
今週の「ハヤテのごとく!」ではあのキャラが回想内で再び登場。
1年前にちょこっと回想で出ただけなのに割と根強い人気を誇るあのお方。

hayate_144_01.jpg

そう、アーたん
ここで出してくるとは、これは新学期で投入される可能性も高そう。
そういえばアーたんが登場して既に1年以上経ってるんだなぁ…。

今週の描写を見る限り、ハヤテは昔アーたんを好きだったんですね。
まあ一応昔の彼女という設定なので当たり前といえば当たり前ですが。
そして2人の間に何かあった…ということのようです。
アーたんとハヤテには色々エピソードがありそうだなぁ。


さて、アーたん登場ということでついでにいくつかお話を。
一応アーたん初登場時にも少し考察を行ってますが、久々なので。

アーたん=理事長説がありましたが、理事長はアニメ第3クール以降の新キャラとして登場が決まっているらしいので、アーたんと理事長は別人と見て良さそうです。
ドラマCDによれば理事長は9月30日放送分で登場するらしいんですが、全国で発売するドラマCDで、関東圏での放送日程を予告するのって酷いよね…。
そんな僕の地域は今日放映されたのが確か12話です。1クール遅れ。


話が逸れた。
推測ですが、僕はアーたんは留学してるんじゃないかな、と考えてます。
1年くらい留学していて、新学期から白皇に戻ってくるという設定。
これなら白皇で今まで出会わなかった理由も説明できますしね。

ちなみに、アーたんが留学生だと推測する根拠は学則の抜粋。
白皇学院学則第26条以降は関係する人物がある項目だけ抜粋されているように思えますが、その中で留学の項目だけ関係者がいない。
ということはまだ出ていないキャラに関係する学則?→アーたん?という論理です。

ちなみに学則はハヤテDS特別版の付録の生徒手帳に載ってます。手元にある方は確認してみると宜しいかと。
ハヤテDS、ゲーム本編の出来はなかなか微妙ですが、付録の生徒手帳が素晴らしいので、特典目当てで買うのはアリかもしれません。
というか、通常版を買う選択肢は無いと思う。


さて、そろそろ今週の本題、ヒナハムの話に移りましょう。
その前に、今週~来週の話をするための下準備と言う事で、まずはこれまでのヒナハムの2人の歩みを振り返ってみたいと思います。
長いので、お急ぎの方はこちらまで飛ばしてご覧ください。


・バレンタインデー

ヒナギクと西沢さんが出会ったのは2月14日、バレンタインデーでした。
ハヤテにチョコを渡そうと、本命と義理の両方を持って白皇学院までやってきた西沢さん。不審者扱いされますが、それを助けたのがヒナギクでした。

ヒナギクはその幸せ者を呼び出してあげる、と言いますが、まさかそれがハヤテだとは思いもよらなかったようで。
この時点でのヒナギク→ハヤテについては「もし、誰かにチョコを渡すとしたら…」といった感じの解釈でいいかと。

さて、西沢さんを応援し、自身は我慢する形となったヒナギク。
以降しばらく、ヒナは西沢さんとハヤテが付き合っていると勘違いします。
しかし、この西沢さんとの出会いが、ヒナギクが内に眠る本当の気持ちに気付くきっかけであったことは間違いありません。


・お泊り編

その次にヒナハムが出会ったのは、ヒナ宅お泊り編。
作中日付では2月21日、あれから1週間後の事です。
ハヤテと西沢さんが付き合っているという誤解が解け、その悶々デイズに一端の終止符を打てたのも束の間、ばったり西沢さんと遭遇します。

そして西沢さんの真剣な想いを感じ取ったヒナギクは

hayate_144_05.jpg

西沢さんの恋路を応援する事を約束します。
これが後にヒナを悩ませる事になるのは皆さんもご存知の通り…。


・テスト勉強

この次のヒナハムに関連する話というとヒナ祭り祭りを思い浮かべますが、その前にちょこっと触れておきたいのがテスト勉強。
作中日付では2月28日、西沢さんがヒナギクに勉強教えて~と頼む話です。

「ヒナさん…恋とは応援してもらうものではないと思うんですよ。」

hayate_90_01.jpg

とまあ、こんな事を言っていたのです。
これも西沢さんの心情を考える上でチェックしておきたい台詞です。


・下田温泉

さて、ヒナ祭り祭りに西沢さんは出てこないので華麗にすっ飛ばします。
ヒナ祭り祭りでは、ヒナギクが「私はハヤテ君が好きだ」と完全に自覚。
そしてそれを受けての下田編です。作中日付では3月12日。

ひたすら悶々と悩み続けていたヒナギク。
それでも心の内ではもう答えは決まっていて、マリアさんに相談することでそれを再確認。まずは西沢さんに会って話をしよう、と自分に言い聞かせていたら西沢さん登場。
まあ結局ヒナがのぼせてうやむやになってしまいますが、「大事な話」を日を改めてしたい、と言う事だけ伝えられます。


そしてこの後、作中で全然この2人は出会いません。
ホワイトデーではヒナが西沢さんにチョコのお返しとしてクッキーまで用意しているのに、結局出会わずで読者側としては肩透かしでした。

喫茶どんぐりで西沢さんもバイトする事になった時は、ヒナハムが出会うお膳立てでもあるのかなと思いましたが、まさかバイト初日に出会うとは意外。
シフト調整とかで偶然出会う展開になると思っていたので。
そんな中初日に出会うというのは、ヒナが頻繁に喫茶どんぐりに訪れていると言う事でもあるのかな。

4月3日。
いよいよヒナは正直に言う事を心に決めました。


さあ、ここからが今週のお話です。
夜桜を見に公園に来たヒナギクと西沢さん。

hayate_144_02.jpg

既に決意は固まっているのか。
早速切り出そうとするヒナギクですが、西沢さんは商店街のシンボルを見に行こうと言います。

「勇気をくれるシンボル」銀杏大観覧車

そして西沢さんに乗ろう乗ろうと言われてしまうヒナギク。
これは罰なのだ、と諦め大観覧車に乗ることに。

hayate_144_03.jpg

西沢さんに高所恐怖症かと聞かれ慌てて否定するヒナが可愛くて…。
キャラには弱点があったほうが可愛いものです。

そういえば、西沢さんはまだヒナギクが高所恐怖症だと知らなかったんですね。
ゴールデンウィークへの伏線がまた一つ解消された、と。
西沢さんのお姉さん属性も描かれているわけですが、ナギに対してはどうも弱かったりする西沢さん。
ヒナ、ハム、ナギの3人はいい感じで3すくみです。


さて、観覧車が止まり泣き出すヒナギク。
完璧生徒会長も、高い所には弱いのです。

そんなヒナギクに、こんな時は歌を歌えばいいんですよと言い出す西沢さん。
家庭教師の先生とギターの話が描かれています。
確かに西沢さんの部屋にギターがあることはちょっと疑問でした。

メチャクチャな先生、と言われると雪路を思い出しますが(4巻総扉でギター背負ってたし)、西沢さんの家庭教師が雪路だったという事なのでしょうか。
※追記:ヒナの「でもそうか…歌か…」を見落としていたのでちょっと修正。雪路の可能性は割と高そうですね。


そしてヒナギクはだんご3兄弟を歌います。
…JASRACに申請するなんて…(突っ込みどころが違う)
でも、ヒナ祭り祭りでJASRACを避けるべく残酷な天使のテーゼを適当にごまかしていた畑先生がJASRACに申請してまでだんご3兄弟だなんて…。

…さて、うまいこと西沢さんに乗せられて落ち着いたヒナギク。
本当ヒナギクは西沢さんに勝てない感じですね。
ヒナギクの決意とかやる気とか、いい感じで空回りしてます。

それとほぼ時を同じくして動き出す観覧車。


hayate_144_04.jpg


じゃあそろそろ、大事な話というのを聞きましょうか。


次号、二人の想いはどう揺れ動くのか。

-------------------------------

今週はとにかくページをめくるのが怖くて…。
そんな中、西沢さんが一人察していた…という展開もありえるかなぁなんて思ってたのですが、思いっきり直球で来るようです。ああ怖い怖い。
サクサイドは今週カットさせてもらいましたが、ナギは何処行ったんでしょうね、こんな時に。観覧車に来るわけも無し…。

あ、あとお知らせ。
ちょっと時間が取れないので微妙ですが、アニメ2クールの総括は書きます。
最近のハヤテアニメと、それに対する批判に思うところがあるので。
ま、全体的に見ると肯定的なものにはならないと思いますが…。


「ハヤテのごとく!」キャラクターCD(6)/愛沢咲夜
植田佳奈(愛沢咲夜)
ジェネオン エンタテインメント (2007/09/21)
売り上げランキング: 221

| ハヤテのごとく! | 22:51 | comments:4 | trackbacks:8 | EDIT

「ハヤテのごとく!」ヒナハム対面

ちょっと体調不良なので今週は縮小版です。

ハヤテのトークが飛ばされるのは予想通りかな。
サクの誕生日イベントである4月3日夜ですが、ハヤテからの誕生日プレゼントについては131話(サクの誕生日イベント予告編)で回収されているので、今回サクは笑ってなかったようではありますがまあこれでもいいのかなと。
サクの家族が初登場してたのも注目。


そして同じ頃、喫茶どんぐり。
ホワイトデーにヒナが西沢さんへのクッキーを用意している描写までありながら、結局下田以降一度も顔を合わせなかった二人ですが。
ついにここにきて、この2人が顔を合わせました。
ヒナハムの2人です。

あの日から1ヶ月。
人を好きになるということをまだよくわかっていなかった生徒会長は、この1ヶ月、どのような思いで過ごしてきたのか。西沢さんとの約束、自分の中で出ていた答え、自分のお人よしさ、それでもなお、自分の正直な気持ちも捨てられなくて―――
その胸中がついに、ここで西沢さんに明かされるのでしょうか。


ヒナギク関連はとにかく丁寧に描かれてますからね。
来週どうなるか気になって仕方ないのですが、読むのがちょっと怖かったりもします。
今週の西沢さんは来週の前フリだと思いますから、来週どうなるか想像がつかなくて。アルバイト編でハムがハヤテ→マリアさんに気付きかけた事も関係してくるのかな。
ここまで来てお茶を濁しはしないはず。
来週はしっかり構えて読まないとなぁ…なんて思っていたり。


来週ヒナハムの2人の関係が動く事は必至。
ここからどのようにしてゴールデンウィークに繋がっていくのか、注目です。

| ハヤテのごとく! | 23:19 | comments:3 | trackbacks:7 | EDIT

「ハヤテのごとく!」新たな腹黒キャラ登場

「ハヤテのごとく!」第3部で現れた期待の新キャラ、ハル。
メイド魂編・後編においてハルは有能なメイドさんとしてマリアさんのお株を奪っていきました。
新キャラながらハルの人気は非常に高く、次回人気投票での躍進が期待されています。

さて、今週の「ハヤテのごとく!」はそんなハルと、もう一人の第3部から登場した生徒会メンバーにスポットを当てた話です。

hayate_142_01.jpg

という訳で生徒会副会長・霞愛歌の登場です。

愛歌もハル同様125話(12巻7話)から登場しているのですが、ほとんど喋っていなかったので、バックステージを見ていない人はほとんど気に留めていなかったキャラだったのではないかと思います。

自分はどうだったかなぁと125話の感想を読み返してみたら
一言も喋っていないようでいて、クッキーのコマで「あうっ」と言っているのですが、どこか裏があるような顔立ちです。この白皇学院で私に逆らおうなど無駄無駄無駄無駄ァ~、なのですよ。とか言いそうです。
…まあ、後半部分は「あうっ」に関連したただのネタですが、このキャラにはやっぱり裏がありました。

というのも、この霞愛歌…

hayate_142_02.jpg

腹黒キャラでした。
ハヤテのごとく!において黒いといえばマリアさんですが、これはマリアさんに強力なライバルが出現したと言えるでしょう。
案外、最近マリアさんの黒さが明るみに出てきた事をカバーする役割があったりするのかもしれません。
確かにこんな素敵キャラを出されると傾いてしまいますが、マリアさんのアイデンティティーが一つ奪われてしまったような気もします…。


さて、そんな訳で先週ラストから話は夕方にまで遡ります。
メイドの姿でハヤテたちと会う事は避けたいハル。
学校ではクールでお固いのに、プライベートではメイドをやっている、そんなハルがメイドをやることになった経緯が語られます。

秋葉原でバイトについて考えているハル。
部屋を見る限り元々可愛いもの好きのようです。
そんなハルはメイドカフェのメイドたちを見て「なってない!!」

学校とプライベートでのギャップといい、これといい。
「魔法先生ネギま!」の"ちう"こと長谷川千雨を思い出した方は多いのではないでしょうか。
この漫画でも全然需要ありますよ、こういうキャラ。

あと、一つ気になる事。
ハルがメイドのバイトを始めたのはいつからなんでしょうね?
いつぞやの伊澄お着替え話のときも既にサク専属メイドだったのだろうか…。


話を戻してそんなこんなで今に至ると。
ハヤテやナギがサクの誕生日パーティーに来ないと知ったハルは、安心して仕事に専念できる、と素の自分をはじけさせます。

hayate_142_03.jpg

自分の主が寂しさを感じないようににぎやかに、と。
いやあ、メイドさんの鏡ですな。

まあ、問題はそこにいたのが愛歌だったことなんですが。


一発でハルの正体を見抜き、「なるほど…可愛らしい格好ね」と言う愛歌に対しハルは

「い!!いかーん!!愛歌さんの目がSモードに入っている!こ…これはイジめられる!!

Sモード、イジめられる…というこの表現を見るにこれは日常茶飯事。
ああ何て素敵な白皇学院生徒会。
最近アニメでもイジめられるのとかスキなことを暴露してしまったいいんちょさんとのSM的やり取りが日頃から繰り広げられているわけですね。

いや、まてよ。
むしろいいんちょがイジめられるのとかスキになった、その原因を作ったのがこの霞愛歌その人なのではあるまいか。
とかなんとか色々と妄想し放題です。
うわぁこれいいキャラだよ…!
愛歌といいんちょの話が今後描かれる事に期待せざるを得ません…!


さて、また話が逸れたので話を戻しまして。

「愛歌の「愛」はご恩のある愛沢の姓からもらったに決まっているじゃない。」

ただ誕生会に来ているだけではなく、サクとかなり関連性の深いキャラのようですね。
サクを中心とした人間関係が徐々に明らかになってきました。

自分のメイド姿を内緒にして欲しい、忘れて欲しいというハルに対し、愛歌は

「なにか事情がなきゃ…千桜さんがそんな格好しないもんね。」

そう言って何かを取り出す愛歌。

hayate_142_05.jpg

「だから…」

「この事は忘れてあげる♥」

hayate_142_04.jpg

ジャプニカ弱点帳って、これかーーーーーーーーーー!
弱点帳の裏には見づらいですが「ジャプニカ暗殺図鑑」と書いてあります。
マリアさんがジャプニカ暗殺帳を書いている…というネタを今年のエイプリルフールで使おうと思っていたのですが、作中では愛歌でしたか。
弱点帳…どんな事が書いてあるんでしょうね。ハル以外含め。


で、そこに現れたハヤテ・ナギと愛歌が対面。

「あら、あなたは綾崎君ですね。いつも会長がお世話になっているわね?

さて、普通に読めば普通の台詞ですが、腹黒ポイントを加味すると、ヒナギクの弱みも握っているんじゃないだろうかこの人…と深読みしてしまいます。
流石にヒナ祭り祭りの出来事を知っているとは思えないですが、動画研究部のアレとか考えると、ないと言い切れないのが怖い。
霞愛歌…なかなかに味わいのあるキャラです。


まあそんなこんなでようやく先週のラストに追いつくところで次週に続く。
最後にハヤテとナギの会話に言及しておきます。

ハヤテ「でもあの愛歌さんってどんな人なんですか?」
ナギ「さぁ?あんま面識ないけど、ヒナが言うには頭のキレる…すごく優しい人なんだと。」

頭のキレる…実に黒くていいキャラ、愛歌。
ハル同様、これからの活躍が期待できそうなキャラです。

バックステージによれば病弱なキャラでもあるそうな。
らき☆すたの「健全な精神は健全な肉体に宿る」という話を思い出しました。
そして、ハヤテ達と同学年ですが年齢が1個上だそうで。
すなわち今現在17歳

…何というか、流石です。

------------------------------

「あいか」と聞くと反射的に「愛花」と打ってしまう…。
長い長い4月3日ですが、個人的には面白くなってきたと思います。
流石にこの日が終わったらそろそろ新学期に突入してほしい思いますが。

しかし愛歌さん着物ですか…いいですね、和服を着た腹黒美人ってのも。

「ハヤテのごとく!」咲夜の誕生日パーティー


ハヤテのごとく! 03 【初回限定版】
ジェネオン エンタテインメント (2007/09/21)
売り上げランキング: 71

| ハヤテのごとく! | 21:37 | comments:7 | trackbacks:9 | EDIT

2007年08月 | ARCHIVE-SELECT | 2007年10月