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「ハヤテのごとく!」ムラサキノヤカタ・1人目の入居者

 ようやく執事付きアパートでの新しい生活が始まった「ハヤテのごとく!」
 久々の記事ということでまずはここしばらくの話をざっくり振り返ってみたいと思うのですが、とりあえず触れておかねばならないのはこれ。

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 ヒナギクに全力でときめいた…!
 やっぱり何だかんだで俺はヒナギクというキャラが大好きなんですよ。
 チャー坊も久々の登場でした。茶色いスズメだからチャー坊と名付けたヒナギクのネーミングセンスは、ギターにギー太、ベースにエリザベスと名付ける唯に通ずるものがある気がしました。わかりやすさって大事です。

 唯ときたら次に考えるべきはあずにゃんでして、「けいおん!!」におけるゆいあずの素晴らしさについてはいくら語っても足りない感じなのですが、それはともかく。
 ヒナギクについて考えたら、次に考えるべきは――

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 いずにゃんですね!
 既に百万回言われてそうなこのネタ、言ってみたはいいが、これは流行らない…。

 ともあれまさか3週にわたってハヤテといいんちょ、ヒナギクがにゃんにゃんする話が描かれるとは。「お前は執事の事がスキなんじゃないのかにゃ!」とか聞いてると、ブラック羽川を思い出しますね。ほら、公開されたのついこないだだし…。

 そしてそれに対するヒナギクの反応、ハヤテのおなじみの反応は、ヒナギク可愛い!と叫ぶに十分足るものでした。たださ、あれだけのことが旅行であったんだから、そろそろヒナギクとハヤテの関係も一歩前進してもいいんじゃないかな…。

 にゃんにゃん編はまあ面白かったのですが、1.5週分くらいの内容を薄めて3週にした感じの印象だったなあ。ヒナギクといいんちょがにゃんにゃんしてるのは見ててとっても楽しかったけど、「ムラサキノヤカタはゆっきゅんゆかりの建物である」ことを説明するのに5週くらいかかっているよね。ちょっとスローペースすぎるような。


 さて、ざっくり振り返るのも終わったところで、ここ3週くらいのお話です。久々に登場した神父、リィン・レジオスターが興味深いことを言っていましたね。要約すると、

 「ハヤテは感じやすい体質だ」

 ということです。…え、間違っていませんよね?
 「そういうの」を色々集めてしまう不幸体質だけれど、それをなんとかしてしまうのもハヤテの特徴。これは地味に今後の伏線なんじゃないかなあ。自分はまだミダスが完全に消滅したのか怪しいと思っている人なので、いずれナギに心のスキマが出来たとき、ハヤテが「集めた」ミダスがナギに入り込む展開とか。どうでしょう(何

 あと、ナギがお金に祝福されている人間であるということ。まあ、いずれお屋敷に戻るであろうことは予想がついていましたが、アパートの入居者を集めようというこの時期に、それを示す必要はあったのだろうか…。
 どうでもいいですがミダスって黄金の(ry


 さておき、執事付きアパートに訪れた最初の見学者。それは割と予想通りの人物、春風千桜でした。ナギの新しい友達である千桜が、どんな経緯で入居することになるのか。それが先週と今週のお話です。

 なんでも、千桜の両親はハワイでモツ鍋屋をやることになったとか。千桜の両親はハヤテ両親を髣髴とさせるダメ親っぷりですね…。というか、ノリがハヤテ両親まんまです。
 しかしモツ鍋屋とは。千桜の父親の友人って、もしかして…

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 ワタルの父親、橘陽一なんじゃなかろうか。
 グアムで失敗したのか成功したのか、その結果が気になるところではありますが――おそらく失敗したのでしょう――陽一と一緒では、成功しないだろうなあ…。

 執事付きアパートを見学し、そのサービスの良さで4万円という破格の金額に惹かれる千桜。ナギと楽しく遊んで、皆でご飯を食べて。そんなしばらくぶりの体験に、千桜はアパートを借りようと決意します。

 けれど、家族ってのは替えが効くものじゃなくて、いずれなくなってしまうもの。そうナギに言われて千桜は気付く。どんな事があろうと、あの両親は、千桜の家族なのだと。ナギにまた遊びに来ることを約束し、急いで家に帰る千桜。

 そして、いつぞや立てた火事フラグを消化するかのように、焼けていく千桜の家。

 うーん……。
 これから始まる共同生活に向けて、「家族」というものについて考え直すとかそういう意図があったのかもしれませんが、千桜をアパートに入居させるために千桜の家を燃やすってのはギャグとして流すには重いのでは。次の週に元に戻ったりしないんだから。
 両親がこれでも海外に行ったとするなら、千桜の「帰る場所」が半強制的にアパートしかなくなるわけで。今後の展開に対する読者の受け取り方にも影響を及ぼしそうな…。


 ま、オチがちょっとなとは思うものの、とりあえず千桜の入居が決定。
 そして次回は巻頭カラー。次号の予告を見るに、いよいよルカが登場しそうな気配です。これからのナギの物語に大きな影響を及ぼすであろう新キャラ・ルカ。いったいどんなキャラなのか、期待大です!


| ハヤテのごとく! | 00:45 | comments:3 | trackbacks:0 | EDIT

まずは『今』に全力投球。「ロウきゅーぶ!」4巻

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 既に5巻が出てますが、そんなことは気にせず「ロウきゅーぶ!」4巻の話でも。4巻は強豪・硯谷女学園との合同練習合宿の話。

 前半は相変わらずの展開なんですが、3巻で大活躍だったが最初から登場することで、小学生組とのラブコメとはまた違った面白さが。女子小学生と昴の仲睦まじい関係に嫉妬する葵かわいいよ葵。一つ一つの言動を疑い、誤解を深めてドツボにハマっていく様は、何ともこの作品らしいなあと思いました。
 いやまあ巻全体で見たとき「葵、引っかき回す以外のことほとんどしてないな…」と思ってしまったのは秘密だけどな!1巻をプッシュする時は「ロリ要素は、まあ、無いとは言えないけど、スポコンだよ!」と言ってきましたが、巻が進むにつれ、ロリという素材を生かした話作りにこなれてきたなーという印象です。いやはや。大変おいしくいただきました。

 新キャラ・麻奈佳も可愛いですね。やっぱり女子小学生メインの作品だからこそ、こういう昴の同世代~ちょっと上くらいの女子キャラがいい刺激になっています。昴と似たような境遇でありながら、少女たちのコーチをすることに対する重みが全然違う麻奈佳。昴はそんな彼女から、目標に向かって頑張るのも大切だけれど、『今』を楽しむことも大事なんだということを学びます。


 そして最終章の試合が凄く面白かった…!全力を出さず、斜に構えた態度を取っていた硯谷女学園のエース・未有。麻奈佳は、そんな未有をコートから追い出します。「本気でやってなかっただけ」というのは、本気でやっている人間に対する最大の侮辱。一つ一つの『今』の試合に全力を出さない人間に、コートにいる資格はないのだと。
 先ほどまで凄く優しい先輩だった麻奈佳が冷たく言い放つあたりが凄いインパクトです。もちろんこれも麻奈佳の優しさであることは言うまでもありませんが。今回の巻のテーマともマッチしていますし、智花に対する強力な同世代のライバルを出現させつつも、超強豪校相手に緊迫した試合展開にさせるあたりはもう…!

 最初はそれぞれのチームにおいて試合に対する意気込みにだいぶ熱量差があったわけですが、試合が進むにつれてそんないざこざ・やる気のなさを忘れて目の前の試合に全力投球するあたり、青春と言わずして何と言おうか。
 終わってみれば、ちゃんと親睦を深め、互いに切磋琢磨でき、試合には負けたもののすっきりとした気持ちで合宿を終え、今後への課題を見据えることが出来たという。うーん、構成的にも内容的にもいい話でありました。


 バスケの試合もちゃんとチームとしてのまとまりが出来てきており、その成長スピードは早過ぎるんじゃないかという気はするものの、それはあれだ、1巻でもあった「小学生って最高だな。」って奴ですよ。一人一人がしっかりと自分の役目を果たし、ベストを尽くそうとするあたりは、本当素晴らしかったなあと思います。

 そして昴の鈍さも相変わらず上手くコントロールされていて、だけどそこが相変わらず面白い。葵と昴のドタバタ劇も、この作品のひとつの魅力といえましょう。

 各巻ごとの流れが若干テンプレ化している感は否めないものの、それで安定した面白さを叩き出せているのだしいいんじゃないかな、とも。ただ試合に対するモチベーションによって面白さが左右されてしまうのは事実で、2巻はそういう点で少し物足りなくもありました。
 しかし、そういう意味で言うならば今回の4巻は、1巻に届くんじゃないかというくらいに面白い試合パートでした。こういう熱い試合が今後とも見られることに期待します。

 ああもうとにかく面白かったんだよ!
 2010年、当ブログ一押しの作品は昨年から引き続き「ロウきゅーぶ!」です。オススメ。


これは是非読んでみて欲しい、ガチで面白かった「ロウきゅーぶ!」
葵が王道的幼馴染キャラで最強すぎる「ロウきゅーぶ!」3巻


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| 電撃文庫 | 14:10 | comments:0 | trackbacks:0 | EDIT

『アイテム』と美琴のガチバトル!「とある科学の超電磁砲」5巻

とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲 5 (電撃コミックス) とある科学の超電磁砲 5 特装版―とある魔術の禁書目録外伝 (電撃コミックス)

 「とある科学の超電磁砲」の5巻が発売されました。
 2クール続いたアニメも終わり、今度は原作「禁書目録」の第2期が決定したこの作品。この作品の勢いは衰えることはなく、むしろ更に加速している――そんな事を感じた一冊でした。
 「禁書」で生かされなかった設定や、描かれていなかった部分を掘り下げていくこの作品。随所に「禁書」との繋がりが見えてきて、非常に面白いです。


 一方通行をレベル6に進化させるという「絶対能力進化計画」を中止させるべく、計画の関連施設を潰していく美琴。木山の言った「限りなく絶望に近い運命」に抗うべく、誰にも頼らず、自分の力で全てを片付けようとします。
 布束に「私を誰だと思ってるの?」と言い放った美琴。直接一方通行を倒すことは叶わずとも、研究施設の破壊くらい、レベル5である自分ならできるんじゃないか。そう思っていた美琴は、やがて更なる絶望へと沈んでいくことになるわけですが、それはもう少し先の話。

 印象的なのはその目。この計画を潰してやる――その思いだけに支配され、片っ端から関連施設を破壊する機械と化した美琴。その狂気に支配されたような目が何よりも印象的で、美琴の絶望がいかに深いものだったのかを思い知らされます。


 そんな美琴の前に立ちはだかったのが、学園都市の暗部で活動する組織である『アイテム』。研究施設の防衛を依頼された彼女らと美琴が戦うシーンが、この巻一番の目玉です。美琴が現れた施設で待機していたのはフレンダでした。
 原作「禁書目録」では15巻で登場した『アイテム』、そのメンバーの中でもフレンダといえばとりわけ不遇なキャラでして、そんなフレンダの活躍が見られるというのは嬉しいですね!

 原作では明らかになっていなかったフレンダの能力ですが、どうやら「能力を主軸としない」キャラである様子。あらかじめ仕掛けておいた爆弾を使い、巧みに美琴を追い込んでいきます。しかし美琴も流石のレベル5。フレンダの仕掛けた罠だらけの建物で、フレンダのハッタリに引っかかったりしながらも、最終的にフレンダを追い詰めます。
 やはりレベル5である美琴のガチバトルは読んでて面白いですね!原作では美琴がその力を振るう機会は少ないだけに、美琴の活躍が見られるこの「超電磁砲」はやはり素晴らしい。

 普段ならいざ知らず、今の美琴に容赦はない。仲間の情報を吐かなければ黒焦げにするとフレンダを脅し、情報を引き出そうとしますが、そこに『アイテム』の仲間が駆けつける。
 情報を漏らしかけたフレンダ。こういうシーンでもフレンダの性格が見えてきて、原作既読だとニヤリとできますね。


 美琴はそのままレベル5の第四位、「原子崩し」の麦野との戦いに突入。しかし美琴は連日連夜施設潰しを続けており、さらにフレンダ戦の直後。万全ではなく、更に相手には「能力追跡」ができる滝壺がいる、と非常に不利な状況。それでも上手いこと立ち回り、ほぼ限界まで能力を使ってなんとか脱出。施設の破壊にも成功します。

 こうして計画を撤退に追い込んだかに見えた美琴ですが、計画は外部の施設に引き継がれ続けられているとは露知らず。そんな状況で美琴は当麻と出会い――。
 ここから原作3巻の、美琴とミサカが出会うシーンに繋がっていくわけですが、まさかそれまでにこんな戦いがあったとは。既に一度計画を撤退に追い込みかけていたとは、そりゃあミサカと出会ったときの衝撃は大きかったことでしょう。「自分のクローンがいる」とはまた別の意味で。

 次回以降も原作と大筋では同じ展開になるのでしょうが、スピンオフならではの美琴の心情を掘り下げた展開が描かれるでしょうから期待。今から6巻の発売が楽しみで仕方ないぜ…!


 そして、今回も例によって特装版商法が行われているわけですが、その付録「偽典・超電磁砲」も面白いです。いつぞやの「とらドラ!vs禁書目録」に収録された美琴のパンツに関する熱い話もさることながら、「デュラララ!!」作者・成田良悟によるトリビュート小説「とある自販機の存在証明」がガチで面白い!

 原作「禁書目録」の設定、アニメ「超電磁砲」の設定を非常に上手く絡めてきた話作り。オチのつけ方も素晴らしく、まさかあのキャラを、こんな形で話に絡めてくるとは。二次創作とはかくあるべし、と言いたいくらいの完成度でした。これは必見ですよ…!
 本当「禁書目録」は幸せな作品だなあ、と思ったのでした。



とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲 5 (電撃コミックス)
鎌池 和馬
アスキー・メディアワークス (2010-06-26)

| 漫画レビュー | 02:51 | comments:0 | trackbacks:0 | EDIT

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