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ナルミの啖呵に震えた「神様のメモ帳」4巻

神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)

 自分は昨年「さよならピアノソナタ」を超プッシュしていましたが、その作者・杉井さんの電撃文庫での別シリーズの1つがこの「神様のメモ帳」です。3巻で完結したのかと思っていましたが、まさかの4巻発売&ドラマCD化。これはアニメ化フラグなのでしょうか。

 それはともかくこの「神メモ」4巻がめちゃくちゃ、いやもうくちゃくちゃ面白かったのです。1巻~3巻も面白かったんですが、4巻は別格ですね。素晴らしかった。


 「神様のメモ帳」は、ニート探偵・アリスと、その助手・ナルミを中心とした物語。今回の4巻は、平坂組のもう一人の創始者、平坂が戻ってきた…ということで、四代目と平坂の間に何があったのかを明らかにしていくお話です。

 今回も相変わらずアリスが可愛い。ツンデレの王道を往くアリスですが、今回も冒頭からフルスロットルでしたね。ナルミのことを意識した時のアリスが可愛くてたまらんです。でもそれとは別にニート探偵としてのアリスもまた見所があって、「言葉」の大切さを説くシーンなんかは凄く印象に残りました。

 一方のナルミは不器用ながらも自分なりに何か出来ないかと動いていくんですが、後半ナルミが覚醒したシーンの盛り上がりは異常。4巻の見所はあのシーンに集約されているといっても過言ではないはず。やっぱり普段ヘタレなキャラだからこそ、ここぞという時のカタルシスは大きいです。あれは震えたね。


 「さよならピアノソナタ」は、言葉で伝わらない想いを音楽で伝え、音楽で伝わらない想いを言葉で伝える…というお話でしたが、「神様のメモ帳」では、不確かな想いを確かな形にし、形にならなかった部分を容赦なく切り捨てるものとして言葉が描かれます。この2作品は、それぞれ別のアプローチから「言葉」というものについて描いている、とも言えるかもしれません。

 また、今回作中ではあるガールズバンドと関わっていくことになりますが、そのガールズバンドがさりげなく「さよならピアノソナタ」を仄めかすような描写になっていて嬉しかったですね。色々違っている部分はあるのだけれど、知っている人はニヤリと出来てしまうファンサービス。こういうの好きだなあ。


 「さよならピアノソナタ」もそうですが、杉井さんの書く作品は色々と自分のツボを突いてくるなあと。まだ読んでいない方は是非。オススメです。自分もまだ読んでない杉井さんの作品をこれからチェックしていこうと思っていたり。
 そして10月には「さよならピアノソナタ」の短編集が出るという話で、これはwktkがとまらないぜ。

 余談。読みながら何となくアリスは「みなみけ」の千秋ボイスで再生してたんですが、ドラマCDのCV見たら「けいおん!」のムギの人ですか。ムギによるアリス…想像がつかないぜ。これはあれか、ドラマCDも買うしかないのか…!?


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| 電撃文庫 | 23:59 | comments:2 | trackbacks:0 | EDIT

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