この世界観にたまらなく癒される「人類は衰退しました」4巻
「なごむなー」「まったりー」「わびさびー」「わさび、からいなー」「ぽえーん」「まざー2、たのしかたです」そんな感じの(?)妖精さんの会話がこの上なく和みまくる「人類は衰退しました」4巻の感想です。妖精さんの会話は再現が難しいぜ。
4巻には中編2本が収録されています。3巻は実質長編1本でしたが、やはり「衰退」はこのくらいがちょうどいい気がしますね。
・妖精さんの、ひみつのこうじょう
ニワトリを●すのに失敗し、ニワトリを逃がしてしまう所から話は始まります。物資不足でお菓子を作れない、という話を妖精さんたちにした数日後から町に出回る、「妖精社」の品々。いつの間にか棚に陳列されていて、いくら使っても目を放した隙に補充されるという各種物資。その出所を探るため、「妖精社」の工場に侵入します。
しかしまた何ともシュールな展開ですね。逃げ出した臆病なチキンたちが様々な製品に加工されていく様なんかもう。そして最後はチキンレース的な崖からの転落。まとめると、チキンという題材を上手く料理した話でしたね!
・妖精さんの、ひょうりゅうせいかつ
クスノキの里の妖精密度が高まっている事を受け、「わたし」が地方に単身赴任。そしていつのまにか無人島での漂流生活が始まっている話。最初は少なかった妖精さんたちが島を開発する過程で増えていき、そこに一国を作り上げます。そして「わたし」が女王様。
この無人島で開発されていく各種植物を見ていると、何だか絵本とか童話に出てきそうな不思議の国みたいですね。パイナップルから発電したり、お菓子がなる植物があったり、まさに不思議の国。
しかし国の崩壊はあっけなく。いくら妖精さんたちでも、何でもありという訳じゃないんですね。妖精さんたちの不思議さはともかくとして、人間がどうやって妖精の人口分布を調べたのか、それがこの話で一番不思議なところだったかもしれません。
そんな訳で4巻も面白かったです。
熱い展開も、ニヤニヤするような展開もありませんが、この世界観が好きだなあ。ただただまったりと和む。
あとがきによれば来年は新展開ということですが、アニメ化するような話でもないので、メディアミックスだとしたらコミカライズかなあ。もしくは、前述したように絵本っぽいところもあるし、3巻、4巻と助手さんが絵本描いてたりしましたから、絵本化とかしたりしませんかね。ごちそうさまぁっ♪
「衰退」の5巻や新展開も楽しみですが、それより同じくあとがきにあった「Rewrite」には期待していいんですかね!現段階で既にそこまでシナリオが出来てるなら、思ったより開発は進んでるのかな。楽しみだー。
□田中ロミオのまったりSF「人類は衰退しました」
| その他ラノベ | 21:24 | comments:2 | trackbacks:0 | EDIT