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はてなキーワード: あかぎれとは

2026-04-23

anond:20260423184346

 こうなってくると何をいうても、直ぐそこへ持ってくるので話がゆきつまってしまう。二人の内でどちらか一人が、すこうしほんの僅かにでも押が強ければ、こんなに話がゆきつまるのではない。お互に心持は奥底まで解っているのだから吉野紙を突破るほどにも力がありさえすれば、話の一歩を進めてお互に明放してしまうことが出来るのであるしかしながら真底からおぼこな二人は、その吉野紙を破るほどの押がないのである。またここで話の皮を切ってしまわねばならぬと云う様な、はっきりした意識も勿論ないのだ。言わば未まだ取止めのない卵的の恋であるから、少しく心の力が必要な所へくると話がゆきつまってしまうのである

 お互に自分で話し出しては自分が極りわるくなる様なことを繰返しつつ幾町かの道を歩いた。詞数こそ少なけれ、その詞の奥には二人共に無量の思いを包んで、極りがわるい感情の中には何とも云えない深き愉快を湛えて居る。それでいわゆる足も空に、いつしか田圃も通りこし、山路へ這入った。今度は民子が心を取り直したらしく鮮かな声で、

「政夫さん、もう半分道来ましてしょうか。大長柵おおながさくへは一里に遠いッて云いましたねイ」

「そうです、一里半には近いそうだが、もう半分の余来ましたろうよ。少し休みましょうか」

わたし休まなくとも、ようございますが、早速お母さんの罰があたって、薄すすきの葉でこんなに手を切りました。ちょいとこれで結わえて下さいな」

 親指の中ほどで疵きずは少しだが、血が意外に出た。僕は早速紙を裂いて結わえてやる。民子が両手を赤くしているのを見た時非常にかわいそうであった。こんな山の中で休むより、畑へ往いってから休もうというので、今度は民子を先に僕が後になって急ぐ。八時少し過ぎと思う時分に大長柵の畑へ着いた。

 十年許り前に親父おやじが未だ達者な時分、隣村の親戚からまれ余儀なく買ったのだそうで、畑が八反と山林が二町ほどここにあるのである。この辺一体に高台は皆山林でその間の柵が畑になって居る。越石こしこくを持っていると云えば、世間体はよいけど、手間ばかり掛って割に合わないといつも母が言ってる畑だ。

 三方林で囲まれ、南が開いて余所よその畑とつづいている。北が高く南が低い傾斜こうばいになっている。母の推察通り、棉は末にはなっているが、風が吹いたら溢れるかと思うほど棉はえんでいる。点々として畑中白くなっているその棉に朝日がさしていると目まぶしい様に綺麗だ。

「まアよくえんでること。今日採りにきてよい事しました」

 民子は女だけに、棉の綺麗にえんでるのを見て嬉しそうにそう云った。畑の真中ほどに桐の樹が二本繁っている。葉が落ちかけて居るけれど、十月の熱を凌しのぐには十分だ。ここへあたりの黍殻きびがらを寄せて二人が陣どる。弁当包みを枝へ釣る。天気のよいのに山路を急いだから、汗ばんで熱い。着物を一枚ずつ脱ぐ。風を懐ふところへ入れ足を展のばして休む。青ぎった空に翠みどりの松林百舌もずもどこかで鳴いている。声の響くほど山は静かなのだ天と地との間で広い畑の真ン中に二人が話をしているのである

「ほんとに民子さん、きょうというきょうは極楽の様な日ですねイ」

 顔からから汗を拭いた跡のつやつやしさ、今更に民子の横顔を見た。

「そうですねイ、わたし何だか夢の様な気がするの。今朝家うちを出る時はほんとに極りが悪くて……嫂ねえさんには変な眼つきで視られる、お増には冷かされる、私はのぼせてしまいました。政夫さんは平気でいるから憎らしかったわ」

「僕だって平気なもんですか。村の奴らに逢うのがいやだから、僕は一足先に出て銀杏の下で民さんを待っていたんでさア。それはそうと、民さん、今日はほんとに面白く遊ぼうね。僕は来月は学校へ行くんだし、今月とて十五日しかないし、二人でしみじみ話の出来る様なことはこれから先はむずかしい。あわれッぽいこと云うようだけど、二人の中も今日だけかしらと思うのよ。ねイ民さん……」

「そりゃア政夫さん、私は道々そればかり考えて来ました。私がさっきほんとに情なくなってと言ったら、政夫さんは笑っておしまいなしたけど……」

 面白く遊ぼう遊ぼう言うても、話を始めると直ぐにこうなってしまう。民子は涙を拭うた様であった。ちょうどよくそこへ馬が見えてきた。西側山路から、がさがさ笹にさわる音がして、薪たきぎをつけた馬を引いて頬冠ほおかむりの男が出て来た。よく見ると意外にも村の常吉である。この奴はいつか向うのお浜に民子を遊びに連れだしてくれと頻しきりに頼んだという奴だ。いやな野郎がきやがったなと思うていると、

「や政夫さん。コンチャどうも結構なお天気ですな。今日は御夫婦で棉採りかな。洒落しゃれてますね。アハハハハハ」

「オウ常さん、今日は駄賃かな。大変早く御精が出ますね」

「ハア吾々なんざア駄賃取りでもして適たまに一盃いっぱいやるより外に楽しみもないんですからな。民子さん、いやに見せつけますね。余あんまり罪ですぜ。アハハハハハ」

 この野郎失敬なと思ったけれど、吾々も余り威張れる身でもなし、笑いとぼけ常吉をやり過ごした。

馬鹿野郎、実に厭なやつだ。さア民さん、始めましょう。ほんとに民さん、元気をお直しよ。そんなにくよくよおしでないよ。僕は学校へ行ったて千葉もの、盆正月の外にも来ようと思えば土曜の晩かけて日曜に来られるさ……」

「ほんとに済みません。泣面なきつらなどして。あの常さんて男、何といういやな人でしょう」

 民子襷掛け僕はシャツに肩を脱いで一心に採って三時間ばかりの間に七分通り片づけてしまった。もう跡はわけがいか弁当にしようということにして桐の蔭に戻る。僕はかねて用意の水筒を持って、

「民さん、僕は水を汲くんで来ますから留守番を頼みます。帰りに『えびづる』や『あけび』をうんと土産みやげに採って来ます

「私は一人で居るのはいやだ。政夫さん、一所に連れてって下さい。さっきの様な人にでも来られたら大変ですもの

だって民さん、向うの山を一つ越して先ですよ、清水しみずのある所は。道という様な道もなくて、それこそ茨いばらや薄すすきで足が疵だらけになりますよ。水がなくちゃ弁当が食べられないから、困ったなア、民さん、待っていられるでしょう」

「政夫さん、後生から連れて行って下さい。あなたが歩ける道なら私にも歩けます。一人でここにいるのはわたしゃどうしても……」

「民さんは山へ来たら大変だだッ児になりましたネー。それじゃ一所に行きましょう」

 弁当は棉の中へ隠し、着物はてんでに着てしまって出掛ける。民子は頻りに、にこにこしている。端はたから見たならば、馬鹿馬鹿しくも見苦しくもあろうけれど、本人同志の身にとっては、そのらちもなき押問答の内にも限りなき嬉しみを感ずるのである。高くもないけど道のない所をゆくのであるから笹原を押分け樹の根につかまり、崖を攀よずる。しばしば民子の手を採って曳ひいてやる。

 近く二三日以来の二人の感情では、民子が求めるならば僕はどんなことでも拒まれない、また僕が求めるならやはりどんなことでも民子は決して拒みはしない。そういう間柄でありつつも、飽くまで臆病に飽くまで気の小さな両人ふたりは、嘗かつて一度も有意味に手などを採ったことはなかった。しかるに今日は偶然の事から屡手を採り合うに至った。這辺このへんの一種云うべからざる愉快な感情経験ある人にして初めて語ることが出来る。

「民さん、ここまでくれば、清水はあすこに見えます。これから僕が一人で行ってくるからここに待って居なさい。僕が見えて居たら居られるでしょう」

「ほんとに政夫さんの御厄介ですね……そんなにだだを言っては済まないから、ここで待ちましょう。あらア野葡萄えびづるがあった」

 僕は水を汲んでの帰りに、水筒は腰に結いつけ、あたりを少し許り探って、『あけび』四五十と野葡萄一もくさを採り、竜胆りんどうの花の美しいのを五六本見つけて帰ってきた。帰りは下りから無造作に二人で降りる。畑へ出口で僕は春蘭しゅんらんの大きいのを見つけた。

「民さん、僕は一寸『アックリ』を掘ってゆくから、この『あけび』と『えびづる』を持って行って下さい」

「『アックリ』てなにい。あらア春蘭じゃありませんか」

「民さんは町場もんですから、春蘭などと品のよいこと仰おっしゃるのです。矢切百姓なんぞは『アックリ』と申しましてね、皸あかぎれの薬に致します。ハハハハ」

「あらア口の悪いこと。政夫さんは、きょうはほんとに口が悪くなったよ」

 山の弁当と云えば、土地の者は一般に楽しみの一つとしてある。何か生理上の理由でもあるか知らんが、とにかく、山の仕事をしてやがてたべる弁当不思議うまいことは誰も云う所だ。今吾々二人は新らしき清水を汲み来り母の心を籠こめた弁当を分けつつたべるのである。興味の尋常でないは言うも愚おろかな次第だ。僕は『あけび』を好み民子は野葡萄をたべつつしばらく話をする。

 民子は笑いながら、

「政夫さんは皸の薬に『アックリ』とやらを採ってきて学校へお持ちになるの。学校で皸がきれたらおかしいでしょうね……」

 僕は真面目に、

「なアにこれはお増にやるのさ。お増はもうとうに皸を切らしているでしょう。この間も湯に這入る時にお増が火を焚たきにきて非常に皸を痛がっているから、その内に僕が山へ行ったら『アックリ』を採ってきてやると言ったのさ」

「まアあなたは親切な人ですことね……お増は蔭日向かげひなたのない憎気のない女ですから、私も仲好くしていたんですが、この頃は何となし私に突き当る様な事ばかし言って、何でもわたしを憎んでいますよ」

「アハハハ、それはお増どんが焼餅をやくのでさ。つまらんことにもすぐ焼餅を焼くのは、女の癖さ。僕がそら『アックリ』を採っていってお増にやると云えば、民さんがすぐに、まアあなたは親切な人とか何とか云うのと同じ訣わけさ」

「この人はいつのまにこんなに口がわるくなったのでしょう。何を言っても政夫さんにはかないやしない。いくらだってお増が根も底もない焼もちだ位は承知していますよ……」

「実はお増も不憫ふびんな女よ。両親があんなことになりさえせねば、奉公人とまでなるのではない。親父は戦争死ぬ、お袋はこれを嘆いたがもとでの病死、一人の兄がはずれものという訣で、とうとうあの始末。国家のために死んだ人の娘だもの、民さん、いたわってやらねばならない。あれでも民さん、あなたをば大変ほめているよ。意地曲りの嫂にこきつかわれるのだから一層かわいそうでさ」

「そりゃ政夫さん私もそう思って居ますさ。お母さんもよくそうおっしゃいました。つまらないものですけど何とかかとか分けてやってますが、また政夫さんの様に情深くされると……」

 民子は云いさしてまた話を詰らしたが、桐の葉に包んで置いた竜胆の花を手に採って、急に話を転じた。

「こんな美しい花、いつ採ってお出でなして。りんどうはほんとによい花ですね。わたしりんどうがこんなに美しいとは知らなかったわ。わたし急にりんどうが好きになった。おオえエ花……」

 花好きな民子は例の癖で、色白の顔にその紫紺の花を押しつける。やがて何を思いだしてか、ひとりでにこにこ笑いだした。

「民さん、なんです、そんなにひとりで笑って」

「政夫さんはりんどうの様な人だ」

「どうして」

「さアどうしてということはないけど、政夫さんは何がなし竜胆の様な風だからさ」

 民子は言い終って顔をかくして笑った。

「民さんもよっぽど人が悪くなった。それでさっきの仇討あだうちという訣ですか。口真似なんか恐入りますナ。しかし民さんが野菊で僕が竜胆とは面白い対ですね。僕は悦よろこんでりんどうになります。それで民さんがりんどうを好きになってくれればなお嬉しい」

 二人はこんならちもなき事いうて悦んでいた。秋の日足の短さ、日はようやく傾きそめる。さアとの掛声で棉もぎにかかる。午後の分は僅であったから一時間半ばかりでもぎ終えた。何やかやそれぞれまとめて番ニョに乗せ、二人で差しあいにかつぐ。民子を先に僕が後に、とぼとぼ畑を出掛けた時は、日は早く松の梢をかぎりかけた。

 半分道も来たと思う頃は十三夜の月が、木この間まから影をさして尾花にゆらぐ風もなく、露の置くさえ見える様な夜になった。今朝は気がつかなかったが、道の西手に一段低い畑には、蕎麦そばの花が薄絹を曳き渡したように白く見える。こおろぎが寒げに鳴いているにも心とめずにはいられない。

「民さん、くたぶれたでしょう。どうせおそくなったんですから、この景色のよい所で少し休んで行きましょう」

「こんなにおそくなるなら、今少し急げばよかったに。家の人達にきっと何とか言われる。政夫さん、私はそれが心配になるわ」

「今更心配しても追おっつかないから、まア少し休みましょう。こんなに景色のよいことは滅多めったにありません。そんなに人に申訣のない様な悪いことはしないもの、民さん、心配することはないよ」

 月あかりが斜にさしこんでいる道端の松の切株に二人は腰をかけた。目の先七八間の所は木の蔭で薄暗いがそれから向うは畑一ぱいに月がさして、蕎麦の花が際きわ立って白い。

「何というえい景色でしょう。政夫さん歌とか俳句かいものをやったら、こんなとき面白いことが云えるでしょうね。私ら様な無筆でもこんな時には心配も何も忘れますもの。政夫さん、あなた歌をおやんなさいよ」

「僕は実は少しやっているけど、むずかしくて容易に出来ないのさ。山畑の蕎麦の花に月がよくて、こおろぎが鳴くなどは実にえいですなア。民さん、これから二人で歌をやりましょうか」

 お互に一つの心配を持つ身となった二人は、内に思うことが多くてかえって話は少ない。何となく覚束おぼつかない二人の行末、ここで少しく話をしたかったのだ。民子は勿論のこと、僕よりも一層話したかったに相違ないが、年の至らぬのと浮いた心のない二人は、なかなか差向いでそんな話は出来なかった。しばらくは無言でぼんやり時間を過ごすうちに、一列の雁がんが二人を促すかの様に空近く鳴いて通る。

 ようやく田圃へ降りて銀杏の木が見えた時に、二人はまた同じ様に一種感情が胸に湧いた。それは外でもない、何となく家に這入はいりづらいと言う心持である。這入りづらい訣はないと思うても、どうしても這入りづらい。躊躇ちゅうちょする暇もない、忽たちまち門前近く来てしまった。

「政夫さん……あなた先になって下さい。私極きまりわるくてしょうがないわ」

「よしとそれじゃ僕が先になろう」

 僕は頗すこぶる勇気を鼓こし殊に平気な風を装うて門を這入った。家の人達は今夕飯最中で盛んに話が湧いているらしい。庭場の雨戸は未だ開いたなりに月が軒口までさし込んでいる。僕が咳払せきばらいを一ツやって庭場へ這入ると、台所の話はにわかに止んでしまった。民子は指の先で僕の肩を撞ついた。僕も承知しているのだ、今御膳会議で二人の噂が如何いかに盛んであったか

 宵祭ではあり十三夜ではあるので、家中表座敷へ揃そろうた時、母も奥から起きてきた。母は一通り二人の余り遅かったことを咎めて深くは言わなかったけれど、常とは全く違っていた。何か思っているらしく、少しも打解けない。これまでは口には小言を言うても、心中に疑わなかったのだが、今夜は口には余り言わないが、心では十分に二人に疑いを起したに違いない。民子はいよいよ小さくなって座敷中なかへは出ない。僕は山から採ってきた、あけびや野葡萄えびづるやを沢山座敷中じゅうへ並べ立てて、暗に僕がこんな事をして居たから遅くなったのだとの意を示し無言の弁解をやっても何のききめもない。誰一人それをそうと見るものはない。今夜は何の話にも僕等二人は除のけものにされる始末で、もはや二人は全く罪あるものと黙決されてしまったのである

「お母さんがあんまり甘過ぎる。あアして居る二人を一所に山畑へやるとは目のないにもほどがある。はたでいくら心配してもお母さんがあれでは駄目だ」

 これが台所会議の決定であったらしい。母の方でもいつまで児供と思っていたが誤りで、自分が悪かったという様な考えに今夜はなったのであろう。今更二人を叱って見ても仕方がない。なに政夫を学校へ遣やってしまいさえせば仔細しさいはないと母の心はちゃんときまって居るらしく、

「政や、お前はナ十一月へ入って直ぐ学校へやる積りであったけれど、そうしてぶらぶらして居ても為にならないから、お祭が終ったら、もう学校へゆくがよい。十七日にゆくとしろ……えいか、そのつもりで小支度して置け」

 学校へゆくは固より僕の願い、十日や二十日早くとも遅くともそれに仔細はないが、この場合しかも今夜言渡いいわたしがあって見ると、二人は既に罪を犯したものと定められての仕置であるから民子は勿論僕に取ってもすこぶる心苦しい処がある。実際二人はそれほどに堕落した訣でないから、頭からそうときめられては、聊いささか妙な心持がする。さりとて弁解の出来ることでもなし、また強いことを言える資格も実は無いのである。これが一ヶ月前であったらば、それはお母さん御無理だ、学校へ行くのは望みであるけど、科とがを着せられての仕置に学校へゆけとはあんまりでしょう……などと直ぐだだを言うのであるが、今夜はそんな我儘わがままを言えるほど無邪気ではない。全くの処、恋に陥ってしまっている。

 あれほど可愛がられた一人の母に隠立てをする、何となく隔てを作って心のありたけを言い得ぬまでになっている。おのずから人前を憚はばかり、人前では殊更に二人がうとうとしく取りなす様になっている。かくまで私心わたくしごころが長じてきてどうして立派な口がきけよう。僕はただ一言いちごん、

「はア……」

 と答えたきりなんにも言わず、母の言いつけに盲従する外はなかった。

「僕は学校へ往ってしまえばそれでよいけど、民さんは跡でどうなるだろうか」

 不図ふとそう思って、そっと民子の方を見ると、お増が枝豆をあさってる後に、民子うつむいて膝の上に襷たすきをこねくりつつ沈黙している。如何にも元気のない風で夜のせいか顔色も青白く見えた。民子の風を見て僕も俄に悲しくなって泣きたくなった。涙は瞼まぶたを伝って眼が曇った。なぜ悲しくなったか理由は判然はっきりしない。ただ民子が可哀相でならなくなったのである民子と僕との楽しい関係もこの日の夜までは続かなく、十三日の昼の光と共に全く消えうせてしまった。嬉しいにつけても思いのたけは語りつくさず、憂き悲しいことについては勿論百分の一だも語りあわないで、二人の関係は闇やみの幕に這入ってしまったのである

 十四日は祭の初日でただ物せわしく日がくれた。お互に気のない風はしていても、手にせわしい仕事のあるばかりに、とにかく思い紛らすことが出来た。

 十五日と十六日とは、食事の外用事もないままに、書室へ籠こもりとおしていた。ぼんやり机にもたれたなり何をするでもなく、また二人の関係をどうしようかという様なことすらも考えてはいない。ただ民子のことが頭に充ちているばかりで、極めて単純に民子を思うている外に考えは働いて居らぬ。この二日の間に民子と三四回は逢ったけれど、話も出来ず微笑を交換する元気もなく、うら淋しい心持を互に目に訴うるのみであった。二人の心持が今少しませて居ったならば、この二日の間にも将来の事など随分話し合うことが出来たのであろうけれど、しぶとい心持などは毛ほどもなかった二人には、その場合になかなかそんな事は出来なかった。それでも僕は十六日の午後になって、何とはなしに以下のような事を巻紙へ書いて、日暮に一寸来た民子に僕が居なくなってから見てくれと云って渡した。

 朝からここへ這入ったきり、何をする気にもならない。外へ出る気にもならず、本を読む気にもならず、ただ繰返し繰返し民さんの事ばかり思って居る。民さんと一所に居れば神様に抱かれて雲にでも乗って居る様だ。僕はどうしてこんなになったんだろう。学問をせねばならない身だから学校へは行くけれど、心では民さんと離れたくない。民さんは自分の年の多いのを気にしているらしいが、僕はそんなことは何とも思わない。僕は民さんの思うとおりになるつもりですから、民さんもそう思っていて下さい。明日は早く立ちます。冬期の休みには帰ってきて民さんに逢うのを楽しみにして居ります

  十月十六日

政夫

民子

 学校へ行くとは云え、罪があって早くやられると云う境遇であるから、人の笑声話声にも一々ひがみ心が起きる。皆二人に対する嘲笑かの様に聞かれる。いっそ早く学校へ行ってしまいたくなった。決心が定まれば元気も恢復かいふくしてくる。この夜は頭も少しくさえて夕飯も心持よくたべた。学校のこと何くれとなく母と話をする。やがて寝に就いてからも、

「何だ馬鹿馬鹿しい、十五かそこらの小僧の癖に、女のことなどばかりくよくよ考えて……そうだそうだ、明朝あしたは早速学校へ行こう。民子は可哀相だけれど……もう考えまい、考えたって仕方がない、学校学校……」

 独口ひとりぐちききつつ眠りに入った様な訣であった。

 船で河から市川へ出るつもりだから、十七日の朝、小雨の降るのに、一切の持物をカバン一個ひとつにつめ込み民子とお増に送られて矢切の渡へ降りた。村の者の荷船に便乗する訣でもう船は来て居る。僕は民さんそれじゃ……と言うつもりでも咽のどがつまって声が出ない民子は僕に包を渡してからは、自分の手のやりばに困って胸を撫なでたり襟えりを撫でたりして、下ばかり向いている。眼にもつ涙をお増に見られまいとして、体を脇へそらしている、民子があわれな姿を見ては僕も涙が抑え切れなかった。民子今日を別れと思ってか、髪はさっぱりとした銀杏いちょうがえしに薄く化粧をしている。煤色すすいろと紺の細かい弁慶縞べんけいじまで、羽織も長着も同じい米沢紬よねざわつむぎに、品のよい友禅縮緬ゆうぜんちりめんの帯をしめていた。襷を掛けた民子もよかったけれど今日民子はまた一層引立って見えた。

 僕の気のせいででもあるか、民子十三日の夜からは一日ひとひ一日とやつれてきて、この日のいたいたしさ、僕は泣かずには居られなかった。虫が知らせるとでもいうのか、これが生涯の別れになろうとは、僕は勿論民子とて、よもやそうは思わなかったろうけれど、この時のつらさ悲しさは、とても他人に話しても信じてくれるものはないと思う位であった。

 尤もっと民子の思いは僕より深かったに相違ない。僕は中学校卒業するまでにも、四五年間のある体であるのに、民子は十七で今年の内にも縁談の話があって両親からそう言われれば、無造作に拒むことの出来ない身であるから、行末のことをいろいろ考えて見ると心配の多い訣である。当時の僕はそこまでは考えなかったけれど、親しく目に染しみた民子のいたいたしい姿は幾年経っても昨日の事のように眼に浮んでいるのである

 余所から見たならば、若いうちによくあるいたずらの勝手な泣面と見苦しくもあったであろうけれど、二人の身に取っては、真にあわれに悲しき別れであった。互に手を取って後来を語ることも出来ず、小雨のしょぼしょぼ降る渡場に、泣きの涙も人目を憚はばかり、一言の詞ことばもかわし得ないで永久の別れをしてしまったのである。無情の舟は流を下って早く、十分間と経たぬ内に、五町と下らぬ内に、お互の姿は雨の曇りに隔てられてしまった。物も言い得ないで、しょんぼりと悄しおれていた不憫ふびんな民さんの俤おもかげ、どうして忘れることが出来よう。民さんを思うために神の怒りに触れて即座に打殺さるる様なことがあるとても僕には民さんを思わずに居られない。年をとっての後の考えから言えば、あアもしたらこうもしたらと思わぬこともなかったけれど、当時の若い同志どうしの思慮には何らの工夫も無かったのである八百屋お七は家を焼いたらば、再度ふたたび思う人に逢われることと工夫をしたのであるが、吾々二人は妻戸一枚を忍んで開けるほどの智慧ちえも出なかった。それほどに無邪気な可憐な恋でありながら、なお親に怖おじ兄弟に憚り、他人の前にて涙も拭き得なかったのは如何に気の弱い同志であったろう。

 僕は学校へ行ってからも、とかく民子のことばかり思われて仕方がない。学校に居ってこんなことを考えてどうするものかなどと、自分自分を叱り励まして見ても何の甲斐もない。そういう詞の尻からすぐ民子のことが湧いてくる。多くの人中に居ればどうにか紛れるので、日の中はなるたけ一人で居ない様に心掛けて居た。夜になっても寝ると仕方がないから、なるたけ人中で騒いで居て疲れて寝る工夫をし

2025-12-05

スゴイいいこと思い付いたんだけど

医療用のアロンアルファって作ったらスゴくない?

と言うのも、

この時期、冬の水仕事あかぎれで手が痛いのを

瞬間接着剤的にパッと塗って固めて(医療用だから人体にも無害)とりあえず秒で塞いで痛くない!ってなったら良いなって思って。

クリームみたいにぬってっていう中途半端じゃなく、

カチッ!と固めて欲しい。

なんかそういう傷口にパッと付けて固まるのあったら売れると思う!

出たら自分なら今すぐ買いたい!

こういうのあったらいいなぁ。

絶対人気出て爆売れすると思う!

2025-09-19

ちゃん誤読

知ってました?dorawiiと薬指でレスバしていると、時々なっちゃうこの手の形。軽くにぎって誰かに向けると、「殺意を伝える」ハンドサインなのです。あかぎれの時、キズができた時、自分の手がせっせと自分に「殺意」を伝えてくれてると思うと、患部だけじゃなくて、気持ちも癒されそうですね。

2025-05-15

あかぎれ気合で治したら

指が太くなった気がする。

気合と言っても放置していただけなんだけども。

右の中指小枝みたいにボロボロで、クリームとかつけても効果が無いので気にしないことにした。

最初の3日は指を曲げると血とよくわからない液体が出て痛かった。

1週間くらいで柔軟になってきた。ただ指は太くなった。

こうしていくうちに、おじいちゃんみたいな手になっていくんだろうなと思う。

よくわからない液体がパテになって、指を大きくしたのか。人間身体ってよく出来てるな。

2025-02-07

3.9度のキッチンより

昨日ネコチャン🐈のキッチン(屋外ではない)は3.9度でした。

家の中というより

キャンプ????というか寒すぎるぅ☃

自宅にいながらしもやけあかぎれすごくて、バンドエイド注文しちゃった。

今日消費期限の鶏むねを料理しなきゃなんだけど、寒いキッチン😭🥶

2025-02-05

去年も一昨年も、この季節

部屋は4度だった。

しかし人は一年も経つと

「4度、そんなことないよね、家のなかだし夢だったのかな」

今朝、「5度台」だったので

やっぱり夢じゃなかったんだなぁ。

今年はまだましで、

玄関ドアの隙間をダイソーさんの隙間グッズ貼りまくったら隙間風0になったんで

去年よりぐんとしのぎやすくなったのね。

それでも換気しないと調子悪くなるので

朝は2階、玄関横の部屋、

網戸にして換気してるよ。

やーでも昼はましになったなと思ったんだけど、7度だったw

キッチンでずっと吐く息が白いし

居間でも吐く息が白い。

でも去年よりすっとましよ。

こたつひとつで生きてます

指はしもやけ

あかぎれだらけだけど。

2025-01-23

「皹」と「皸」みたいに逆にした漢字作りたい

「皹」と「皸」

最近知った。どちらも「あかぎれ」らしい。

自分名字漢字も逆にして、それをハンドルネームにしたい。

カスタム漢字とかできないかな。

2025-01-14

anond:20250114013741

ちょっといろいろ見直してて、

毎回冬は手指が血だらけのあかぎれ(ここ数年だけ)なので

暖房すればいいんだろうけど、光熱費かかるので無理)

やっと今年はあかぎれ回避できたのに

寒いのはさむいので家にいながらしもやけが一向に治らないのです

もうね、ぱつんつんで冷えたら冷たすぎて平温にもどれば

腫れている処はなんか熱っぽい。

指だけ風邪をひいてるみたいな状態。かゆみはないですが、ぱつぱつで

指が曲げにくいの。冷たいときほんと何もできない。

2025-01-07

あかぎれしもやけについて、足の痛みについて🐈

昨日めちゃくちゃ足が痛くてやばかったのだけど

冷蔵庫すっからかんになってて、ゆでたまごのっけてご飯にして、

(一昨日は10月冷凍したうす塩鯖を焼きました。美味しかった)

あんま痛いので

どこにカイロ貼ろうかと思ってたけど

雨も降っててきっつーで温めなきゃで

とりあえず腰に貼ってみたら

なんか今日は痛みがかなりましになったよ

実は腰椎すべり症かも知れぬ。ママンがそれだったのですが、自分の少し背骨ちょっと出てるところがあって。

そこは痛くもないし。腰が痛いことはないので気にしてなかった。

そんでも左足の痛いところにダイレクトに温めるにしても貼りにくいので

真ん中という意味でその骨が少し出ている個所に貼ったのね。

そしたらほんとイメージ的に昨日100%としたら今日20%くらいの痛み。

温めるっていいんだね。

というか悪いのって痛い箇所じゃなくて腰でいいのかなどうなってるのだ。

自室にいるのに寒くて、右の薬指と小指がしもやけです。🐈💦

曲げるとき何とも言えない感じになってる。

手洗いのハンドソープを変えたからか、

あかぎれの血だらけから卒業出来ました。

意外と石鹸はいいんだね。

寒いしもやけまでは治んないけど。

じゃぁの。

2025-01-01

① 年が明けて鬱

② 夜鬱が深まる なんとかしないと

③ 1日中寒い 逃げ場がない

ポカリ水をぶちまける 音を消す

⑤ 蒸し大豆鼠にやられてた 空き缶収集忘れてた

⑥ 雨降りで寒く株下落で気分が沈む

レシートを取った瞬間に大きな声を出されてビクッとする

⑧ 布団を干した 散髪をした

レーザーテックだけ大幅下落で鬱 高校生自転車に轢かれそうになる

新宿で危ない奴に喧嘩を売ってしまい謝る 武居君と議論になる

小池にたくさん奢ってもらう 6000円出費

コーヒータオルパクる 玉川学園前でなく町田で降りてしま

タオル1本で小池と終わったかもしれない

レーザーテックが下落して辛い

レーザーテック暴落 ほんと虚しいな チュッパチャプス拾う

レーザーテックまた下落 自業自得 寒い

ステーキガストに4時間滞在 気持ち悪い

洗濯2回 あかぎれ

ご飯を袋に移そうとしてシンクにこぼした

⑳ 昼オナニー 帰り道雨

レーザーテック上昇

小池と終わったか

レーザーテック下落 ジモティー評価普通 孤立

Yahoo!マップアプリ用の写真を撮る

今立さんにアルファ米をもらう

ジモティーヘルスメータ音信不通

寒い 金子さんの柔らかそうな胸に触れたい

暖かい 良いオナニー

お茶を3杯飲んでるところを見られた 無限認知

㉚ なんかクラクラフラフラする プレモルマイル改悪に気づく

ブラウザの音を消してみる ハンバーガークーポンでズル

2024-12-18

明日から毎日日本人全員で打ち水しましょう

関東地方住みだが、ここ一か月くらい一日も雨が降っていない気がする。

晴天続きなのはいいんだけど、さすがに乾燥し過ぎなのではないか

毎年冬になると乾燥によって両手があかぎれになるし、喉も変になってきた。

天気予報によると、年内は雨は降らないらしい。

そこで打ち水である

打ち水と言えば普通は夏にやるものだが、乾燥している冬こそ打ち水の出番である

2024-10-31

フェミ過激言葉は心の叫びだよ

おまんこ乾きすぎてひび割れあかぎれになった痛みだと思ってあげな

2024-10-16

母さんが夜なべをして手袋編んでくれた

凩吹いちゃ冷たかろうとせっせと編んだのよ

故郷の便りは届くいろりの匂いがした

母さん一人で手袋編んだぜ

夜なべで編んだぜ

眠そう寒そうああヘックション

夜なべあかぎれひび割れしもやけ

なまみそすりこめ

痛そうかゆそうああエクスタシー

2024-09-08

極度乾燥肌の俺が教える最強のスキンケア商品(保湿)

39歳、男。

どのくらいの乾燥肌かと言うと、冬に手の保湿を一日怠ると手の皮膚が乾燥で裂けて血が噴き出すくらい(いわゆるあかぎれ)。

もちろんトイレ後の手洗いや台所仕事で水に濡れた手はタオルで水分を念入りに拭き取っており、自然乾燥は一切していない。

結論としては、ニベアクリーム(通称青缶)が一つあればスキンケア(保湿)としては十分過ぎる。

https://www.kao-kirei.com/ja/item/khg/nivea/4901301008480/?tw=khg

その辺のドラッグストアで1つ約500~600円くらいで購入できて、毎日全身(主に手が多い)に塗りまくっている俺でも1.5~2ヶ月弱は持つの普通の人なら1つ買ったら3~4か月もしくは半年くらい使えるかもしれない。

コスパ最強。

唯一欠点があるとしたらポンプ式の保湿液とかに比べると若干使いにくいくらいか



https://anond.hatelabo.jp/20240906183222

俺は肛門ニベアクリーム

「顔にも身体にも、全身のスキンケア家族みんなで使えます。」って商品から

2024-03-19

調べてないけど感覚で正しいと確信してること

調べないけど感覚で正しいと確信してることってあるよね

自分は切り傷やあかぎれみたいな傷の時に傷周りの皮膚が厚くなると思うんだけどこれを取ってならした方が治りが早いと思ってる

小さい頃でいうと点字ブロックの点々が止まれで棒が進めだなと突然気づいたときがある

この感覚、わりとあるよね

2024-03-17

anond:20240316043141

実は手もそうなんだけど、ターンオーバーを上回る皮膚組織の剥落が起こるので、手はあかぎれするようになってしま

顔は脂が浮くようになってギトギト顔になるという研究結果がある

これに関しては確定情報なので、今回話題にしなかっただけ

2024-03-05

anond:20240304124911

あかぎれ懐かしい。痛いんだよなあれ。高校生ぐらいまでよくなってて、ひどいときは両手で5枚ぐらい絆創膏貼ってた。

今まで忘れてたくらい気付いたらならなくなったな。

若い頃の方が瑞々しそうなのにね。肌。

anond:20240304124911

お父上、あかぎれには海水が良いと聞きました。

できるだけ我慢して浸けて、後は潮風で乾燥させるのがよろしいでしょう

 

お父様、海水ダメでしたか悪化した?おかしいなぁ海水は消毒効果があるはずなのですが

のものダメなら山のものがよろしかろうと思います

自然の力で治すのが一番です。

公園砂場に腕を突っ込んで消毒するのが良いと聞きました。

なぁに子どもたちが遊んで安全なのだから平気です、試してみるだけ試してはどうでしょうか。

 

パパどうしたの?え?皮膚科に行ったら真菌と黄色ブドウ球菌ダブル検出?

あらまぁ、抗生物質飲めば治ります

え?抗生物質飲んでから体調が悪化してる?

 

腹を壊して目眩頭痛が止まらない?

可哀想に、美味しいものを食べれば治りますよ、

私が極上霜降りビーフステーキを焼いて上げましょう

2024-03-04

呪いだったらいいのにな

父がねえ。指にあかぎれができて痛いんですって。

指の関節、皺のところがぱっくり割れてね、使わなきゃいいって部位でもないしちょっと繋がったと思ったら些細な動作で端がミシッと割れて新しく血が出てね、まあそれがじくじくじくじくと痛いんですよね。

もう何年も男一人の生活で、今になって急に水仕事が増えるなんてことはないでしょ。それに元々が頑丈な人だし、そういうこまごました身体症状とは無縁の人なんですけれどね。

ああでもどうなのかな。男一人と言いつつ世話を焼きに来る女でもいたんですかねえ。最近すっかり小汚くなって、実の娘よりも洗面台を長く占領してセットしてた髪だってすっかりボサボサでとっ散らかしたまま外に出るようになって、もしかしたらいよいよ女に見向きもされなくなったのがあかぎれの遠因だったりするんですかね。

なんでこんなこと書いてるかってね。これがね、呪いなんじゃねえかなあ。ってちょっと思ってね、どうにも嬉しくなっちゃったんですよね。

あかぎれの何が痛いってことを最初に細々書いたでしょ。あれね。私も同じようになったからああやって書いたわけですね。

子供の頃、十歳くらいの時にね、もう指の関節という関節がそんなんなるかってくらい全部ぱっくりと割れて、漫画みたいに絆創膏まみれだったことが何年かあってね。

それをね。誰が憐れんでくれるわけでもないから年相応に泣くわけもなく、ああ痛えなあと無感動に絆創膏で締め上げてたんですよね。周りは工作ちょっと指切ったってだけで涙ぐむ子がいたのにね。

指を折り曲げるだけで痛くて痛くてじくじく血が滲むから、それが嫌でもうほとんど曲がらないようにぎちぎちと絆創膏を巻いてね、それを見て「どうしたの?」なんて言うのと同じ口でやれ床の拭き掃除ができてないやれ皿洗いができてないやれ洗濯物を毎日やれだの言う人がいたんですよね。びっくりしますね。床の拭き掃除なんてね、クイックルワイパーでも使えばいいのに、というかクイックルワイパーを使ってたんですけど、そしたらそんなもんで埃は落ちねえから雑巾絞ってやれなんて言うんですよね。もうね、わかるでしょ。関節という関節が割れた手で雑巾なんて絞ったらさ、どうなると思います

それをね、泣くでもなくただちょっとだけ顔をしかめてやってたんですよね。今だったら人が掃除してる時間にまだ寝てる父を血まみれの手でぶん殴ってると思うんですけど、まあその頃は父がいなきゃただでさえ一日三食じゃない飯が一日ゼロ食になりかねませんでしたからね。

でね。その父が最近あかぎれができて痛いって、私に言うんですよね。もう十数年も前、私の指がズタズタだったことなんて覚えていないんでしょうねえ。

それでね。しばらく父があかぎれが痛い痛い言うのを思い出しては悶々と苛々として、私も痛かったと当てつけに言ってやろうなんて脳内でぐるぐる考えたりしてそんなこと言ったってあのクソカスは一ミリ内省なんかしないんだから言うだけこっちが不快になるだけだととにかく悶々としてたんですけどね。ふとね。呪いだったらいいのにな。って思ったんですよね。

いや、積年の恨み辛みに比べたら随分ささやかですよねえ。でも、まあ、そういうものかなあって。

これからも少しずつ少しずつ、人から怒鳴られて言い返すすべも立場もなく殴り返す腕も衰え、あまり人生のままならなさに食事が喉を通らなくなる日が少しでも増えればいいなと思いますね。

介護になってからも、介護者が急にぱったり何日間か連絡がつかなくなったりね。かと思えばヘラヘラ笑いながら顔を見に来たりすればいいんじゃないですかねえ。まあその場合介護者は私なんですけれどね。ガキでも数日間ほっといて死なないんだからジジイなんかもっと死なないでしょうよ。ねえ。

人を呪わばと言いますけど、あんたが苦しんで苦しんで地獄行きになってくれれば私の晩年もまあ同じでもいいかなと思っちゃうんですよ。あんたはそんな苦しみの中でも一切の反省なんかせずに「どうしてそれなりに正しくそれなりに善人として生きてきた俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ」って思ってそうですけどね。いやあ不思議ですね。人に呪われるようなことなんか一切してこなかった人生のはずなのに、不思議ですねえ。

まあ。一番の呪いは人並みに幸せな家庭を築いたはずなのに今でもこんな恨み辛みを書き連ねて開陳せずにいられないことじゃないかなと思いますし、大目に見てくださいね

2024-01-29

https://anond.hatelabo.jp/20240129142710

下地とかBBクリーム塗った時点で息苦しい+化粧臭くて無理。

都会や人の多い場所に行くときはさすがに最低限の化粧はするけど、皮膚呼吸(人間が皮膚呼吸してるのかはしらん)できなくて息苦しいしマスクに粉とかなんかの色が付いて不快だし化粧が剥げてないか心配になるし目に粉が入るのか視界がぼやけて狭くなるし無理。

BBクリーム適当な粉→適当チーク眉毛描くやつ→化粧押さえのスプレーで終わり。

全然関係ないけどBBクリーム手で塗ると手がベタベタになるじゃん?みんなどうしてるの?化粧落としで一旦洗うの?それともスポンジで塗ってるの?

マスカラなんて絶対目に入るし、アイライナー?とか無理ゲーすぎない?痛くないの?痛いよ、涙出るよ。目の周りだけ軽いアトピーからそもそも無理だけど。

大体、土台の顔が不細工だし額が異様に広いので、メイクしようが何しようがマイナスゼロに近づくくらいでプラスになったことなんて一度もない。

手荒れやあかぎれひび割れが酷いかネイルなんてもってのほか事務職から爪なんかに構ったってすぐに割れると思う。気を遣うだけ無駄だし邪魔深爪くらい切っておいた方が楽だし、切っておかないとむずむずする。

他人不快にさせない、「うわっ汚いババアがいる気持ち悪っ」としんどい思いをさせないためだけに本当に最低限(=清潔感はまあ……あるかな……と思われるくらいのライン)のことしかできないし、どんなに気張っても最低限レベルのものしかならないしならなかった。やるだけ無駄無意味

成人式の日、大量の女子をさばくために流れ作業のようになっている美容室で、アホなおかめさんみたいな化粧を施され、髪の毛を巻き糞みたいにセットされた姿を鏡に映したときから「私はもう一生おかめウンコとして生きていくしかないんだ」と心に決めてしまいました。

未だに化粧をした顔を鏡に映す度に「おかめウンコがよおおおおクソみたいな顔しやがって化粧なんてするだけ無駄なんだよおおおおおおお!!!」と怒りと悔しさと悲しさで泣いてしまうのでもうだめです。

興味を持たないのではなく、持てない。持ったところで絶望しかないのが見えているので。

2024-01-07

anond:20240107123909

寒冷地における保湿クリーム=(特に高齢者にとっては)無いとあかぎれだらけになる医療的に必需な物品

寒冷地における保湿クリーム=(特に高齢者にとっては)無いとあかぎれだらけになる医療的に必需な物品

寒冷地における保湿クリーム=(特に高齢者にとっては)無いとあかぎれだらけになる医療的に必需な物品

寒冷地における保湿クリーム=(特に高齢者にとっては)無いとあかぎれだらけになる医療的に必需な物品

寒冷地における保湿クリーム=(特に高齢者にとっては)無いとあかぎれだらけになる医療的に必需な物品

寒冷地における保湿クリーム=(特に高齢者にとっては)無いとあかぎれだらけになる医療的に必需な物品

理解できましたか理解できましたか

2023-12-20

ハンドクリームってマジで何がいいの?

なんか指の関節の部分がシワに沿って切れちゃってるんだけどなんで?

今までこんなふうになったことなかったのに。

これが歳をとるということなの?

脂性だから今までハンドクリームなんて塗ったことなんてなかったのに今年から必要そう。

でも匂いがなあ。

すごくいいニオイするか、無臭のやつかですごくあかぎれに効くやつが欲しい。

2023-12-04

[] そのはっぴゃくろくじゅうろく

トーマーッス

 

本日日本において血清療法の日、E.T.の日となっております

血といえば、乾燥のせいでひび割れあかぎれなどがしやすくなる季節となってまいりました。

皆様も乾燥には気を付けて、水回りの仕事をする際はゴム手袋をするなどして適切に予防していきましょう。

 

ということで本日は【乾燥予防よいか】でいきたいと思います

乾燥予防よいか乾燥予防ヨシ!

 

それでは今日も一日、ご安全に!

2022-12-18

あかぎれ

今日レジ対応してくれたコンビニ店員さん

両手のあかぎれがひどかった

ほぼ全部の指の関節がぱっくり割れで痛そう

あかぎれ保護バン渡してぇ

通報されるか

2022-12-14

指先カマイタチの季節

たこの季節がやってきた。

増田は冬になると指の腹に大量に横線状のひびが浮き出て指紋認証が使えなくなる。

語感的にあかぎれの仲間かと思っていたけどちょっと違う気がする。地味に不便。

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