自民党が11月15日で結党70年を迎えるのを前に、政治学者の御厨貴氏と元自民総裁の谷垣禎一氏が対談した。戦後政治で長期にわたり政権を担ってきたが、統治手法に限界が見え、かつてない党勢低迷に陥っている。自民はどこに向かうのか。後編では、両氏が連立政治の時代に問われる政治家の役割について語り合った。【構成・岡崎大輔】
全2回の後編です。
前編:イデオロギー巡る高市氏と安倍氏の違い 自民結党70年対談
国民が政治にムチ打つ時代
――保守合同の立役者・三木武吉は「(党は)持って10年」と言いました。予想に反して続いてきた理由は何でしょう?
谷垣 私は終戦の1945年に生まれました。敗戦の苦労や貧しさ、それらを考えて、標語的に言えば「平和・繁栄・自由」というようなことが、今まで党を支えてきた源泉だと考えてきました。現役の方々もその気持ちはあるはずです。
ところが、ウクライナ戦争による物価高騰やトランプ関税など、世界規模でこれまで経験したことがない社会が訪れ、国民は不安の中にあります。これまでの自民に愛着はありますし、先ほどテーマになりました「保守」について議論することも必要でしょうが、今の危機をどう乗り切るかの試金石でもあります。
御厨 確かに、勇ましいことを話すタカ派の議員でも、戦争の話になると、慎重になります。それと、戦後の日本、自民1党支配が続いた「55年体制」の時代は、高度成長期でした。高度成長期は、政治がスキャンダルを起こしても、国民に見逃すだけのゆとりがありました。今は違います。政治に対し、国民がムチを打つようになっています。政治に好き放題させてきたのは、経済が回っていたからです。そうでなくなれば、政治の出番ということです。
――公明と…
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