メディアがもっとできた「デマのファクトチェック」 兵庫SNS選挙

選挙をめぐって新聞やテレビなどオールドメディアへの批判が相次いでいる。白鳥浩・法政大大学院教授(現代政治分析)は従来ながらのメディアの選挙報道では、国民の「知る権利」は担保できないと指摘する。白鳥教授へのインタビューの2回目(全2回)。
<主な内容>
・公平性を意識して自粛、「がんじがらめ」
・「なぜメディアは大切な情報を出さないのか」
・「ユーチューブ」運営側がとるべき対策は
第1回 「スマホ画面をジャック」 立花氏と「切り抜き職人」の兵庫SNS選挙
<兵庫県知事選において、新聞やテレビは必要な情報を有権者に伝えられていたか>
誰それが出馬したとか当たり障りのない範囲の情報は出しており、一定の役割は果たした。
選挙では公平性が重要だ。特定の候補者に利益になったり不利益になったりするような報道はできない。
ただ、そうした対応で有権者が本当に知りたいことにメディアが応えたかというと、そうではなかった。
公平性を意識して自粛してしまい、がんじがらめの状態になっているのが今のメディアではないか。
それが有権者の不信感を生んでいる。
<選挙報道ではどうしてもメディアは自粛しがち>
多くの有権者に、オールドメディアには本当に知りたい情報がないと思わせてしまったことは大きい。
彼らの多くは「知る権利」をむしろメディアに疎外されていると感じている。
「なぜメディアは大切な情報を出さないのか」という疑問は、「オールドメディアは既得権益を代弁している」という思いに安易につながる。
「本当のことをメディアは報じていない」という気持ちがあるから、多くの人がそう主張する動画を信じてしまう。
動画がさらに不信感を増長させる。そういうスパイラルに入っていった。
<今の状況でメディアに何ができたのか。なかなか難しい>
メディアが報じることができないものは当然ある。
例えば、兵庫県知事の斎藤元彦さんをめぐるパワハラ問題の告発者のプライバシーについては伝えるべきではない。
そもそも公益通報とは関係ない話…
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