淡々と読んでいるようで心にしみる 朗読もすごかった谷川俊太郎さん

詩人の谷川俊太郎さん=東京都杉並区で2014年10月8日午後6時29分、矢頭智剛撮影
詩人の谷川俊太郎さん=東京都杉並区で2014年10月8日午後6時29分、矢頭智剛撮影

 現代日本を代表する詩人、谷川俊太郎さんが11月13日に92歳で死去しました。絵本や作詞、翻訳でも広い世代の読者に親しまれた谷川作品の魅力を、詩人の城戸朱理さんとマーサ・ナカムラさんが語り合う対談の後編です。二人にはそれぞれの「おすすめの詩」の一節も挙げてもらいました。【構成・大井浩一】

前編では、谷川作品との出会い、訃報の衝撃、ユニークな創作と人物像について語っています

常に固定しない間口の広さが魅力

 ――谷川さんは、音楽など他ジャンルとのコラボレーションも積極的に手がけました。

 城戸さん 合唱曲になった作品が多いのは、音楽家が反応しやすい詩なのでしょう。モーツァルトが好きだったのも実に似つかわしい。モーツァルトには長調の曲が多く、交響曲も41曲のうち短調は2曲だけです。どちらかというと、みな伸びやかに陽気で明るい中で、しかし二つのト短…

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