言葉の幅を広げ続けた谷川俊太郎さん 詩人だから感じる存在の大きさ

谷川俊太郎さん=東京都杉並区の自宅で2010年、津村豊和撮影
谷川俊太郎さん=東京都杉並区の自宅で2010年、津村豊和撮影

 現代日本を代表する詩人、谷川俊太郎さんが11月13日に92歳で死去しました。1952年に詩集「二十億光年の孤独」でデビューして以来、現代詩の一線に立ち続け、絵本や作詞、翻訳でも広い世代に親しまれた谷川さん。多様な「私」を表現した、その作品世界との出会いから、ユニークな創作と人物像、訃報の衝撃まで、詩人の城戸朱理さんとマーサ・ナカムラさんが、それぞれの体験に即して語り合いました。【構成・大井浩一】

後編では、2人による「おすすめの詩」の一節とともに、谷川さんの詩の魅力を、さらに掘り下げます。9日午後1時アップ予定です。

「まだ一線で闘っている詩人なんだ」

 ――まずは、それぞれの谷川作品との出会いから。

ナカムラさん 私は3回、谷川作品と出会い直してきたことになります。最初は小学校に上がる前、母から与えられた詩集「みみをすます」(絵・柳生弦一郎、82年)でした。ある意味でグロテスクな、怖い感じの絵本で、嫌だと思うのに、なぜか手が伸びてしまう本…

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