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最終手段は「タイプX」 本当に間に合うのか 万博海外パビリオン

「タイプX」の外装イメージ
「タイプX」の外装イメージ

 2025年大阪・関西万博の海外パビリオンの建設が遅れている問題で、日本国際博覧会協会(万博協会)が工期短縮の「切り札」として、参加国に提案した通称「タイプX」の行方に注目が集まっている。協会がプレハブ工法で建てた簡易施設に、参加国が装飾する方式。対象となる60カ国のうち、8月末時点で5カ国が関心を示していたが、自前での建設を断念して移行を決めたのは1カ国(9月6日時点)だけだ。協会関係者の間では「半数ほどが移行しないと開幕に間に合わせるのは厳しい」との意見もあり、各国への意向確認が続く。

回答期限、約2週間延長

 「『5』で十分だとか言うつもりは全くありません。もっと多くの国に対して現実的な判断を下せるよう働きかけをしていきたい」

 協会の石毛博行事務総長は9月1日に大阪市内で開いた定例記者会見で、現状への受け止めをこう語った。当初、8月末としていた回答期限を2週間ほど延長し、積極的に情報提供して選択を促すという。

 海外パビリオンは元々、参加国が自前で建設する「タイプA」、協会が建設した建物を借り受けて個別または共同で使用する「タイプB」「タイプC」の3種類を予定していた。ところが、建設資材の高騰や人手不足でタイプAの準備が難航、希望した60カ国のうち建設に必要な「仮設建築物許可」を大阪市に申請した国はまだない。そこで、工期短縮に向けて協会が編み出した苦肉の策がAとBの折衷案、Xだった。

 Xは床面積が各300、500、900、1200平方メートルの4タイプの箱形の簡易施設を協会が用意し、参加国に引き渡す。幾何学模様や壁面緑化など、数パターンの外装イメージ図も示された。協会は海外パビリオンについて、一時は「年内に着工すれば開幕に間に合う」との見方も示していたが、Xなら24年3月着工、同11~12月の引き渡しでも開幕前の完成が可能という。建設や解体にかかる費用はAと同様、参加国が負担する方向で調整している。

 建設促進に向け、協会が複数の支援策を参加国に示したのは7月7日だった。オンライン説明会を開き、デザインや工法の簡素化、協会による建設業者への発注代行などを提案。しかし、Xはこの段階では含まれず、正式提案されたのは支援策への回答期限が迫った8月中旬だった。

 ある協会関係者は「デザインの簡素化は理解してもらえても、いきなり『協会が代わりに建てます』となると反発も予想された」と理由を明かす。まず参加国側で検討できる予算の増額や簡素化をお願いし、次に協会が関わる発注代行と段階を踏んだ上で、Xを提案。事態打開のための最終手段ともいえる。

 この関係者は「タイプXは『協会が責任を持ってやる』という明確なメッセージだ。現実的には半数近く(の国)が移行せざるを得ないのではないか」と分析。別の関係者も「Xは開幕に間に合わせるための『最後のセーフティーネット』」と表現する。

「ドバイ日本館」成功体験に

 一方、Xへの移行は…

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