~ あるご質問に対するフランクからのコメント ~3年後に早期退職を目指されているTakako様から、以下のようなコメントを頂きました。
コメント文より引用させていただきます。
「ところで、私の3年後の早期退職計画は、資金の7割を外債ファンドにしてその分配金で生活し、残り3割を運用しようという計画です。危ういとお考えでしょうか?ファンドの分配金は現在のグロソくらいで考えています。現在のグロソは長期的にみて、高分配なのか(これからはもっと減る)どうかわからないので、どうでしょうか。それとファンドはリスク資産なので危ないでしょうか?」
~以上で引用終わり~
このコメント(ご質問)に対して、今回の記事で私の考えをコメントさせていただきたいと思います。
● まず、ファンドの分配金で生活しようという計画ですが、資金があればそれが一番楽ですね。
ファンドの基準価額が同じであれば、値打ちの下がる不動産物件の家賃収入より効果的だという説もあります。
● ただ、ファンドは何といっても立派にリスクを伴う資産ですから、あくまでも
余裕資産で投資すべきだと私は考えています。ご質問にある資金が余裕資金なのか、それとも生活資金なのか分かりませんので、一般的なことについてコメントさせていただきます。
● 若いときにこつこつと積み上げていくのであれば、多少のリスクも許容できると思いますが、退職後の生活資金としてファンド資産の分配金を充当するという考えは、少々危険かと思います。生涯に必要な生活費は、まず元本が保証された資金(個人年金を含みます)をあてがうべきで、それに公的年金など退職後に支給されることが確定している分をプラスした上で、更に資金に余裕がある場合に、その余裕分をファンドなどの投資に回すべきです。
● つまり、余裕資産(投資資金)= 元本保証の金融資産(生涯受け取る個人年金等含む)
+ 生涯受け取る公的年金 - 生涯生活費
(スミマセン!当たり前の式をあえて書いてしまいました。)
● 上記の式で余裕資産が0円以下になれば、投資なんてとんでもないということになります。
少し堅いようですが、このくらい慎重な資金計画が必要です。退職後に資金が無くなっても、
もう稼ぐことはできないのですから、このことを肝に銘じておかないといけないと思います。少なくても、私はこの考え方を守っています。
● 国際投信投資顧問が運用している巨大ファンド「グローバル・ソブリン・オープン毎月決算型」をお考えのようですが、これとて
元本保証はありません。ご承知のように、このファンドは毎月収益分配金を年金のように受けることができます。現在、毎月40円(10000口に対して)の分配金が出ています。年率にして税込み約6%強になりますが、将来的にその金額が保証されているわけではありません。金利や為替の変動によって
分配金が変動する可能性は十分あります。分配金を含めた基準価額が
投資元本を割ることも承知しておく必要があります。ご質問のひとつで、グロソブが高分配かどうかということですが、私個人的には決して高分配というわけではないと思います。世の中、もっと高配当なファンドはたくさんあると思いますが、長期的に安定して高配当を維持しているファンドがどのくらいあるかということが重要です。そういう意味で、グロソブは1997年12月設定当初は少しふらついていたようですが、以来安定した運用を継続していると思いますので、信頼性の高いファンドだと思っています。
● 最近、団塊世代の退職金を狙った高配当を強調した各種のファンドが続々と設定されていますが、これとて将来的に安定して高配当を維持できるか不透明です。私のファンド選びの基準は、
運用実績を第一に重視します。そして少なくても設定以来3年以上(できれば5年以上)の運用実績があり、
比較的安定したファンドを選ぶようにしているつもりです。
参考記事 →
退職金の行方 いい小遣い 投資信託の選択 投資信託の選択(2) 投資信託の選択(3)● もうひとつ大事なことは、ひとつのファンドに集中するのではなく、投資対象先の異なる数種類のファンドを、購入時期をずらすことによって、
リスク分散を図ることです。世の中、うなるほどファンドが存在します。じっくりと時間をかけてファンド選びをしたいですね。
● ただ、リスクのあるファンドを買ったからといっても、元本がゼロになってしまうのは余程のことです。ファンドの種類が債券型なのか株式型なのかによってリスクのとり方は違うと思いますが、グロソブのような毎月分配型の外債ファンドなどは、少しくらい組み入れても、管理さえ怠らなければ大丈夫だと私は考えています。でも、
基本は余裕資金で運用するべきです。
● 私の場合、生活必要資金ではありますが、5年または10年以内に使う予定のない耐久消費財購入資金や自宅修繕資金など、
食べていくため以外の資金に限って、そのほとんどを比較的安定している金融商品(ファンドなど)に投資しています。そして、それらのファンドから受け取る分配金や利息を、基本的には
元本保証の金融商品に預けて積み立てます。一方でファンドの基準価額で損益分岐点の管理を毎日行っています。言い換えればリターン率がマイナスになっていないか、毎日チェックしているということです。
現在、元本割れになっているファンドが1本ありますが、投資全体(
フランクファンドとして管理している)では、損益分岐点より上(プラス)を維持しています。
● これがプラスになるかマイナスになるかによって、自分の生活がどうなるか?
分かりやすい例で説明しますと、次のように言うことができます。
--5年後に買う予定の車が、
「うまくいけば
セルシオ、悪ければ
マークX!」
--10年後予定している家の修繕を例にとって考えると、
「うまくいけば機能向上も備えた
リフォーム、悪ければ単なる
復元のための修繕!」
という感じです。
つまり、食べていくことにはほとんど影響しないということです。悪くても(マイナスであっても)自分が我慢できる範囲内に収まります。
● というわけで、7割を外債ファンドで運用して、その分配金を生活費に当てるという考えはよろしいかと思いますが、その分配金が無ければ生活費が不足するということにならないようにすることが肝要かと思います。
● 必要生活費をどのくらいと考えるか、自分の寿命をいつまでとみるか、生活費以外の資金(耐久消費財、レジャー、趣味など)がどのくらい必要か、等々、余裕資金を見積もるには考えなければいけないことがたくさんあります。これからの3年、納得のいくまでご検討されて、資金計画を練っていただきたいと思います。
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テーマ:資産運用について - ジャンル:株式・投資・マネー
- 2006/06/30(金) 23:00:00|
- 投資信託
-
| トラックバック:0
-
| コメント:19
ようやく開けました
重いのは中身が詰まっているからかな
前に言ったのは株価が低い今月も100円つきましたよ。
リンクに登録させてください
- 2006/07/01(土) 10:25:11 |
- URL |
- しんころ #-
- [ 編集]
退職後の資産運用についての詳しい回答ありがとうございます。安全を確保するため、あと6年は働かないといけないとわかりました。今後も運用の仕方など向上させて、少しでも早く退職できるようがんばります。
- 2006/07/02(日) 10:14:06 |
- URL |
- Takako #-
- [ 編集]
少しでも参考になりましたでしょうか?
退職時期が3年後から6年後に考え直されたようですね。とりあえずそのように考えておくこととして、できるだけ早い時期に退職できるようがんばってください。応援しています!
ちなみに、私の場合は退職後に初めて投資・運用を始めました。
そして、今思っていることは
「こんなことなら、もっと早く投資しておけば良かった・・・」と。
- 2006/07/02(日) 22:17:44 |
- URL |
- フランク #9q.KjBZc
- [ 編集]
とりあえず退職時期が決まっているわけではない個人経営のものです。元気のうちはいつまでも働くつもりで、心身ともに健全であることに注意を払っておりますが、それでもいずれリタイアの時期がくることでしょう。その時のために毎月定額積立金を複利&分散投資により運用の勉強をし始めたところです。投資経験は、はや2年程となります。
投資を始めた当初は、日本の個別銘柄集中投資で、大きく儲かるときもあればまた大きく損をするといった、危険極まりないスタイルでの運用でした。内藤忍氏をご存知でしょうか?彼の著作の影響で分散投資に目覚め、理想の配分率へ近づけつつある今日この頃ですが、リターン5%から7%といったところに非常に興味深く、今後の自身のアセット・アロゲーションの参考にさせていただきます。
- 2006/07/03(月) 14:19:15 |
- URL |
- kcyousuke #-
- [ 編集]
コメントありがとうございます。
私も投資経験は2年と少しになります。個別銘柄の株式投資も行っていますが、結局トントンです。素人がそんなにうまくいくわけありませんよね。でも2年少々の間、無料で株式の取引を楽しませてもらったと思えばそれはそれで良いのかもしれません。
残念ながら内藤忍氏については存じ上げておりません。理想の配分率に関して説明されているのでしょうか?いずれにしても、投資はリスク分散が大事ですね。自分なりにやっているつもりですが、どうすればより完璧に近づくのか、永遠のテーマになりそうです。
今後ともよろしくお願いします。
- 2006/07/04(火) 09:24:14 |
- URL |
- フランク #9q.KjBZc
- [ 編集]
こちらこそよろしくお願い申し上げます。
内藤忍氏プロフィールを紹介しましょう。
東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行やシュローダー投信投資顧問会社でディーラー、ファンドマネージャーとして活躍。1999年、マネックス証券の設立に参加。2006年1月より現職。早稲田大学オープンカレッジでセミナー講師を務めるなど、社外でも活躍。著書に『内藤忍の資産設計塾』(自由国民社)、『内藤忍のお金持ちになれる投資成功ノート』(中経出版)がある。
投資に関する基本的な知識を持たないビギナーがいきなり株式投資を始めることに、マネックス・ユニバーシティ社長の内藤忍さんは、警鐘を鳴らす。内藤さんはマネックス証券が主催する勉強会・セミナーで、1年間に90〜100回もの講師を務める。投資家教育をさらに充実したものにするため、マネックス・ユニバーシティを設立。
参考までに
http://www.shinoby.net/http://www.excite.co.jp/book/product/ASIN_4426774047/それではまた・・・(^^ゞ
- 2006/07/04(火) 15:07:33 |
- URL |
- kcyousuke #-
- [ 編集]
内藤忍氏プロフィールの紹介、ありがとうございました。以後、参考にさせていただきます。
投資に着手したころは、色々な本で勉強しましたが、最近はあまり勉強しないので、我流にはまってきているように感じます。この辺で、初心に帰る必要がありそうです。
- 2006/07/04(火) 22:37:13 |
- URL |
- フランク #9q.KjBZc
- [ 編集]
当方、資産運用で利用した最初の証券会社がネット証券のマネックスであったものですから、狭い見地での知恵であります。くれぐれもご参考までと・・・(^^ゞ
8月30日(日)にマネックス証券のセミナーが名古屋で開催されるのですが、そのときの講師に内藤忍氏がおみえになるとのことで、同時に開催される他のセミナーともども私は大変楽しみにしては居るのですが。
- 2006/07/05(水) 10:33:31 |
- URL |
- kcyousuke #-
- [ 編集]
マネックス証券の口座は持っていませんが、いずれ開設しようと考えています。その節に、氏の話が聞ければいいですね!
- 2006/07/05(水) 21:09:27 |
- URL |
- フランク #9q.KjBZc
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突然の書き込みで失礼いたします。
この度モバイルランキングサイトへのご参加のお願いに参りました。
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- 2006/07/07(金) 20:53:22 |
- URL |
- 松田475 #zcVKCNE.
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