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Author:人生まだまだ
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雨の中、純白な衣装をまとった、貴婦人の様なサギ『鷺』

『春雨じゃ濡れて行こう』などと洒落ていても始まらない、連休二日目の総合公園は、雨は左程の降りではなかったが、風が強く、何度も傘が煽られてお猪口になった。日頃ジョギングする人や、犬の散歩の人の姿も無かった。迎えてくれたのは、入口にでんと構えているクスノキの大木だった。元々この場所にあったのか、総合公園が出来た時に植えられたのか、幹は一抱えもある太さだ。また、入口正面にある、古墳時代に作られた横穴式の『墨小盛田古墳』は、周りにサツキ『皐』が植えられていて、見頃を迎えていた。総合公園を抜けて、谷津田に出て来ると、左右から迫る丘陵は、すっかり緑の木々に覆われて、所々に咲く薄紫色の山藤が、裾模様となっていた。突然足元に飛び出して来たのは、イボガエルだった。イボガエル、ガマガエル、ヒキガエル、呼び名は違うが、皆、同じカエルなのだ。蟇『がま』と言う字が、ヒキとも読める所からガマガエルとヒキガエル、両方の呼び名が付いたようだ。緑の世界の中で、純白のサギ『鷺』は、清らかで、貴婦人の様に美しい姿だった。

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希少価値の高い、銀蘭が咲き始めた。

ある県によっては、絶滅危惧種に指定されている、キンラン『金蘭』、ギンラン『銀蘭』は、まだ我が町では、嬉しい事に毎年見られる。今年もウォーキングコースで沢山のキンランと出会う事が出来た。そして、現在キンランが終わりを告げ始めた時に、今度は、後を追うようにギンラン『笹葉銀蘭』が咲き出した。和名の銀蘭は、黄色の花を咲かせる金蘭に対して、白色の花を咲かせることで銀蘭と呼ばれている。ギンランは、葉より花序は『花序とは、枝上における花の配列状態を言う』高くなるが、ササバギンランは、花序より葉が高くなる。そして、ギンランより全体は大きくなる。花は、いろいろと思考を凝らして、自分の見初めた虫を呼ぶ。誰が教えた訳でもないが、色とりどりに着飾って迎い入れ、子孫を残す手伝いをさせる。なんと花々はしたたかに生きているのか。いや、一方的な利益を受けているわけではない。ちゃんとお礼に蜜を返しているではないか。これで両立した。何と自然は上手く、その摂理を完成させているのでしょうか。自然は、一方的な利益の成り立たない事を教えている。

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燦々と降り注ぐ陽射しを浴びて、薄紫のキリ「桐」の花が咲く

薄紫色の桐の花が咲き始めた。中国を原産地とする桐は、木の材料として軽く、真っすぐで木目が美しいので、箪笥や楽器の琴、下駄、建具などに使われている。子供のころの履物として『桐の下駄』は、日常のものとして使用されていたが、現在では高級下駄として珍重され、不断に履くことは出来なくなった。また、桐の木の成長が早いため、更に、時代をさかのぼると、女の子が生まれると、桐の木を庭に植え、嫁に行くときにその材を使って箪笥を作り、嫁ぎ先に持たせるという習慣があったと聞く。桐の材は、水分を多く含み、火事になっても桐の箪笥に収納したものは燃えないと言われているが、実際はどうなのか分からない。現代の家は、物入れが作り付けになってしまって、箪笥など置く事がなくなってしまったため、桐の材の使用が少なくなり、その結果、桐の種子が飛散して、桐の木は野生化してしまった。キリ『桐』の名前は、木目の美しさを表す『木理』からキリになったという説と、桐は成長が早く、切られてもすぐに芽を出すため、『切る』が転化して桐になったという説もある。また、アオギリ『青桐』、ハリキリ『針桐』など、キリと言う名の付く木が、わが町で見られる。

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あざやかな緑よ、明るい緑よ

あざやかな緑よ、明るい緑よと歌った、小学生だった頃の思い出が、蘇って来るような、爽やかな朝を迎えた。まだ四月の末だったが、『五月晴れ』と呼んでも良い様な、真っ青な空が広がっていた。菜の花が咲く黄色に染る川岸を歩きながら、水ぬるむ流れを覗くと、産卵のため遡上する大きな野鯉の姿が、淀みに重なり合うほど沢山見られた。丘陵に挟まれ、田植えを待つばかりの谷津田に水が張られ、鏡のように光った水面は、周りの景色を映し出し、目の前にシンメトリーの世界を作り出していた。ウグイスの囀りが谷に響き渡り、カエルの合唱は、地鳴りのように聞こえていた。青葉若葉に染まった緑の谷は、生き生きとして、新たな生命を育み、活気づく季節を喜んでいる様に感じた。谷を通り抜けて行く緑の風は、少し汗ばんだ耳元に、初夏の到来を囁いて去って行った。

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俺、見かけは悪いんだが、これでも益虫だよ

いつもの時間に目が覚めたが、いつもの朝より薄暗い感じがして、カーテンを開けると、小雨が降っていたので、それではと、朝飯を食べてから、ウォーキングに出かけることにした。今朝のメインの料理は、卵料理ではなく、昨日採って灰汁抜きしたワラビのお浸し、オカカをかけて、季節の恵みを味わった。ムカデの仲間のゲジ『蚰蜒』って虫を知っていますか。知らない、それでは、毛が濃く太い、ぐしゃぐしゃに生えている眉毛を、ゲジゲジ眉と呼んでいる事は知っていましたか。そうです、この虫の姿に似ていたので、付けられた名前なのです。雨で辺りが湿っぽくしていたので現れたのでしょうか。久しぶりに見つけました。ゲジは、ムカデの仲間と言っても、毒は持っていません。また、ゲジの脚は、15対生えているので、全部で脚は30本あり、細長いので素早く動くことが出来ます。そんなことで、人間にとって害虫のゴキブリを、素早い動きで捕まえて、沢山の脚で羽交い絞めをして捕食します。さらに驚くことは、個眼と呼ばれる小さな目が、1000個もあり、暗闇でもゴキブリが見えると言う。その見た目の気持ち悪さから見つけたら殺したり追い出したり、駆除しては可哀そう、本当は益虫なのだ。帰りがけ、マンションの階段で、死んでしまったのか、動きのないキハラゴマダラヒトリ蛾を見つけた。白い翅に小さな斑模様が特徴の蛾だ。きっと昨夜、階段の外灯の灯りに誘われて飛んで来たのだろう。今朝は、日頃見かけない虫に出会う事が出来た。

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野に山に、フジが咲く美しい季節

今、野道を歩いていると、山藤が木々に絡んで満開に咲き、丘陵の裾を薄紫色に染めていた。日本の固有種の藤は、『野田藤』と呼び、同属にある『山藤』と、同じ藤だと混同されるので、蔓の巻き方で区別をしている。野田藤の蔓は左に巻き、山藤は右に巻く。以前にも話したと思うが、ただ藤と呼ばずに、野田藤と呼ぶのは、藤の名所であった摂津国野田村『現在は大坂市』の地名に由来するものだ。また、野田藤は、花房が長いので棚を吊って、藤棚で作られているものが多く見られる。近くでは、昔から亀戸天神社の藤が有名である。帰りには、葛餅の元祖と呼ばれている『船橋屋』の葛餅を買って来た事を思い出す。食べるものが出たので、藤も若芽や柔らかい若葉、咲き始めの花は食べられる。以前に天ぷら屋で、藤の若芽の天ぷらを食べたことがあるが、ただ季節の珍しいものとして取り上げられているもので、そのものの味は感じられなかった。苗字に『藤原』や、『藤波』などが付けられているが、藤原の苗字は古く、中臣鎌足が天智天皇から賜ったものと言われているものや、藤の花が波打つ姿から『藤波』になったと伝えられている。余談だが、今話題になっているアニメ『鬼滅の刃』で、鬼を殺したり、避けたりする武器としてフジ『藤』の花を使っている。『鬼滅の刃』見ている、見てない。残念だなー。

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山紫水明の景色が美しい季節となりました。

薫風を思わせる爽やかな風が顔を撫でて行く。季節は思っている以上に早く進んでいた。行く手に見える山藤が、見上げるほど大きな杉の木に絡み付き、柔らかな春の日射しに答える様に花開き、霞むような薄紫の衣装を着せていた。春の息吹に生き生きと目覚めた草木が飾る景色は、目に優しかった。今、田起こしの済んだ田に、田植えの準備のために水が張られ、鏡のように光る水面に、緑豊かな景色を、逆さに映していた。まさに、山紫水明の言葉が当てはまるような世界が、目の前に広がっていた。寒さから解放された春の到来を喜ぶ動植物の歓喜は、鳥の囀り、蛙の合唱などに感じられた。田んぼの畦道を歩いていると、元気なカエルの合唱が聞こえてきた。あれっ、あれほど賑やかに聞こえていた合唱が、足音ひとつで、ぴたりと止んだ。足を止め、その場に座り込んで、再び始まる合唱を待った。5,6分ほど経つと、あちこちから鳴き始めたカエルの鳴き声が相まって、一大合唱が開始された。

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花の蜜を求めて、蝶たちが飛び回っていた。

花の蜜を求めて、蝶たちが飛び交っていた。目立つ赤い衣装で虫たちを誘っていたのはツツジの花、早速やって来たのは、ナミアゲハ『並揚羽』だった。一般にアゲハ蝶と呼ばれて、人家の周りでよく見かける蝶だ。ただ、この蝶に似たキアゲハ『黄揚羽』がいるのだが、中々見分けることが難しい。オスがジャコウ『麝香』のような匂いを発するので、ジャコウアゲハと呼ばれている蝶が、西洋タンポポの蜜を求めて、花から花へと飛び回っていて、カメラに収めるのに苦労した。童謡で歌われている蝶として、蝶の代表をするモンシロチョウ『紋白蝶』は、ヒメオドリコソウの蜜を吸っていた。水の綺麗な流れの場所に生息するという二ホンカワトンボを見つけ、偶然にメスとオスをカメラに捉えることが出来た。まだ、このトンボが生息している証拠のあるこの町には、自然が残っていた。

アオジさん、声はすれども、姿は見えず。

アメリカヤマボウシと呼ばれる、ハナミズキ『花水木』が咲く。

アメリカヤマボウシと呼ばれる、ハナミズキ『花水木』が咲く、その名前の付いた通りが家の近くにある。そして現在、白色の花と、所々に赤色の花が咲いている。この花は、北米原産で、日本へは、1912年にワシントンDCに贈ったサクラ『桜』の返礼として贈られた木として有名になった。アメリカの次は、ドイツアヤメの話です。ドイツアヤメをジャーマンアイリスと呼んでいるが、実は、ドイツアヤメは、地中海沿岸原産の花としてあり、ジャーマンアイリスは、ドイツやフランスで、アヤメ属を交雑して品種改良したものであった。ジュウニヒトエ『十二単』と呼ばれる花がある。平安時代の着物を想像させますね。花穂が沢山重なって咲く様子が、十二単を想像させると言う事で付けられた名前なのだ。花の色は、ほかにピンクと白色がある。歩いている道端では、オレンジ色のヒナゲシ『雛芥子』が、爽やかな風に首を振りながら、春を満喫している様子を見せていた。

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春の到来に、鳥たちの動きも活発になって来た。

春の到来に鳥たちの行動も活発になった。花が散り、桜の木に芽吹き始めた若葉を待ちかねた虫たちが、柔らかな葉を咀嚼していた。そして、その虫たちを狙って、今度は鳥たちが『シメ、ヒヨドリ、シジュウカラなど』やって来た。地上では、シロハラが、堆積した枯葉をくちばしで器用に弾きながら、そこに隠れていた虫を啄んでいた。高崎川では、繁殖の季節の到来を迎えた、つがい『番』になった鳥たちが『オシドリ、カルガモ、カイツブリなど』、水ぬるむ水面を気持ちよさそうに泳いでいた。また、キセキレイが、農家の瓦屋根のテッペンに止まり、テリトリーを主張しているのか、お相手を求めて鳴いているのか、甲高い鳴き声を発していた。

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