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Author:人生まだまだ
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丹波竜の巨大な尻尾のような、丘陵の黒い姿。

丘陵の裾の影になった、冷え切った農道を歩いていく。おそらく気温は零下2,3℃だろう。しばらく歩いていると、林の切れた場所で、木立の上から、陽射しが降って来た。見上げると、目が眩むような朝陽が顔を出した。田んぼに伸びていた丘陵の影は、波が引くように陽の当たる部分が迫り来て、影は縮まって行った。丘陵の影の道を抜け、暖かい陽射しが広がった田んぼの土手に出て来ると、チャンバー室『ホテルなどで使用されている大型の冷凍室』から、出て来た時のような、ホッとした気持ちになった。そして、歩いて来た道を振り返って眺めると、黒い影となった丘陵の姿は、兵庫県丹波市で発見された『丹波竜』の巨大な尻尾のように感じた。日向の梅花は、もうすでに五分咲、近くを通ると甘い香りが漂っていた。しかし、陰になっている梅の蕾はまだ固く、この寒波が過ぎるまで、もうしばらく開花は待たれるだろう。

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身の回りで見ることが少なくなってしまった、ススキ『薄』の話です。

ススキ『薄』は、いつでもどこでも見られる身近な植物だった。しかし、最近の土地開発により、住宅地ではほとんど見られなくなってしまった。また、十五夜には月見団子と一緒に、萩の花とススキが供えられたものだが、最近の気候変動が激しく、十五夜の頃は、ススキはまだ穂を出しておらず、十三夜の頃に穂を出している姿を見る。ススキの穂は、動物の尾に見立ててオバナ『尾花』とも呼ばれた。また、カヤ『茅』とも呼ばれ、茅葺き屋根の材料として利用されていた。そして、ススキを刈る場所をカヤバ『茅場』と呼んでいた。そうしたススキが枯れると、落ちぶれた様子をたとえて表現することが多かった。歌でもヒットした野口雨情が作詞し、中山新平が作曲した『船頭小唄』や、さくらと一郎が歌った『昭和枯れすすき』などが有名な演歌があった。かつて、身近にあって何の変哲もない植物のススキが、歌にまで取り上げられていたのだった。道端では、赤く色づいて綺麗だったサルトリイバラの実は落ちぶれ、沢山の実を付けていたヒレタゴボウの実が弾け飛んで、空になった殻だけが残っていた。そして、枯草の世界で、唯一ホトケノザだけは、春を待たずに生き生きと花を咲かせていた。

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寒い季節、鳥たちはどんな生活をしているのだろう。

寒さの中、身近に見られる鳥たちは、食べ物が少なくなった季節、どのような生活をしているだろうか。モズ『百舌鳥』は、『はやにえ(早贄)』と呼ばれる、捕えた獲物を木の枝などに突き刺す習性があることは、有名な事で、餌の少ない冬期の保存食を作る名人芸を見せる鳥だった。しかし、木の枝などにカエルやトカゲ、キリギリスやイナゴなど虫が、突き刺ささっているのを見た事はあるが、それを食べている所は見た事はなかった。総合公園の修景池では、メジロ、シジュウカラ、アオジ、ホオジロ、エナガ、カシラダカなどの姿が見られる。これらの鳥たちは、枯れた葦の葉の付け根に潜む虫を器用にクチバシで引き出し食べていた。また、葦の株の部分に絡みついて枯れているヘクソカズラ『屁糞葛』の蔓に残っている実を摘まんでいた。今朝は、初めて姿をカメラで捉えることが出来た鳥がいた。残念ながら、動きが早くて、ピンボケだったので、はじめウグイス『鶯』か、と思ったのだが、調べているうちに、その鳥の特徴を捉えていた部分があったので、ムシクイ『虫喰』と言うことが分かった。名前の通り、虫を常食としている。餌の少ない冬期は、枯葉の下に隠れている虫や草や木の実などを食べているという。

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強い北風に背中を押されながら、高崎川の堤を歩く。

『天気快晴なれど、寒風強く、身が縮む』、もし、表が暖かく、裏が冷たいそんなもの有り得ないのだが、あったとしたら、まさに昨日は『暖かな』表、今朝はひっくり返して裏を出してしまったような『寒さ』の到来。またまたウォーキングは冬支度。高碕川の堤を歩いていると、勢い良く吹き付けて来る強い北風に、時々足元のバランスを失った。昨日、群れて騒いでいたムクドリ『椋鳥』やカワラヒワ『河原鶸』の姿が無く、枯草に隠れて移動するカシラダカ『頭高』の鳴き声も聞こえてこなかった。いったいどこへ行ってしまったのだ。突然襲って来た、あまりの寒さに、どこかで体を寄せ合って寒さを耐えているのだろうか。そして、指先がかじかんで、シャッターチャンスに、カメラのボタンを思う様に押せなかった。しかし、寒いからと言って、北の雪国の思いを知ったら、寒いなどと言ってはいられない。この時にでも、音も無くモソモソと降り積もる雪に、恐怖と諦めの気持ちの中にいる事だろうな。

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陽射し一杯に降り注ぐ川堤は、春の陽気だった。

今朝は、墨の交差点から、町の一番高い所を走るR296を歩いて総合公園へと向かって歩いて行った。途中の左手、北の方向に顔を向けると、眼下では、まだ静かに眠る密集する住宅があり、その遥か彼方に筑波山の姿が拝めた。道路は、通勤する乗用車の間を、近くの集荷場から吐き出されてくる大型のトラックが、我が物顔で走り去っていた。総合公園へ入って行くと、小盛田古墳の先に立ち並ぶ、杉木立の間から眩しい日射しが、こちらに向かって飛び込んできた。昨日の暖かさで、梅林の花が三分咲きくらいに開花していた。そして今日の気温は、三月並みまで上昇するようなので、さらに開花が進むことだろう。テニスコートがある場所から坂道を下り、修景池を望む、お気に入りの四阿で一休みしてから、更に下り、谷津田の中の道を抜けて、高崎川まで出て来た。陽射し一杯に溢れる川堤は、春が迷い出て来た陽気だった。しかし、明日は、再び非常に強い寒波がやって来ると言う。季節は、朝露が陽射しを受けて湯気となって揺らめくように、寒暖を繰り返し揺らめいていた。

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