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Author:人生まだまだ
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甘い香りに誘われて、ついその気になって

ヨツスジハナカミキリが、いま季節の真ん中に座している花、アジサイを訪れた。恋する人の顔に触れるようにして、優しく花びらに頬刷りをした。甘く香り立つ蜜の味に惹かれ、花の持つ見事なほどの手管に、嵌ってしまう事とも知らず、一途な本能に従って、止まろうとする理性をも欠き、陥ってしまった。まんまと罠に嵌ったカマキリは、そうとは知らずに、甘い蜜を吸い続けていた。手足を持たないものにとっては、自然の摂理で、与えられた美しい容姿と、虫たちを誘う、馥郁とした甘い香りを放ち、受粉し、子孫を残す技を与えられていたのだった。自然界を壊そうとしている開発に反対する。

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曇天の下、蒸し暑い朝に

雨は降ってなかったが、曇天の朝は、何か暗い感じがした。いや、気持ちが曇りがちになると、言ったほうが、相応しいのかもしれない。唯一、気持ちを明るくしてくれたのは、黄金色した『キンシバイ』の花だった。湿度が高いせいか、歩き続けていると、噴き出て来る汗が、いつまでも乾くことは無かった。日頃、通過してゆく休憩所だが、汗をかき続けていると、疲れ方が違うのか、丘陵の中腹と、頂上にある東屋、二か所で休憩をしてしまった。私の背丈ほどに育った、トウモロコシは、シッカリと実を付け、まもなく摘み取る時期を、迎えようとしていた。雨を含んだ、生暖かい風が、谷津田の下から吹きあがってきた。まもなく降り始めそうだった。

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雨の訪問者

雨で煙る丘陵に沿った農道は、ムラサキシキブの甘い花の香りが漂っていた。水たまりをよけながら、雨水が浸み込み、靴下まで濡れてしまった靴の、ぐちょぐちょと言う、足音を聞きながら、歩いていると、ブンと言う音が、したかと思ったら、差している傘に、トンボが止まった。雨降りにも関わらず飛ぶのだろうか。羽の生えた蝶やトンボは、濡れるのを避けて、飛ぶことは無いのだが。余程、降り続く雨に、肝を煎ら出だせたのだろう。それにしても、人なつこいトンボは、今度は、傘をさしている腕に止まった。両目をグルグル回しながら、私の存在を確かめる様子を見せた。腕にしがみついた、トンボの足の感覚は、くすぐったいような、薄かゆいような思いがした。左手で追い払おうとしたが、逃げないでいたので、こんどは、つまんで離そうとしたが、皮膚が引っ張られるほど、しっかり足でつかんでいたので、仕方なく、そのまま歩いていると、飽きてしまったのか、離れて行った。羽が濡れずに、飛んでいけると良いのだが。

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梅雨空は、灰色に染まり

梅雨空全体が、灰色に染まり、さらにその下を流れる黒雲は、水分をたっぷりと含んで、地上に向かって、雨の矢をどこに当てようかと、虎視眈々と狙っていた。湿度が高い割には、遠くに横たわる、丘陵の山並みは、その黒い姿をくっきりと現していた。そして、陽射しのある時は、目の前には、鮮やかな緑のジュウタンを、敷き詰めた様な、田圃が広がっているのだが、今朝は、深緑に沈んでいた。田のあぜ道を通り、丘陵の細い坂道を上り、総合公園の、芝生広場までやってきた。いつもだと、犬の散歩で、何組か出会うのだが、その人影もなく閑散としていた。陽射しを受けると、赤子の手の形をした、緑のモミジ葉になるのだが、見上げると、カンバスに墨絵に描いたような、黒いモミジ葉を見た。

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ジメジメした林の中でうごめくもの

本格的な梅雨に入った朝、ムッする程、湿度の高い、ジメジメした林の中に入って行くと、フワリ、フワリと、黒いものが、浮いていた。ハグロトンボだった。黒い羽の下に光る、玉虫色の胴体が、不気味に見えた。早速、やぶ蚊の歓迎をうけ、腕に止まったり、耳元で、ブーンと羽音を立てて、攻めて来た。茂る木々の葉先から、雨垂れが、時々、ボタボタと差す傘に当たって、音を立て、森閑とした、空気を破った。林の中のうす暗く、湿った世界で、暗躍するものたちがいた。コクロ穴蜂が、姿を見せた。ハグロトンボと同様に、黒い羽をしているので、緑の葉の上に止まらないと、見落としてしまう。次に現れたのは、イオウイロハシリ蜘蛛だ。走り蜘蛛と言うほど、すばしっこく、動作が機敏だったので、シャッターチャンスに苦労した。連射で何とかとらえる事が出来た。なかには、雨を避けて、林の中で、のんびりと、交尾している、コガネムシもいた。

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アマガエルのケロ助と言います

『おはよう』と、迎えてくれたのは、アマガエルの『ケロ助』、裏白の葉の上から、声をかけてきた。ウォーキング、飽きずに続いているね。オタマジャクシの頃から、この道を、通っていくのをいつも見ていたよ。ヘェーそうかい。今は、立派になって、尻尾も取れ一人前のアマガエルだね。などと、想像の世界で会話を交わしてみると実に面白い。こちらをじっと見つめる視線は、はっきりと私の存在を認めていた。おや、今度は、両足を踏ん張り、両手を合わせて、何の仕草なのだろうか、そうか、相撲を取ろうというのだろうか。そう言えば、日本最古の漫画と言われている、『鳥獣人物戯画』の中で、ウサギと相撲を取っていた、カエルがいたよ。ひょっとするとお前の先祖かもしれないな。ずいぶん昔のことを知っているのだね。ケロっと忘れていたよ。ぴょんと、毛色の違ったもう一匹のカエルが、葉の上に現れた。待ち合わせをしていたのか、二匹して、連れ立って飛び去った。後に残された私は、少し寂しくなった。

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爽やかな風を受けながら

爽やかな風を受けながら、青々と稲が茂る、視界の開けたところまで歩いて来て、空を見上げると、雨を呼び寄せるような雲が、南から北へ吸い込まれていた。雨が来る前に、朝食を済ませようと、ねぐらから這い出て来た、虫たちを見つけた。何処から飛び出てきたのか、大型のクワガタが、羽音を立てながら、バランスを崩して、落ちてきて、稲にしがみついた。そばに寄ってみると、ノコギリクワガタだった。子供たちが見つけたら、きっと喜ぶほどの大物だった。そして、注意深くしてないと、ちょっと見落としてしまう虫も見つかった。ナナホシテントウムシは、良く見つけられるが、今朝は、トホシテントウムシと、シロコブゾウムシが見つかった。

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川岸は、アジサイで花化粧

梅雨の晴れ間の続く朝、川岸は、アジサイの花で彩られていた。雨にアジサイ、風情があって、よく似合うと言うが、実際は、爽やかな朝、青空の下で、色とりどりに咲き競うアジサイは、華やかでとても良い。そして、日一日とその彩を変える姿は、目を楽しませてくれる。人によると、アジサイの七変化は、浮気っぽくて嫌いだと言う人もいるが、日々勢いを増して満開になり、やがて色あせながら萎んでゆく、季節の過行く時の流れを見せながら、川堤の景色の変化の一役を買っていた。アジサイの花に魅せられて、やって来るのは、私や、ウォーキングで、通り過ぎて行く人たちだけではない。蝶や、コガネムシ、蜂やアブなど、虫たちも花のファンだった。

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梅雨の晴れ間、丘陵の谷間を歩く

今年の夏至は、嵐の一日だった。明けて今朝は、梅雨の晴れ間を迎えた。丘陵の谷にホトトギスの鳴き声が、響き渡るほど、静寂の世界の中、ムラサキシキブの甘い香りに包まれながら、谷津田の奥へ続く道を、歩いて行く。花は知る限り皆、朝一番香るように思う。田んぼの間を流れる、溝の周りでは、ミゾソバのピンクで可愛い花が咲き始めていた。日陰の道から、陽射しの強い道へ出て来ると、晴れ間を待って、飛び始めたモンシロ蝶が、ヒメジオンの花の蜜を吸いながら、オスとメスが、愛を語りあっていた。陽は、高く昇り、丘陵の谷間一杯に、陽射しが広がった。今日は、暑い日になりそうだ。

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今日は夏至だが、本格的な梅雨入りになるのか

梅雨入りしてこの方、しばらく、雨らしい雨が降らず、空梅雨かと思いきや、天気予報では、梅雨前線が、北上して来て、関東地方は、本格的な雨になると言っていたが、今朝の雨の降りかたは、まだ本降りではなく、シトシトと言った、雨の落ち方だった。厚く幾重にもなった雲は、丘陵の谷を埋めていて、遠くの景色を包み隠していた。総合公園の芝生広場を囲んでいる桜並木は、若葉から、今はしっかりとした青葉にかわり、葉の陰から可愛いサクランボが、顔をのぞかせていた。芝生は、しっとりと露を含み、その上を歩くたびに、ズボンの裾を濡らした。公園の隅で見つけた、イナシロイチゴの実に似た、コウゾの実が、オレンジ色に熟れて、枝先までびっしりと付いていた。触るとすぐに崩れやすい実を、10粒ほど、摘み取ると、口に含んだ。甘酸っぱい味が、口の中に広がっていった。幼い頃に味わった、味覚が蘇った。

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